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とある人物達が歩んできた道 ~ 栄える ~

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いやーほんっと時間が過ぎていくのって速いわよね~…もう一か月か~、一か月も経ったのよね~、思い返せば思い返すほど、この一か月も激動の日々だったわ。
激動とは言ったけれども、特に大きな事件は無いわよ?誰かが死んだり、王都が燃えたり、王様が崩御なされるとかそういうのは一切ないわよ?すっごく平和、人型も攻めてこないもの。

でもね、街における変化は、かなりのものよ?一か月でこんなに変わっていくの?ってくらい、過去類を見ない程の速度で変化していってるわよ。

まずね~驚きの変化として人が増えたのよ、それだけだと大した変化じゃないと思うでしょ?違うのよ、事の経緯を言うとね。
新しい財源を生み出す、その作業をする人を確保する為に…作業をする従業員が増えたのよ。
ええ、そうよ、文字通りの意味よ、それ以外の意味はないわ。

この意味がどれだけ偉業なのか、街に長年、関わり続けている人だったら驚きの連続よ、ごく普通の何もない人がこの死の大地に近い場所で働くなんて今までだと考えれないことなのよ。この街にやってくる人なんて何かしら意図や、意志があるのよ、騎士様みたいに遂行な目的を持っている人もいれば、王都から多額の報酬を貰って監督したり、闘いに参加したりするような特殊な人じゃないと自らこの街に命を捧げに来ないもの…

まぁ、死の街とはいえ、めちゃくちゃ安全な遠い場所だけどね、それでも、誰も近寄りたくない場所だもの、だって、私達の街が決壊したらいの一番に獣達に殺される場所よ?
誰だって死ぬのは怖いものよ、でも、それすらも受け入れた人たちを上手いこと雇用したのよね。
なので当然場所は畜産エリアの近くよ、その近くに許可をもらって工場区域が爆誕したわ。ええ、勿論、この街付近は王都の管轄よ、当然、王様の許可も頂いてるわよ?

そして、工場の近くっと言うか、隣接した箇所に人が住む為のエリアも作ったのよ。
新しく人が増える、小さな町のようなものが出来たという事は、畜産の旦那からすれば、新しい取引先が増えたって、ことになるのよ、当然、大喜びよ…

大きな変化でしょ?新しい人が増えて、新しい産業が生まれて、主に、闘うだけしか稼ぐ方法が無かった私達よ?すごいじゃない…


新しいエリアを開拓したり、施設をどうするのかって話をした後に会議室から病棟へと移動していると声を掛けられたのよ、久しぶりの人にね。
ええ、そうよ、財務の人よ。
久しぶりに帰ってきて私に会うなり「他に何か売れるものがないですか」って満面の笑みで声を掛けてくるけどね、貴方ね~帰ってきた一言が!第一声がそれってどうなのよ?まぁ、そりゃ、貴方からしたら、この街は、出先の取引先みたいな感覚かもしれないけれど、私は、貴方の事を、この街の仲間だと思っているのよ?

それに、私よりも姫ちゃんに話を聞きに行く方が速いんじゃないのかしら?そんなつれない挨拶をするくらいの人を相手するよりも直接向かったらどう?私が、姫ちゃんの研究全て把握していると思って?できるわけないじゃない。把握していない研究物で何か売れるものがあるかなんて、知るわけないじゃない。
取り合えず、この成金馬鹿を姫ちゃんのいる場所に連れて行きますか。

研究塔の姫ちゃん専用スペース、私が勝手に研究塔の一部を占拠したように、姫ちゃんも同じように私の隣に勝手に作業スペースを構築して場所をぶんどったのよね。
そこで、作業している姫ちゃんに声を掛けると「あ!!やっと帰ってきた!遊んでたの?」眉をちょこっとだけキュっと力を入れた不満顔で久しぶりに顔を出してきた人にストレートに遊んでないで早く帰って来いよっという不満をぶつける辺り、もう帰ってこないかもっていう心配をしていたのかしら?

お母さんあれだしてっと木箱に向かって指を指すけど、貴女、私の事を召使か何かと勘違いしていないでしょうね?

