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第二話 衝撃は予想以上に
初めての経験
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「ごめんね。遅くなったね。それじゃあ行こう」
私は、校門で陽介くんともう一度会い、カフェに向かう。
「先輩って、案外おっちょこちょいなんですね」
「そんなことないよ。今日はたまたま」
私と昨日初めて会って、初めて話すのに私の何を知ってるの、って思ってしまった。
カフェに着いたら、彼の東京感が溢れ出てた。すんなりとテーブル席に案内させてくれて、私に質問してきた。
「先輩ってパンケーキ以外で何か好きなのってありますか?」
メニュー表を渡されて、聞いてくる陽介くんのすごい場慣れ感や年下なのに大人びているのが可愛く見えて仕方がない。
「私は・・・これ食べてみたいかいも」
そうして私が選んだのは、人気ランキングのようなものにも入れてないものの私いの好きなモンブランだ。
「なら、その二つを頼みましょ?」
そう言ってテーブルの端にあるボタンを押して店員さんを呼んだ。
「お待たせいたしました。ご注文はお決まりですか?」
「えっと、このパンケーキとあと、モンブランお願いします」
ここでスラッと言える陽介くんがかっこよく見えて、何だかギャップがすごい。ずっと萌えている自分に赤くなってしまう。
「今更なんですけど、先輩に彼氏とかいたりしますか?」
「ううん、いないよ。自慢じゃないけど、年齢=の非リア歴やで」
私、やばい事まで話してるな。
「良かったぁ、もし彼氏さんがいたら、この状況を知られたら、僕はボッコボコにやられるんだろうなって考えちゃって」
「あらら、そんなに君をボコボコにしてくれるような人は私にはいないかな」
そう言って私たちは笑って今の時間を満喫する。
でも、私の中にはさっき教室で会った彼のことが頭から離れない。
「お待たせいたしました。パンケーキとモンブランになります」
「「ありがとうございます」」
私たちは店員さんにお礼を言って、パンケーキとモンブランを半分にして食べた。
「うわっ、確かにこのパンケーキめっちゃおいしいね」
「先輩の口にあったみたいでよかったです」
彼がニコッて笑う姿に私は心を撃たれた。食べ終わった頃に彼はまた話し始めた。
「先輩の名前って可愛いですよ」
陽介くんが話しかけている時に私の携帯から一通のメールが来た。
「ごめん、用事があるのすっかり忘れてた」
今日の放課後の六時半頃いつもの駅で変な男性と話し合いがあったんだった。
「ごめんね、お題はこれ」
「いや、今日は僕に払わせてください」
「いや、後輩くんに奢られるわけにはいかないよ」
「いいですよ。ここは僕がお薦めしたんですし」
「先輩として、あんまりそれは」
「だったら、今日は僕に奢らせてください。そして、今度先輩が行きたいお店に行きましょ?その時に奢ってください」
「そう?そういうことなら。ごめんね」
「いいですよ。それより、先輩は早く行った方がいいと思いますよ?」
年下なのに私より大人な感じがあって、かっこいいな。
「分かった。ありがと」
私は陽介くんと別れて、駅に向かう。
改札を抜けて下り方面のホームに走り込む。
「ごめん!お待たせ」
「ホントにギリギリだったな。六時には来るって勝手に思ってたから結構待ったよ」
今は六時二十分。私たちの駅に六時半頃着く最後の電車。周りを見てもそこにいたのは真鳳くんだけで、煌太くんと緋奈ちゃんはいなかった。
「あの二人は?」
「あいつらはまだ部活。行きは一緒だけど、帰りはテスト期間くらいしか一緒に帰らないよ」
「そうなんだ。この時間まで、真鳳くんは何してたん?」
教室にいたのは、この真鳳くんただ一人。つまり、この人がシンくん。でも、そんな感じは一切しないから心の中で否定している。それはあの時から思ってて、教室でも彼に声をかけることはなかった。
「俺はずっと教室にいたけど。特にどこかに行くような用事もないし」
「そうだよね・・・」
そう思っていると、アナウンスが聞こえてきてすぐに電車が来た。
「真鳳くんって」
