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とある人物達が歩んできた道 ~ 予定は…狂っていく ⑤ ~
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玄関を出る時にお母様との別れ時に、見せてくれた表情は何か吹っ切れたような表情で何時ものような無表情に近く、皺を作らないようにしているのではなく、朗らかに年相応の優しい笑みで送り出してくれた。お母様の中でも何か変化があったのでしょう、貴女の人生に輝く色が訪れるように遠くで祈っているわね。
当然、お父様は見送りにはこなかった、今頃は、姫ちゃんとの会話を手柄にするために派閥の本山へと駆け込んでいるのでしょう。
王都でお土産を買いあさる、後日に行商の人に渡して運んでくれるので、荷物が無いことを良いことに散財した。
お金が無かった時代だったら、ここまで散財なんて絶対にしないけれど、今の私だったらこれくらい、これくらい…明日からちょっと節約しようかしら。
街に帰った後は、手で持って帰れる程度のお土産は、主にお世話になった人達に渡す。
今日渡せれなかった人たちには、後日、運ばれてくるからしょげないの!っと、声を掛けると満足そうな表情をしていた。
今回の帰省は予定通りの日付で帰ってきたから誰も心配はしていなかった、前回が異常だったのよね。
街も大きな変化はなく、平常通り、問題を上げるとすれば姫ちゃんと私が居ないと街が静かだったってことだけね…それは問題なのかしら?
報告会も終えて、幹部会議も終えて、お互いの仕事が終わった後は、部屋で紅茶を淹れて姫ちゃんの帰りを待つ。
長い話になると思うもの…
予想通り、部屋に戻ってきた姫ちゃんが今後について話し合うことになったけれど、私の意見は通らないでしょうね…
初手でもう、絶対に意見が通らないと悟ったわよ…
「お母さんはあの件にこれ以上関わっちゃダメ!絶対にダメ!なんて言われようとダメ!お母さんはこっちを支える側になって!私の代わりに!」
徹頭徹尾、腕を重ねる様にして×の姿勢のまま、耳を傾けてくれなかった…私だって何かしら手伝えると思いますけどー?そこまで反対されるとちょ~っとカチンときちゃう部分があるのよね~…
なので、付け入る隙を探るために、作戦の概要だけでも聞けるのなら聞かせて欲しい。
情報さえあれば、やれることが見つかる!質問が許されるのであれば、情報は集めるに越したことはない!
思っていた以上に、ある程度、教えてくれた。頑なに教えてくれないと思っていたのに…これ、隙じゃない?いけるでしょ?諦めるのは早計だったんじゃないのー?いけるでしょ?弓矢、撃っちゃう?討てそうよね?アレを…討伐任務、行っちゃった方がいいんじゃないの?アレを殺すのが一番、正道よ!
確かにね、教えてもらった内容的にね、私が参加すればするほど、プラスに働かないのはわかる!敵から見たら私が急所だってのはもう露見しているわけだもの。
つまり、マイナス要素にしかならないと知ってしまうと、お手伝いなんて、表立ってしてはいけないのね。
よく考えたら、納得よね。敵からしても見え見えだったのね、末席には想い人がいて、それが、私だっていうのは周知の事実っぽいわね、良い女は大変ね。
どうして見え見えだったのかというと、姫ちゃんが言うには王族同士だろうと、敵対組織の様に、お互いをしっかりと監視する為に人を雇っている。
なので、何処で誰が何をしているのか知っているのが基本
当然、末席が用意した、女性用のドレス。相手がいないのに用意するなんて怪しい、密偵が動くのは当然ってことなのね、弱みを握れるから。
調べてみたら、服飾の内容が、産まれの土地ならではの風習に倣った贈り物ってくれば、それを用意した時点で好きな人が出来たのだと、普通は考えるわよね。
そして、それを着た人があそこから出てきて歩いている姿をしっかりと目撃しているってわけね。
嗚呼、それでか、お父様が急に見合い話なんて持ってくるなんて、私を派閥に取り込んで、末席に喧嘩を吹っ掛ける算段もあったんじゃないの?
