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添い寝
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無事着陸。
ワイルドで命知らずな男たちはもう行ってしまった。置いてけぼりをくらう。
仕方なく歩くことにした。そのうち誰かに会うだろう。無人島でもないのだから。
当てもなく彷徨うことに。
だが歩けど歩けど人の気配はない。
「そう言えば誰も住まなくなった町があるとか言っておったな。確か…… 」
爺さんは噂を聞いたことがあるそう。
「そうそう。パンフレットに載ってた。何でも忘れられた町なんだとか」
ノコタンも続く。
二人はここが忘れられた町だと推測する。
俺もそう思うけどさ。
「アトリは何か情報はないのか? 」
「そうですね。あと五百キロも歩けば人の住む町が見えてくるはずです」
アトリはどこからその情報を得たか秘密だと念を押す。
別にどうでもいいから早くしろと急かす。
「今のところそれ以上の情報はないですね」
「ちなみにモンスターに関しては? 」
この際人間に拘らない。
この辺の地理に詳しい優しくて親切なモンスターであればそれでいい。
お礼に退治するつもりはないから。お願いだから出てきてほしい。
「残念ながらこの辺りにモンスターはいません」
もう歩くしか選択がないと分かった。
「よし皆疲れただろう? 今日はここまでにしよう。続きは明日で」
「はいリーダー! 」
明日から五百キロの旅が始まる予定。
出来れば避けたい苦行。
出発までに他の方法を考えるかな。
夜。ノコタンが取ってきた小魚を均等に分ける。
それでも腹は減るのでヤシガニを塩ゆで。
爺さんが用意した塩とアトリが見つけた小鍋でヤシガニを豪快に調理。
良い匂いがする。これは美味そうだ。
四人で美味しく頂くことに。
うーん! うーん!
ずっと他の手を考えるがまったく思い浮かばない。
爺さんは恐らく嫌がるだろうな。
ノコタンは状況次第だが張り切りそう。
アトリは……
「なあどう思う? 」
アトリに添い寝してもらっている。
どうもそうしないと眠れなくて。最近ちょくちょく。ははは…… 情けない。
アトリは一緒にシャワーしようと言うと怒るくせになぜか寝るのは構わない。
変わってるよな。それとも俺が何もしないって分かってるから?
さすがにロボットに何かする訳がない…… ああまずい。また睨まれるか?
それにしても恥の概念がないのは良いんだか悪いんだか。
前からだがらどう言う基準なのだろう?
俺アトリが分からなくなってる。
「アトリ? 」
「そうですね。大声で気づかせるのはいかがでしょう? 」
「ああそれは面白いな」
取り敢えず褒めてあげる。でも採用しない。
「ほらこんな風に」
そう言えばどこからともなく遠吠えが聞こえる。
爺のうめき声か? それにしては声が通ってる気もする。
確か爺さんは別のところで寂しく一人で寝てるはず。
本来なら野宿だが元々町だったのでどうにか雨露を凌げる程度には。
だから爺さんもノコタンも好きなところを使っている。
「まったくうるさいな! 」
「ほらご主人様。もう寝ましょう」
「ああおやすみアトリ」
翌朝。
さざ波に異音が混じる。
うん? うるさいな。何だよ朝早くから!
どうせまたあの爺さんだろ? 面倒なんだよな。
仕方がない様子を見に行くか。
「ああ…… おはようございますご主人様」
目を擦るアトリはどうやら寝不足らしい。
「アトリ起こしちゃった? 」
「いえ今起きるところでしたから。昨日はあまり眠れなくて…… 」
そう言って欠伸をする。へえロボットも欠伸するんだな。
ギロっと睨まれる。
いや冗談。思っただけだろ?
二人で一緒に寝ることに抵抗のないアトリ。
やっぱりおかしい。恥の概念はないのだろうか?
そうかと思うとシャワーは断るんだよな。
未だにアトリの考えてることが分からない。
まあ一緒に寝てくれるのはご主人様を思ってのことで自然なのだろうが。
おっとのんびりしてられない。音のする方へ。
どうせトラブルメイカーの爺さんがまた問題を起こしたんだろうが相手が不明。
まさか朝っぱらからノコタンと言い争ってるのか?
「ああゲンたちも来たか? 」
ノコタンも異変に気づいたらしい。
しかしここは例の捨てられた町。人間はおろかモンスターもいない。
いるとすれば動物ぐらいだが。
まさか独り言?
そうだとすればボケたか。あるいは長い無人島生活で精神をおかしくしたか?
