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天国から地獄へ
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奴らに悪気がないって分かってる。でももう限界だ。
「いい加減にしろよお前ら! これは見世物じゃない! 」
我慢してたがついにキレてしまう。
「うるせえ! とっとと終わらせろと言ってるんだ! 」
一人の男がしつこくヤジを飛ばす。
よそから流れて来た元政治家の信用ならない男。
いつの間にか姿を消したと思ったらちゃっかり流浪の民に合流していたか。
確か村を追放されたとかって噂。
「まだかよ本当に! いい加減にしろ! 」
彼も決して悪気があって言ってるのではないと信じたいが堪えきれない。
「ふざけるな! 静かにしろ! 」
ついヤジでリズムが狂ってしまった。
心を鎮められずに叫んでしまう。
俺が叫びたいのはこう言うことじゃない。もう嫌になる。
そんな俺だと言うのにアンはそれでも待っててくれる。
俺からの告白があると信じて。
「俺…… お前が…… 」
告白は成功したかに思えたがそこで止まる。
虚しく時間切れ。
警告! 警告!
どこからともなく聞こえる憎たらしい音。
これで累積五枚目。お待ちかねの退場だ。
すぐに警告せずに時間にズレが生じたのは準備が整うまでの猶予なのか。
五枚目とあり慎重になったのか。見逃そうとしたか。
だが結局警告を受けてしまった。
いきなりモンスターが襲い掛かり両手両足を抑えつけられると引っ立てられる。
「エクセル! ハック! 」
「助けなけきゃ! 」
「ダメよハック! 手出ししないで! あなたまで捕まってしまう! 」
この世界のルールを知るエクセルは冷静。でも俺を助けてくれてもいいだろ。
暴言カードをかざせばきっとこいつらだって消滅するはず。モンスターなんだから。
退場し近くの刑務所へ。
「うわああ! 待ってくれもう少しなんだ! 」
だがどんな言い訳も通用しない。例外は許さないと。
これがこの世界のルールだそう。
いくら異人だけとは言え守らない道理はない。
「止めろ! アン! アン! アーン! 」
何度も何度も呼び続ける。
「ゲン! ゲン! ゲン…… 」
アンも返してくれた。だがそれももう遅い。
ついに恐れていたことが起きてしまった。
目を覚ますと刑務所の中。
どうやらエクセルの言っていたことが現実に。
「おい起きろ! 起きろって! 」
物凄い勢いで両頬を張られる。
「お前大丈夫か? 」
見知らぬ男が呆れている。どうやら俺と同じ囚人らしいが。
「あんたは? 」
強制連行された上に閉じ込められた。
俺は冒険者であって罪人なんかじゃない。
早くここを出てアンに告白を。
ドンドン
ドンドン
看守を呼びつける。
「何だお前はうるさいぞ! 」
耳を押さえて注意を与える。
「俺が何をした? 早くここから出せ! 」
ハイハイと相手にしない。
だったら相手にされるまで叩き続けるだけだ。
落ちてたスプーンを叩きつける。
どうやらこのスプーンは看守を呼ぶ時のものらしい。
だから使い方は間違ってない。ただ近すぎれば耳に響くだろうな。
カンカン
カンカン
「うるせい! 大人しくしてろ! 」
耳を塞ぎ注意を与える。
「俺は何もしてない! ここ早く出せ! 」
看守にいくら言っても無駄なのは分かってるがそれでも抵抗しないのは間違ってる。
俺は正しい。間違ったことはしてない。
「あのな…… 警告を受けて五枚累積しただろうが。
あれほど気をつけろと言われていたのに無視して暴走したのはお前じゃないのか?
報告は入ってるぞ」
看守はエクセルからの報告を受けたらしい。
彼女にとっても案内役の仕事が無くなってしまい困ってると。
「知るかよ! 俺は悪くない! 」
多少自覚はあるが俺の好きにさせろってんだ。
「言葉の暴力を振るい続けたお前が言い訳出来る立場か?