そして、派閥同士で潰しあって、アレが有利に動けるようにする為にってことか、本当にお父様は私のことを駒としか見ていないのでしょうね。
今にして思えば、あの時の食事の来ていたのは、監視含め、何か情報を得られないかってことだったのかも。
むぅ、本当に王都に帰ると碌な結果にならないわね、王都に帰らないって決めたのに、帰ってしまったがために、本当に色々と事件が発生させてしまった。
しかも、それらの後始末を何もしない、っていうか、出来ない。節度ある大人として迷惑かけっぱなしってのは宜しくない、けれど、これ以上、私がいると現場が混乱して最悪の一手に繋がってしまうって考えると撤退が正しいのだと姫ちゃんの態度から見ても感じるわね…これ、私が勝手にまた動いたら本気で怒られそうな気がするわね。
しょうがないわよね。とりあえず!この件に関しては姫ちゃんにお願いするしか、ない、わよね。それが正解、なのよね…納得できている部分が多い、けれど…
当日まで、姫ちゃんは、姫ちゃんで方々を走り回って色々な根回しや準備をするそうで、忙しそうにあちこちを飛び回っている
私は私で、医療班として出来ることをしながらも、虎視眈々と隙を伺っては準備を進めている、ふっふっふ、隙だらけじゃない、私に監視も付けないで、いけるわね。
そりゃ、私が王都に帰ると碌なことが無いわよ?なら、王族暗殺事件なんて、碌な事件が起きるのは仕方がないよね?っふっふっふ。
誰が何と言おうと、これが一番、犠牲が少ないのよ。恨みつらみじゃないわ、正義の為よ。
爪を研いで、毒を仕込んで、未来の私から受け取った当時の情報を元に、凡その敵の位置を把握…していても簡単に入れる場所じゃないけれど、なんとかなるでしょ?
そんなことを考えながら、当日を迎える
姫ちゃんを見送るために街の入り口にまで来ると、想像以上に人が集まっている?
王族の問題に首を突っ込むなんて最初は全員が反対したけれど、姫ちゃんの今後についてここで動いておかないと危機的状況に陥るリスクを聞かされた幹部全員が今回の作戦を支援しているので、街の皆が此度の次代の王を選出するための戦いに参加することを知っている。
姫ちゃんが選抜したメンバーを見ると、あれ?貴女も行くの?っというメンバーが勢揃いだった。
巨躯の女性がフル装備で待機しているし、坊や、もとい、ベテランさんも待機しているけれど、フル装備じゃなく軽装、普段着ね。
そして、その後ろには、大量にいる医療班のメンバー…まって、医療班の半数も連れていくの!?私聞いてないわよ!?若手に中堅に!主要メンバーもしっかりと連れていくの!?
その瞬間に気が付く、隙だらけだったのも、私が準備していても無駄に終わるからほっといたってことを。
こ、これじゃ、私の計画が…
絶望を感じていると
「お!あんだいあんだい!見送りしてくれるのかい?先生も、かあちゃんが板についてきてるじゃねぇか!」
絶望して少し前、前傾姿勢というか前かがみになっている私のお尻をボンっと叩きながら声を掛けてくれる
「貴女もいくのね」叩かれたお尻を摩りながら姿勢を正す
「応さ、姫様からのご要望とあればな」ニカっと元気に笑うけれど、そうか、闘う相手が人だと知っているから恐怖心なんてないのね
貴女からすれば王都にいる9割の人間なんて敵じゃないでしょうね…
でも、これを気に闘う事の恐怖心が薄れてくれるといいわね、有事の際に自分の家族すら守れなかったら一生後悔するものね。
そうか、そういう意図もありそうね、姫ちゃんなら彼女が闘うことに恐怖を感じてることを見抜いていそうだし、慣らしの為に緊張感のある現場に連れていくって、考えかしら?
