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Dead End ユUキ・サクラ 妖闘桜散 (8)

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そのまま、ジラさんの部屋に向かって歩いていく、魔力を補充してもらわないとね~
ドアをノックする事も無く堂々と中に入っていくとコーヒーの香りがするので「私も飲みたい」っと、台所にいるであろう人物に声をかけると
「はいはい、タイミングいいわね~」返事が返ってくると台所の方でゴリゴリと豆が砕かれる音が聞こえてくる。
珍しい、今日は豆からの気分なんだ。ってことは、テクテクと歩く音を部屋中に響かせながら机の前に向かう。
広がってまとまりが無くなってしまった地図を一つ拾い上げてさらさらっと流し読む。

ほほん、成程ね。
人の配置や、様々な悩みがいっぱい描かれている、どういう風に解決していくか考えていたってことね。

悩みか~、これは、どうしようもないんじゃないの?慣れない土地に、知らぬ文化圏での生活におけるストレスっとかさ?
郷に入れば郷に従えでいいんじゃないの?そんな悠長なことを考えれるほど、この先に待っている展開はぬるくないぜ?ったく、平和じゃの~。

後は~…うんうん、生産も順調そうだし少量だけど備蓄も進んでいる、食糧事情は問題なし、消耗品の備蓄も問題なし。
私が、死の大地へ打って出ると、攻め込む宣言をしてからは、人類一丸となって動いて…いけてはいないけれど、意外と、他の大陸からも人材が送られてきたのは驚きだけどね…まぁ、毎度の如く、犯罪者や村にいる邪魔なやつばっかりって感じだったけどね。

…っで、先の文句を言ってるやつらの名前が、他の大陸のやつらの名前ってことは、そいつらがそんな文句を言ってるってわけね、前線に放り出してやろうかな?一度、死にそうな目にあって考えを改めさせるべきかも?文句しか言えない穀潰しはどこにいっても変わらないってことかな?
「はい、お砂糖多め、ミルク多めよ」
あら?淹れたてならブラックでもいいのに?香り豊かでブラックも好きだよ?まぁ、一口飲んだら砂糖とミルク取ってって確実に言うけどね。
そんなことを思いながら、視線を書類から動かしてテーブルの上に向けると、カップが二つ用意されている、お母さんは自分の飲む奴は手に持っていて、自身の机の上に置いてあるってことは、あの二つは私のってことね、書類を机の上に置いてから、テーブルに向かい用意されたカップを手に取ってみると少量のブラックとミルクが入ったのが二つ用意されていた。

わかってんじゃんっと、ブラックをくいっと飲み干し香りを堪能し、うん、にげぇっと直ぐにミルクと砂糖がたっぷりと入ったコーヒーを含み苦みを中和させる。
別に、ブラックが飲めないわけじゃないし?気分では飲むし?お子様じゃないし?

コーヒーを堪能していると呆れたような声が聞こえてくる。
「それで、どうしたの?何か新しい仕事でも増やされるの?」
疲れ切った声、振り返ると目の下にクマが出来て、背中を丸めて両手でコーヒーカップをもってゆっくりと啜っている疲れ切った人がいる。
うん、わかってる、お母さんが私と同等かそれ以上に激務であるっと言う事実を当然理解している。

こういう状況になるのはわかっているから、幾度となく、王都からこういった事に長けている人材がいないのか要請は出しているんだけど、何年経っても志願者が出なかった結果、お母さんは書類に追われ日々、この部屋にこもりっぱなしって感じ。医療班に顔を出すのはごくまれにって感じになってしまったから、医療班団長っという立場は医療の父が担ってくれている。でも、セレグさんが言うには俺はとっくにNo1の座はアイツに渡したんだ、だからあくまでも俺は補佐だからNo2だなって言っていた。

街の幹部達も色々と協力は、してくれているけれど、主に頭を悩ませているのはジラさんだけってね、私もなるべく相談には乗るんだけど、その考え方は間違っているってよく注意されるんだよなぁ、お母さんの考え方は効率が悪い。まぁ、それが人情ってやつなんだろうね。