言われたとおりに木箱を運ぶけれど、一人では持てない程、重かったので、財務の人にも手伝わせて、運び、中を開けると大量の魔道具が出てくる…
髪の毛を乾かすための暖かい風が吹く魔道具、声を大きくするための魔道具、音を保存する魔道具、音を再生する魔道具、灯りを灯す魔道具などなど、大量の魔道具が出てくるじゃないの、何時の間にこんなにも、豊富に数多くの種類を作っていたの?

一緒に説明を受けた財務の人も、私と同じように驚きの余り開いた口が塞がっていないわね…

震える手で魔道具を手に取り実際に動かして、魔道具の素晴らしさを体験した後
「こ、これ!」震える手で絞り出すように声を出してくる
ええ、言いたいことはわかるわよ

魔道具を見た私達の反応がとても良かったのか、嬉しそうな顔に嬉しそうな声で今にも羽ばたきそうな程、軽やかな声色で語りだす
「うん、売れるよね?今回のはお偉いさん向けでもあり、平民向けでもある、王都、いいえ大陸全土に置いて全ての人達に需要がありそうなものを作ったよ♪」
そう、そうなのよ!今回のは、戦闘向けではなく、明らかに資金を得る為に、売るために造った品々、そう、商品を作ってあるのよ。
しかも需要がありそうなところをしっかりと考えて売るという意図がしっかりと伝わってくる魔道具なのよ!作りたいから作ったっていう自己満足のものじゃないのよ!

ただね、ちょっと懸念点があるのよね。

借りに売れたとしても、見た限り結構、簡易的な構造じゃない?
仮に人気が出たとしたら当然、街の商家がだまっていないわよね?手元に現物があれば当然、解体、解析するわよね?
簡易的な構造であれば、可能でしょ?商家の人達が似たような模倣した商品を開発するわよね?より安くして販売される気がするのよね。

前々からこの街に行商に来てくれていた人から話は聞いているのよ、姫ちゃんの作る魔道具が王都では流行の兆しがあるって。
当然、売れる人気商品なんて、直ぐにでも商家が飛びつくわよ?でもね、前回、売れに売れた、術譜は、絶対に真似できないのよね、主な原材料が敵の素材だもの。
王都では、敵の素材なんてそうそう、出回らないもの、ごくまれにこの大陸のどこかに、本当にたまーに、どうやって抜け出たのか知らないけれど、死の大地の獣がいることもあるけれど、本当に滅多にそうそうな事がない限りないわよ。

つまり、私達からすれば有り触れた素材、王都からすれば入手困難なレアな素材ってわけよ、だからこそ、王都を根城にする商家も指をくわえて何もできなかったのよ。

財務の人も目の前にある宝の山を見つめながら
「う、売れます、けれど、これって要の陣さえ再現…出来てしまったら、直ぐに真似されて作られてしまうくらい簡素な作りですよね?」私も感じていた懸念点に気が付くよね。
そうなのよね、枠組みも木枠だから、王都の職人さんに頼んだらさらっと作って型を作っちゃうよね?術式が描かれている場所もかぱっと蓋を開くと直ぐに見えるし、術式に関しては王都の術式研究員さんが絡めば、あっさりと解析されて再現可能じゃないのかしら?
「そうだよ、簡素な作りが大事なんだよ?量産も容易にできるからね」
確かにね、複雑な構造になればなるほど生産する側だとコストも大きくかかってしまうし、品の単価も上がっちゃって結果的に貴族だけが買い求めれる高級品になってしまうわね。

二人が、それってどうなの?っと感じていると

トントンっと魔道具に描かれている陣を叩きながら
「これはね、特殊なインクで描かれているの、王都にある塗料だと、直ぐに滲んだり、魔力を通せば数回で確実に何処かで焼き切れる、私特製のインクじゃないと耐え切れない。再現できたとしても、すぐに壊れちゃうよ、従来、昔からある王都産の魔道具に使われている魔道具用のインクは、貴重な魔石を砕いて作った高級なインクだよね?でもね、私のインクはそれを用いない、私特製の安価なインク」
説明を終えると同時にニヤっとした顔をするあたり、姫ちゃんもそこまでしっかりと考えたうえで作ったってことね。

「つ・ま・り」

未来永劫、お手頃価格で、独占販売ってこ~と、この魅惑的な言葉の意味、わっかっる、よね~?