どう考えても人類最大戦力は彼女だものね、彼女が持てる最大のポテンシャルを発揮してもらうには彼女の中に眠るフィアーを、トラウマを、根本的に治療しないと、いけないものね。
二人で他愛のない会話をしていると
「お久しぶりです!先輩!」
私服姿のベテランさんが巨躯の女性に声を掛けると応!っと勇ましく返事を返している。
「貴方は、私服なのね」
「ええ、そうなんですよ、吾輩も姫様の警護にあたるのかと思っていたのですが、どうやら、吾輩は、休みで帰省している子連れ夫婦として方々を見回る役目を仰せつかってな、まぁ、気楽に肩ひじ張らず緊張せずにリラックスして街に溶け込んで欲しいっという、難しい任務なのである」
…難しいわね、一介の戦士が担当する内容じゃないわね、殺気を隠しつつ、敵からの殺気を把握しつつ、状況を見守りつつ、どんな状況でも直ぐに動けるようにしろってことでしょ?しかも、身を守る装備もなしで。
難易度が高いわね、それに、自分たちの身の危険も…心配する必要が無いわね、乙女ちゃんにこいつでしょ?相当な手練れじゃないと、どうにか出来るコンビじゃないわよ。
「赤子もな、姪っ子達が協力的でな、その辺りも問題は無いのである」
それにしても、その話し方はなによ?急に色々と変えてきたわね
「お前、なんでそんな変な話し方なんだ?」巨躯の女性も私と同じ疑問を感じているみたいね
「ああ!これはですね、少しでも威厳を出す為にどうしたらいいのか、帰省した際に、愛する妻に相談したんですよ、そしたらですね、お父さんの言葉選びから真似てみてはどうかって話になったので、取り合えず真似てみることにしたんですよ。どうですか?」
…一部の貴族が、古い貴族が好んで使っている一人称ね…まぁ、いいんじゃないのかしら?お父様と仲良くね。
三人で雑談していると、姫ちゃんが現場に到着し、最終確認をしている、確認が終わると、出発するので、その前にいってらっしゃいの声を掛けないとね
「それじゃ、行ってくるから!お母さん!」
声を掛けると笑顔で頼もしい返事なのはいいのだけれど、貴女、無茶しないでよ?魔力は…嗚呼、そうか、医療班を連れていくのは魔力タンクとしての役割もありそうね。
出発の時間になったので、笑顔で手を振りながら離れていく愛する娘を見送ると
「医療班、手薄だから死ぬ気で頑張ってね!」
嫌な言葉が聞こえてきたけれど、考えないようにする。大半のメンバーを連れて行っておきながらぬけぬけと!っふ、そんなもの先輩に押し付けてやればいいのよ!どうせ、先輩も一枚かんでるでしょ?なら、逃げるが勝ちよね。
見えなくなるまで見送ったら、直ぐに動き出さないとね!決まってるわよね!大人しく待っている私じゃないわよ!さぁ!私も行きますか!!
そう思った瞬間に肩を誰かに捕まえらえる…っふ、これはもう、無理ね、この人に捕まってしまったら逃げられないのを、あの子は知っている…
私もこっそりと行動するために色々と準備はしていたけれど、やっぱり無駄足となってしまうのね…
「ほれ、姫ちゃんも向かったことだし、現場に戻るぞ、暫くはお前さんは外でいいな?」
先輩に捕まり、引きずられる様に連れていかれる、先の発言を聞いて理解する…私が身動き取れないように完璧に封殺してきやがったな、あの子は!!!
全ては、あの子の手のひらの上ってことね…
っふ、今回ばかりはどう足掻いても、無駄ね、現地にどうにかして向かっても王都にすら入れてくれない気がするわね…
ごめんなさいね、未来の私、八方ふさがりが更に塞がってしまったわ、強固な強固な檻の中に放り込まれて、この状況で貴女の恨んでる人を殺す事なんて…天から槍でも振ってこない限り無理よ。
諦めて馬車馬のように働きましょう、医療班団長としてね!後ろは任せて!!ってね…
先輩に引きずられながら天を見上げると、雲一つないのに、頬に雨が降ってくる…さようなら みらいの わたし
先輩から渡されたスケジュールを見て心が折れそうになる、五日連続で外きんむ…?1日、休みで、また五日連続で外勤務…
前線は姫ちゃん騎士団が全力で獣達と闘うけれども、怪我はするでしょうね…
用意しておいた毒は人用だけれど、敵にも多少は効果があるでしょう、姫ちゃん騎士団に渡して、少しでも敵との戦闘を短く有利にして私が忙しさで倒れないようにしないと!!
