165 / 200
ノコタンの過去
しおりを挟む
繁華街で綺麗なお姉さんをゲットするといつの間にかおかしなのが湧いてくる。
ここは爺さんがどうピンチを切り抜けるか真価が問われるところ。
我々は少し離れたところから事の成り行きを見守ることにした。
「ううん。何じゃお主? 儂らに何か用かの? 」
「ははは…… 違う違う! 用があるのは爺さん一人だ。こいつらは俺の友だちさ。
なあ爺さん。友だちに手を出してもいいのか? 」
そう言って脅しをかける古典的な怖いお方。
「うむ。儂が正義じゃ。当然であろう」
堂々としてる爺さんに男は言葉が出ない。
「いや…… ここではまだ手を出してませんだろ? 調子が狂うな」
「さっきから手を出しておるわ! 」
「だから問題はそこじゃねいだろうが! 」
怯まない爺さんと決して退かない怖い方とのいざこざ。
巻き込まれたこっちはタダ迷惑なばかり。
そう言えば綺麗なお姉さんたちはどこへ?
いつの間にか姿を消してしまったらしい。
爺さんと怖いお方が店の前で言い争いをしている。かなりの迷惑行為。
モンスターでも呼んで仲裁してもらおうかな。
「もういいです。もういいですから」
まったく動じない爺さん。たまらずに男が白旗を上げる。
「おいおい骨がないの。まだ序の口だと言うのに。これだから最近の若者は…… 」
「うるせい! もう二度とするなよな! 」
勝手に話を終わらせる怖い方。意外にもせっかちだ。
こうして一騒動終えてパン屋に。
「変わったパンがあると伺ったんじゃが」
爺さんは暴走中。まったく話を聞いてなかったらしい。
「はいお薦めは半モンバーガーです」
「うむ良かろう。どれどれ。硬いのう」
不快感を表す爺さん。
どれどれ俺も一口。
うわ…… 本当に硬いよ。これでは老人では食い切れないだろうな。
うん? ノコタンが大人しくないか?
「どうしたのノコタン? 」
グッドバッド博士の屋敷ではとんでもないものを見せられて落ち込んでいた。
もういつものノコタンに戻ったと思って安心していたがそうでもないらしい。
「昔を思い出してたんだ。あの日、物凄い音がしたと思ったら母さんが倒れてた。
寝床にしていた穴倉からすぐのところだった。
姉とすぐに駆け寄ったがもうダメだった。
それからは姉と二人で行動するように。
いつの間にかその姉がいなくなって現在に至る。
姉の目撃談によるとハンターの姿を見たそう。
確か帽子を被った後ろ姿しか見てないが男は左利きだったと」
ノコタンの過去はそれは凄まじいものだった。
恐らく濁しているがお姉さんも何かあったに違いない。
博士の屋敷でとんでもないものを見たことで当時を思い出したらしい。
ファンタジーにはあるまじき鬱展開だがこれもノコタン。
どう受け入れて良いものか迷ってはいるがただ聞いてやるしかない。
アトリもうんうんと頷いている。
「済まなかったなつまらない話をしたな」
そう言うと肩パンパン叩きいつものノコタンに戻った。
封印した嫌な思い出を告白しすっきりしたのか満足してる。
まあ俺も似た様なものだよな。
離れ離れになったアンを探しついでに村人を連れ帰る使命を帯びている。
アトリも過去を決して語ろうとはしない。
ただご主人様と俺を常に立ててくれる。良い子だが時々感情を失っている気がする。
そんな時はロボットだと言ってふざけてみるが怒るんだよねこれが。
「おいこれ見てみろよ! スターフィッシュパンだってよ」
もういつものノコタンに戻ったようだ。心配したが意外にも復活早いのね。
パン屋さんでコッペパンと半モンバーガーと最近はやりの素パン。
そしてノコタンが見つけた星形のスターフィッシュパン。
見た目は可愛らしく色もカラフルだが味は至って普通と言うかあまり美味しくない。
これは明かに失敗作だ。だがそんなことで笑顔の店員さんを悲しませてはいけない。
ただこう言うのみ。
「美味しい気もしました」
「そうですか。皆そう言ってくれるんですよ。もう一個サービスです」
こうして売れ残りを押し付けられる。
「いやそれはさすがに悪い気が…… 」
「旅のお方ですよね? どうぞ遠慮なさらずに」
断わり辛い展開。
「ふん! 儂がもらうわい! 」
結局のところ可愛い店員さんに弱いだけの爺さん。
さっき騙されたばかりなのにもうとは本当に懲りない爺さんだな。
