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小型ボートで危機一髪
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今小型ボートに乗せられ牽かれている。
これはレジャーやマリンスポーツとは訳が違う。
トローリングだとはしゃいでる場合ではないのだ。
とても危険な状態。ある意味絶体絶命の状況。
バランスを崩し転覆でもしようものなら海の藻屑と化すだろう。
目の前の大型船にすべてを預ける。
「いいかお前らおかしな動きをするなよ! いつでも遠慮せずに撃つからな。
ははは! これは船長命令だ。悪く思うなよ」
自分たちは命令に従っているだけだとアピール。
文句があるなら船長に言えと。情けない奴らだ。
だがあの迫力ある髭面に意見が言えるはずがない。
怖くてちびりそう。部下も俺たちと大して変わらない。恐れ崇めているのだろう。
悪口も暴言も収まらずにエスカレートしていくばかり。
これはいくら何でも警告の対象では? あまりに酷過ぎる。
俺が何をした? 俺たちが何をした?
「分かったか異人ども。とっとと消えちまえ! 」
どうやら閉ざされた狭い空間で少しおかしくなっている?
ちくしょう! ここまでしなくたっていいだろう? これではただの弱い者いじめ。
「本当にこいつら馬鹿だぜ。あははは! 」
収まることはない。
厳戒態勢に入った船舶。
デッキには乗客の姿がほとんど見られない。
居てもすぐに船員によって連行されていく。
見られたり聞かれたりしたらイメージダウンだからな。
「何か言ってみろよ? ああん? 聞こえねえよ! 」
大笑いでからかい続ける大きな船に乗る心の小さな者たち。
我慢我慢。とにかく大人しく時が過ぎるのを待つしかない。
だからって静かにしてくれないのが爺さん。
「舐めおって! 儂と勝負せい! 」
「そうだそうだ! よく言ったぞ爺さん! 」
挑発に乗ってバグ爺さんが騒ぎ始める。ノコタップは止めるどころか煽る始末。
仕方なく俺が爺さんをアトリがノコタップを黙らせる。
「何をする! 馬鹿にされて悔しくないのか? 」
まったくこんな時ばかりまともなこと言うんだから。
「ご主人様もう限界です! 」
アトリもノコタップを抑えられない。
俺だって本当はもう限界だけど転覆したらお終い。ここは冷静に冷静に。
自己紹介で気を紛らわすことに。
「俺は言右衛門。ゲンって呼んでくれると嬉しいな」
「おいおいそれは昨日聞いたって! お前邪魔する気か? 」
ノコタップがキレる。もう滅茶苦茶だ。
「では自己紹介お願いします」
アトリが強引に持って行く。うん。これくらいでちょうどいい。
「くそ! まあいいか。実は私さシカと人間のハーフなんだ。
だからこの角は自前だ。名前はノコタップ。好きに呼んでくれ」
「じゃあノコタン。これからもよろしくねノコタン」
ノコ姉さんよりも親しみがある。
「おいふざけるな! せめてノコサンで」
顔を赤く染め慌てて拒絶。かわいいところあるな。
「ならシカちゃん」
「ふざけんなゲン! 」
「ダメなの? 」
「当たりまえだろうが! 」
「ふん! シカちゃんだろうがウマちゃんだろうが食べられればそれでよかろう」
「こら爺! とんでもないこと言うな! 」
「ですがシカちゃんはかわいいですよ」
アトリが説得に掛かる。
「そうか…… あんたら私をからかってないか? 」
「からかってない。からかってないよ。シカちゃん」
「うわやっぱりからかってる上に馬鹿にしてやがる! 」
口の悪いシカちゃんであった。これは生まれつきだそう。
「ははは! おえええ…… 気持ち悪くなってきたのう」
「こら爺! こっちに寄るな! 」
「そんな薄情な! お主らも何か言ってくれ! 」
「まあまあ」
「うるさい! 」
こうやって絆を深めて行く。
おゲロもシカちゃんの件も解決。丸く収まったところで爺が真剣な目をする。
「それでお主は何用で来られた? 」
「爺さんには関係ないだろう? 自分は復讐さ。
自分たちの幸せを奪った野郎に復讐する為に生きてるのさ」
何だか重たい展開だな。ファンタジーには不向きな設定。もう少し軽めなのないの?
続けてアトリが自己紹介。
「私は妖精のアトリ。ご主人様のお世話係をしてます。
二人ともどうかご主人様をよろしくお願いします」
「お願いされたくないよまったく! 」
ノコタップは相変わらず言葉が悪い。
「儂はさすらいのハンター。どんな奴も一発で仕留める自信がある。
邪魔しなければの話じゃがな」
嫌味で返す爺さん。本当に性格悪いな。
こうして何度目かの自己紹介を終える。
続く
これはレジャーやマリンスポーツとは訳が違う。
トローリングだとはしゃいでる場合ではないのだ。
とても危険な状態。ある意味絶体絶命の状況。
バランスを崩し転覆でもしようものなら海の藻屑と化すだろう。
目の前の大型船にすべてを預ける。
「いいかお前らおかしな動きをするなよ! いつでも遠慮せずに撃つからな。
ははは! これは船長命令だ。悪く思うなよ」
自分たちは命令に従っているだけだとアピール。
文句があるなら船長に言えと。情けない奴らだ。
だがあの迫力ある髭面に意見が言えるはずがない。
怖くてちびりそう。部下も俺たちと大して変わらない。恐れ崇めているのだろう。
悪口も暴言も収まらずにエスカレートしていくばかり。
これはいくら何でも警告の対象では? あまりに酷過ぎる。
俺が何をした? 俺たちが何をした?
「分かったか異人ども。とっとと消えちまえ! 」
どうやら閉ざされた狭い空間で少しおかしくなっている?
ちくしょう! ここまでしなくたっていいだろう? これではただの弱い者いじめ。
「本当にこいつら馬鹿だぜ。あははは! 」
収まることはない。
厳戒態勢に入った船舶。
デッキには乗客の姿がほとんど見られない。
居てもすぐに船員によって連行されていく。
見られたり聞かれたりしたらイメージダウンだからな。
「何か言ってみろよ? ああん? 聞こえねえよ! 」
大笑いでからかい続ける大きな船に乗る心の小さな者たち。
我慢我慢。とにかく大人しく時が過ぎるのを待つしかない。
だからって静かにしてくれないのが爺さん。
「舐めおって! 儂と勝負せい! 」
「そうだそうだ! よく言ったぞ爺さん! 」
挑発に乗ってバグ爺さんが騒ぎ始める。ノコタップは止めるどころか煽る始末。
仕方なく俺が爺さんをアトリがノコタップを黙らせる。
「何をする! 馬鹿にされて悔しくないのか? 」
まったくこんな時ばかりまともなこと言うんだから。
「ご主人様もう限界です! 」
アトリもノコタップを抑えられない。
俺だって本当はもう限界だけど転覆したらお終い。ここは冷静に冷静に。
自己紹介で気を紛らわすことに。
「俺は言右衛門。ゲンって呼んでくれると嬉しいな」
「おいおいそれは昨日聞いたって! お前邪魔する気か? 」
ノコタップがキレる。もう滅茶苦茶だ。
「では自己紹介お願いします」
アトリが強引に持って行く。うん。これくらいでちょうどいい。
「くそ! まあいいか。実は私さシカと人間のハーフなんだ。
だからこの角は自前だ。名前はノコタップ。好きに呼んでくれ」
「じゃあノコタン。これからもよろしくねノコタン」
ノコ姉さんよりも親しみがある。
「おいふざけるな! せめてノコサンで」
顔を赤く染め慌てて拒絶。かわいいところあるな。
「ならシカちゃん」
「ふざけんなゲン! 」
「ダメなの? 」
「当たりまえだろうが! 」
「ふん! シカちゃんだろうがウマちゃんだろうが食べられればそれでよかろう」
「こら爺! とんでもないこと言うな! 」
「ですがシカちゃんはかわいいですよ」
アトリが説得に掛かる。
「そうか…… あんたら私をからかってないか? 」
「からかってない。からかってないよ。シカちゃん」
「うわやっぱりからかってる上に馬鹿にしてやがる! 」
口の悪いシカちゃんであった。これは生まれつきだそう。
「ははは! おえええ…… 気持ち悪くなってきたのう」
「こら爺! こっちに寄るな! 」
「そんな薄情な! お主らも何か言ってくれ! 」
「まあまあ」
「うるさい! 」
こうやって絆を深めて行く。
おゲロもシカちゃんの件も解決。丸く収まったところで爺が真剣な目をする。
「それでお主は何用で来られた? 」
「爺さんには関係ないだろう? 自分は復讐さ。
自分たちの幸せを奪った野郎に復讐する為に生きてるのさ」
何だか重たい展開だな。ファンタジーには不向きな設定。もう少し軽めなのないの?
続けてアトリが自己紹介。
「私は妖精のアトリ。ご主人様のお世話係をしてます。
二人ともどうかご主人様をよろしくお願いします」
「お願いされたくないよまったく! 」
ノコタップは相変わらず言葉が悪い。
「儂はさすらいのハンター。どんな奴も一発で仕留める自信がある。
邪魔しなければの話じゃがな」
嫌味で返す爺さん。本当に性格悪いな。
こうして何度目かの自己紹介を終える。
続く
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