私の戦いはこれからっだぁ!!!お願いだから早くかえってきてね!!こんなスケジュール死んじゃう!!お肌が荒れるのが、必定じゃないのよ!!
当然、お父様は見送りにはこなかった、今頃は、姫ちゃんとの会話を手柄にするために派閥の本山へと駆け込んでいるのでしょう。
王都でお土産を買いあさる、後日に行商の人に渡して運んでくれるので、荷物が無いことを良いことに散財した。
お金が無かった時代だったら、ここまで散財なんて絶対にしないけれど、今の私だったらこれくらい、これくらい…明日からちょっと節約しようかしら。
街に帰った後は、手で持って帰れる程度のお土産は、主にお世話になった人達に渡す。
今日渡せれなかった人たちには、後日、運ばれてくるからしょげないの!っと、声を掛けると満足そうな表情をしていた。
今回の帰省は予定通りの日付で帰ってきたから誰も心配はしていなかった、前回が異常だったのよね。
街も大きな変化はなく、平常通り、問題を上げるとすれば姫ちゃんと私が居ないと街が静かだったってことだけね…それは問題なのかしら?
報告会も終えて、幹部会議も終えて、お互いの仕事が終わった後は、部屋で紅茶を淹れて姫ちゃんの帰りを待つ。
長い話になると思うもの…
予想通り、部屋に戻ってきた姫ちゃんが今後について話し合うことになったけれど、私の意見は通らないでしょうね…
初手でもう、絶対に意見が通らないと悟ったわよ…
「お母さんはあの件にこれ以上関わっちゃダメ!絶対にダメ!なんて言われようとダメ!お母さんはこっちを支える側になって!私の代わりに!」
徹頭徹尾、腕を重ねる様にして×の姿勢のまま、耳を傾けてくれなかった…私だって何かしら手伝えると思いますけどー?そこまで反対されるとちょ~っとカチンときちゃう部分があるのよね~…
なので、付け入る隙を探るために、作戦の概要だけでも聞けるのなら聞かせて欲しい。
情報さえあれば、やれることが見つかる!質問が許されるのであれば、情報は集めるに越したことはない!
思っていた以上に、ある程度、教えてくれた。頑なに教えてくれないと思っていたのに…これ、隙じゃない?いけるでしょ?諦めるのは早計だったんじゃないのー?いけるでしょ?弓矢、撃っちゃう?討てそうよね?アレを…討伐任務、行っちゃった方がいいんじゃないの?アレを殺すのが一番、正道よ!
確かにね、教えてもらった内容的にね、私が参加すればするほど、プラスに働かないのはわかる!敵から見たら私が急所だってのはもう露見しているわけだもの。
つまり、マイナス要素にしかならないと知ってしまうと、お手伝いなんて、表立ってしてはいけないのね。
よく考えたら、納得よね。敵からしても見え見えだったのね、末席には想い人がいて、それが、私だっていうのは周知の事実っぽいわね、良い女は大変ね。
どうして見え見えだったのかというと、姫ちゃんが言うには王族同士だろうと、敵対組織の様に、お互いをしっかりと監視する為に人を雇っている。
なので、何処で誰が何をしているのか知っているのが基本
当然、末席が用意した、女性用のドレス。相手がいないのに用意するなんて怪しい、密偵が動くのは当然ってことなのね、弱みを握れるから。
調べてみたら、服飾の内容が、産まれの土地ならではの風習に倣った贈り物ってくれば、それを用意した時点で好きな人が出来たのだと、普通は考えるわよね。
そして、それを着た人があそこから出てきて歩いている姿をしっかりと目撃しているってわけね。
嗚呼、それでか、お父様が急に見合い話なんて持ってくるなんて、私を派閥に取り込んで、末席に喧嘩を吹っ掛ける算段もあったんじゃないの?
