言葉の暴力で世界最強! 消えたヒロインを追い求めて世界へ! 幼馴染に告白するつもりがなぜかモンスターに愛の告白を

二廻歩

文字の大きさ
189 / 200

新たなチームで再出発

しおりを挟む
第六世界。
「まったくあんたたちは仕事を増やすは疑いの目で見るはどうなってるのよ? 」
呆れた様子の隊長。どうも仕草がオーバー何だよね。
ネチネチ小言を聞かされるこっちの身にもなってくれよな。

「ほら。リナがしっかり答えてあげなきゃ」
パワポが諭す。
「はいはい。お答えしますよ。確かに毎日居場所を報告してますよ。
それが妖精の役目ですからね。悪い? もし怠れば私たち捕まるだけ。
私だけじゃない。もちろんゲンだけでもない。全員捕まってしまうの。
それでもいいなら報告しない」
我慢できずに極秘の裏事情を話してくれたリナ。
隊長も苦労してるんだなきっと。あの二人が迷惑かけるから。

「悪くない。それで何で誰もいないかだけ教えてよ」
パワポが粘り強く交渉。
彼女にも第六世界でしなければならないことがある。
それは王子様探し。だからか彼女も必死なのだ。
ほぼ冗談で不可能だろうが応援ぐらいしてやる。
「知らない! でも推測なら…… これを話していいか迷うんだけど」
そう前置きして続ける。
裏事情を告白したことで完全にリミッターが外れたのかな?

「統べる者。要するにこの世界を作り上げたお方の意思なら納得できる」
詳しくは知らされてないと逃げの一手。まだ何か隠してるな。
「要するに私たちは導かれたと? 」
「ええ。どうやらそのお方は我々を招待するつもりらしい。
もちろん私はあちら側と言うことになるでしょうがね」
「ねえ隊長は会ったことは? 」
「いえ一度見かけたことがある程度」
もし隊長が言うように招待されてるんだとしたらこの静けさも納得がいく。
邪魔をすればタダでは済まないだろう。

俺たちを監視する者はいない。
俺たちを邪魔する者もいない。
当然ここは統べる者のお住まいがある。だから害を為す獣はいない。
人々が問題を起こすこともないのでモンスターも配置しない。

残すは選ばれた人々。第六世界に定住している者。
ここに来て一週間で永住の地を決めそれから一週間以内に婚礼を結ぶ。
そんな元から従順な者。あるいは従順にならざるを得ない者ででき上がっている。
争いとも無縁なある意味理想とされる世界。それが第六世界である。
平穏でのんびりしたつまらない世界かもしれない。
だが争いのない実に平和でありがたい世界が完成されているのだ。
たとえそれが襲来したモンスターによる絶対支配によるものだとしても。
仮に多くの人々の犠牲に成り立つものだとしても。
無責任ではあるが誰がどうであれ平和ならそれでいいのだ。

「そうだ。ウイルが仲間に加わったことだし新たなチーム名を決めようよ」
随分のんびりしてるように思われるがこれもチームの団結のため。
「面倒だからこのままでいいんじゃない? 」
隊長は傍観。パワポが反対する。
「でもさ。チーム・怖いお姉さんはもうそぐわないんじゃない? 」
「ゲン! 」
怖いお姉さんから集中砲火を浴びる。
まずい…… つい俺が勝手に呼んでいた方がぽろっと。

「ゲン! あなたそんな風に私たちを見ていたのね? 」
「ははは…… 冗談ですよ隊長。嫌だな…… 」
「だったら正式なチーム名を言ってみなさいよ! 」
隊長は大変厳しい方だ。しかもぽろっと出た言葉も見逃してくれない。
まったくリナの奴め…… 俺が大人しいからって付け上がりやがって。
「おばさんズでしたっけ? 」
二人から往復ビンタを食らう。ちょっとした冗談なのに大人げないな。
そんな不利な状況でも意見を述べる。

