102 / 122
全裸体の謎
しおりを挟む
第一発見者のガイドさんにミサさん発見までを振り返ってもらった。
今のところ矛盾点もなく信頼がおける。
「ちなみにミサさんとはここで初めて? 」
ガイドさんを追及。第一発見者である以上しっかり答えてもらう必要がある。
「はい? 当たり前じゃないですか。ねえ田中さん? 」
頷いて同意する料理人。
「では他のツアーで顔を合わせたりはしてませんか? 」
「いえ今回が初めてのバスツアーですからあり得ません」
「個人的に付き合いがあるとか? 」
二人は首を振る。
どうやらガイドさんたちとミサさんには接点はなさそうだ。
では今度は事件について質問するとしよう。
「遺体に触れたりはしませんでしたか? 動かしたり余計なことは? 」
「怖くて怖くてその場に座り込み悲鳴を上げるのが精一杯」
いくら彼女が第一発見者だとしても思い出してもらうのは悪い気がする。
再びあの日の記憶が蘇ればトラウマは相当なものだろう。精神的にも辛いはずだ。
それが一度きりではなく合計で四度も。あり得ない遭遇回数。
私も何度となく注意したがそれでも悲劇は止めようがなかった。
毎朝死体を発見すれば慣れる? 決してそのようなことはない。
この後警察から何度も思い出すように言われるだろう。出来たらもうこれくらいで。
彼女は積極的に見えるがもう限界だろう。
これもすべて真犯人が仕組んだこと。計画通りだとすれば何て酷い奴なんだろう。
いつの間にか違う形で真犯人への怒りが込み上げてくる。
「こうして第二の事件は発生。皆さん何かお気づきになったことは? 」
「やっぱり一人だけ裸なのはおかしいよ! 」
相棒が食いつく。今まで大人しくしていたのに。
遺体はもちろん覆われていてここからは見えない。
だから想像でしかないがそのことが強烈に残っているのは男だから?
「おかしな点はなかったんだろ? 」
「うん。単純な撲殺事件さ」
相棒の見立てに間違いはない。
「それでやはり全裸体が気になるのか? 」
「うん。不自然かなと思って…… 」
そこが私も引っかかっていたところ。
なぜミサさんだけ裸にしたのか?
第一、第三、第四とどれも衣服はそのまま。
ただ面白がって? いやそれはあり得ない。
真犯人が何も考えずにお遊びでこんなことをするとは思えない。
絶対に何かある。裏に何か隠してるに違いない。そう思うのが普通。
ただ今回の真犯人は一筋縄では行かない。常識に囚われれば足元をすくわれる。
真犯人の様子を窺うが俯いてるだけ。
疲れが見え始めている?
「どうしましたお疲れの様ですが? 今お認めになれば楽になりますよ」
真犯人を揺さぶる。
「ふふふ…… 」
ただ不敵な笑みを浮かべるだけ。
この謎を解いてみろと挑発しているかのよう。
「では小駒さん。推理好きなあなたならどう判断しますか? 」
ここで小駒さんを投入。
すると真犯人は一言ささやく。
「はい? 降参しますか? 」
首を振り笑みも消え真剣な表情の真犯人。
「探偵さんから指名されたから言うんだけどね…… 」
らしからぬ自信のなさ。前置きをする小駒さん。
「この全裸体はこの女に良いように騙された男の復讐だと思うんだよ。
この人が直接被害を受けたんじゃないなら家族かね。
私の息子もこの女に騙されて酷い目に遭ってるんだよ。
気持ちはよく分かる。でもしちゃいけないよ」
小駒さんは全裸体に意味を見出した。
これさえも真犯人の思う壺?
「あんたこの女を裸にして楽しんだんだろ? そこだけは頂けないよ」
死者を侮辱するあるまじき行為に皆絶句する。
「ありがとうございました。他にお考えはありませんか? 」
危険なので小駒さんの世話を相棒に任せる。
このまま行くと遺体に何かしかねない勢い。
冷静になるまでがっちりキープ。
「ほら木偶の坊。あんたはいつも邪魔ばっかりして。いいところだったのに」
相棒を貶し怒らせ逃れようとするが相棒はハイハイと宥める。
さすがは相棒。ちっとも堪えてない。
「あの…… 隠そうとしたのでは? 」
田中さんが前に出る。
「被害者の抵抗に遭い傷ついた。または血が付いてしまった。
当然真犯人の血ですからそのまま放置は出来ない。
血を洗い流す為に体を洗い血の付いた衣服を奪った。
血が大量ならどこに垂れたか分からないので下着類もすべて持ち去った。
そのことをカモフラージュする為に全裸体に。敢えて服を着させなかった」
田中さんの推理は的を得ているように思えるが。
果たしてどうなのだろう?
