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多数決なら負けない
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運よく南の島に漂着した俺たちだったが……
ノコタンとバグ爺さんが衝突。
止めに入ったアトリも体調不良を訴える。
どうやら羽根が濡れたことが原因らしい。
遭難二日目。
今日は朝から快晴。気持ちいいほどの青空。
さあ今日も元気に行こう!
「ご主人様。おはようございます」
一晩が経ちアトリが元気な姿を見せる。
「アトリ体はもういいのか? 」
「はい! この通り」
踊って見せるが下手くそ過ぎて不安を感じる。
「やはり動力炉が変だぞ」
「もう! だからロボットではありません! 」
うん。元気だ。いつものアトリだ。
これで平和になるかと思いきや新たな問題が勃発する。
リーダー論争。
「リーダーを決めたいと思います」
アトリが仕切る。
さすがに主役だから俺が必然的にリーダー?
「俺がリーダーでいいよね? 」
「はああ? 何言ってるのゲン? 」
「そうじゃ。何でも従う約束はどうした? 」
二人ともリーダーがやりたいらしい。
これは困った。仮に俺が身を引いても二人は譲り合うはずがない。
昨日はアトリのお陰で収まったが今日はそうも行かないだろう。
再び決闘が始まってしまうのか?
特に爺さんは何でも従うのが仲間入りの条件。
もう忘れてると思ったが意外にもまだ覚えていた。
どうやら認知機能は衰えてないようだ。
「どのみち皆をまとめて行くリーダが必要じゃろ?
そしてリーダーに相応しいのは人生経験も豊富で頼りになる儂が適任じゃ。
お主らは大人しく儂に従ってればいいんじゃ」
傲慢な爺さん。これではリーダーになっても反発されるだけ。相応しくない。
「馬鹿じゃないの? リーダーはこの私以外あり得ない」
「馬鹿言うなノコタン! リーダは俺に決まってる! 」
「儂じゃ! 」
「だから私だって! 」
「俺だけど…… ここは間を取ってアトリはどう? 」
アトリがリーダーとなればそのご主人様である俺が実質リーダーみたいなもの。
「そんな…… アトリはご主人様の命でのみ動く者。
リーダーなんてとてもとても務まりません」
ようやく落ち着いたのにアトリを困らせてしまった。
気をつけていたのに俺は何てことを?
やっぱりアトリには無理だよな。
「多数決にしたらどう? 」
仕方なく皆が納得する案を出す。多数決なら公平だろう。
「では儂がリーダーに相応しいと思う者は遠慮せずに挙手せよ」
爺さんが興奮して先走る。
もちろん爺さん以外誰も支持せず一票のみ。
続いてノコタン。
「私が良いって言うんだろ? 良いぜ」
格好つけるが爺さん同様一票のみ。
「まったくお前ら何を考えてる? ふざけやがって! 」
怒り出すノコタン。
「では俺が良いと思う者? 」
「はい! 」
アトリが手を挙げた。これで二名。
多数決により俺がリーダーに?
「ふざけるでない! それはずるいであろう! 」
「そうだそうだ! たまにはいいこと言うじゃないか爺さん」
イチャモンをつけ出した往生際の悪い二人。
どれだけ負けず嫌いで自分勝手なんだ。
多数決には従うのがルール。これでは決まるものも決まらないよ。
「分かった。だったら食糧勝負はどう? 」
島の全貌はまだ分かってない。
遭難生活では何においても水の確保と食糧の調達が大事。
いかに食糧を調達出来るかで勝負。一番優れている者をリーダーに。
これで文句ないだろう? 本当は多数決で決まっていたのに。
「うむ儂はそれで良い」
「そうだな。それが平等って奴だな」
どうにか二人を納得させた。
「では食糧調達開始です! 」
アトリの宣言で皆が一斉に散らばる。
うおおお!
こうして謎の島で食糧調達を開始する。
アトリを置いて一人で食糧探し。
さすがにアトリと協力しては不公平だもんな。
でも自慢じゃないが俺は一人では何も出来ないしな。
もちろん二人揃ったからって何が出来るでもない。
だからこそ夢占いに頼ったりもした。
もしかして俺が一番不利?
爺さんはハンターで食糧調達はお手のもの。
ノコタンも俺に比べれば何だって出来る。
と言うことは質よりも量かな。
体力だけはあるからな。爺さんや女性に比べれば勝ってるだろう。
うん…… それにしてもこんな過酷な旅だったっけ?
