言葉の暴力で世界最強! 消えたヒロインを追い求めて世界へ! 幼馴染に告白するつもりがなぜかモンスターに愛の告白を

二廻歩

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白い煙

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海底の女神の一人・ミヨの部屋に突撃。
ノコタンを狂わせた海底王国の秘宝がついに目の前に。
三つの箱から選べと。

「どうぞお選びください」
もう時間がない。考えずに選ぶか? でも…… 
一番大きいのは危険。明らかなフェイク。だからと言って小さいのも選べない。
そうかと言って真ん中を選べば敵の術中に。
うーん。どうしたらいい? 適当が一番だよな。
もう己の強運に賭けるしかない。

「では願いなさい。さすれば必要なものを手にできるでしょう」
前回の客が置いてった忘れ物。果たしてこれが本当に役に立つのか?
「どうぞお早めに。仲間がもう来てしまいます」
ミヨちゃんが急かす。俺たちの為に仲間を裏切ろうと。
可哀想に焦り過ぎて顔が引きつってる。声だって裏返っている。
服装も髪も乱れて見ていられない。
海底の女神らしからぬ姿に驚きを隠せない。
そこまでしてくれなくても…… 本当にいい子だ。恩に着るよミヨちゃん。

「ミヨちゃん酷いなり」
「コロちゃん…… 」
突然ミヨちゃんが俺を抱きしめようとするがまだ心の準備ができてない。
ここはアトリに代わってもらうことに。
「もう恥ずかしがり屋さんなんだから。真ん中のを選んでね」
ミヨちゃんは堪らずに教えてしまう。
「はい。これですね」
アトリは迷うことなく真ん中の宝箱を取る。
宝箱には鍵が掛ってない。これならピッキング不要。

オープン!
中には赤いテープが。これは一体?
「それはテープ。昔人間が置いてったものです」
「ミヨちゃんもっと詳しく」
「分かったわ。これは天狗のテープと言うものである科学者が発明したもの。
このテープを囲むように人が通れるほどの大きさに貼れば脱出可能に」

「どこに繋がってるんです? 」
「それは私にも分かりませんアトリさん。
これは抜け穴になっていて同じように貼ってあるところへ。
その中でも一番近いところへワープできるとのこと」
「ミヨちゃん…… なぜそこまで? 」
「分からない…… でもそんなおかしな記憶があるの」

真ん中は消えた。残るは大と小の箱。
果たして一体どんなお宝が眠ってるのか?
今度は俺の番だ。一番小さいのが俺にはちょうど良い。
左端の小さい宝箱を開ける。
だが決して開くことはなかった。
これはピッキングしかないかな?

「おめでとうございます。どうぞお持ちください。これはレアアイテムの一つです。
必要な時が来たら自動的に開きますのでそれまで大切に保管してください」
説明を受けてもイマイチ良く分からないがレアアイテムだと言うことだけ理解した。
「ミヨちゃんは知ってるの? 」
「おそらくは…… ですが今は気にせず早く逃げて! 」
ミヨちゃんは必死だ。しかしこのまま逃がしたとなればどんな目に遭わされるか……
「ミヨちゃんも一緒に行こう! 」
「ごめんなさい。それはできない。私のことは良いから早く! 」
「でも…… 」
「早く行ってお願い! 会えて嬉しかった」
「ミヨちゃん…… 」

「これもらっとくぜ! 」
最後に一番大きいのをノコタンが手にする。
「おい! 聞いてなかったのかよ? 」
止めるが勢いよく部屋の外へ。
何を考えてるんだノコタンは?
仕方なく急いで後を追う。
白い煙が溢れ始めている。もう限界だろう。

「こっちだこっち。早く! 」
ノコタンが爺さんに指示を送る。
「うおおお! 助けてくれ! 痛い! 痛い! 」
もう少しと言うところで爺さんが囲まれてしまった。
盛大に暴れ回ったからな。体力の限界だろう。

「これでも喰らえ! 」
爺さんもいると言うのにノコタンは非情にも白い煙の箱を投げつける。
もう滅茶苦茶だ。
「うおおお! 何をする? この馬鹿者めが! 」
爺さん怒り爆発。感情をコントロールできずに暴走。
しかし煙には敵わない。助けを求めるがどうにもならない。
皆動きを止める中執念で走り出す爺さん。
張本人のノコタンはまったく気にする様子がない。

「奴らが怯んでる隙にこっちに。ほら手を出せ! 」
どうにか爺さんを部屋へ。
煙が充満する前に爺さん救出に成功。
ノコタンのお陰で? どうにか全員揃った。

「ご主人様。言われた通りにテープを貼っておきました」
「偉いぞアトリ」
頭を撫でてやる。
「もうご主人様! 」
怒って見えるが実際は喜んでいる。
さあこれで準備が整った。後は怖がらずに潜り抜けるだけ。
一体どこへ繋がってるのやら。

                   続く
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