「まあいいんじゃない。変なチーム名のまま覚えられてもいいことないよリナ」
パワポが賛成に回ってくれた。
「では決め直します。それでゲンは何がいいの? 」
面倒だとばかりに俺に振る。
ふふふ…… 馬鹿め。これこそ俺が待ち望んでいた展開。

「アンカーズ」
「ああいいんじゃない。はい採用」
一秒で決定。もはやどうでもいいと思ってるようだ。実際俺も名前は適当につけた。
問題はここから。賛同を得ないことにはうまく行かないだろうな。
「チームも新しくなったんだし隊長を決めようよ」
「リナじゃダメなのかよゲン? 」
「多数決でもう一度決めよう」
こうして新隊長を決めることに。

「俺がいいと思う人? 」
ウイルが手を挙げる。うん打ち合わせ通りだ。
逃走の手助けの見返りに賛成してもらうことに。
「リナがいいと思う人? 」
パワポが手を挙げる。
これで二対二。新隊長選びは難航する。

ここで対象の二人は除外。
新たに多数決で新隊長はパワポに決定。
裏工作が実ることはなかった。
こうしてチーム・アンカーは動き出した。

                   続く
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません

下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。 横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。 偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。 すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。 兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。 この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。 しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。

田舎農家の俺、拾ったトカゲが『始祖竜』だった件〜女神がくれたスキル【絶対飼育】で育てたら、魔王がコスメ欲しさに竜王が胃薬借りに通い詰めだした

月神世一
ファンタジー
​「くそっ、魔王はまたトカゲの抜け殻を美容液にしようとしてるし、女神は酒のつまみばかり要求してくる! 俺はただ静かに農業がしたいだけなのに!」 ​ ​ブラック企業で過労死した日本人、カイト。 彼の願いはただ一つ、「誰にも邪魔されない静かな場所で農業をすること」。 ​女神ルチアナからチートスキル【絶対飼育】を貰い、異世界マンルシア大陸の辺境で念願の農場を開いたカイトだったが、ある日、庭から虹色の卵を発掘してしまう。 ​孵化したのは、可愛らしいトカゲ……ではなく、神話の時代に世界を滅亡させた『始祖竜』の幼体だった! ​しかし、カイトはスキル【絶対飼育】のおかげで、その破壊神を「ポチ」と名付けたペットとして完璧に飼い慣らしてしまう。 ​ポチのくしゃみ一発で、敵の軍勢は老衰で塵に!? ​ポチの抜け殻は、魔王が喉から手が出るほど欲しがる究極の美容成分に!? ​世界を滅ぼすほどの力を持つポチと、その魔素を浴びて育った規格外の農作物を求め、理知的で美人の魔王、疲労困憊の竜王、いい加減な女神が次々にカイトの家に押しかけてくる! ​「世界の管理者」すら手が出せない最強の農場主、カイト。 これは、世界の運命と、美味しい野菜と、ペットの散歩に追われる、史上最も騒がしいスローライフ物語である!

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

病弱少年が怪我した小鳥を偶然テイムして、冒険者ギルドの採取系クエストをやらせていたら、知らないうちにLV99になってました。

もう書かないって言ったよね?
ファンタジー
 ベッドで寝たきりだった少年が、ある日、家の外で怪我している青い小鳥『ピーちゃん』を助けたことから二人の大冒険の日々が始まった。

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

異世界転移からふざけた事情により転生へ。日本の常識は意外と非常識。

久遠 れんり
ファンタジー
普段の、何気ない日常。 事故は、予想外に起こる。 そして、異世界転移? 転生も。 気がつけば、見たことのない森。 「おーい」 と呼べば、「グギャ」とゴブリンが答える。 その時どう行動するのか。 また、その先は……。 初期は、サバイバル。 その後人里発見と、自身の立ち位置。生活基盤を確保。 有名になって、王都へ。 日本人の常識で突き進む。 そんな感じで、進みます。 ただ主人公は、ちょっと凝り性で、行きすぎる感じの日本人。そんな傾向が少しある。 異世界側では、少し非常識かもしれない。 面白がってつけた能力、超振動が意外と無敵だったりする。

処理中です...