こうしてパン屋さんで夜食を買うことに成功した。
ミッションコンプリート。
おっと違った…… ここに出没するお婆さんに会いに来たんだった。
続く
ここは爺さんがどうピンチを切り抜けるか真価が問われるところ。
我々は少し離れたところから事の成り行きを見守ることにした。
「ううん。何じゃお主? 儂らに何か用かの? 」
「ははは…… 違う違う! 用があるのは爺さん一人だ。こいつらは俺の友だちさ。
なあ爺さん。友だちに手を出してもいいのか? 」
そう言って脅しをかける古典的な怖いお方。
「うむ。儂が正義じゃ。当然であろう」
堂々としてる爺さんに男は言葉が出ない。
「いや…… ここではまだ手を出してませんだろ? 調子が狂うな」
「さっきから手を出しておるわ! 」
「だから問題はそこじゃねいだろうが! 」
怯まない爺さんと決して退かない怖い方とのいざこざ。
巻き込まれたこっちはタダ迷惑なばかり。
そう言えば綺麗なお姉さんたちはどこへ?
いつの間にか姿を消してしまったらしい。
爺さんと怖いお方が店の前で言い争いをしている。かなりの迷惑行為。
モンスターでも呼んで仲裁してもらおうかな。
「もういいです。もういいですから」
まったく動じない爺さん。たまらずに男が白旗を上げる。
「おいおい骨がないの。まだ序の口だと言うのに。これだから最近の若者は…… 」
「うるせい! もう二度とするなよな! 」
勝手に話を終わらせる怖い方。意外にもせっかちだ。
こうして一騒動終えてパン屋に。
「変わったパンがあると伺ったんじゃが」
爺さんは暴走中。まったく話を聞いてなかったらしい。
「はいお薦めは半モンバーガーです」
「うむ良かろう。どれどれ。硬いのう」
不快感を表す爺さん。
どれどれ俺も一口。
うわ…… 本当に硬いよ。これでは老人では食い切れないだろうな。
うん? ノコタンが大人しくないか?
「どうしたのノコタン? 」
グッドバッド博士の屋敷ではとんでもないものを見せられて落ち込んでいた。
もういつものノコタンに戻ったと思って安心していたがそうでもないらしい。
「昔を思い出してたんだ。あの日、物凄い音がしたと思ったら母さんが倒れてた。
寝床にしていた穴倉からすぐのところだった。
姉とすぐに駆け寄ったがもうダメだった。
それからは姉と二人で行動するように。
いつの間にかその姉がいなくなって現在に至る。
姉の目撃談によるとハンターの姿を見たそう。
確か帽子を被った後ろ姿しか見てないが男は左利きだったと」
ノコタンの過去はそれは凄まじいものだった。
恐らく濁しているがお姉さんも何かあったに違いない。
博士の屋敷でとんでもないものを見たことで当時を思い出したらしい。
ファンタジーにはあるまじき鬱展開だがこれもノコタン。
どう受け入れて良いものか迷ってはいるがただ聞いてやるしかない。
アトリもうんうんと頷いている。
「済まなかったなつまらない話をしたな」
そう言うと肩パンパン叩きいつものノコタンに戻った。
封印した嫌な思い出を告白しすっきりしたのか満足してる。
まあ俺も似た様なものだよな。
離れ離れになったアンを探しついでに村人を連れ帰る使命を帯びている。
アトリも過去を決して語ろうとはしない。
ただご主人様と俺を常に立ててくれる。良い子だが時々感情を失っている気がする。
そんな時はロボットだと言ってふざけてみるが怒るんだよねこれが。
「おいこれ見てみろよ! スターフィッシュパンだってよ」
もういつものノコタンに戻ったようだ。心配したが意外にも復活早いのね。
パン屋さんでコッペパンと半モンバーガーと最近はやりの素パン。
そしてノコタンが見つけた星形のスターフィッシュパン。
見た目は可愛らしく色もカラフルだが味は至って普通と言うかあまり美味しくない。
これは明かに失敗作だ。だがそんなことで笑顔の店員さんを悲しませてはいけない。
ただこう言うのみ。
「美味しい気もしました」
「そうですか。皆そう言ってくれるんですよ。もう一個サービスです」
こうして売れ残りを押し付けられる。
「いやそれはさすがに悪い気が…… 」
「旅のお方ですよね? どうぞ遠慮なさらずに」
断わり辛い展開。
「ふん! 儂がもらうわい! 」
結局のところ可愛い店員さんに弱いだけの爺さん。