「なぁ、そのくん付け、やめてくんね?あんまくん付けされるの好きじゃないから」
何その『いきなりだけど敬語とか俺には使わなくてもいいよ』的なやつ、上から目線でムカつく。やっぱり、この人がシンくんだなんてありえないよ。きっと偶然偶然。そう思い込んだ。
「真鳳って呼び捨てがいいから」
「なら、うちのこと・・・」
「なんだよ?」
よく考えたら私、この人に名前とか呼ばれた記憶がない。
「俺は名前でも、お前とかでも呼んだことないけど?」
「うちのことは鈴乃って呼んでや、じゃないとうちが変に思われるやろうから」
「そう、分かったよ鈴乃」
彼の言葉のどこかでは面倒なやつとかで思われたんだろうか。
そこからは全くことがなかった。家の最寄りまでの数駅、無言の状態が続くだけ。でも、その駅に着くアナウンスが聞こえて、彼は久しく私に口を開けた。
「鈴乃は基本何も話さなくていいから。あいつが来たら俺が相手する。お前は被害者だってのを他の人にも知らせるためにいて欲しい」
よくわからない、彼の事を自分がどう思っているのかも。
「着いたし、今朝の男覚えてる?」
私はあんな人生で滅多にない事にあったんだから、なかなかそんな人の顔を忘れられるわけがない。
「いねぇな、探してて。俺は電話してみるから」
彼は携帯片手に私にそう言って辺りを探す。
私は緊張して、視界が狭くなって奥の人の顔がよく見えない。
「・・・でねぇな、ってか携帯使われてねぇし。クソが」
急に大声で下品な言葉で周りの人に圧をかけて、こんな人がシンくんな訳ない。
「あっ、すいません」
ふと思えば彼は周りに謝り、冷静さを私に見せた。
「どうする?帰るか?」
「ねぇ、今日教室で何歌ってたん?」
私は教室で声をかけられなかったのに、聞いてしまった。
「あ?いや、なんで?」
恐怖感、今朝とは違うもので、今まで感じた事のないもの、そんなものを感じて私はやっぱり否定したくなった。
「え、いや・・・」
「よく覚えてない」
なんか何とも言えないガッカリ感・・・。
「そんなことないでしょ?」
「俺さ、東京に来た時辺りで、交通事故にあってそれ以前のことは分かんないことが多いんだよね」
衝撃だった。これって、運命的って言うのかな。
私は、校門で陽介くんともう一度会い、カフェに向かう。
「先輩って、案外おっちょこちょいなんですね」
「そんなことないよ。今日はたまたま」
私と昨日初めて会って、初めて話すのに私の何を知ってるの、って思ってしまった。
カフェに着いたら、彼の東京感が溢れ出てた。すんなりとテーブル席に案内させてくれて、私に質問してきた。
「先輩ってパンケーキ以外で何か好きなのってありますか?」
メニュー表を渡されて、聞いてくる陽介くんのすごい場慣れ感や年下なのに大人びているのが可愛く見えて仕方がない。
「私は・・・これ食べてみたいかいも」
そうして私が選んだのは、人気ランキングのようなものにも入れてないものの私いの好きなモンブランだ。
「なら、その二つを頼みましょ?」
そう言ってテーブルの端にあるボタンを押して店員さんを呼んだ。
「お待たせいたしました。ご注文はお決まりですか?」
「えっと、このパンケーキとあと、モンブランお願いします」
ここでスラッと言える陽介くんがかっこよく見えて、何だかギャップがすごい。ずっと萌えている自分に赤くなってしまう。
「今更なんですけど、先輩に彼氏とかいたりしますか?」
「ううん、いないよ。自慢じゃないけど、年齢=の非リア歴やで」
私、やばい事まで話してるな。
「良かったぁ、もし彼氏さんがいたら、この状況を知られたら、僕はボッコボコにやられるんだろうなって考えちゃって」
「あらら、そんなに君をボコボコにしてくれるような人は私にはいないかな」
そう言って私たちは笑って今の時間を満喫する。
でも、私の中にはさっき教室で会った彼のことが頭から離れない。
「お待たせいたしました。パンケーキとモンブランになります」
「「ありがとうございます」」
私たちは店員さんにお礼を言って、パンケーキとモンブランを半分にして食べた。
「うわっ、確かにこのパンケーキめっちゃおいしいね」
「先輩の口にあったみたいでよかったです」
