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とある人物が歩んできた道 ~時は解決しない~

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この2年で、一体全体どんな進展があるのかな?気になるよねー?
乙女ちゃんと坊や、っていっても、もう、少年って雰囲気が抜けてきているけれど、坊やはまだまだ、ね?っふ、卒業していないのであれば坊やだもの。

まぁその二人が、実はすっごい進展していてびっくりなんだけど!!

まずね、この間、見ちゃったのよ!商人が運んできた商品を並べたキャラバン露店で仲良く買い物してたの!!私服で!!
手は握っていなかったけど、あの仲睦まじい姿はもう、ね、あまずっぺぇわぁ、見てみて羨ましいなんて思うことなく素直に祝福したよ。

これはもう逢引!デート!お買い物ラブラブデート!陰で付き合ってんでしょ?おばさんわかってんだからぁ!…だれがおばはんや!!

順調そうなのに、いったい、何を相談したいのだろうか?

私専用の研究室で研究をしながら待ってるとコンコンっとノックされる、こんな丁寧なノックの時点ですぐにわかる、乙女ちゃんしかいないわけで、立ち上がってどうぞーっとドアの外に声をかけ、紅茶でも入れようとお湯を沸かす。
ドアノブをゆっくりと動かしてスーっと丁寧にドアを開け
「し、失礼します」
乙女ちゃんが小さく消えていしまいそうな声と共にゆっくりと入ってくる。

相変わらず声は、か細い、もう2年も定期的にここに来てるのに、まだ馴れないのかな?

いつもの場所に座っていいのかチラチラとこっちを見てくるので座っていいからね、今お茶をいれるからっというとコクンっと頷いて座った
本当に礼儀正しいお嬢様ですこと、許しがないと座らないなんて、この街で、それが出来るのは貴女だけよー、もっとがさつになりなさい。

紅茶を入れて、一口飲んで、もじもじと、している仕草をみると、本当に可愛らく感じる、この可愛さがあれば、あんな坊やなんてすぐにでも陥落しそうなのに、何が引っかかってるのだろうか?
そりゃ、経験と度胸か、、、この年齢だものね、仕方がないし、乙女ちゃんはかなり拗らせている感じがするし、坊やに至ってはあいつおっぱい大好きマンだろ?視線で感じるのよね…

乙女ちゃんはこの2年で成長したのか?何処かだって?わかってんでしょー話の流れで!!

残念ながら昨年から変化なしです、2年前から見るとそりゃ、多少はね?大きくなったけど、誤差じゃんってレベル、これを言うと確実に切り刻まれるので禁句ね?

っは!?まさか、相談ってあれ?王都発行の医療雑誌に書かれている大貴族たちが大金を叩いてする人体改造術!?胸を増量するあれか?あれをお願いされるのか!?
…できる自信がないし、机上の空論もええとこやんって鼻で笑ってた内容なんですけど?リスクしかないよ?戦士としての寿命削り切る可能性たっかいよ?

そんなことを考えながら乙女ちゃんが話始めるまでの間ゆっくりと紅茶を飲んだり、研究資料に目を通していると、意を決したのか話始める相談内容は

「戦士長が長期休みをくれたんだけど、どうしたらいいのかわからないんです!」
???はい???
あ、恋の悩みじゃないの?ん?あたしゃーこの子の休日の相談もせなあかんのかぇ?
返答に悩んでいると
「彼も同じ期間休みなんです!!」
っは!!そういうことか!!この長期休みを使って、いくのか!大人の世界に!!ぇ?告白もしてないのに段階飛ばしすぎやって?それは、私も思った。

期間は驚きの一週間
一週間!?すごいな、そんなに休みをくれるなんて、戦士の部は本当に安定しているってことか、まぁ、つい先週に二足歩行ぶち殺したばかりだから、当分は大物は出ないと判断したのかな?
そこからもう、デートプランを徹底的に隙のないように組んでいく!
王都まで乗り合いの場所に乗せてもらって!王都での寝泊まりはどうするの問題だけど、実家に連れ込んじゃえばいい!ぇ?ぁ、そうか、坊やも王都出身だったから、自分の実家に帰るか、ううぅむ、ちょっと坊やを捕まえて実家に顔を出させるようにしとくか。

三日ほどは、王都で二人でラブラブデートして!三日目の夜に、坊やから告白させれば最高!…なんだけど、ぇ?勇気が出ない?三日も二人っきりで過ごす勇気がない?

…そこかぁ、もう2年も経つのに、まだそこのラインかぁ…

そこからはもう、出来る限りの実現可能なプランを作り出してお開きとなった

初心過ぎる、奥手すぎるよ!いや、淑女としては正しいよ?正しいけど、もっとがっつかないと!男なんてエロの塊なんだから!そこを攻めて既成事実作っちまえばこっちのもんだってのに!
待て冷静に判断するのよ、私!誰が言ったか知らないが恋の伝道師!この難問に答えを導き出すのよ!!