その言葉の意味が成す、商売に関して強大な暴力じゃない…独占販売って、そんなことしたら商家が潰れないかしら?
「それだけじゃないよ、どうせ、なかなか帰ってこれないのも王都の商家が原因でしょ?お母さんが教えてくれたもの俗物どもって、そいつらのご機嫌取りとか商談とかそういう根回ししてくれていたんだよね?どうして、これが簡素な作りにしてあると思う?見た目も改良できるくらいシンプルにしていると思う?それはね、貴族の人達を満足させる装飾は王都の商家にお願いして、がわを用意してもらうの、そして、中身は此方が作る、共同作業、貴族に関しては商家が販売ルートを作ってもいいよ?」
確かに、それをすれば、商家の面目もつぶれることが無いし、貴族は貴族で安心して姫ちゃんの魔道具を特別なルートで平民が持っていない特別な逸品として手に入れることが出来る。
性能は同じ、でも、装飾を拘ることによって世界に貴方様しか持っていない王都で話題の姫ちゃん特製の魔道具ってことになるのよね。高く売れるわね…
この子、やりてねぇ…そこまで考えたことないわよ、流石は、格式高そうな家の出身ね…内情しらないけど!

商家を掌握できる、媚び諂ってきた相手を手だまり取れるビッグチャンスと、悪魔のような囁きを財務の人に囁くと、膝から崩れ落ち一言だけ
「望みはなんですか?こ、これを僕に託す意味は、なんですか?…」

にっこりとした悪魔の笑みの後、あるリストや、計画書が書かれている資料を手渡す、財務の人がそれを物凄い速さで読み終わると。更に体を震わせながら、喉も震わせ大きな声を出す
「ありがとうございます!!貴女は女神だ!!神様だ!!」
立ち上がり姫ちゃんの手を握ったと思ったらすぐに走り出していった

何のリストや資料を渡したのか、聞いてみて納得したわ。

新しく工場エリアっというエリアの開拓許可を王様に申請して欲しいっか、確かに、私達では絶対に不可能な内容なのよね。
謁見するだけで、いったい何か月必要になるのかってことよね。

彼なら可能性があるってことなのよ、彼って一応、王都からの使者だから、伝手はありそうだもの、頼む人は間違えていない、現状ではベストよ。
それだけじゃない、リストにさらっと、奥様が入手するのに大変だと言っていた素材を混ぜ込んでいたあたり、ちゃっかりしてるわ、商家の人にこれらが欲しいってこちらの弱みも見せることによって絶対的な支配ではなく、お互い歩み寄りましょうという姿勢も見せれるじゃない、WinWinの関係、王道ってことね…
なんて策略!知略!末恐ろしいわね…

それだけじゃないのよ、王都でも、近隣諸国でも、昔から問題になっているのよ、学校でも授業の一環になっているくらい昔から問題になっていることがあるのよ。
老いた人の働き先がないってね、王都での平均年齢が低い、つまりはそういうことよ…平民で長生きしてる人なんていないわ、自然と街を去るのよ…何も言わずにね。
貴族の人も同じ、仕事がなくなれば、忽然と消えるのよ…

そんな人達を受け入れる場所を作るっという王都からも、近隣諸国からも大歓迎されるプランなんて、王様が許可を出すに決まっているじゃない。

そして、その人たちを安くこき使うことによって稼ぎまくるってことね!簡素な作りであれば、お年を重ねられた人たちでも大丈夫じゃない!
ぐりぐりと肘で背中をつつきながら「あなた~なかなか悪どい商売を考えるじゃないの~」っと、からかってみると
「私、搾取するつもりないよ!ちゃんと正規のお給金出すもん!!」
頬を膨らましながら反撃と言わんばかりにポカポカとお腹を叩いてくる、あら、悪どい考えを巡らせたのは、私だけってこと?…この子は本当にいい子ね、私だったら…っふ、考えるまでもないわね。