続く
今のところ矛盾点もなく信頼がおける。
「ちなみにミサさんとはここで初めて? 」
ガイドさんを追及。第一発見者である以上しっかり答えてもらう必要がある。
「はい? 当たり前じゃないですか。ねえ田中さん? 」
頷いて同意する料理人。
「では他のツアーで顔を合わせたりはしてませんか? 」
「いえ今回が初めてのバスツアーですからあり得ません」
「個人的に付き合いがあるとか? 」
二人は首を振る。
どうやらガイドさんたちとミサさんには接点はなさそうだ。
では今度は事件について質問するとしよう。
「遺体に触れたりはしませんでしたか? 動かしたり余計なことは? 」
「怖くて怖くてその場に座り込み悲鳴を上げるのが精一杯」
いくら彼女が第一発見者だとしても思い出してもらうのは悪い気がする。
再びあの日の記憶が蘇ればトラウマは相当なものだろう。精神的にも辛いはずだ。
それが一度きりではなく合計で四度も。あり得ない遭遇回数。
私も何度となく注意したがそれでも悲劇は止めようがなかった。
毎朝死体を発見すれば慣れる? 決してそのようなことはない。
この後警察から何度も思い出すように言われるだろう。出来たらもうこれくらいで。
彼女は積極的に見えるがもう限界だろう。
これもすべて真犯人が仕組んだこと。計画通りだとすれば何て酷い奴なんだろう。
いつの間にか違う形で真犯人への怒りが込み上げてくる。
「こうして第二の事件は発生。皆さん何かお気づきになったことは? 」
「やっぱり一人だけ裸なのはおかしいよ! 」
相棒が食いつく。今まで大人しくしていたのに。
遺体はもちろん覆われていてここからは見えない。
だから想像でしかないがそのことが強烈に残っているのは男だから?
「おかしな点はなかったんだろ? 」
「うん。単純な撲殺事件さ」
相棒の見立てに間違いはない。
「それでやはり全裸体が気になるのか? 」
「うん。不自然かなと思って…… 」
そこが私も引っかかっていたところ。
なぜミサさんだけ裸にしたのか?
第一、第三、第四とどれも衣服はそのまま。
ただ面白がって? いやそれはあり得ない。
真犯人が何も考えずにお遊びでこんなことをするとは思えない。
絶対に何かある。裏に何か隠してるに違いない。そう思うのが普通。
ただ今回の真犯人は一筋縄では行かない。常識に囚われれば足元をすくわれる。
真犯人の様子を窺うが俯いてるだけ。
疲れが見え始めている?
「どうしましたお疲れの様ですが? 今お認めになれば楽になりますよ」
真犯人を揺さぶる。
「ふふふ…… 」
ただ不敵な笑みを浮かべるだけ。
この謎を解いてみろと挑発しているかのよう。
「では小駒さん。推理好きなあなたならどう判断しますか? 」
ここで小駒さんを投入。
すると真犯人は一言ささやく。
「はい? 降参しますか? 」
首を振り笑みも消え真剣な表情の真犯人。
「探偵さんから指名されたから言うんだけどね…… 」
らしからぬ自信のなさ。前置きをする小駒さん。
「この全裸体はこの女に良いように騙された男の復讐だと思うんだよ。
この人が直接被害を受けたんじゃないなら家族かね。
私の息子もこの女に騙されて酷い目に遭ってるんだよ。
気持ちはよく分かる。でもしちゃいけないよ」
小駒さんは全裸体に意味を見出した。
これさえも真犯人の思う壺?
「あんたこの女を裸にして楽しんだんだろ? そこだけは頂けないよ」
死者を侮辱するあるまじき行為に皆絶句する。
「ありがとうございました。他にお考えはありませんか? 」
危険なので小駒さんの世話を相棒に任せる。
このまま行くと遺体に何かしかねない勢い。
冷静になるまでがっちりキープ。
「ほら木偶の坊。あんたはいつも邪魔ばっかりして。いいところだったのに」
相棒を貶し怒らせ逃れようとするが相棒はハイハイと宥める。
さすがは相棒。ちっとも堪えてない。
「あの…… 隠そうとしたのでは? 」
田中さんが前に出る。
「被害者の抵抗に遭い傷ついた。または血が付いてしまった。
当然真犯人の血ですからそのまま放置は出来ない。
血を洗い流す為に体を洗い血の付いた衣服を奪った。
血が大量ならどこに垂れたか分からないので下着類もすべて持ち去った。
そのことをカモフラージュする為に全裸体に。敢えて服を着させなかった」
田中さんの推理は的を得ているように思えるが。
果たしてどうなのだろう?
続く
0
あなたにおすすめの小説
一億円の花嫁
藤谷 郁
恋愛
奈々子は家族の中の落ちこぼれ。
父親がすすめる縁談を断り切れず、望まぬ結婚をすることになった。
もうすぐ自由が無くなる。せめて最後に、思いきり贅沢な時間を過ごそう。
「きっと、素晴らしい旅になる」
ずっと憧れていた高級ホテルに到着し、わくわくする奈々子だが……
幸か不幸か!?
