言葉の暴力で世界最強! 消えたヒロインを追い求めて世界へ! 幼馴染に告白するつもりがなぜかモンスターに愛の告白を

二廻歩

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チーム・怖いお姉さん

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翌日。
引き続き男の聞き込みを行う。
忽然と姿を消した門番の男。一体どこに行ったと言うのだろう?

「あの人ね…… 」
「はいはい! 行方不明なんですってね」
「恐ろしいわね本当に」
ただの感想か? これではやってられない。
すべての家を回ってこの日も終了。
特に手がかりもなし。目に見える進展なし。
ただすべての家を回り男がいないことを確認できたので明日以降に繋がる。
もちろんアンのことがあるのでのんびりしていられないが。

残すはお店のみだが。
翌日は埒が明かないので手分けして捜索に当たる。
もう慣れたことだし大丈夫と言う隊長の判断。
チーム『怖いお姉さん』の隊長のリナの指示に従ってすべての店を当たる。
そう何と隊長はリナ。俺じゃない。まさかのリナだ。
何の疑いもなく俺だと思うが多数決の結果リナが選ばれた。
ははは…… 情けないことに俺って人望ないんだよね。すぐ人が離れていくしね。

チーム・怖いお姉さんだからな。隊長が俺ではおかしいか。
ただ二人には黙っているがチーム・怖いお姉さんは俺が勝手につけた愛称。
本当はチーム・ビューティーエンジェルスなんだけど恥ずかしくて口に出せない。
だから適切なチーム名に直しておいた。

「はい。一か月に一回程度ですね」
男は常連だそう。もちろん第五世界には床屋さんは一軒だけ。
「一応部屋の中を見せてもらえませんか? 」
「ああいいよ。あんたら第六世界に行きたいんだろ? 協力は惜しまないさ」
しかし何もない。床屋。
併設しているお洒落で人気の高いカットハウスにもお邪魔したが男は見つからない。
そう簡単に見つかったら世話ないが。

「ごめんね。これ割引券だから」
まあ手がかりはないよな。
俺はのんびりしてればいいさ。後のことは二人に任せればいい。
ここは茶でも飲んでゆっくりと。

「ここはお茶屋さんだよ」
そう言って自分で茶をすするおばさん。
平和な世界だな。外にモンスターがいることも忘れるほど。
第五世界に来てから当然のことだが遭遇してない。
体がなまって仕方がないさ。ははは……
うんうん。平和もいいよね。

「あのおばあちゃん。お茶だけでは…… 」
茶を勧めてくれるのは大変ありがたいけどさお茶菓子がないとね…… 」
催促してはみっともないが誰も見てないしな。
ここは遠慮せずに要求しよう。

「何じゃ坊主。母ちゃんと逸れたかい? 」
「いえ…… お茶だけではさあ……
「だったらこれ食いね」
「せんべい? もっと甘いのがいいよ」
「こら坊主。文句言うでねえ! 」
試飲してお茶菓子まで要求するんだからわがままだとは思うけどさ。
でもお茶にせんべいは俺は認めないぞ。

「あの…… 今どこから? 」
「ああ坊主はうるさいね。地下から取ってきたのさ」
「地下あったんですね? 見せてくれませんか? 」
「ははは…… 何もありやしないさ。飲みもんと食いもんぐらいなもんさ」
大したものはないと笑うがここは頼み込む。
「ああ悪いね。関係者以外立ち入り禁止だ。どうしてもと言うならまた夜に来な。
息子が歓迎するから」
粘ってみたものの夜に息子がの一点張り。
意外にも頑固なお婆さんだ。仕方なく宿に戻ることに。

チーム・怖いお姉さんのメンバーが揃う。
「そちらはどうだった? 」
隊長のリナがパワポから話を聞く。
「はい。鍵屋に行ってみたんだけどやっぱり一か月はかかるそう」
かなり特殊な鍵らしくスペアーも存在しない。
作るにしても一か月はかかるそう。しかも早くてもだから当てにならない。
やはりここは男を捕まえて鍵を取り戻すしかなさそうだ。

「それはご苦労様。次はゲンね」
「おいおいその前に隊長さんに成果を見せてもらいたいな」
「生意気なんだからゲンは。私は…… 占いの館で今後を占ってもらった」
「それでそれで…… 」
パワポは相当気になるらしい。でもさすがに王子と結ばれることもないだろう。
それくらい分かれよと思うが言えない。

「必ず男は見つかるそう。でもアンさんを取り返せるかは微妙だと。
今のままでは難しいらしいわ。でも諦めてはダメだって」
うーん。いまいちよく分からないや。まあ占いは当てにできないか。

「それでゲンはどうだった? 」
「それが…… 」
「まさか人任せにして遊んでたんじゃないでしょうね? 」
なぜかパワポから追及を受ける。真面目なのに。サボってるように見えるのかな?
「床屋からお茶屋さんまで何軒か回ってみたけど無駄足だったみたい」
疑われてるので正直に話す。これで少しは見直してくれたかな?

「では今日はこれで」
リナが打ち切る。
まずいな。ついお茶屋の地下室について言いそびれてしまった。
まあいいか。ただの地下室だしな。

さあ切り替えて夕食にしよう。

                  続く
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