姫ちゃんの善性・知性、それらが輝いたその結果、更なる富がこの街に降り注ぐという最高の結果になったわよ。



開発した魔道具は飛ぶように売れるし、働き手たちも直ぐに見つかるし、働き手たちも姫ちゃんに多大に感謝しているし、誰もが得した結果になっているのよね。
勿論、財務の人もこれによって王都での評価が急上昇、留まるところを知らないみたいで、会うたびに服装が豪華になっているのよね…成金貴族ね。

更なる財源を得たことによって、街の設備も急ピッチでよくなっていくし、戦士の人達、全員にしっかりとしたお給金も渡せているのよ、ええ、そうよ。

騎士様も悩ませていた、世捨て人達にもしっかりとね…お金を渡すことが出来たのよ、泣いて感謝されていたわ。
立派な鎧だけじゃなく、生きる為の生活に必要な物を用意してくれるだけじゃなく、それ以上の、一生手に入れることは叶わないと思っていた、自分の好きにできるお金を得られるなんて思っていなかったでしょうね。

王都や近隣諸国で捕まった犯罪者、極刑の末にこの街に送られてきた犯罪者あがり、その人達もしっかりと、幹部達と話し合って改心しているのがわかれば、お給金を渡す方針が決まったわ。

本当に、この街に住む人達、その皆が喜ぶ結果になったわね。

それに伴い、当然よね?姫ちゃんの評価がもう、天辺よ!頂に辿り着いているのよね。つまり、この街の覇者になりつつあるのよね。
誰も姫ちゃんの言葉に逆らう人がいないのよ、まぁ、間違ったことなんて言わないからいいけどね。12歳という若さで得ていい権力じゃないわよ。

噂では、王都でも姫ちゃんの事が時の人のように囁かれているみたいで、姫ちゃん信者が時折、街を訪ねてくるようになったのよね、技術者とか、姫ちゃんを守りたいから王都の騎士団を辞めてこっちに来たとか…近隣諸国の優秀な人材が徐々にこの街に集まりつつあるのよね…

今までずっと、人材不足だった、この街が次々と増えていくのが驚きであり、安心感が増していくのよね、人が多いってそれだけでも嬉しいものよね。
畜産の旦那も増えていく人たちをみて、更なるやる気を出して、どんどん畜産エリアを拡大するために広大な土地を開拓開墾していっているわ。

この間、食堂に食材を納品するために来ていたときに話したら、彼の奥さんでもある巨躯の女性が「毎日が筋肉痛で大変さぁって嘆いていた」って笑いながら言ってくるのよね、つまり、それだけ開墾に力を入れていますって意味よね?…あれを筋肉痛にさせるほどにこきつかっているってことでしょ?容赦がないわね、この人…

この一か月で医療班も新しい技術を会得しつつあるわよ。

…ここも、恐れ入るわね、姫ちゃんの手柄で光明が見えたわ。

そう、魔力譲渡法についてよ、まさかね~姫ちゃんからのアドバイスによって、コツを掴めるようになった人が一気に増えたのよ。
今までは魔力を放出するという感覚で悩まされている人が多かったのよ、魔力を可視化できる魔道具のおかげで、少しずつだけど放出するっという感覚を身に着けたのはいいのだけれど、放出した魔力を集めるっという感覚を掴めない人が多かったのよ。

手を繋いで相手と魔力の道が繋がるような感覚、それはね、意外とよ?ささっと掴んでいく人が多かったのよ。
最初に私が魔力譲渡がどういう感じなのか、試してあげた、体験できたってのも、あるかもね。

注がれる側になってわかったけれど、魔力を渡されるときに、相手と繋がるような、今まで感じたことがない不思議な感覚が伝わってくるのよ、それを経験しているか、していないか、そういった特殊な経験も、魔力を譲渡するという特殊な技能を習得する近道として、必要なのかもしれないわね。

問題は放出した後の魔力なのよね~。

繋がる感覚も掴めている、魔力を流す事も出来ている、でも、放出量がちょっと調整できていない、無駄に霧散させてしまっているのよね…
霧散させないように空中でキープするような感覚も伝えているけれど、あくまでも感覚なのよね。

手のひらに集める練習もしてはいるけれど、手のひらの上でキープしたり、出した魔力を再度体内に戻して、取り出すっていうのが全員できていない。
何となくだけど、感覚はつかめているが、再吸収が出来ない人もいれば、キープ出来ない人もいる。各々が得意不得意が明確に分かれている。

