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サザン鳥の巣
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南エリアで愛の言霊探し。
「悪いね。今年は僅かばかりしか作ってなくてさ」
「それはどうして? 」
「それが…… サザン鳥の卵を使うでしょう…… だから激減して。
絶滅危惧種に指定された関係で保護されてるんだよ」
お店ではほぼ取り扱わなくなったそう。
「それは残念ですね…… 」
リナがため息を吐きオーバー気味に肩を落とす。
「あらあら可哀想にお嬢ちゃん。特別に良いことを教えてあげるよ」
もうお嬢ちゃんって歳でもないけど妖精だから何とも。
耳を出すように言われたので俺が代わる。
「あんたが? 情けないね本当に! 」
どうやら俺が代理を寄越したと思ったらしい。
「頼るんじゃないよ! 」
どうも男の俺には厳しいんだよな。
愛の告白なんだから当然男だろ? 決めつけは良くないけどね。
女性から男性は珍しいパターン。できるなら俺だって告白されたいよ。
「実は保護してるが個人でやる分にはギリギリセーフなのさ。
サザン鳥の巣があるところを特別に教えてあげるからね」
こうして情報料を払う。
うん。良い人しか存在しないはずの世界。
金はとるし動物保護の抜け道は教えるわで良い人には程遠い気もするがまあいいか。
グレーなおばちゃんに礼を述べて案内人を探すことに。
南エリアの南端には小さなお店が立ち並ぶ。
第六世界なので他所から観光客が来ることは稀。ほとんどがこの世界のお客。
マーリンブルーの海がお出迎え。
ビーチにはきれいなお姉さんが寝そべっている。
案内人のエリーが所在不明。
話だと夕方にはこのビーチにいるはずなんだけどな……
「俺たちも楽しもうぜ? 」
興奮したウイルが我慢できずにいやらしい目つきできれいなお姉さんにアタック!
当然相手にされない。それでもしつこいものだから怒らせてしまう。
ウイルは刑務所生活が長かったものだから飢えてるのだろう。
「なあなあ良いだろ俺と? 恥ずかしがるなよな」
意外と強引なんだな。
「おいおいウイル! 何をやってるんだよ? 」
見かねて注意するがちっとも堪えてない。
「お前も手伝えってゲン! 楽しいぞ」
そう言えば第三世界の海底王国では戯れたっけ。懐かしいな。
「悪いな。俺にはアンが居るからさ」
格好つける気はないけど女性には不自由してない。
それどころかたまにうっとうしく思うことも。
当然アンやアトリではなくパワポやリナのことだけどさ。
そう言えば二人はどうしたんだろう?
「うわああ! 冗談です。冗談! 」
哀れな門番さんはパワポに捕まってしまう。
「見境ないんだから! 王子様以外話しかけないでよね! 」
パワポは王子様探しを諦めていない様子。
「いや…… ただの見間違いだって。大体その格好は何だよ? 」
ビーチに来たので気合が入っている。
結局誰一人エリー探しをしてない現実。嘘だろこいつら何を考えてるんだ?
ここに遊びに来たのか? やはり俺が隊長になるべきだったな。
「あんた奥さんいるじゃない! 子供だって! 」
リナが指摘する。
そう言えば…… 酷いおやじだな。
「うるさい! そんなこと俺の勝手だろ? 」
うわ…… 開き直った。
「最低! 」
リナが言うとパワポもつられて周りのきれいなお姉さんも参戦。
ウイルは堪らずにビーチを去る。
夜。
ついに今日もアンを見つけられなかった。
明日こそは絶対に探し出して告白してやる。
そのためにはまず愛の言霊だよね。
「どうウイルいた? 」
「いいんじゃないあんな奴。私たちだけでさ」
逃亡中のウイル。町からは勝手に出られないので問題ない。
さあ目的を果たそう。
ビーチ沿いの一軒のお店。
初めて行くお店なのですごく緊張する。
「でも本当にここにエリーはいるの? 」
「いいから行くの! 」
リナは強引。
サザン鳥の生態に詳しい案内人のエリーがここにいると言うのだが本当かな?
