[R18]優しいママも男でした

白峰楓

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私とママ。

衣の街の“なんでも屋”。

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夕飯の残りのサンドイッチを食べた私達は、出掛ける準備をしていた。私の服は、ママが洗濯をしてくれたみたいで、すっかり乾いていた。ママに色々して貰って申し訳ないです。でも、これでノーパンノーブラともおさらばだ。ママのお金を使って申し訳ないけど、下着と、最低限の服と、それから少しの生活用品を買い揃えて貰おう。


「ユーリちゃん、準備は出来たかしら。さ、この扉を潜って、服を買いに行くわよ!」


気合の入ってるママ、可愛いですな。
ど◯で◯ドア的なピンクのドアではなく、ハニエルに突き落とされた、不思議な模様のような、文字のようなものが描かれてる扉が、目の前にある。どうしてここにあるかは分からないけど、この扉を見ると、昨日の体験を思い出して寒気がするな、、。飛行機から落とされたらあんな気分なのかも。通るのも少し嫌だと思ってしまう。


「ノースさんに連れて行って貰わないの??」


「残念だけど、連れて行けないのよねぇ。これから行く場所は、ノースが隠れる場所がないのよ。食の街はいい場所があるから、いいんだけど。民を驚かす訳にもいかないでしょ??だから、私の魔法で移動よ」


なるほど、、。ん??魔法??魔法ってあの魔法??物を動かすことが出来るとか、手から炎を出せるとかそういう系の魔法??それに、、


「この扉って、ママが作ったの??」


「そうね、、作ったというか出したというか、、?
ママは、あんまり魔法が得意じゃないんだけど、、移動魔法だけは、絶対使えるようにならなきゃ行けなくてね。こういう簡単なのは出来るんだけど。」


「え!?すごい!!」


そう言うとママは、手の中に炎を出した。熱くないのかなとも思うけど、私は目の前の状況に感動している。


「ふふ、ありがとう。服選ぶ時間も無くなっちゃうし、行きましょ。」


ママが差し出した手を取り、二人で扉を潜る。


私が生きてきた世界は魔法なんて存在しない、つまらない世界だったんだと改めて思う。
三次元には興味がなく、二次元に没頭してた私にとっては現状がご褒美でしかない。


そういえば、この世界のこと何も知らないなぁ。ママとか、ママの同僚の方みたいな人間もいれば、お客様の妖精さんもいるし、ジャックさんとかルファスさんは、、、妖精なのかな??
食べるものも、ファンタジーに出てきそうな物ばっかりだし。ノースさんはドラゴンだし、、。
もっと異世界系の漫画を見て、ゲームしとけば良かった。二次元は好きだけど、全体が好きなのであって、個々の事まではあんまり詳しくはないのが悔やまれる。


ママは職業柄、移動魔法を使わなきゃいけないのかな??剣士って大変なんだな、、、何と闘うんだろう?

私の知らないママがまだまだ沢山ある。それを知るたびに少しずつママに近づけてる気がした。



----------------------------


扉を潜った先、そこは色取り取りの可愛らしい街だった。名は、“衣の街”。食の街のレンガ調とは違い、街並みに角が少ない。洋瓦の屋根が立ち並び、御伽噺の中にいる様な気分になる。

平日はスーツ、休日はスエットの私には縁がない場所。私なんかがこんな場所にいてもいいのだろうか。そんな気持ちも、お店に辿り着くまでに消えていた。


----------------------------


“なんでも屋”。見た事のある看板が目の前にある。だけど、食の街で見た物よりも全体的にポップで可愛らしい。マカロンカラーの大きな屋敷の様な建物に、私達は入っていく。


「クイーン、服を買いに来たんだけど」



「エデンのママじゃ~ん。いらっしゃ~い。お、その子が噂の、、、ジャックから聞いてる~。ユーリちゃん、こんにちは~。ウチ、ジャックの姉のクイーンって言うの~。ここ“なんでも屋”の店主やってます~。よろしゅう~」


「あ、初めまして。ユーリです。」


背丈は私より少し高いぐらいの猫耳の生えたクイーンさん。しかし、姉弟でここまで似るのだろうかってぐらい顔がそっくりだ。違うのは色ぐらいで、黒白なジャックさんに対して、クイーンさんは茶色と白色だ。頭には、大きな赤色のリボンがついていて、お揃いのワンピースが可愛らしい。


「ジャックから聞いてるなら、話は早いわね。」


「ママは相変わらずのお人好しだな~。にしても、ユーリちゃんめっちゃ可愛いなぁ~。ママもこんな子拾って幸せやろ~??」


クイーンさんが私の頭を撫でる。


「そ、そうね。」


ママの顔が少し赤くなる。そっか、幸せか、、うふふ。思わず、頬が緩みそうになる。


「ははぁ~ん。なるほどねぇ~。ママ、ユーリちゃん。ゆっくり見てってなぁ~」


クイーンさんはそう言うと、店の中の中にある椅子に座って雑誌を読み始めた。
服を眺めてて、話しかけられるのが苦手な私にとって、こういう接客はありがたい。

お店の中を見回すと、色んな品揃えの服がある。可愛らしいロリータや、カジュアル系の服、、、、後は何て言うんだっけ。百貨店の集まってるショップを一つにまとめましたって感じだ。

どうしよう、、、服を買うのは久しぶりだから、どんなの選んだらいいのかわからない。ジャージは、、流石に無い。ママと一緒に暮らしてるんだから、まともな服装がいいのかな。でも、女っぽいのも、ママを意識してるみたいで恥ずかしいし、、。

チラッとママを見ると、どうぞ、好きなの選んでねって感じだった。


「ふふ、ユーリちゃん、何選んだらいいのかわからないのね~。そう言う時は声かけてくれたらいいんだけど、遠慮しちゃうの~??」


「あ、、はい。すみません。」


「控えめなのも可愛いね~。こういう時に、ママはリードしてあげられんのやなぁ~」


クイーンさんはそっと私の頭を撫でる。ママには少し辛口だ。


「、、、私、こんな事初めてだもの。それにユーリちゃんの好みだって知らないし、、」


「相変わらずのヘタレだな~。そんなんじゃ、ユーリちゃん、他の男に取られちゃうぞ~??女の子は男にリードされるとキュンってするんやで~」


「他の男に、、、。」


ママは思い詰めた様な顔をし始めた。ははは、私が他の男に取られるとか、そんなわけ無いじゃん。そもそも、そんな事になる程モテてないし。心配しなくたって、ママの子だよ~なんて、言える空気では無い。


「固まってしまったママは置いといて~。今日のママの服装的に、、、ユーリちゃん、こういうワンピースはどう??」


そういうと、クイーンさんは控えめだけど、可愛らしいワンピースを差し出した。見た事のない刺繍が、袖の部分に施されていて、装飾も派手じゃ無い。ピンク色もいいけれど、水色も捨てがたいなぁ。


「可愛い!!ママ、どっちの色が似合う?」


「どっちも似合うと思うけど、、私はピンク色の方が好きかしら。」


ママは、さっきまで固まっていたけれど、私の問いかけにはしっかり答えてくれた。


「いいね、いいね~。その調子で、服選んでくれる~??その他は、こっちでチョイスしとくから、後で私のところに来てね~」


その後、ママと店内を見て周り、ワンピース、スカート、ブラウス、靴、バッグ、、、などなど一式買い揃えてしまったのでした。
ママの服も買ったけど、やっぱりイケメンは何着ても似合うんです。



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