刑務所に入ったりドラゴンと戦ったりとヘビーではあった。
しかし仲間もいたし第二世界までは楽しくワイワイやれていた気がする。
でも今回は島で当てもなく食糧探し。
とにかく奥に進むとしよう。
続く
ノコタンとバグ爺さんが衝突。
止めに入ったアトリも体調不良を訴える。
どうやら羽根が濡れたことが原因らしい。
遭難二日目。
今日は朝から快晴。気持ちいいほどの青空。
さあ今日も元気に行こう!
「ご主人様。おはようございます」
一晩が経ちアトリが元気な姿を見せる。
「アトリ体はもういいのか? 」
「はい! この通り」
踊って見せるが下手くそ過ぎて不安を感じる。
「やはり動力炉が変だぞ」
「もう! だからロボットではありません! 」
うん。元気だ。いつものアトリだ。
これで平和になるかと思いきや新たな問題が勃発する。
リーダー論争。
「リーダーを決めたいと思います」
アトリが仕切る。
さすがに主役だから俺が必然的にリーダー?
「俺がリーダーでいいよね? 」
「はああ? 何言ってるのゲン? 」
「そうじゃ。何でも従う約束はどうした? 」
二人ともリーダーがやりたいらしい。
これは困った。仮に俺が身を引いても二人は譲り合うはずがない。
昨日はアトリのお陰で収まったが今日はそうも行かないだろう。
再び決闘が始まってしまうのか?
特に爺さんは何でも従うのが仲間入りの条件。
もう忘れてると思ったが意外にもまだ覚えていた。
どうやら認知機能は衰えてないようだ。
「どのみち皆をまとめて行くリーダが必要じゃろ?
そしてリーダーに相応しいのは人生経験も豊富で頼りになる儂が適任じゃ。
お主らは大人しく儂に従ってればいいんじゃ」
傲慢な爺さん。これではリーダーになっても反発されるだけ。相応しくない。
「馬鹿じゃないの? リーダーはこの私以外あり得ない」
「馬鹿言うなノコタン! リーダは俺に決まってる! 」
「儂じゃ! 」
「だから私だって! 」
「俺だけど…… ここは間を取ってアトリはどう? 」
アトリがリーダーとなればそのご主人様である俺が実質リーダーみたいなもの。
「そんな…… アトリはご主人様の命でのみ動く者。
リーダーなんてとてもとても務まりません」
ようやく落ち着いたのにアトリを困らせてしまった。
気をつけていたのに俺は何てことを?
やっぱりアトリには無理だよな。
「多数決にしたらどう? 」
仕方なく皆が納得する案を出す。多数決なら公平だろう。
「では儂がリーダーに相応しいと思う者は遠慮せずに挙手せよ」
爺さんが興奮して先走る。
もちろん爺さん以外誰も支持せず一票のみ。
続いてノコタン。
「私が良いって言うんだろ? 良いぜ」
格好つけるが爺さん同様一票のみ。
「まったくお前ら何を考えてる? ふざけやがって! 」
怒り出すノコタン。
「では俺が良いと思う者? 」
「はい! 」
アトリが手を挙げた。これで二名。
多数決により俺がリーダーに?
「ふざけるでない! それはずるいであろう! 」
「そうだそうだ! たまにはいいこと言うじゃないか爺さん」
イチャモンをつけ出した往生際の悪い二人。
どれだけ負けず嫌いで自分勝手なんだ。
多数決には従うのがルール。これでは決まるものも決まらないよ。
「分かった。だったら食糧勝負はどう? 」
島の全貌はまだ分かってない。
遭難生活では何においても水の確保と食糧の調達が大事。
いかに食糧を調達出来るかで勝負。一番優れている者をリーダーに。
これで文句ないだろう? 本当は多数決で決まっていたのに。
「うむ儂はそれで良い」
「そうだな。それが平等って奴だな」
どうにか二人を納得させた。
「では食糧調達開始です! 」
アトリの宣言で皆が一斉に散らばる。
うおおお!
こうして謎の島で食糧調達を開始する。
アトリを置いて一人で食糧探し。
さすがにアトリと協力しては不公平だもんな。
でも自慢じゃないが俺は一人では何も出来ないしな。
もちろん二人揃ったからって何が出来るでもない。
だからこそ夢占いに頼ったりもした。
もしかして俺が一番不利?
爺さんはハンターで食糧調達はお手のもの。
ノコタンも俺に比べれば何だって出来る。
と言うことは質よりも量かな。
体力だけはあるからな。爺さんや女性に比べれば勝ってるだろう。
うん…… それにしてもこんな過酷な旅だったっけ?
刑務所に入ったりドラゴンと戦ったりとヘビーではあった。
しかし仲間もいたし第二世界までは楽しくワイワイやれていた気がする。
でも今回は島で当てもなく食糧探し。
とにかく奥に進むとしよう。
続く
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