何か違う気がするんだよね。
派手な装飾で店を彩る。どうもソワソワして落ち着かない。
「いらっしゃいませ。キャバントガーリークラブへようこそ」
「ははは…… 今日も楽しませてもらうよ」
常連客の振りしてみるが苦笑で返される。
どうやら田舎者だと気づかれたようだ。
しかしどうして俺が……
あいつら俺一人で行かすんだもんな。自分たちは後から行くからと嘘ばかり。
せめてウイルがいてくれたらな。頼りにならないんだから。
おっと…… 我慢。我慢。これもアンのためさ。
お店の中はゴテゴテしてる上に騒がしい。耳が痛くなってきた。
「あの…… ここにエリーさんはいますか? 」
「はいはい。エリーをご指名ね。今お呼びしますから」
どうやらエリーさんは本当にいるらしい。
さあここからが本番だぞ。気合を入れて行こう。
続く
「悪いね。今年は僅かばかりしか作ってなくてさ」
「それはどうして? 」
「それが…… サザン鳥の卵を使うでしょう…… だから激減して。
絶滅危惧種に指定された関係で保護されてるんだよ」
お店ではほぼ取り扱わなくなったそう。
「それは残念ですね…… 」
リナがため息を吐きオーバー気味に肩を落とす。
「あらあら可哀想にお嬢ちゃん。特別に良いことを教えてあげるよ」
もうお嬢ちゃんって歳でもないけど妖精だから何とも。
耳を出すように言われたので俺が代わる。
「あんたが? 情けないね本当に! 」
どうやら俺が代理を寄越したと思ったらしい。
「頼るんじゃないよ! 」
どうも男の俺には厳しいんだよな。
愛の告白なんだから当然男だろ? 決めつけは良くないけどね。
女性から男性は珍しいパターン。できるなら俺だって告白されたいよ。
「実は保護してるが個人でやる分にはギリギリセーフなのさ。
サザン鳥の巣があるところを特別に教えてあげるからね」
こうして情報料を払う。
うん。良い人しか存在しないはずの世界。
金はとるし動物保護の抜け道は教えるわで良い人には程遠い気もするがまあいいか。
グレーなおばちゃんに礼を述べて案内人を探すことに。
南エリアの南端には小さなお店が立ち並ぶ。
第六世界なので他所から観光客が来ることは稀。ほとんどがこの世界のお客。
マーリンブルーの海がお出迎え。
ビーチにはきれいなお姉さんが寝そべっている。
案内人のエリーが所在不明。
話だと夕方にはこのビーチにいるはずなんだけどな……
「俺たちも楽しもうぜ? 」
興奮したウイルが我慢できずにいやらしい目つきできれいなお姉さんにアタック!
当然相手にされない。それでもしつこいものだから怒らせてしまう。
ウイルは刑務所生活が長かったものだから飢えてるのだろう。
「なあなあ良いだろ俺と? 恥ずかしがるなよな」
意外と強引なんだな。
「おいおいウイル! 何をやってるんだよ? 」
見かねて注意するがちっとも堪えてない。
「お前も手伝えってゲン! 楽しいぞ」
そう言えば第三世界の海底王国では戯れたっけ。懐かしいな。
「悪いな。俺にはアンが居るからさ」
格好つける気はないけど女性には不自由してない。
それどころかたまにうっとうしく思うことも。
当然アンやアトリではなくパワポやリナのことだけどさ。
そう言えば二人はどうしたんだろう?
「うわああ! 冗談です。冗談! 」
哀れな門番さんはパワポに捕まってしまう。
「見境ないんだから! 王子様以外話しかけないでよね! 」
パワポは王子様探しを諦めていない様子。
「いや…… ただの見間違いだって。大体その格好は何だよ? 」
ビーチに来たので気合が入っている。
結局誰一人エリー探しをしてない現実。嘘だろこいつら何を考えてるんだ?
ここに遊びに来たのか? やはり俺が隊長になるべきだったな。
「あんた奥さんいるじゃない! 子供だって! 」
リナが指摘する。
そう言えば…… 酷いおやじだな。
「うるさい! そんなこと俺の勝手だろ? 」
うわ…… 開き直った。
「最低! 」
リナが言うとパワポもつられて周りのきれいなお姉さんも参戦。
ウイルは堪らずにビーチを去る。
夜。
ついに今日もアンを見つけられなかった。
明日こそは絶対に探し出して告白してやる。
そのためにはまず愛の言霊だよね。
「どうウイルいた? 」
「いいんじゃないあんな奴。私たちだけでさ」
逃亡中のウイル。町からは勝手に出られないので問題ない。
さあ目的を果たそう。
ビーチ沿いの一軒のお店。
初めて行くお店なのですごく緊張する。
「でも本当にここにエリーはいるの? 」
「いいから行くの! 」
リナは強引。
サザン鳥の生態に詳しい案内人のエリーがここにいると言うのだが本当かな?
何か違う気がするんだよね。
派手な装飾で店を彩る。どうもソワソワして落ち着かない。
「いらっしゃいませ。キャバントガーリークラブへようこそ」
「ははは…… 今日も楽しませてもらうよ」
常連客の振りしてみるが苦笑で返される。
どうやら田舎者だと気づかれたようだ。
しかしどうして俺が……
あいつら俺一人で行かすんだもんな。自分たちは後から行くからと嘘ばかり。
せめてウイルがいてくれたらな。頼りにならないんだから。
おっと…… 我慢。我慢。これもアンのためさ。
お店の中はゴテゴテしてる上に騒がしい。耳が痛くなってきた。
「あの…… ここにエリーさんはいますか? 」
「はいはい。エリーをご指名ね。今お呼びしますから」
どうやらエリーさんは本当にいるらしい。
さあここからが本番だぞ。気合を入れて行こう。
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