そして、そんな疲れ果てた人物に私は容赦なく甘えるのでした。まーるっと。
「魔力使ったからちょうだい♪」
お小遣いを求める様に首を傾げておねだりすると、おいでおいでと手招きされるので遠慮なく膝の上に座ると
「相変わらず軽いわね」
お人形のように抱きしめられ、魔力が体の奥へと注ぎ込まれていく感覚を感じる。真っ黒に染まった心が白く染まりなおされていくように感じる。暖かい。
「移民っというか、志願兵っと言うか、生贄っていうか、大変だね」
「向こうも住み慣れた場所から強制的に徴兵されているんだから、仕方がないわよ、最低限でも出来る範囲で譲歩してあげたいのよ」
成程、お前は見捨てられた追放者だから此方でも雑に扱ってもいいよね?ではなく、人として歩み寄るなんて考え、私にはないなぁ…犯罪者とか、どうせ反省しないんだから、擦り切れるまでさ、奴隷のように使えばいいのに。向こうで犯罪したのならこっちでも隙あらば犯罪するでしょ?断罪する様に罪を上乗せしまくって懺悔する心の余裕を奪いつくして働かせればいいのに、罪を償えって永遠に耳元で囁いて、ね。
「ここに来るまでに一年近くかかって辿り着いた人もいるのよ、弱くても、犯罪者でも、世捨て人でも、無下にはできないわよ、相手が誠意を示す限り此方としても歩み寄るわよ」
燃え滾る感情によって、人の命なんて些末なモノだと感じてしまう私では、その考えには至らない。
この人は聖人すぎる、いや、だからこそ、私が居なくなったとしても安心して後ろを任せれる、人を導く聖者はこの人しかいない。
真なる聖女様は…お母さんが相応しいよ。
「お母さんになら安心して任せれる」
「易々と言うけどね、大変なのよ…それにね」
後ろから力強く抱きしめられる、その腕は震えている。わかっている、私が攻める、敵を滅ぼすと宣言した時に、一番反対したのはお母さんだ。
抱きしめられた腕を抱きしめ返す様に掴み
「大丈夫、私は死なない、全部終わらせる、もう…犠牲になるのはごめんだもん」
力強く抱きしめられたまま魔力が注がれ続けていく…お母さんだけは知っている、私が死んで来た世界がどれほどのものだったのか、志半ばで死んでいった私達をお母さんは何度も会い交流している、お陰で、私達の心は救われている。

お互いの体温を確かめ合う様に、今もちゃんと私の血は流れていると確かめてもらう様に心を重ねる。
魔力は心、心は魔力、医療班が魔力譲渡に最も適しているのはこの部分、相手を救いたい助けたいっという純粋な心が魔力に干渉し、不要な感情を相手に宿らせることなく魔力を渡すことが出来る、純粋な願いだからこそ、それに呼応するように相手の体に適応する。

私は…出来そうもないなぁ…無の境地に至れば出来る、かな?
まぁ、そんな機会はないだろうね。


私の中にいる全ての私がこの瞬間を噛み締め続ける、幾らでも、何度でも、過去を繰り返そうと、私は家族を守り通す。
次こそは、家族たちを死なせない、繰り返すたびに、心の奥深くに刻み込まれていく大切な人達、私はどうなってもいい、だから、皆が生きていける世界に辿り着こう。
それが、私の終着点だ…


「はい、かなりの魔力を注ぎ込んだけれど、まだ欲しい?」
ん~…まだまだ、体内に貯蓄できそうだけど、今はこれくらいでいいかな?それに、先ほど使った魔力なんて微々たる量だしね。
注いでもらった魔力の方が何倍もあるから、綺麗に折りたたんで折りたたんで、私の髪の毛とか細胞に貯蓄出来ている
「ありがとう、これで十分!いつもありがとうね?」
甘えるように後頭部を大きな胸に乗せるといいのよっとお腹をポンポンっと優しく叩かれる。
お風呂上がりだからこのまま寝てしまいたくなる。
「よっと、それじゃ、私は寝るけど、お母さんもちゃんと体を休めるんだよ?」
膝の上から立ち上がり振り返ると、困った顔をしているし、手が寂しそうに空中を彷徨っている、うん。言いたいことはわかる、私だってもう少しくっ付いていたいよ。
「労ってくれるのは嬉しいわよ?それにね、休めれるなら休めているわよ、ったく、王都にいるマッサージ師を常駐してくれないか頼んでよ」
僧帽筋に手を当てながら首を左右に傾けてコキコキと首の音を鳴らしながら辛そうな顔をされてもなぁ…私、力仕事はできないよ?
「だって、その人、お金よりも命大事だから、絶対に王都から離れたくないって再三、断れてるよ?」
だはぁっと深いため息を吐いて、そうなのよねぇ~っと悲しそうな顔をしている。
マッサージだったら誰でもいいのかと言えば、そうでもない、お母さんも実は見知らぬ人に触られるのはちょっと抵抗があるみたい。
王都にあるマッサージ師の人は、古くからの付き合いだから抵抗が無いからなんだって。
「そうよ、わかってるわよ…かといって、王都に行く時間なんて欠片も無いわ~はぁ…今度医療班の子にお願いしてみようかしら?」
ん~…医療班の殆どが女性だから頼めばしてくれそうだけど、どうなんだろう?心得とかってあるのかな?
…医療班ではないが、一人だけ、そういうのが出来そうな人物に心当たりがあるけれど、どうだろう?頼めばしてくれるんじゃないかな?彼に頼んではどうかとさらっと流れる様に提案してみるが
「ぇ?…それは、流石に色々と抵抗あるわよ、戦士長にそんな事を頼むなんて」
感触は良くなかった。そっか、それもそうだよね。彼だったらそれくらいさらっとやってくれそうな気がするけどね
医療の心得もあるから、卒なくこなせそうな気がするし、ちょっともやっとするけれど、彼だったらお母さんも触れられても嫌な気はしないんじゃないの?

っとなると、私しか、いないかー、そりゃぁ、医療の知識もあるし、地球の知識として針の心得はあるよ?でもなぁ、指圧は嫌だなぁ。
「私は力ないからやだよ?針治療くらいなら、今度してあげようか?」
「そうね~…針治療だったら、医療班の子も殆どが会得しているから貴女の手を煩わせることはないわよ」
それもそうだよね、私が何度も何度も講義を開催して教えたんだから、殆どの人が会得してるよね、わざわざ私がする必要も無いか。

そんなやり取りをしていると、だんだんと眠たくなってくる。今日も今日とて忙しくて疲れがピークに達しようとしている。私の体は回復力が低いから無理はできない。
「ふぁ…うん、私はもう寝るね、お休み」
漏れ出てしまったあくびと共に部屋を出ていくが出る時に見えた手を振って微笑んでくれる寂しそうな笑顔を胸に抱きしめながら、自室の部屋に向かっていき、自室のドアを開けると
「お帰りなさいませ」
メイドちゃんが慌てて出迎えてくれる、そんなに慌てなくてもいいのに、まったく、今代のメイドちゃんは…ううん、何時だってメイドちゃんは私に尽くしてくれたよね。
「ただいま、急なお仕事頼んじゃってごめんね?もう、遅いからメイドちゃんも寝てていいよ?」
「いえ!メイドとして主人よりも早くに寝るなんて出来ません!」
よく言うよ、私が許可すればすぐにでも、自室に帰って自由を満喫してたのに…今代のメイドちゃんは心が擦り切れそうな程に弱いなぁ。
「休める時に体を休めるのも仕事だよ?無理しないように、病気するとジラさんにお願いするからね?」
んげっと、眉間に皺を寄せて嫌そうな顔をする、あの二人は何時だって、仲が宜しくない、似た者同士だからだろうなぁ…
「いやだと感じるのなら、そうならないように気を付ける様にっと、私はもう寝るからね?」
ベッドの上に置かれているネグリジェに手を伸ばすと、直ぐに駆けつけて私の服にふれ着替えを手伝おうとしてくる。
したいのならさせる、それもまた主人の務めってね。
テキパキと着替えさせられ、ベッドの上に体を預けると、視界の端っこでメイドちゃんも着替えているのが見える
どうやら、今日も私の部屋で寝るみたい
「自分の部屋で寝なくていいの?」
「ダメですか?」
悲しそうな声で返事を返さないの、追い出したみたいで気持ち良く寝れなくなるじゃん
「いいよ、カギ閉めて寝てね?」
「はい!」
嬉しそうな返事が聞こえてきたので目を閉じて、意識を自分の中心へと向ける。

体の中を流れる魔力量を、その流れを把握する様に意識を魔力の流れに重ね全身を巡回する。
復讐することこそ、我が生涯の願いとして、動き続けているが、無理はしていない。
来るべき決戦に備えて、何時だって体には余裕を持たせている。

今代の私は、犠牲になった私のおかげでかなり技術が向上している。
魔力を扱う技術もそうだが、会得が難しい技術に関しても練度が向上している。
魔力操作、術式の展開方法、身体能力を向上させるための魔力操作、人体の構造などなど、全てにおいて理解度が今までの私と比べ物にならないくらいに極まっている。
お陰様で、今まで発動していた術式も昔に比べて無駄に魔力を消費しなくなった。
過去の私がAっという術式を発動したら100の魔力を消費したとしても、今の私であれば、10辺りで済む。
それ程までに、魔力コントロールが卓越しているし、体内に流れる魔力量を感覚とは言え把握することが出来るし、操作することによってさまざまな臓器に魔力を織り込み保存する術も身に着けた。

そう、私そのものが魔石となる様に日々、こうやって体内の流れる魔力をコントロールして貯蓄している。
っま、こんな離れ業が出来るのも封印術式を施しているからなんだけどね。

決戦に向けて、明日も…やることがいっぱい。取り合えず、意識を私達の中に落として体は寝てもらおう。

とぷんっと、水の中に潜る様に意識を心の奥底に潜らせると、数多くの私が出迎えてくれる。
さぁ、会議を始めましょう。議題は…兵器について





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