練習に明け暮れる日々、そんなある日に、ついつい、全員が練習に熱を持っちゃって、長引いた日があるのよね。
何時もだったら、私の方が先に部屋に帰ってたりすることが多いのに、私が部屋に居ないから心配になったのか、姫ちゃんが病棟まで呼びに来てくれたのよね。

全員で練習している内容が何か直ぐにわかると、興味津々で椅子に座って眺め始める、邪魔をする気もなさそうだし、興味があるのなら見ておくのもいいことよね。
姫ちゃんが誰かに魔力を渡す日は永遠にこないと思うけれど、姫ちゃん程の術者であれば、私達が気が付かない何かを気が付いてくれそうな気もするし、誰かが姫ちゃんがいることで集中が途切れることなんてないだろうしね。

姫ちゃんに見守られながら練習を繰り返していると袖を引っ張られるので引っ張ってきた相手に声を掛ける
「見えないものを掴む練習してみる?」
…言葉の意味が私には理解できなかった、見えないものを掴む?見えないのに?どうやって掴むの?
言葉の意味というか意図が掴めない、まさに、見えないものを掴めないでいると
「…うーん、実際に見せたほうがいいよね、念動力っていう概念なんだけどね」
どういう内容なのか姫ちゃんに説明をしてもらい、実践してみることに。

練習している全員に声を掛けてデモンストレーションをしていく。
初めにテーブルに置かれているペンを姫ちゃんが手を触れずに持ち上げる、全員がどうやってペンを浮かせているのか理解できていないので、魔力を可視化する魔道具を渡すと歓声が沸き上がる。

そう、姫ちゃんは魔力の塊を巧みに操作してペンを掴んで持ち上げている。

更に、デモンストレーションを続けていく。
次は、私が手のひらに魔力の塊をボール状にして、手のひらから動かないようにプールしている、そのプールしている魔力を姫ちゃんが作り出した魔力の手によって掴むと私の意志とは別にプールしてある魔力が動かされていき、姫ちゃんの方に向かって魔力の塊が動かされていく。
最終的に、私が放出した魔力の塊を自身の手のひらの上まで引き寄せていき、そのまま、自身の手のひらの中に魔力が吸収されていく。

貴女、そんな技術があるのなら、その辺に漂っている魔力を搔き集めて自分の手で吸収しなさいよ…

これについて種明かしもしてくれた、どうやら、魔力を操作しているのは全部術式で計算して動かしていると、つまり、簡単な動作であれば、簡単な術式で再現が出来るので、念動力という術式の訓練をしてみては?という意見に皆が頷くけれど、そもそも念動力という概念を私達は知らない。
なので、その場で姫ちゃんに術式講座を開いて欲しいとお願いすると、突発的な術式講座が開かれた。

結果的に、全員がある程度は念動力という新しい概念を身に着けることが出来た、当然、私もよ!やってみると意外と簡単だったわ、元々私が魔力を搔き集める様にしていた動作が既にそれだったみたいで、まさか、物質まで、手で触れるように動かせるなんて思ってもいなかったわ。

講義もお開きになって姫ちゃんと一緒に自室に帰る途中に、自分で魔力を搔き集めて吸収できるのか聞いてみると
「濃度の濃い魔力であれば可能だよ、お母さんと一緒に過ごして、お母さんがやっていた動きを自分なりに解析して発展させていたら、いつの間にか出来るようになったの」
なるほどね、確かに姫ちゃんに何度も何度も魔力を注いできたのだから、それを間近で目撃し続けていれば、何となく理解する物なのね、天才って凄いのね…ちょっとしたことで閃くし、ちょっとしたことを違う物事へと結びつけるのでしょうね…凄いわね、私ではなかなか、気が付かないわよ。

「魔力が濃くないと掴めないからね?だから、これからも、魔力を頂戴♪」
屈託のない笑顔でお小遣いを欲しがる子供みたいに言わないでよ、連日だと結構堪えるのよ?

いつも通り、必要な時があれば、声を掛けてくれると嬉しいわっと頭を撫でながら返事を返し、自室へと向かって行く。





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