さっき騙されたばかりなのにもうとは本当に懲りない爺さんだな。
こうしてパン屋さんで夜食を買うことに成功した。
ミッションコンプリート。
おっと違った…… ここに出没するお婆さんに会いに来たんだった。
続く
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません
下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。
横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。
偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。
すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。
兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。
この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。
しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。
田舎農家の俺、拾ったトカゲが『始祖竜』だった件〜女神がくれたスキル【絶対飼育】で育てたら、魔王がコスメ欲しさに竜王が胃薬借りに通い詰めだした
月神世一
ファンタジー
「くそっ、魔王はまたトカゲの抜け殻を美容液にしようとしてるし、女神は酒のつまみばかり要求してくる! 俺はただ静かに農業がしたいだけなのに!」
ブラック企業で過労死した日本人、カイト。
彼の願いはただ一つ、「誰にも邪魔されない静かな場所で農業をすること」。
女神ルチアナからチートスキル【絶対飼育】を貰い、異世界マンルシア大陸の辺境で念願の農場を開いたカイトだったが、ある日、庭から虹色の卵を発掘してしまう。
孵化したのは、可愛らしいトカゲ……ではなく、神話の時代に世界を滅亡させた『始祖竜』の幼体だった!
しかし、カイトはスキル【絶対飼育】のおかげで、その破壊神を「ポチ」と名付けたペットとして完璧に飼い慣らしてしまう。
ポチのくしゃみ一発で、敵の軍勢は老衰で塵に!?
ポチの抜け殻は、魔王が喉から手が出るほど欲しがる究極の美容成分に!?
世界を滅ぼすほどの力を持つポチと、その魔素を浴びて育った規格外の農作物を求め、理知的で美人の魔王、疲労困憊の竜王、いい加減な女神が次々にカイトの家に押しかけてくる!
「世界の管理者」すら手が出せない最強の農場主、カイト。
これは、世界の運命と、美味しい野菜と、ペットの散歩に追われる、史上最も騒がしいスローライフ物語である!
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
病弱少年が怪我した小鳥を偶然テイムして、冒険者ギルドの採取系クエストをやらせていたら、知らないうちにLV99になってました。
もう書かないって言ったよね?
ファンタジー
ベッドで寝たきりだった少年が、ある日、家の外で怪我している青い小鳥『ピーちゃん』を助けたことから二人の大冒険の日々が始まった。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
異世界転移からふざけた事情により転生へ。日本の常識は意外と非常識。
久遠 れんり
ファンタジー
普段の、何気ない日常。
事故は、予想外に起こる。
そして、異世界転移? 転生も。
気がつけば、見たことのない森。
「おーい」
と呼べば、「グギャ」とゴブリンが答える。
その時どう行動するのか。
また、その先は……。
初期は、サバイバル。
その後人里発見と、自身の立ち位置。生活基盤を確保。
有名になって、王都へ。
日本人の常識で突き進む。
そんな感じで、進みます。
ただ主人公は、ちょっと凝り性で、行きすぎる感じの日本人。そんな傾向が少しある。
異世界側では、少し非常識かもしれない。
面白がってつけた能力、超振動が意外と無敵だったりする。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる