[R18]優しいママも男でした

白峰楓

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私と恋人。

不安な気持ちも、私が消してあげられるかな。

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「きゃっ!?」


パリーンと高い音が、BARの方から響いた。久しぶりに甲高い悲鳴をあげた気がする。そんな声が出た事にも、そんな音が聞こえてきた事にもびっくりした。


何かあったのだろうか、不安で声を掛けることにした。


「マ、ママ、、??だ、大丈夫なの??」


少しだけBARの方を覗いてみると、ママとばっちり目があった。酔っているのか顔が赤くて、いつもより色男だ。見える、見えるぞ!!魅惑のピンクオーラが!!もしかして、、私だけが見える特殊能力!?、、いや、妄想なんだけども。


しかし、なんだか、、ママは、、欲情してる時と同じ顔をしているような気がする。私を欲情させてしまう、罪深い瞳。心までも鷲掴みされそうで、苦しくなる。だけど、それが心地良くて、ママに独占欲されているようで安心する。


そんな事を思っていたら、ママがこちらに近づき、カウンターを軽々と飛び越え、私を隠すように抱き締めた。びっくりして声を上げそうになったけれど、ママの優しいけれど力強い腕が、黙っててって言ってるようで、息と共に言葉も押し込める。

強いウイスキーの香りの中に、隠せないママの優しい香りがする。いつもよりも沢山飲んだのだろう。ママの身体は熱くて、私までもその熱に溺れそうだ。同僚がいるのに、このまま二人でとろけてしまいたい。私の中のエロい気持ちが、少しだけ出てきた。

今日は抱いてくれるかな。一昨日いっぱいしちゃったからって、昨日はおあずけだったから、、、。


「ユーリは、俺のだから。」


「ぇ、、ぁっ、、」


不意打ちに、ムラムラが増す。奥がキュンとして、妄想から現実に引き戻される。ママからユーリと呼ばれたのは初めてだ。それに、今のママはジフリールさんで、、、。しかも、俺のだって言われちゃった。こんなイケメンに独占されて、正気でいられる訳ない。ドキドキが酷くなって、胸が苦しい。



「あのジフリールが、、。」


「カマエル、失礼しちゃうわ。」


「はっ、俺様達に、見せ付けてくれるじゃねぇか。」


「ユーリちゃんに手を出したら、下半身はないわよ、相棒。」


「いいねぇ、、美味しいつまみだよ。」


「ウリエルは飲み過ぎ。二日酔いになればいいのよ。」


はぁ、とママは深く溜息をついた。


「、、、もう十分飲んだでしょ、早く帰って欲しいんだけど。」



明らかに、声色が不機嫌なママ。私を抱き締めている腕の力は、弱まる事はなく、ママの暖かさが私に染み込んでいく。


「そうだな、目的は達成したし。そろそろ俺様は撤収するかなーっと。」


「んじゃ、俺らも帰るか。」


「そうだな。」


「なぁ、ジフリール。また一週間後に俺様は来るぞ。その時まで、女に飽きられない様に頑張れよっと」



人の気配が消え、静か空気が辺りを包む。BARには、私とママだけなのだろうか。ママの腕の力も徐々に緩んできて、眠気を誘う光が、私の目に映り込んできた。
私の身体から、腕や身体が離れ、ママはカウンターにある椅子に座った。ここは、ママだけが座れる特等席。ペンダントライトが、ママの目の前を照らして、哀愁漂う空気を生み出す。


「ユーリちゃん、みっともない姿、見せてごめん。」



「ん?何の事??」



「俺のだなんて、、余裕ないわよね。ユーリちゃんの事になると、どうしても、、」


シュンと落ち込みママは、小さい子供の様で可愛らしい。頭を撫でると、悲しそうな、辛そうな瞳と目が合う。その瞳に、私の胸は締め付けられた。

ねぇ、ママ。恋人から独り占めしたいって思われてる事に、嬉しいと感じない人なんて、居ないと思うんだけど。
私は、ママに独占したいって気持ちがあって嬉しいよ。それだけ、私の事思ってくれてるって事でしょ?


「ユーリちゃん、、、俺の事、飽きない?」


「ジフリールさん」


項垂れた頭を、私の腕と胸の中に閉じ込める。ワックスで固められた髪を、溶かしていく様に撫でる。もうお仕事終わったでしょ?私だけの、ママを見せて。


「っ、、」


安心して、私は何処にも行かないし、ママの側に居たいんだよ。それに、こんな素敵な恋人飽きる訳がない。私の事を守ってくれて、私の事を好きでいてくれて、私が初めて触れられる相手を好きになったんだから。


「飽きる訳ないでしょ?私は、記憶を思い出しても、ジフリールさんの側に居たいって言ったの、忘れちゃった?私も、こんなに好きになったの初めてだから、不安になる事もあるけど、、。でも、ママが思ってる以上に、私はジフリールさんの事が好きだよ。」


そう言うと、ママの腕が私の身体に回って強く引き寄せられた。さっきは、私の事を抱き締めていたのに、今は立場逆転だ。


「ジフリールさんの事、私で満たしたいな。」


私だって、みんなのママを独占したいよ。ママの周りに女が取り巻いてたら、凄い嫉妬すると思うし、辛いと思う。ママの気持ちは、ママ一人で抱え込まなくていいんだよ。


「ごめん。ユーリちゃん、ありがとう。」


腕の力が緩まり、ママは私の身体から頭を離した。私の顔を見上げたママは、まだ少し不安そうな色を残して、だけども嬉しそうに笑った。








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