よく考ええるんだな」
「ふざけるな! 弁護士を呼べ! 」
「ふふふ…… そんな奴は存在しない。
お前らは刑に服すんだ。これ以上余計な仕事を増やすなら考えがあるぞ! 」
脅しをかける看守。
やはり以前の世界は崩壊していたようだ。
モンスターが支配するようになって世界が平和に。
そう見えたがそれはすべてまやかしだったらしい。
逆らう奴を片っ端から檻に入れる恐怖政治を始めやがった。
皆洗脳されているから世界の異常に気がつかない。
モンスターが襲来して三年が経ったが平和とはほど遠い窮屈な世界になった。
よそ者を排除する動きを見せる異常性。
共存とは名ばかりの狂った世界。
恐らく俺たちではどうにもならない。
モンスターと戦う勇者の誕生を願うばかり。
それは今ではなく何年か先のことになるだろう。
俺は今のこのイカレタ世界で生き残り再びアンに告白をする。
もう村の連中はどうでもいい。
アンさえ取り戻せればそれでいい。
たとえ世界が滅んだとしても。
続く
「いい加減にしろよお前ら! これは見世物じゃない! 」
我慢してたがついにキレてしまう。
「うるせえ! とっとと終わらせろと言ってるんだ! 」
一人の男がしつこくヤジを飛ばす。
よそから流れて来た元政治家の信用ならない男。
いつの間にか姿を消したと思ったらちゃっかり流浪の民に合流していたか。
確か村を追放されたとかって噂。
「まだかよ本当に! いい加減にしろ! 」
彼も決して悪気があって言ってるのではないと信じたいが堪えきれない。
「ふざけるな! 静かにしろ! 」
ついヤジでリズムが狂ってしまった。
心を鎮められずに叫んでしまう。
俺が叫びたいのはこう言うことじゃない。もう嫌になる。
そんな俺だと言うのにアンはそれでも待っててくれる。
俺からの告白があると信じて。
「俺…… お前が…… 」
告白は成功したかに思えたがそこで止まる。
虚しく時間切れ。
警告! 警告!
どこからともなく聞こえる憎たらしい音。
これで累積五枚目。お待ちかねの退場だ。
すぐに警告せずに時間にズレが生じたのは準備が整うまでの猶予なのか。
五枚目とあり慎重になったのか。見逃そうとしたか。
だが結局警告を受けてしまった。
いきなりモンスターが襲い掛かり両手両足を抑えつけられると引っ立てられる。
「エクセル! ハック! 」
「助けなけきゃ! 」
「ダメよハック! 手出ししないで! あなたまで捕まってしまう! 」
この世界のルールを知るエクセルは冷静。でも俺を助けてくれてもいいだろ。
暴言カードをかざせばきっとこいつらだって消滅するはず。モンスターなんだから。
退場し近くの刑務所へ。
「うわああ! 待ってくれもう少しなんだ! 」
だがどんな言い訳も通用しない。例外は許さないと。
これがこの世界のルールだそう。
いくら異人だけとは言え守らない道理はない。
「止めろ! アン! アン! アーン! 」
何度も何度も呼び続ける。
「ゲン! ゲン! ゲン…… 」
アンも返してくれた。だがそれももう遅い。
ついに恐れていたことが起きてしまった。
目を覚ますと刑務所の中。
どうやらエクセルの言っていたことが現実に。
「おい起きろ! 起きろって! 」
物凄い勢いで両頬を張られる。
「お前大丈夫か? 」
見知らぬ男が呆れている。どうやら俺と同じ囚人らしいが。
「あんたは? 」
強制連行された上に閉じ込められた。
俺は冒険者であって罪人なんかじゃない。
早くここを出てアンに告白を。
ドンドン
ドンドン
看守を呼びつける。
「何だお前はうるさいぞ! 」
耳を押さえて注意を与える。
「俺が何をした? 早くここから出せ! 」
ハイハイと相手にしない。
だったら相手にされるまで叩き続けるだけだ。
落ちてたスプーンを叩きつける。
どうやらこのスプーンは看守を呼ぶ時のものらしい。
だから使い方は間違ってない。ただ近すぎれば耳に響くだろうな。
カンカン
カンカン
「うるせい! 大人しくしてろ! 」
耳を塞ぎ注意を与える。
「俺は何もしてない! ここ早く出せ! 」
看守にいくら言っても無駄なのは分かってるがそれでも抵抗しないのは間違ってる。
俺は正しい。間違ったことはしてない。
「あのな…… 警告を受けて五枚累積しただろうが。
あれほど気をつけろと言われていたのに無視して暴走したのはお前じゃないのか?
報告は入ってるぞ」
看守はエクセルからの報告を受けたらしい。
彼女にとっても案内役の仕事が無くなってしまい困ってると。
「知るかよ! 俺は悪くない! 」
多少自覚はあるが俺の好きにさせろってんだ。
「言葉の暴力を振るい続けたお前が言い訳出来る立場か?
よく考ええるんだな」
「ふざけるな! 弁護士を呼べ! 」
「ふふふ…… そんな奴は存在しない。
お前らは刑に服すんだ。これ以上余計な仕事を増やすなら考えがあるぞ! 」
脅しをかける看守。
やはり以前の世界は崩壊していたようだ。
モンスターが支配するようになって世界が平和に。
そう見えたがそれはすべてまやかしだったらしい。
逆らう奴を片っ端から檻に入れる恐怖政治を始めやがった。
皆洗脳されているから世界の異常に気がつかない。
モンスターが襲来して三年が経ったが平和とはほど遠い窮屈な世界になった。
よそ者を排除する動きを見せる異常性。
共存とは名ばかりの狂った世界。
恐らく俺たちではどうにもならない。
モンスターと戦う勇者の誕生を願うばかり。
それは今ではなく何年か先のことになるだろう。
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もう村の連中はどうでもいい。
アンさえ取り戻せればそれでいい。
たとえ世界が滅んだとしても。
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