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大胆な提案
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龍牙によってもたらされた衝撃の真実。
まさか今回のバス旅行が犯罪被害者の為の慰安旅行だったとは。
殺された三人も思いもしなかっただろう。
せっかくなのでここまで分かったことをまとめることに。
まずは殺された三人に千田と黒木は詐欺グループ。
今回も性懲りもなく詐欺を働こうとしていた。
自業自得の集団。
続いて犯罪被害者の会のメンバー。
犯罪被害者の会は副会長の龍牙を筆頭に奈良、小駒さんにマジシャン。
これは龍牙の証言をもとに。
ただ小駒さんたちは不確実。本人から直接聞いた訳ではないので。
詐欺集団と被害者の会以外には山田さんとバス会社の従業員の二人の女性。
ガイドさんに料理人の田中さん。
そして偶然迷い込んだ明後日探偵と相棒。
このような関係性になっている。
山田さんにしろ従業員の二人にしろまだ無関係だと証明されていない。
だからこそ詳しい話を聞きだす必要がある。
さあ最後の夜。
今日は徹夜で警備にあたるとしよう。
そう決意するも眠気にはやはり勝てない。
基本明後日探偵の警備は杜撰で穴だらけ。
阻止した実績もなくもう三人も殺されてしまった。
食堂に皆を集めてはみたもののタイミングを逸して沈黙が支配する。
「探偵さん? 」
「ああ申し訳ない。一つ私から提案があります。
お食事を済ませた後、ここで一晩過ごしてはいただけないでしょうか? 」
大胆な提案をする。相棒も賛成だと拍手で応える。
「ちょっと待ってください。それはどういう意味でしょう? 」
山田さんが食いつく。彼も十分怪しい。
「この中に少なくても一人犯人がいます。もしかしたらターゲットだって。
ここで一緒に過ごせば誰も手出しできない。違いますか?
真犯人にとっては不都合ですが身を守ると言う意味ではこれ以上ないのでは? 」
「探偵さん待ってください! 大事なお客様なんですよ。プライバシーは? 」
ガイドが慌てて反対する。
「一晩だけです。今は緊急事態だと言うことをお忘れなく。
出来ましたら探偵の私に従っていただけたらと思います」
招待客を見渡す。
誰もが嫌そうな顔をするが安全には代えられないと仕方なく同意。
「よろしいですか皆さん? では…… 」
「待ってよ探偵さん! 」
ここで反対すればそれだけ疑われる。犯人もこの状況を予想できなかったはずだ。
さあどうする気だ? 動くにしろ動かないにしろ計画は破たんする。
「では決定で」
「だから待てと言ってるだろう! 」
息を切らし苦しそうにしてるお婆さん。
「どうしました? 」
「私は反対だよ」
老人の我がままを発動させる。
「ですが安全が保たれるんですよ? 」
悪くない条件。誰もが命は惜しいはず。
「私は嫌だって言ってるだろう! 赤の他人と一緒に寝るのはごめんだね」
興奮したお婆さんに服を掴まれる。
「落ち着いて。これも皆さんの為なんですよ」
「いいやダメだ! 私は一人がいい。みんなで過ごすなんて避難所以来。
ああ、またあの時の記憶が蘇ったらどうするんだい? 」
お婆さんはオーバーアクションで体の異常を示す。
だがやり過ぎ。明らかにやり過ぎだ。
「これが最善の策です。お願いだから従ってください」
これ以上被害者が出るのは忍びない。
探偵としてのプライドに賭けて次の犯行を阻止する。
つい大声で演説することに。
拍手喝采とはいかないものの納得したようだ。
「私は一人ではないと眠れないんだよ。分かっておくれ」
変な泣き落としを始める困ったお婆さん。
「いい加減にしろ! 」
マジシャンが私の味方をする。
「探偵さんの意見に賛成するよ。はっきり言って選択する余地はない。
いくら辛くて苦しくても嫌でも一緒に明日を迎える方がいいに決まってる」
マジシャンがお婆さんの説得を試みるが……
「あんたがそうしたいならすればいいだろ。でも私まで巻き込むなってんだ! 」
二人が良い争いを始める。
だが情報では二人は犯罪被害者の会のメンバーのはず。
言い争いをしてるように見えて実は…… 示し合わせてるのでは?