うん、冷静に考えると、16歳が使う手段じゃないか?いや待て!思い出せ!貴族たちが通う学校で起きた出来事を!!
うん、うん!!…そんなことないわ、普通に周りにいたわ、16歳で色仕掛けとか、夜這いを使って側室入りしてた人達、普通にめちゃくちゃいたわ…
若さは武器って教わったわ…

ってなればよ!ピュアすぎるってのも、奥手すぎるってのも、過去の思い出が足かせになっているっていうのも、考えものねぇ…

っふ、その点、私は確実に進展してますからね!一緒にしないでもらいたいわ!

…ぇ?二人っきりでデートしたことあるのかって?あるじゃない!定例会議の後に相談してくれたりするじゃない!歴史書を紐解いて軍法会議も二人っきりでしてるじゃない!

ぇ?仕事内容じゃないのそれって?…ぇ、…ぁ、…ぇぁ?・・・・


…あいびきよ!誰がなんと言おうと逢引なんですぅ!!デートなの!私がデートだって思えばデートなの!!!大人のデートがこれなのよ!!!二人っきりで何かしてればデートなんですぅ!!!
一緒に気軽に飲みに行ける雰囲気の良いバーが無いのが悪いの!食堂で飲む葡萄酒は違うの!雰囲気がないのぉ!部屋に持って行って二人きりっで飲みたいけど、誘ってもきてくれないのぉ!!
商人から、良いお酒、融通していただいたんですぅ、一緒に飲みませんか?を何回もしてるけど!飲むのなら大勢でここで飲みましょうっで逃げられるの!!!
お酒に強い騎士様をよい潰そうとしたけど!潰れる気配がしないの!!なにあれぇ、なんで度数の高い瓶を3本も空っぽにして平気な顔をしてるのぉ?
酔ったふりをして、太ももとか、肩とかにめっちゃボディタッチしてるのに乗ってこないし!!淑女としてのプライドが砕け散るのよ!!!

はぁ、過去の過ちは置いといて、せっかく得たこの情報を使わない手はないよねぇ?
邪悪な笑みを浮かべながら次の一手へと動き出す。

まぁ、この話を聞いたからこそできる一手を使わせていただこうかしら!!
まずは、坊やを捕まえて休みについて問い詰める、どうせ、この時間は飯食ってんでしょ

ささっと食堂に向かっていき、食堂のドアを開けて中を覗くといるいる。
食堂でのほほんとしているので、隣に座って、挨拶をして、すぐさま直球で休みはどうするのか詰め寄る

頬を染めるってことは、あれかぁ?お互い意識してんのかぁ?ぁ、ちげぇわ、私の谷間みとるわこいつ…

おでこをペシっと叩いて、乙女ちゃんが実家のある王都に行くみたいだから、同僚として、同期として、同郷として、一緒に行動してあげたらって言うと
視線を目の前にあるテーブルに向け、少し悩んでいる様子だった、その仕草から先ほどの頬を染めた反応から察する。

ぁ、こいつもしかして、休みだから私と一緒に大人の遊びに誘ってもらえると淡い期待を抱いたのか?ったく、ほらね?男はエロしか考えてないんだって。

その後はポツリポツリと悩みを打ち明けてくれるのはいいんだけど、思っていた以上に真剣な内容だったわ。

師匠から休みをもらったのはいいんだけど、休んでもいいのかと?もっともっと鍛錬に時間を割いて遊んでいる暇なんか、ないんじゃないかって
乙女ちゃんには、すごい感謝もしている、彼女の剣捌きから得るものが大きかった、年齢も近いし、ここにいる人たちって全員が、年齢が上の方達ばかりで、居場所がないなぁ思っていたけど、年齢が近い人がいるだけでも、何処か救われている部分があるのを感じている。
因みに、だけど、乙女ちゃんのことは異性として好き?って聞くと耳まで真っ赤にしてたので、答えはなかったけどかなり意識はしてるみたいじゃないの!!いいじゃない!両想いじゃない!!

後はきっかけか

なら、答えは簡単、行くべきじゃない。

坊やに諭すように
一度、王都に帰って自分がしたいこと、目指す先が何なのか自分の原点に向き合って再度確認してきなさい、戦場で悩むと死につながる、迷いと向き合ってきなさい。
感謝している人物に恩を返すチャンスじゃないの、一緒に王都について行ってあげなさい、ぇ?自分なんかと一緒にいっても楽しくないだろうって?卑下するんじゃないの!
一人旅よりも、普段からずっと行動を共にしている人がいるほうが落ち着けるでしょ?いくら、安全になったからっていっても!まだまだ、安心安全じゃないの!傍にいてあげな!

