彼女は最後にこう言った

桜巫女

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プレゼント

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彼女Ver.



カレンダーを見て、今日が幸二の誕生日
だという事を思い出した私は、
プレゼントを買おうと思い、

「ごめん!急用ができちゃった」

と言って、急いで幸二の家を出た。

その5分後、まさか自分が事故に
あうとは思いもしなかった。

交通事故だった。

走っていたら、いきなり後ろから
クラクションを鳴らされ、
気がついたら道路で頭から血を流し、
全身を強く打っていて、
私は動けない状態になっていた。

運転手が下りて来て、
必死に何かを言っていたけど…
もうその時には考える力が
無くなってきていた。

その時、生きる気力が無くなった訳でも
諦めた訳でもないけど、
(あぁ…私 死ぬんだ。)
って、なんとなくわかっちゃったんだ。

そこから記憶が無いから、
やっぱりそこで死んじゃったんだね。

死んだ後に天国に行くか、
現世に残るか選ぶ事ができるんだけど、
かなり迷った末、私は天国に行くことにした。

だけど、私の心残りが強すぎて
なかなか成仏ができないらしく、

「2日後の17時から24時間だけ
生き返らせます。
貴方の無念を晴らしてきなさい。」

って神様に言われて、
24時間だけだとしても凄く嬉しくて、

(また幸二に会える…!)

そう思うと涙が止まらなかった。

―――――――――――――――

2日が経って、私はカバンの中に
プレゼントがある事を思い出して、

フワフワと浮きながら
自分の家へと向かった。

家の中に入ると、そこには
遺体の私と家族、友達、
そして幸二がいた。

(そっか、明日がお葬式だから最後に
みんな私の顔を見に来たんだ…)

「俺…お前に何もしてやれなかった。」

涙を流しながら私の遺体を見て言う
幸二に胸が痛くなった。

(ううん、そんな事ないよ。
むしろいつもして貰ってばっかりで…)

そんな事を思っているうちに、
幸二が私の額にキスをしていた。

(っ!えぇ?!)

私は突然の事で顔が熱くなった。
勿論、遺体は何も変化しないけども。

ふと時計を見ると16時になっていた。

(あと1時間…)

何しようかと考えた時、
私はカバンを探さなければいけない
という事を思い出した。

──────30分後──────

(……あった!!)

30分かけて探したカバンの中には
ちゃんとプレゼントが入っていた。

(はぁ~…よかったー!後は待つだけ…)

神様によると、時間になると勝手に魂が
遺体に入っていくらしい。

1分前になると、私はカバンを持って
自分の遺体の前に来た。

(心残り…無くなるといいな)

17時になる瞬間、
私の遺体は白い光に包まれ、みんなが
注目する中、私は目を覚ました。
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