どの道早く何とかしてやらないと爺さんは限界だぞ。
前回もギリギリだったしな。今回はもう取り返しがつかないかもしれない。
続く
ワイルドで命知らずな男たちはもう行ってしまった。置いてけぼりをくらう。
仕方なく歩くことにした。そのうち誰かに会うだろう。無人島でもないのだから。
当てもなく彷徨うことに。
だが歩けど歩けど人の気配はない。
「そう言えば誰も住まなくなった町があるとか言っておったな。確か…… 」
爺さんは噂を聞いたことがあるそう。
「そうそう。パンフレットに載ってた。何でも忘れられた町なんだとか」
ノコタンも続く。
二人はここが忘れられた町だと推測する。
俺もそう思うけどさ。
「アトリは何か情報はないのか? 」
「そうですね。あと五百キロも歩けば人の住む町が見えてくるはずです」
アトリはどこからその情報を得たか秘密だと念を押す。
別にどうでもいいから早くしろと急かす。
「今のところそれ以上の情報はないですね」
「ちなみにモンスターに関しては? 」
この際人間に拘らない。
この辺の地理に詳しい優しくて親切なモンスターであればそれでいい。
お礼に退治するつもりはないから。お願いだから出てきてほしい。
「残念ながらこの辺りにモンスターはいません」
もう歩くしか選択がないと分かった。
「よし皆疲れただろう? 今日はここまでにしよう。続きは明日で」
「はいリーダー! 」
明日から五百キロの旅が始まる予定。
出来れば避けたい苦行。
出発までに他の方法を考えるかな。
夜。ノコタンが取ってきた小魚を均等に分ける。
それでも腹は減るのでヤシガニを塩ゆで。
爺さんが用意した塩とアトリが見つけた小鍋でヤシガニを豪快に調理。
良い匂いがする。これは美味そうだ。
四人で美味しく頂くことに。
うーん! うーん!
ずっと他の手を考えるがまったく思い浮かばない。
爺さんは恐らく嫌がるだろうな。
ノコタンは状況次第だが張り切りそう。
アトリは……
「なあどう思う? 」
アトリに添い寝してもらっている。
どうもそうしないと眠れなくて。最近ちょくちょく。ははは…… 情けない。
アトリは一緒にシャワーしようと言うと怒るくせになぜか寝るのは構わない。
変わってるよな。それとも俺が何もしないって分かってるから?
さすがにロボットに何かする訳がない…… ああまずい。また睨まれるか?
それにしても恥の概念がないのは良いんだか悪いんだか。
前からだがらどう言う基準なのだろう?
俺アトリが分からなくなってる。
「アトリ? 」
「そうですね。大声で気づかせるのはいかがでしょう? 」
「ああそれは面白いな」
取り敢えず褒めてあげる。でも採用しない。
「ほらこんな風に」
そう言えばどこからともなく遠吠えが聞こえる。
爺のうめき声か? それにしては声が通ってる気もする。
確か爺さんは別のところで寂しく一人で寝てるはず。
本来なら野宿だが元々町だったのでどうにか雨露を凌げる程度には。
だから爺さんもノコタンも好きなところを使っている。
「まったくうるさいな! 」
「ほらご主人様。もう寝ましょう」
「ああおやすみアトリ」
翌朝。
さざ波に異音が混じる。
うん? うるさいな。何だよ朝早くから!
どうせまたあの爺さんだろ? 面倒なんだよな。
仕方がない様子を見に行くか。
「ああ…… おはようございますご主人様」
目を擦るアトリはどうやら寝不足らしい。
「アトリ起こしちゃった? 」
「いえ今起きるところでしたから。昨日はあまり眠れなくて…… 」
そう言って欠伸をする。へえロボットも欠伸するんだな。
ギロっと睨まれる。
いや冗談。思っただけだろ?
二人で一緒に寝ることに抵抗のないアトリ。
やっぱりおかしい。恥の概念はないのだろうか?
そうかと思うとシャワーは断るんだよな。
未だにアトリの考えてることが分からない。
まあ一緒に寝てくれるのはご主人様を思ってのことで自然なのだろうが。
おっとのんびりしてられない。音のする方へ。
どうせトラブルメイカーの爺さんがまた問題を起こしたんだろうが相手が不明。
まさか朝っぱらからノコタンと言い争ってるのか?
「ああゲンたちも来たか? 」
ノコタンも異変に気づいたらしい。
しかしここは例の捨てられた町。人間はおろかモンスターもいない。
いるとすれば動物ぐらいだが。
まさか独り言?
そうだとすればボケたか。あるいは長い無人島生活で精神をおかしくしたか?
どの道早く何とかしてやらないと爺さんは限界だぞ。
前回もギリギリだったしな。今回はもう取り返しがつかないかもしれない。
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