彼がニコッて笑う姿に私は心を撃たれた。食べ終わった頃に彼はまた話し始めた。
「先輩の名前って可愛いですよ」
陽介くんが話しかけている時に私の携帯から一通のメールが来た。
「ごめん、用事があるのすっかり忘れてた」
今日の放課後の六時半頃いつもの駅で変な男性と話し合いがあったんだった。
「ごめんね、お題はこれ」
「いや、今日は僕に払わせてください」
「いや、後輩くんに奢られるわけにはいかないよ」
「いいですよ。ここは僕がお薦めしたんですし」
「先輩として、あんまりそれは」
「だったら、今日は僕に奢らせてください。そして、今度先輩が行きたいお店に行きましょ?その時に奢ってください」
「そう?そういうことなら。ごめんね」
「いいですよ。それより、先輩は早く行った方がいいと思いますよ?」
年下なのに私より大人な感じがあって、かっこいいな。
「分かった。ありがと」
私は陽介くんと別れて、駅に向かう。
改札を抜けて下り方面のホームに走り込む。
「ごめん!お待たせ」
「ホントにギリギリだったな。六時には来るって勝手に思ってたから結構待ったよ」
今は六時二十分。私たちの駅に六時半頃着く最後の電車。周りを見てもそこにいたのは真鳳くんだけで、煌太くんと緋奈ちゃんはいなかった。
「あの二人は?」
「あいつらはまだ部活。行きは一緒だけど、帰りはテスト期間くらいしか一緒に帰らないよ」
「そうなんだ。この時間まで、真鳳くんは何してたん?」
教室にいたのは、この真鳳くんただ一人。つまり、この人がシンくん。でも、そんな感じは一切しないから心の中で否定している。それはあの時から思ってて、教室でも彼に声をかけることはなかった。
「俺はずっと教室にいたけど。特にどこかに行くような用事もないし」
「そうだよね・・・」
そう思っていると、アナウンスが聞こえてきてすぐに電車が来た。
「真鳳くんって」
「なぁ、そのくん付け、やめてくんね?あんまくん付けされるの好きじゃないから」
何その『いきなりだけど敬語とか俺には使わなくてもいいよ』的なやつ、上から目線でムカつく。やっぱり、この人がシンくんだなんてありえないよ。きっと偶然偶然。そう思い込んだ。
「真鳳って呼び捨てがいいから」
「なら、うちのこと・・・」
「なんだよ?」
よく考えたら私、この人に名前とか呼ばれた記憶がない。
「俺は名前でも、お前とかでも呼んだことないけど?」
「うちのことは鈴乃って呼んでや、じゃないとうちが変に思われるやろうから」
「そう、分かったよ鈴乃」
彼の言葉のどこかでは面倒なやつとかで思われたんだろうか。
そこからは全くことがなかった。家の最寄りまでの数駅、無言の状態が続くだけ。でも、その駅に着くアナウンスが聞こえて、彼は久しく私に口を開けた。
「鈴乃は基本何も話さなくていいから。あいつが来たら俺が相手する。お前は被害者だってのを他の人にも知らせるためにいて欲しい」
よくわからない、彼の事を自分がどう思っているのかも。
「着いたし、今朝の男覚えてる?」
私はあんな人生で滅多にない事にあったんだから、なかなかそんな人の顔を忘れられるわけがない。
「いねぇな、探してて。俺は電話してみるから」
彼は携帯片手に私にそう言って辺りを探す。
私は緊張して、視界が狭くなって奥の人の顔がよく見えない。
「・・・でねぇな、ってか携帯使われてねぇし。クソが」
急に大声で下品な言葉で周りの人に圧をかけて、こんな人がシンくんな訳ない。
「あっ、すいません」
ふと思えば彼は周りに謝り、冷静さを私に見せた。
「どうする?帰るか?」
「ねぇ、今日教室で何歌ってたん?」
私は教室で声をかけられなかったのに、聞いてしまった。
「あ?いや、なんで?」
恐怖感、今朝とは違うもので、今まで感じた事のないもの、そんなものを感じて私はやっぱり否定したくなった。
「え、いや・・・」
「よく覚えてない」
なんか何とも言えないガッカリ感・・・。
「そんなことないでしょ?」
「俺さ、東京に来た時辺りで、交通事故にあってそれ以前のことは分かんないことが多いんだよね」
衝撃だった。これって、運命的って言うのかな。
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