これは一種のプロレス。
二人があえて喧嘩することで反対に持って行こうとしてる気がする。
続く
まさか今回のバス旅行が犯罪被害者の為の慰安旅行だったとは。
殺された三人も思いもしなかっただろう。
せっかくなのでここまで分かったことをまとめることに。
まずは殺された三人に千田と黒木は詐欺グループ。
今回も性懲りもなく詐欺を働こうとしていた。
自業自得の集団。
続いて犯罪被害者の会のメンバー。
犯罪被害者の会は副会長の龍牙を筆頭に奈良、小駒さんにマジシャン。
これは龍牙の証言をもとに。
ただ小駒さんたちは不確実。本人から直接聞いた訳ではないので。
詐欺集団と被害者の会以外には山田さんとバス会社の従業員の二人の女性。
ガイドさんに料理人の田中さん。
そして偶然迷い込んだ明後日探偵と相棒。
このような関係性になっている。
山田さんにしろ従業員の二人にしろまだ無関係だと証明されていない。
だからこそ詳しい話を聞きだす必要がある。
さあ最後の夜。
今日は徹夜で警備にあたるとしよう。
そう決意するも眠気にはやはり勝てない。
基本明後日探偵の警備は杜撰で穴だらけ。
阻止した実績もなくもう三人も殺されてしまった。
食堂に皆を集めてはみたもののタイミングを逸して沈黙が支配する。
「探偵さん? 」
「ああ申し訳ない。一つ私から提案があります。
お食事を済ませた後、ここで一晩過ごしてはいただけないでしょうか? 」
大胆な提案をする。相棒も賛成だと拍手で応える。
「ちょっと待ってください。それはどういう意味でしょう? 」
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「この中に少なくても一人犯人がいます。もしかしたらターゲットだって。
ここで一緒に過ごせば誰も手出しできない。違いますか?
真犯人にとっては不都合ですが身を守ると言う意味ではこれ以上ないのでは? 」
「探偵さん待ってください! 大事なお客様なんですよ。プライバシーは? 」
ガイドが慌てて反対する。
「一晩だけです。今は緊急事態だと言うことをお忘れなく。
出来ましたら探偵の私に従っていただけたらと思います」
招待客を見渡す。
誰もが嫌そうな顔をするが安全には代えられないと仕方なく同意。
「よろしいですか皆さん? では…… 」
「待ってよ探偵さん! 」
ここで反対すればそれだけ疑われる。犯人もこの状況を予想できなかったはずだ。
さあどうする気だ? 動くにしろ動かないにしろ計画は破たんする。
「では決定で」
「だから待てと言ってるだろう! 」
息を切らし苦しそうにしてるお婆さん。
「どうしました? 」
「私は反対だよ」
老人の我がままを発動させる。
「ですが安全が保たれるんですよ? 」
悪くない条件。誰もが命は惜しいはず。
「私は嫌だって言ってるだろう! 赤の他人と一緒に寝るのはごめんだね」
興奮したお婆さんに服を掴まれる。
「落ち着いて。これも皆さんの為なんですよ」
「いいやダメだ! 私は一人がいい。みんなで過ごすなんて避難所以来。
ああ、またあの時の記憶が蘇ったらどうするんだい? 」
お婆さんはオーバーアクションで体の異常を示す。
だがやり過ぎ。明らかにやり過ぎだ。
「これが最善の策です。お願いだから従ってください」
これ以上被害者が出るのは忍びない。
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つい大声で演説することに。
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