思いもよらぬ、運命の出会いが待っていた。
※エブリスタさまにも掲載
梵珠山に、神は眠らない ―八峰 遥の豪運―
事業開発室長
ミステリー
神の気まぐれか、何かの意思か――
八峰 遥が遭遇する不可思議な出来事と強運の連続。
彼女を呼ぶ声は一体? 現実とオカルトが交錯する、
全10話完結の短編ミステリー。
シリーズ第2弾【十二湖は、今日も蒼い ―八峰 遥の天運―】 公開中
〈銀龍の愛し子〉は盲目王子を王座へ導く
山河 枝
キャラ文芸
50人もの侍女をクビにしてきた第三王子、雪晴。
次の侍女に任じられたのは、異能を隠して王城で働く洗濯女、水奈だった。
頬に鱗があるため疎まれている水奈だが、盲目の雪晴のそばでは安心して過ごせるように。
みじめな生活を送る雪晴も、献身的な水奈に好意を抱く。
惹かれ合う日々の中、実は〈銀龍の愛し子〉である水奈が、雪晴の力を覚醒させていく。「王家の恥」と見下される雪晴を、王座へと導いていく。
結婚相手は、初恋相手~一途な恋の手ほどき~
馬村 はくあ
ライト文芸
「久しぶりだね、ちとせちゃん」
入社した会社の社長に
息子と結婚するように言われて
「ま、なぶくん……」
指示された家で出迎えてくれたのは
ずっとずっと好きだった初恋相手だった。
◌⑅◌┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈◌⑅◌
ちょっぴり照れ屋な新人保険師
鈴野 ちとせ -Chitose Suzuno-
×
俺様なイケメン副社長
遊佐 学 -Manabu Yusa-
◌⑅◌┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈◌⑅◌
「これからよろくね、ちとせ」
ずっと人生を諦めてたちとせにとって
これは好きな人と幸せになれる
大大大チャンス到来!
「結婚したい人ができたら、いつでも離婚してあげるから」
この先には幸せな未来しかないと思っていたのに。
「感謝してるよ、ちとせのおかげで俺の将来も安泰だ」
自分の立場しか考えてなくて
いつだってそこに愛はないんだと
覚悟して臨んだ結婚生活
「お前の頭にあいつがいるのが、ムカつく」
「あいつと仲良くするのはやめろ」
「違わねぇんだよ。俺のことだけ見てろよ」
好きじゃないって言うくせに
いつだって、強引で、惑わせてくる。
「かわいい、ちとせ」
溺れる日はすぐそこかもしれない
◌⑅◌┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈◌⑅◌
俺様なイケメン副社長と
そんな彼がずっとすきなウブな女の子
愛が本物になる日は……
カモフラ婚~CEOは溺愛したくてたまらない!~
伊吹美香
恋愛
ウエディングプランナーとして働く菱崎由華
結婚式当日に花嫁に逃げられた建築会社CEOの月城蒼空
幼馴染の二人が偶然再会し、花嫁に逃げられた蒼空のメンツのために、カモフラージュ婚をしてしまう二人。
割り切った結婚かと思いきや、小さいころからずっと由華のことを想っていた蒼空が、このチャンスを逃すはずがない。
思いっきり溺愛する蒼空に、由華は翻弄されまくりでパニック。
二人の結婚生活は一体どうなる?
ゲームのシナリオライターは悪役令嬢になりましたので、シナリオを書き換えようと思います
暖夢 由
恋愛
『婚約式、本編では語られないけどここから第1王子と公爵令嬢の話しが始まるのよね』
頭の中にそんな声が響いた。
そして、色とりどりの絵が頭の中を駆け巡っていった。
次に気が付いたのはベットの上だった。
私は日本でゲームのシナリオライターをしていた。
気付いたここは自分で書いたゲームの中で私は悪役令嬢!??
それならシナリオを書き換えさせていただきます
秘花~王太子の秘密と宿命の皇女~
めぐみ
BL
☆俺はお前を何度も抱き、俺なしではいられぬ淫らな身体にする。宿命という名の数奇な運命に翻弄される王子達☆
―俺はそなたを玩具だと思ったことはなかった。ただ、そなたの身体は俺のものだ。俺はそなたを何度でも抱き、俺なしではいられないような淫らな身体にする。抱き潰すくらいに抱けば、そなたもあの宦官のことなど思い出しもしなくなる。―
モンゴル大帝国の皇帝を祖父に持ちモンゴル帝国直系の皇女を生母として生まれた彼は、生まれながらの高麗の王太子だった。
だが、そんな王太子の運命を激変させる出来事が起こった。
そう、あの「秘密」が表に出るまでは。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる