CYBER

Eve

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パーティ

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その次の日、放課後は玲達共にサイバーの部屋に向かった。


放課後は、必ずサイバーの部屋に行くルールがあるそうだ。

が、サイバーのメンバーは12人、姫奈達入れて15人と言う少人数。



最強チームと言うだけ、試験も難しいようだ。



姫奈は、軽々倒してしまった、昨日の化け物も、なかなか強く、負けてしまう人がほとんどだと。




15人と言う少人数でありながら、放課後は仕事に出かける人が多く、部屋には毎回、7人くらいしかいない。





仕事というのは、学園の外で行うものだ。


仕事は、依頼をこなす事。

学園の外から、能力者アビリティー パーソンに依頼をするんだ。



強盗を捕まえて欲しい、暴れているモンスターを倒して欲しいなど。

レベルの高いものから、探し物を探して欲しいと言う手軽な依頼まで。




たまには、警察が依頼することもある。




ここでは、モンスターが出るのは当たり前だ。


モンスターといっても、ロボットだ。

モンスターの能力や姿は、おとぎ話に出てくるモンスターそのものだが、元はと言えば、いろいろな事情で作られたロボットなのだ。



姫奈が戦ったモンスターも、作られたロボットだ。




普段は、科学者達により、モンスターはどこかに閉じ込められている。


それでも、なぜか、モンスターの量が減らないのは、何故だか分からない。

きっと、どこかの科学者達が、どんどん創っていき、世界に放していると言われている。





 「今日は、初めての仕事ってわけか」




玲がふぅっと息を吐いた。





 「ああ、それなんだけどね…」




と、玲の言葉を聞いたメイサが立ち上がった。





 「初めてだから、パーティを組んでもらうわ」


 「パーティ?」





美帰は頭を傾げた。



 「パーティというのは、グループみたいなもの。仕事する時、ソロよりも仲間がいるといいからね」


と千尋は美帰に丁寧に説明する。




 「今回は、あなた達四人は、別パーティとします。他のメンバーのパーティに入ってもらう。」


メイサの言葉に姫奈は「ええ」と声を上げる。

パーティと聞いて、兄妹四人で組もうと真っ先に考えたのは姫奈だからだ。




 「今回だけよ。一回仕事をこなして観て、無理と感じるのならすぐに四人でパーティを組み直してもらって結構よ。でも、今回だけは、別々でお願い」





リーダーのメイサに逆らう権利なんてなく、姫奈達は仕方なく他のサイバーのメンバーとパーティを組むことになった。




姫奈は、メイサの指令で、メイサ、レーナ、ユウリとパーティを組むことになった。



メイサ、レーナは知っていたが、ユウリとは初対面だ。


ユウリはとても美しい青年だった。

スラッと背が高く、金髪で綺麗な顔立ちだ。思わず、姫奈も見惚れてしまうほどだ。




 「よろしくね、姫奈ちゃん」



ユウリはそう言って爽やかな笑顔を見せた。

姫奈は顔が熱くなるのを感じて、顔をそらし、挨拶を返した。





その間、千尋は、アミリア達と組んでいた。



 「あ、貴方が姫奈さんの弟さんですね。アミリアと申します」



アミリアは丁寧に千尋に挨拶をした。


 「千尋といいます。よろしく」



千尋もそう挨拶をすると、横から美しい少女が出てきた。




 「今回、よろしくお願い致しますわ」




その少女は、金髪の長い髪の毛をツインテールに縛り、耳は長い、エルフのようだ。


制服を着ていない。王族を思わせる緑と白の綺麗なミニワンピに、茶色いローブのようなものを羽織っている。




 「君は……」



 「この子はセレフィーアです。私、召喚用のセルフバティーで、召喚アビリティーの使用者で、この子は私に召喚している一人で、相方のようなものです」





アミリアがそう説明するとセレフィーアは千尋に向かって微笑んだ。





 「エルフ族の、セレフィーア・アルネリオです。アミリア様は私のことをフィーと呼びます。私も全力でサポートさせて頂くのでよろしくお願いします。」






千尋がエルフを見るのは、初めてだった。


でも、それは本物の、エルフではない。

作られたロボットなのだ。




でも、何も知らずに見れば、彼女は人間そのものだ。肌も髪も動きも、人間そのものだ。


見分けはつかないだろう。



感情もしっかりあるし、痛みも感じる。








パーティを組んで準備ができたメンバー達は、依頼を選び、次々に仕事に向かった。




 「じゃあ、今日の依頼は…街中で騒ぎを起こしている連中をボコボコに…でいいよね?」




ユウリは姫奈達に、一枚の紙を見せた。




 
そこには、隣町でたくさんのロボットモンスターが暴れていることが書かれていた。


何度倒してもキリがない。その理由は召喚アビリティーを持つ人が操っているからだという。


だから、倒しても復活してしまうのだ。

ちなみに、召喚されているロボットは倒されても、セルフバティーをコントロールしているによって復活できる。





姫奈達は、隣町に行くため電車を利用した。


電車の中で姫奈はメイサに聞きたかったことを聞いた。



 「ところで、どうして私たちを別々にしたんですか?私も、こんな凄いパーティに入れてもらって…」



メイサ達のパーティは、サイバーの中でも最強だ。

メイサはリーダーだし、レーナは凄いアビリティーの持ち主。


ユーリはよく知らないが、副リーダーだった気がする。




 「君たちの本当の力を試すためだよ。それに、俺が言ったんだ。姫奈と組みたいって」



ユーリはメイサの代わりにそう言ってにっこり微笑む。



 「私と組みたい?」



 「君の力は、アミリアとの対戦でよくわかった。俺は見てたんだ。
でも、それ以上に君は力を持っている。

メイサから聞いた、アルファ メモリアを使いこなした、面白い子だし…

俺は君に興味があるんだ」




アルファ メモリア

姫奈が、無理やりセルフバティーにダウンロードして使ったアビリティーだ。



セルフバティーには、二つのタイプがある。

姫奈のような、ダウンロードセルフバティーと、レーナのコンタクトアイのような、ナチュラルセルフバティー。



簡単に言うと、ダウンロードセルフバティーは、スマホのようなものだ。

アプリは、アビリティー


技を繰り出す為には、ダウンロードしないといけない。

セルフバティーの種類によって、ダウンロードできる技は異なる。




ナチュラルセルフバティーは、元から決まった技があり、それを使う。

ダウンロードは出来ない。




どっちかと言えば、ダウンロードセルフバティーは、ナチュラルセルフバティーより、大きなサイズで脳にコネクトする。


例えば、ダウンロードセルフバティーのサイズは、平均で500EDs。

人間の脳の大きさは760EDs。

一気に500も消費してしまう。



それに比べて、ナチュラルセルフバティーは、平均でたったの100EDs。

まだ他にたくさん脳にコネクトできるのだ。







 「どうして、アルファ メモリアを使おうと思ったの?」




メイサは姫奈にそう尋ねた。

言いたくはないけど、隠す事もない。



 「二年前に、私たちが住んでいた町が、襲われたんです。あれは…たぶん、召喚されたモンスターではなかった。

とても凶暴だったの。みんな力を合わせて戦ったんだけど、ビクともしなくて…

その時、美帰がモンスターにて遠くに飛ばされて…大怪我をしたの。
それを見た私は、慌てて…」




それが、姫奈達が四人が離れ離れになった理由だ。

小さかった姫奈達は自分達では生きていけない。



引き取ってくれる人が見つかり、二年間面倒を見てもらったのだ。


そんな四人は、二年前から、会う事を約束していた。





 「やっぱ、あんた只者じゃないな」




レーナもクスッと笑った。



 「いいえ、たぶん私は普通の人間です。あの時は…無理やりだったんです。
完全に使いこなせたわけでも…ないと思う。それに、あの技は…メイサさんもインストロールしてあるんですよね?」



姫奈は前にメイサがいっていた事を思い出した。

アルファメモリアの姉妹技を使えると




 「アルファ メモリアは悪魔の技。万が一の為に、と科学者達が作った悪魔の技。それは普通の人にはインストロール出来ないように、硬いガードがあり、手の込んだハッキングしてもインストロール出来ないようになっている。

それをインストロール出来たのは、俺の知ってる中でも、メイサと君だけだよ」




ユウリはそう言って微笑んだ。



科学者達が戦っているというのか?それは、一般人の姫奈達にはわからない。


でも、モンスターを創って、街を混乱させている科学者と、それを止める為に、いろんな対応出来る技を作る科学者がいる…

それを考えればきっと、答えは簡単にわかる。




 「さて、今回の仕事、不思議なところがあるってな」




レーナはそう言って仕事の話を切り出した。

これは、姫奈にとっても初めての仕事で、絶対に成功させたいものだ。





 「不思議な点?」



メイサがレーナの顔を覗き込む。


レーナは顔を強張らせる。

レーナの目は、不思議な色に変わっている。周りを見渡すと、「間違いない」と息を吐いた。




 「今すぐ、窓ガラスを割ってここから脱出だ!!」



レーナは大きな声でそう言ってスッと慌てて立ち上がった。


その一言に、姫奈だけじゃなく、メイサとユウリも息を飲んだ。

そして正にその次の瞬間、電車の窓ガラスが一斉に割れた。




 「きゃっ…」




姫奈は小さな悲鳴をあげた。

そんな姫奈を、ユウリは反射的に自分の胸の方に引っ張り粉々になるグラスから庇った。



ユウリの頬から血が、姫奈の頬に滴り落ちる。


一瞬何が起こったのかわからなかった。




 「姫奈ちゃん、怪我は?」




ユウリの声にハッと我に帰った姫奈はユウリの傷にすぐに気づいた。



 「ユウリさんが守ってくれたから…でも、怪我が…」



 「平気、かすり傷だよ」



そういうユウリは微笑んだ。

でもその傷はかすり傷どころじゃないという事は姫奈にもわかる。




 「なんなの、レーナ?」



メイサの声に「敵!!」と大きな声で答えるレーナ。



 「この電車に乗ってる人間は…人間じゃない!!召喚された、ロボットだ!!」



レーナの言葉に姫奈は思わず周りを見渡した。

数十人しかいない電車の来客は何事もなかったように座っている。



電車はスピードを落とすことなく進んでいる。




 「メイサ、すぐにハッキングを!」



 「分かってる!」




メイサは大きな声で答えてスッと目を閉じた。


すると、メイサの耳のセルフバティーが動き出した。

すうっと彼女から魔法陣が出て、一瞬にして電車の中を黄色い光に包んだ。




周りにいるロボットが動き出す前に戦闘不能にするのだ。




 「ーーーハッキング開始!!活動をてい…きゃ!!」




一瞬だった。

メイサは飛ばされ、電車の隅に身体をぶつけた。




一瞬にして、電車の中の魔法陣が消えた。



 「「メイサ!!!!」」

 

一瞬、床に倒れこんだメイサに視線を注いだが、すぐにメイサの立っていたところを見てみると、そこには少女がいた。



白い服を纏った少女だ。

紫色の髪の毛は肩までで、ハーフアップにしている。

赤い綺麗な目に吸い込まれそうだ。





 「お前…何者だ」



ユウリは姫奈を庇うようにして前に出た。

姫奈もポケットからセルフバティーを出し、左腕にセルフバティーと繋がっているロープを縛った。




 「名乗る必要なんてない。邪魔をするのならば、あなた達を消す」




少女はそう言って左手で、自分の首元に手を置いた。

そして、彼女のネックレスが赤い色にぼうっと光りだした。



次の瞬間、さっきまで動いてなかった人間達ロボットが動き出した。


ゾンビのように、唸り声をあげながらフラフラと近づいてくる。




 「姫奈ちゃん…大丈夫?戦える?」




ユウリに優しく聞かれ、姫奈はこくりと頷いた。



 「行けます」




姫奈はそう力強く答えると、セルフバティーを操作し始めた。


その時、ギリっと嫌な音がして、姫奈達の視線は、さっきの少女に向かった。




そこには、さっきまで倒れていたメイサが少女の頭を右手でギリッと掴んでいる光景だった。





 「お前が、この騒ぎの黒幕か…」





メイサの声は低い。メイサじゃないようだ。


メイサの右手からは黄色い光が出ており、ハッキングをしているようだ。





 「違う。私はただの部下」




彼女がそういうと、メイサは思いっきり彼女を投げ飛ばした。




 「チェサ・ヴィーナ。エルシア王国出身。14才。召喚セルフバティーか」




レーナはそう静かに伝えた。

コンタクトアイで、相手の情報をすぐに手に入れたようだ。



エルシア王国は、ここから数千キロも離れた王国だ。




 
 「まさか…情報が、漏れている?」




チェサの顔が青白くなっていく。


チェサに攻撃が加えられても、ロボット達は、動き続けている。



姫奈は左手をすっと前に伸ばすと、白い霧のようなものが相手を飲み込む。


飲み込まれた人間ロボットは倒れていく。





 「やるね、姫奈ちゃん。俺が出なくても全滅じゃないの?」




 「いえ、そんなこと…」




姫奈は、ユウリのほめ言葉に照れながらも戦闘を続ける。

確かに、これくらいなら楽勝だった。





 「戦わないの?」





メイサは中々、攻撃を仕掛けてこないチェサを見つめる。




 「時間の無駄だから」




チェサはそういうとすっと立ち上がった。



 「レーナ!!逃さないで!!」



 「分かってる!!」




レーナは慌てて銃を取ると、それをチェサに向けて打ち始めた。


バンバンっと玉が放たれるたびに彼女のセルフバティーが青く光だす。




チェサは、軽くそれらを交わして出口に向かう。




彼女の目指している出口は窓だ。

すぐにでも割れた窓に彼女はたどり着く。




 「"そこを動くな!!!!"」




その時、耳が割れるような凄い大きな声がして、姫奈もおもわず動きを止めた。



チェサは、人形のようにその場から動かなくなった。




その声は、ユウリのものだった




 「なに…いまの?」




姫奈がポカーンとしている間にユウリはクスッと笑った。





 「俺の愛用しているセルフバティーは、ボイス・コントローラー。声で人を操るんだ」




それを聞いたチェサはグッと唇を噛んで悔しそうだ。






 「そんなもので…私は拘束されない」




彼女がそう呟くと、彼女のネックレスが光りだした。


そして、彼女の目の前に、背の高い、耳が伸びたエルフが出てきた。

エルフは、森の妖精のような服装をしている。





 「エルフ族も召喚していたのか」




レーナは銃をエルフに向けた。






 「撤退だ」




チェサがそういうと、エルフはこくりと頷き右手を伸ばすと、周りに霧が上がってきた。



 

 「逃がすな!」




メイサのその声で、レーナも、霧の中に向かって銃を打つ。


が、霧はすぐに晴れ、晴れた時には、電車の中には誰もいなかった。





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