そして、派閥同士で潰しあって、アレが有利に動けるようにする為にってことか、本当にお父様は私のことを駒としか見ていないのでしょうね。
今にして思えば、あの時の食事の来ていたのは、監視含め、何か情報を得られないかってことだったのかも。
むぅ、本当に王都に帰ると碌な結果にならないわね、王都に帰らないって決めたのに、帰ってしまったがために、本当に色々と事件が発生させてしまった。
しかも、それらの後始末を何もしない、っていうか、出来ない。節度ある大人として迷惑かけっぱなしってのは宜しくない、けれど、これ以上、私がいると現場が混乱して最悪の一手に繋がってしまうって考えると撤退が正しいのだと姫ちゃんの態度から見ても感じるわね…これ、私が勝手にまた動いたら本気で怒られそうな気がするわね。
しょうがないわよね。とりあえず!この件に関しては姫ちゃんにお願いするしか、ない、わよね。それが正解、なのよね…納得できている部分が多い、けれど…
当日まで、姫ちゃんは、姫ちゃんで方々を走り回って色々な根回しや準備をするそうで、忙しそうにあちこちを飛び回っている
私は私で、医療班として出来ることをしながらも、虎視眈々と隙を伺っては準備を進めている、ふっふっふ、隙だらけじゃない、私に監視も付けないで、いけるわね。
そりゃ、私が王都に帰ると碌なことが無いわよ?なら、王族暗殺事件なんて、碌な事件が起きるのは仕方がないよね?っふっふっふ。
誰が何と言おうと、これが一番、犠牲が少ないのよ。恨みつらみじゃないわ、正義の為よ。
爪を研いで、毒を仕込んで、未来の私から受け取った当時の情報を元に、凡その敵の位置を把握…していても簡単に入れる場所じゃないけれど、なんとかなるでしょ?
そんなことを考えながら、当日を迎える
姫ちゃんを見送るために街の入り口にまで来ると、想像以上に人が集まっている?
王族の問題に首を突っ込むなんて最初は全員が反対したけれど、姫ちゃんの今後についてここで動いておかないと危機的状況に陥るリスクを聞かされた幹部全員が今回の作戦を支援しているので、街の皆が此度の次代の王を選出するための戦いに参加することを知っている。
姫ちゃんが選抜したメンバーを見ると、あれ?貴女も行くの?っというメンバーが勢揃いだった。
巨躯の女性がフル装備で待機しているし、坊や、もとい、ベテランさんも待機しているけれど、フル装備じゃなく軽装、普段着ね。
そして、その後ろには、大量にいる医療班のメンバー…まって、医療班の半数も連れていくの!?私聞いてないわよ!?若手に中堅に!主要メンバーもしっかりと連れていくの!?
その瞬間に気が付く、隙だらけだったのも、私が準備していても無駄に終わるからほっといたってことを。
こ、これじゃ、私の計画が…
絶望を感じていると
「お!あんだいあんだい!見送りしてくれるのかい?先生も、かあちゃんが板についてきてるじゃねぇか!」
絶望して少し前、前傾姿勢というか前かがみになっている私のお尻をボンっと叩きながら声を掛けてくれる
「貴女もいくのね」叩かれたお尻を摩りながら姿勢を正す
「応さ、姫様からのご要望とあればな」ニカっと元気に笑うけれど、そうか、闘う相手が人だと知っているから恐怖心なんてないのね
貴女からすれば王都にいる9割の人間なんて敵じゃないでしょうね…
でも、これを気に闘う事の恐怖心が薄れてくれるといいわね、有事の際に自分の家族すら守れなかったら一生後悔するものね。
そうか、そういう意図もありそうね、姫ちゃんなら彼女が闘うことに恐怖を感じてることを見抜いていそうだし、慣らしの為に緊張感のある現場に連れていくって、考えかしら?