説得すると、坊やも久しぶりに爺様に会いに行くのも悪くないかって言ってたから気になったので、誰なのか聞いてみると
孤児だった自分たちを育ててくれている爺さんがいて、俺らからは爺様って呼ばれている人がいるんだって、
その人も、昔はこの街で戦士として戦って、稼いで、そのお金で孤児院を開いて、俺みたいな戦いの才能があるやつを鍛えて死の街に送り出すのを使命にしている

その人の英雄譚が自分にとっての原点だから、俺も大きくなったし、大人になってから話したいあれやこれもあるって言ってたからついでに聞いてみるよ!

…ほぉん?最後のフレーズがそこはかとなく嫌な予感がするけど、まぁ、戦士としての覚悟とかそのたぐいの話だと信じよう。

そして、当日は二人並んで王都に向かう乗り合いの場所に乗って出かけていきました!っふっふっふっふっふ、邪魔ものさえいなければ!騎士様に夜のお誘いがしやすいってもんじゃい!このチャンスは逃さねぇぜぇ?

舌なめずりをしながら騎士様に会いに行くと

遠征でいなかった…ですよねー…あの二人が抜けた分は騎士様が踏ん張るよねー…知ってたぁ…
遠征かぁ、私も行きたいなぁ…いけるようにすればいいんじゃね?現地で医療班も活動すればいいんじゃね?っていうか、昔は普通について行ってたよね?そんな記述あったよね?
そうと決まれば先輩にかっくにんだ!DADADADA!!!

先輩に尋ねたところ、今も新人で現場研修の一環で出てるぞ、なんで把握してないだと怒られちった、てへ☆彡

私が行ったことがない理由が、医療班を兼任しつつの研究職だったから行かなかっただけで、
新人とか、医療がどういうものなのかを、現場で肌で感じるのも大事ってことで、敵のことを知ったりケガの主な内容を現場で見て感じるのが大事ってことで新人は現場研修として戦士達と一緒に外に放り出されるのか。
なるほどね、言われてみれば、そんなニュアンスの話を何処かで聞いたことがあるような無いような?

とりあえず、先輩を説得して、一日だけ!騎士様と一緒に外での経験を積んできてもいいという許可が下りたので!騎士様が帰ってきたらお願いしてみよう!!

ぐへへ、初の合体が野外なんて通じゃねぇかぐへへ…

二日後に帰ってきた騎士様にお願いすると、快く快諾!っしゃぁ!!次の日にさっそく出るので準備はしておいてくださいねっとまっかせて!!
その日の夜はもう目が覚めて興奮がとまらんかったので薬を一服服用して、すやぁっと意識を闇に落としました。

そして、旅立つ!朝!!旅立つのは!

私と巨躯の女性…だけ…

ぁれぇ?騎士様はぁ?ぇ?騎士様は別部隊?はぁ、そう…そう…です…よねぇ…
その日は丸一日、巨躯の女性と一緒に行動を共にして敵情視察をメインで動く、あんたそんな、でぇっけぇなりなのに、隠れるの上手ねぇ、遠くから見たら何処に貴女がいるのかわからないくらい草原に同化するし、林の中に気配を溶け込ますのねぇ、ほぇぇ

敵がこちらに気が付かないうちにさっと、素手で〆る辺り、相当、手慣れてるねぇ…あら、火を起こすのも手慣れているじゃないの、私も一応、火をつけるための魔道具をもってきていますわよ?ぇ?魔道具は魔力を検知する敵がいるから極力つかわない?ほぇえぇ

ご飯はどうするの?すっと取り出される丸い物質
ぁ、見るだけで、その味を思い出す、うげぇ、これ?やっぱりこれ?医療班と研究塔が一緒に開発したとされる丸薬、こぶし大のこれを食すことで人間が生きるための一日の栄養素が詰まっている、味と食感は二の次のやつ!

しょうがないよね、こんな状況、いつどこで敵が襲ってくるかもわからない場所で食事なんてこれ以外、ありえないよね!

いつか、いつか革命してやる!この現状をかえてやるぅ!

って熱意がある人が来ることを祈ろう、私が出来るのは丸薬の改良ぐらいかなぁ?うん、じゃりじゃりする、心を灰色にすれば何も感じないから大丈夫…まっずぅ…おぇえぇぇ

これはこれで、貴重な経験だわ、こんな糞まずい飯を騎士様が何年も耐えて食べていたという現実を知れた!改良して褒めてもらうためにも知れたのはでかい!!…お口直しが欲しい…
巨躯の女性はこの味はどうなの?ってきくと過去にもっとまずいものを口に入れたことがあるみたいでそれを思い出せば食べれる…貴女も、結構お辛い過去がおありなの?かわいそうに、畜産の旦那に会ったら美味しいご飯を寄こすように伝えておきますか。

…畜産の旦那で思い出したぁ!!この二人って今どうなってるの!?すっかり忘れてた!!
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