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愛の言霊
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【愛の言霊】
レア中のレアアイテム。
これを使えば緊張したり固まったりせずにスマートに意中の女性に告白できる。
成功率は何と驚異の五十パーセント。
成功か失敗かの二択しかない。
まれに保留もあるが最終的にはどちらかを選ぶ。
「お主はどうじゃ? 」
ハックが喰いつかないと踏んでこっちにターゲットを絞ったようだ。
「ですからプライスレスでは支払いのしようがない」
丁重に断ることにした。
「分かった。お主にはこのウサギの耳をもらった。だからこれはサービスじゃ」
プライスレスとは結局のところ爺さんの気持ち次第。
粘った? 甲斐があったかな。
「彷徨える勇者よ。この愛の言霊を受け取るが良い! 」
「はあ…… それでは有難く。これ何に使うの? 」
「おいおい何も聞いてなかったのか? 仕方がないもう一度初めから説明しよう」
爺さんが言うにはこれは第三世界で仕入れたものらしい。
「良いか第三世界には愛の言霊がある。それは南の方で取れるとか取れないとか。
気になるようなら自分の手で探し出すのも良かろう。それが冒険じゃ」
勧めるのは大変ありがたいが一個あれば充分でしょう?
アンに告白する時どうしても緊張して本心が言えずに固まってしまう。
この愛の言霊なら問題なく告白出来る。
うんこれですべて上手く行く。
今まで失敗したのだって緊張して固まったのを周りに馬鹿にされたから。
黙っていればいいものをヤジを飛ばす観衆。
出会ってすぐに愛の告白が出来れば何の問題もない。
「分かりました。大切にします」
「ああ、待て。これはレアアイテムじゃからなモンスターにも有効だ。
その威力は一瞬で消し去るほどと言われておる。
ピンチになったら告白など気にせずに躊躇わずに使うといい」
爺の忠告を受け俺たちは歩き出す。
これで第三世界に……
「おいゲン! 近づいて来るぞ! 」
得体のしれない化け物が目の前に。
奴らはモンスターか人間か?
そろそろ見分ける力を身に着けられたらな。
「ためらうな! 人間でも警告を一枚もらうだけさ」
「そう言うもんか…… 」
単純なハックは分け与えた暴言カードで次々にモンスターを蹴散らせていく。
躊躇せずに戦いに身を投じるハックは本物だろう。
アプリンを守るように向かってくるモンスターを暴言で消滅させる。
よく考えれば俺たちは最低な人間だ。
俺はいつの間にか酷い人間になってしまった。
後悔してないと言ったら嘘になるがいい加減嫌になるぜ。
「ハック気をつけろ! 」
いきなり先制攻撃を仕掛ける知能犯モンスターまで登場。
だがその手には乗らない。
遠慮なく消滅させる。
「よし進もう! 」
ウギャアアア!
ヒギャアアア!
出現と消滅を繰り返すモンスター。
何度も来る敵を蹴散らせてると橋の奥から悲鳴が聞こえる。
そう言えばさっき謎の生物が羽根を広がしてたような音が……
よし急ぐとしよう。
ギャア
ギャア
鼓膜が破れるのではと思うほどの衝撃音。
その鳴き声の正体はまだ見ぬ醜い化け物。
「これは何だろう? 」
「知るかよ! 化け物に違いはないさ」
「これはドラゴンよ。本当にきれい! 」
アプリンは見惚れてしまう。
確かによく見ると光の加減で美しく優雅に見える竜。
化け物と呼ぶにはあまりにも神々しい。
まるでこの世のものではないかのよう。
「あの竜怒ってないか? 」
怒り狂う竜は翼を広げ第三世界の方向へ飛んでいく。
「うおおお! 勝負だ! 俺と勝負しろ! 」
ハックは何を血迷ったのか化け物の竜に戦いを挑むつもりらしい。
「止めろ! これ以上刺激するな! 」
「だってよゲン。戦ってみたいじゃないか」
まったくハックの奴には困ったものだ。
本能で戦いに挑もうなど。無謀すぎる。
ドラゴンは化け物で到底人間が及ぶはずがない。
ドラゴンはこちらに目もくれずに第三世界の方へ飛んで行ってしまった。
「勝負しろ! 」
ハックは怒り狂うドラゴンに何とか気づいてもらおうと必死。
「馬鹿! 気づかれたらお終いだ! 」
「ゲンちゃんの言う通り。ここは大人しくしてましょう」
アプリンがエクセルの代わりに指示を出す。
「そうだ。大人しく去っていくのを待つんだ! 」
俺たちには言葉の暴力しかない。
だがドラゴンでは効果ないだろう。残念だが相手が悪すぎる。
恐らくこのドラゴンは第三世界へ行く者を阻む最後の砦。
このドラゴンを倒さなければ第三世界は夢のまた夢。
続く
レア中のレアアイテム。
これを使えば緊張したり固まったりせずにスマートに意中の女性に告白できる。
成功率は何と驚異の五十パーセント。
成功か失敗かの二択しかない。
まれに保留もあるが最終的にはどちらかを選ぶ。
「お主はどうじゃ? 」
ハックが喰いつかないと踏んでこっちにターゲットを絞ったようだ。
「ですからプライスレスでは支払いのしようがない」
丁重に断ることにした。
「分かった。お主にはこのウサギの耳をもらった。だからこれはサービスじゃ」
プライスレスとは結局のところ爺さんの気持ち次第。
粘った? 甲斐があったかな。
「彷徨える勇者よ。この愛の言霊を受け取るが良い! 」
「はあ…… それでは有難く。これ何に使うの? 」
「おいおい何も聞いてなかったのか? 仕方がないもう一度初めから説明しよう」
爺さんが言うにはこれは第三世界で仕入れたものらしい。
「良いか第三世界には愛の言霊がある。それは南の方で取れるとか取れないとか。
気になるようなら自分の手で探し出すのも良かろう。それが冒険じゃ」
勧めるのは大変ありがたいが一個あれば充分でしょう?
アンに告白する時どうしても緊張して本心が言えずに固まってしまう。
この愛の言霊なら問題なく告白出来る。
うんこれですべて上手く行く。
今まで失敗したのだって緊張して固まったのを周りに馬鹿にされたから。
黙っていればいいものをヤジを飛ばす観衆。
出会ってすぐに愛の告白が出来れば何の問題もない。
「分かりました。大切にします」
「ああ、待て。これはレアアイテムじゃからなモンスターにも有効だ。
その威力は一瞬で消し去るほどと言われておる。
ピンチになったら告白など気にせずに躊躇わずに使うといい」
爺の忠告を受け俺たちは歩き出す。
これで第三世界に……
「おいゲン! 近づいて来るぞ! 」
得体のしれない化け物が目の前に。
奴らはモンスターか人間か?
そろそろ見分ける力を身に着けられたらな。
「ためらうな! 人間でも警告を一枚もらうだけさ」
「そう言うもんか…… 」
単純なハックは分け与えた暴言カードで次々にモンスターを蹴散らせていく。
躊躇せずに戦いに身を投じるハックは本物だろう。
アプリンを守るように向かってくるモンスターを暴言で消滅させる。
よく考えれば俺たちは最低な人間だ。
俺はいつの間にか酷い人間になってしまった。
後悔してないと言ったら嘘になるがいい加減嫌になるぜ。
「ハック気をつけろ! 」
いきなり先制攻撃を仕掛ける知能犯モンスターまで登場。
だがその手には乗らない。
遠慮なく消滅させる。
「よし進もう! 」
ウギャアアア!
ヒギャアアア!
出現と消滅を繰り返すモンスター。
何度も来る敵を蹴散らせてると橋の奥から悲鳴が聞こえる。
そう言えばさっき謎の生物が羽根を広がしてたような音が……
よし急ぐとしよう。
ギャア
ギャア
鼓膜が破れるのではと思うほどの衝撃音。
その鳴き声の正体はまだ見ぬ醜い化け物。
「これは何だろう? 」
「知るかよ! 化け物に違いはないさ」
「これはドラゴンよ。本当にきれい! 」
アプリンは見惚れてしまう。
確かによく見ると光の加減で美しく優雅に見える竜。
化け物と呼ぶにはあまりにも神々しい。
まるでこの世のものではないかのよう。
「あの竜怒ってないか? 」
怒り狂う竜は翼を広げ第三世界の方向へ飛んでいく。
「うおおお! 勝負だ! 俺と勝負しろ! 」
ハックは何を血迷ったのか化け物の竜に戦いを挑むつもりらしい。
「止めろ! これ以上刺激するな! 」
「だってよゲン。戦ってみたいじゃないか」
まったくハックの奴には困ったものだ。
本能で戦いに挑もうなど。無謀すぎる。
ドラゴンは化け物で到底人間が及ぶはずがない。
ドラゴンはこちらに目もくれずに第三世界の方へ飛んで行ってしまった。
「勝負しろ! 」
ハックは怒り狂うドラゴンに何とか気づいてもらおうと必死。
「馬鹿! 気づかれたらお終いだ! 」
「ゲンちゃんの言う通り。ここは大人しくしてましょう」
アプリンがエクセルの代わりに指示を出す。
「そうだ。大人しく去っていくのを待つんだ! 」
俺たちには言葉の暴力しかない。
だがドラゴンでは効果ないだろう。残念だが相手が悪すぎる。
恐らくこのドラゴンは第三世界へ行く者を阻む最後の砦。
このドラゴンを倒さなければ第三世界は夢のまた夢。
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