言葉の暴力で世界最強! 消えたヒロインを追い求めて世界へ! 幼馴染に告白するつもりがなぜかモンスターに愛の告白を

二廻歩

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救出

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グッドバッド博士の屋敷。
ではご希望にお応えして登場するとしようではないか。
ふふふ……
「ふん! 遅くなったの皆の者。この伝説の猟師が来たからには退屈させんぞ!
有難く思うが良い! 」
つい格好良く登場してみたが肝心のわき役がおらん。
どこにも誰一人として姿を見せない。これは一体……

食事もまだのようじゃ。しかし訳が分からんな。
部屋は空っぽ。グラスに飲み物が注がれているだけ。
まるで忽然と姿を消したかのよう。
まさかどこかに移動したか? 
それとも儂を驚かそうと隠れているのか?

「おい! 隠れておらずに出てくるが良い! 」
ダメじゃ。誰一人反応せん。寂しいぞ儂は。
そして誰もいなくなったとはこれは事件じゃな。
いや待てよ…… 儂が屋敷を間違えた恐れもあるの。
確認してからでも遅くはないであろう。
じゃがあれほど特徴的な屋敷を間違えるとは思えんしな。
これはやはり事件じゃなかろうか?
それとも儂だけのけ者にされたか?
だとすればこの恨みどう晴らすべきか!

ははは! ははは!
あれ狂ったか? 儂はなぜ笑っておる?
ははは! わははは!
情けないことにもはや感情をコントロール出来んようになったかの。
ううん? いやこの笑い声はあっちから聞こえる。
これはとんでもなく楽しいお遊びに興じてるに違いない。
では混ぜてもらうかの。

声のする方へ。
笑い声がはっきり聞こえる。
こんな馬鹿笑いするのは誰じゃ?
 
うん? 人が出てきおったぞ。こいつは確かグッドバッド博士。
「ははは! お前たちはもう逃げられない!
私の研究材料になるのだ。わははは! 」
勝ち誇ったように笑う博士。
これはとんでもないところに出くわしてしまった。
そろそろお暇するかの。危険すぎるわ。
儂には刺激が強いって。

「そこで大人しくしてろ! 後で来る爺を捕獲したら会せてやる! 」
うわ…… まるでバッドを三回連続で言って豹変したかのような変わりよう。
これではグッドバッド博士ではなくアークニン博士じゃな。

バタン!
博士は笑いながら廊下の奥の方へ。
完全に姿を消した。
ガチャガチャ
おっと鍵はかかってない。これはラッキーじゃな。
ではそろそろ救出するとしようかのう。
これで儂を少しは見直してくれるであろう。

「おい! 目を覚まさんかゲン! 」
激しく揺らすもまだ夢の中。
仕方なくノコタンに呼びかけるがこちらも一向に起きない。
頬を張ってみるがそれでも起きない。
ただムニャムニャ言うだけ。

最後にアトリ。おうおうこんなにもおめかしをしおって。
ふふふ…… 何じゃか悪い気持ちになってしまう。
どうやら儂もまだ現役らしのう。
「ほれゲン。このままではお主のアトリがどうなっても知らんぞ? 」
強く呼びかけるが反応しない。
まったくどいつもこいつも世話が焼けるな。

うううん……
ついにアトリが目覚める。
「どうしましたご主人様? 」
大丈夫。まだ寝ぼけてるらしい。
「ほれ大人しくしておれ。今気持ちよくしてやるからな」
ううん? まずい言い方を間違えてしまったわ。
「ほれじっとしておれ! 」
「きゃああ! 」
アトリが覚醒し大声を上げる。
「ほれ静かにせい! 奴が戻ってくるわ」
そう言って後ろに縛られた手首を解く。
「きゃあああ! 」
アトリは本気で拒絶している。

「だから騒ぐな! 大人しくしておれば痛くないぞ」
「おいゲン! やばいぞこの爺さん! 」
ついにノコタンまで目を覚ました。
「ううん? うるさいな皆。もう眠れないだろ…… 」
「寝ぼけるな! 早くここから脱出するのじゃ! 」
こうしてどうにか目を覚まし皆博士の人体実験から免れた。

「おい薄暗いから電気をつけろ! 」
ノコタンは爺さんをこき使う。
「命の恩人に何てことを? 」
「何を抜かす! お前アトリが寝てるのを良いことに手を出そうとしたろ? 」
「それは誤解じゃ。ただ拘束をといてやろうと触れたまでよ」
言い訳を始める哀れな爺さん。

「ちょっと爺さん! まさか俺のアトリに…… 」
「待て待て! 誤解だと言うてるであろう? それにアトリはお主のものではない。
皆のものであろう」
「やっぱりアトリに何かしようとしてたな? 」
「ゲン! 儂を信じろ! それに今は言い争いをしてる時ではない! 」
爺さんは言い逃れようと必死だ。まさか本気? 失望したよ。
「ご主人様。私は大丈夫です。さあ急いでここを出ましょう」
急いで脱出する。

                  続く
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