言葉の暴力で世界最強! 消えたヒロインを追い求めて世界へ! 幼馴染に告白するつもりがなぜかモンスターに愛の告白を

二廻歩

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グッドバッド博士の裏の顔

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フォレストバレー駅。
どうやらゴールドエクスプレスには乗れそうにない。
他の移動手段もなく八方塞がりだ。
残るはチケットを譲り受けるぐらいだが誰も手放しもしないだろう。
そうするとここはグッドバッド博士に頼るか?

グッドバッド博士の話になるとなぜか浮かない顔をする。
博士が何だと言うのだろう?
「グッドバッド博士には気をつけた方が良いよ。
彼は一見人が良さそうだろ? でも違う。
とんでもない裏の顔を持っている。
ただの観光客の君たちだから言うけどね。あまり近づかない方が身のためさ」

「おいおいほらを吐くでない! 」
爺さんは冷静だ。助けてもらった恩があるからな。
俺だって信じられないよ。
「だったら試しているといい。グッドバッド博士は普段は温厚で立派な人。
そんな彼も人が変わることがある」
「人が変わる? まさか見た目が変化するとか? 」
流せばいいものをつい喰いつく。
「ははは! それじゃ化け物だろゲン」
ノコタンがふざける。

「君たちはまだあのグッドバッド博士の本当の恐ろしさを知らない。
試してみるといい。彼の口癖を知るってるだろ? 」
この男は暇だからって俺たちをからかって遊んでるな?
付き合わされるこっちの身にもなってくれよな。
「確かグッドとバッドで答えるんでしたよね」
アトリが答える。
「そうだね。グッドは良い。でもバッドは良くない。
バッドを三回続けると人が百八十度変わってとても恐ろしい博士へと変貌。
しかもそれが一日は持続してしまうんです」
「何? そんなおかしな話聞いたことないぞ? 」
爺さんは当然疑っている。
「聞けば分かること。他の方にでも聞いてくださいよ」
「うむ。そうするとしよう。邪魔したな」
たっぷりとグッドバッド博士の話を伺ったところで戻ることに。

お昼に招かれていたんだった。
嫌な噂を耳にしてしまった。どうしたらいいものか……
「いらっしゃい! よく来たね」
グッドバッド博士の自宅に招かれた。
至って普通の家。
外観はそれはセンスもあり庭園も広大だ。
ロボット工学に精通しており食の飽くなき探求心。
それ故に莫大の利益を得ているそうだ。
尊敬と羨望のまなざしが向けられているのも頷けるな。
地域住民からも愛され順風満帆な人生を送っているのが見て取れる。

「ああこれはウエルカムドリンクだ」
先月完成させたばかりのオリジナルドリンクだそう。
遠慮なく皆で飲み干す。
「感想を聞かせてくれると助かるんだが」
自信満々の表情からも窺えるように相当なこだわりを持っている。
「おお美味いの! 」
爺さんはお替りを要求する。
「ああ悪いね。これは一日に一杯まで何だよ。申し訳ない」
爺さんは残念がる。
「ちょっと酸っぱいかな。もう少し抑えたらいいんだけど」
遠慮なく感想を述べる。ああ言い過ぎたかな?
「ありがとう。助かるよ。さっそく改良してみよう」
笑ってメモを取る。研究熱心だな博士。

「そうだ。昨日はありがとうございました。あの鳥のエサが大活躍でしたよ」
感謝の言葉を述べる。
「ははは…… 美味かったでしょう? 」
「いや…… 食べてないって! 」
「冗談ですよ。冗談。では食事にしましょうか? 」

トントン
トントン
手を叩いて合図を送る。
すると皿がいくつも運ばれてくる。
博士特製の激辛スペシャルが登場。
「さあご遠慮なさらずにお召し上がりください」
魔法の粉で味付けしたらしい。
鶏肉がよく合う。

最後に激辛バーガー。
これは何かおかしな触感。
「まさかモンスターバーガーではありませんよね? 」
「バッド。そんなことするはずありません! 」
「あのトイレはどこかの? どうも喰い過ぎたようじゃ」
爺さんはエチケット違反。
「バッド。ここにはトイレはありません。道端ででもしてきなさい! 」
明らかに不機嫌になったグッドバッド博士。
さあ次にバッドが出たら人が変わるらしい。
見たいような。見たくないような。

「大変結構なお味です」
「ああ美味かったぜ」
アトリとノコタンが絶賛。
博士は笑顔を見せる。
「グッド! 嬉しいね。明日のディナーに招待しようかな」
博士ご機嫌だ。でも女性にしか興味がないように見える。
「ああ…… ありがとうございます」
代表してリーダーの俺が招待を受ける。
これで食事の確保は出来た。
宿もキープ出来たし。後はゴールドエクスプレスのチケットだけだな。

博士との良好な関係を維持。
これなら俺たちに協力してくれるかもしれないな。

                  続く
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