どう考えても人類最大戦力は彼女だものね、彼女が持てる最大のポテンシャルを発揮してもらうには彼女の中に眠るフィアーを、トラウマを、根本的に治療しないと、いけないものね。
二人で他愛のない会話をしていると
「お久しぶりです!先輩!」
私服姿のベテランさんが巨躯の女性に声を掛けると応!っと勇ましく返事を返している。
「貴方は、私服なのね」
「ええ、そうなんですよ、吾輩も姫様の警護にあたるのかと思っていたのですが、どうやら、吾輩は、休みで帰省している子連れ夫婦として方々を見回る役目を仰せつかってな、まぁ、気楽に肩ひじ張らず緊張せずにリラックスして街に溶け込んで欲しいっという、難しい任務なのである」
…難しいわね、一介の戦士が担当する内容じゃないわね、殺気を隠しつつ、敵からの殺気を把握しつつ、状況を見守りつつ、どんな状況でも直ぐに動けるようにしろってことでしょ?しかも、身を守る装備もなしで。
難易度が高いわね、それに、自分たちの身の危険も…心配する必要が無いわね、乙女ちゃんにこいつでしょ?相当な手練れじゃないと、どうにか出来るコンビじゃないわよ。
「赤子もな、姪っ子達が協力的でな、その辺りも問題は無いのである」
それにしても、その話し方はなによ?急に色々と変えてきたわね
「お前、なんでそんな変な話し方なんだ?」巨躯の女性も私と同じ疑問を感じているみたいね
「ああ!これはですね、少しでも威厳を出す為にどうしたらいいのか、帰省した際に、愛する妻に相談したんですよ、そしたらですね、お父さんの言葉選びから真似てみてはどうかって話になったので、取り合えず真似てみることにしたんですよ。どうですか?」
…一部の貴族が、古い貴族が好んで使っている一人称ね…まぁ、いいんじゃないのかしら?お父様と仲良くね。
三人で雑談していると、姫ちゃんが現場に到着し、最終確認をしている、確認が終わると、出発するので、その前にいってらっしゃいの声を掛けないとね
「それじゃ、行ってくるから!お母さん!」
声を掛けると笑顔で頼もしい返事なのはいいのだけれど、貴女、無茶しないでよ?魔力は…嗚呼、そうか、医療班を連れていくのは魔力タンクとしての役割もありそうね。
出発の時間になったので、笑顔で手を振りながら離れていく愛する娘を見送ると
「医療班、手薄だから死ぬ気で頑張ってね!」
嫌な言葉が聞こえてきたけれど、考えないようにする。大半のメンバーを連れて行っておきながらぬけぬけと!っふ、そんなもの先輩に押し付けてやればいいのよ!どうせ、先輩も一枚かんでるでしょ?なら、逃げるが勝ちよね。
見えなくなるまで見送ったら、直ぐに動き出さないとね!決まってるわよね!大人しく待っている私じゃないわよ!さぁ!私も行きますか!!
そう思った瞬間に肩を誰かに捕まえらえる…っふ、これはもう、無理ね、この人に捕まってしまったら逃げられないのを、あの子は知っている…
私もこっそりと行動するために色々と準備はしていたけれど、やっぱり無駄足となってしまうのね…
「ほれ、姫ちゃんも向かったことだし、現場に戻るぞ、暫くはお前さんは外でいいな?」
先輩に捕まり、引きずられる様に連れていかれる、先の発言を聞いて理解する…私が身動き取れないように完璧に封殺してきやがったな、あの子は!!!
全ては、あの子の手のひらの上ってことね…
っふ、今回ばかりはどう足掻いても、無駄ね、現地にどうにかして向かっても王都にすら入れてくれない気がするわね…
ごめんなさいね、未来の私、八方ふさがりが更に塞がってしまったわ、強固な強固な檻の中に放り込まれて、この状況で貴女の恨んでる人を殺す事なんて…天から槍でも振ってこない限り無理よ。
諦めて馬車馬のように働きましょう、医療班団長としてね!後ろは任せて!!ってね…
先輩に引きずられながら天を見上げると、雲一つないのに、頬に雨が降ってくる…さようなら みらいの わたし
先輩から渡されたスケジュールを見て心が折れそうになる、五日連続で外きんむ…?1日、休みで、また五日連続で外勤務…
前線は姫ちゃん騎士団が全力で獣達と闘うけれども、怪我はするでしょうね…
用意しておいた毒は人用だけれど、敵にも多少は効果があるでしょう、姫ちゃん騎士団に渡して、少しでも敵との戦闘を短く有利にして私が忙しさで倒れないようにしないと!!
私の戦いはこれからっだぁ!!!お願いだから早くかえってきてね!!こんなスケジュール死んじゃう!!お肌が荒れるのが、必定じゃないのよ!!
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