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汚い手
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急いでお花を摘んで戻ると男は不機嫌に。
「汚い手で触るな! 」
怒り狂う恐怖のお爺さん。昔からの人間性が出るのでしょう。
たとえ笑っていてもそれは恐怖でしかない。
仮に正装しても紳士には見えない。本来あるべき余裕がない。
イライラしてどうしたのでしょう? 醜悪な人間性が垣間見えてしまう。
どう取り繕おうと後ろ暗いことをしてる悪党に変わりない。
王子を目の前にボロが出ないように祈りましょうね。
「それではそろそろお仲間を紹介してもらえませんか? 」
一応は単独ではなく集団で動く訳で。それには仲間の絆が一層大切になる。
確認を取ったのではありませんが仲間…… ライバルは全員女性。
二人一組。血塗られた招待状にはそのように書かれていた。
今日まで時間があったのに一度も紹介されない。
いざと言う時にバラバラにならないよう自己紹介ぐらい済ますべきでしょう。
そうだと普通思うのですがどうやら違うらしい。
「ははは! バカな。そんなことをすればお互いに殺し合いをするだろうが。
もちろん殺し合いはある程度認めているが今から知れば王子暗殺に影響が出る。
こちらとしてもどうにもならない。分かってくれるな? それと近寄るな! 」
やはりダメ。分かってはいたけどもう一度頼み込めばと思ったが甘かったらしい。
半分は冗談のつもりで。決行当日で随分と口が緩くなってもいたから。
ただこれ以上しつこくしてはダメ。逆鱗に触れることになる。
それと近づくなって…… 私はか弱き麗しのお嬢様なんですよ?
近づいて喜ばれても拒絶されたことなど一度もない。手だってきちんと…… あれ?
「それは残念。一人ぐらい…… 」
大体どうやって監視しろと? 見守れと言うの? あまりにも矛盾している。
「堪えてくれ。こちらも辛いのだ。それとこれ以上その汚い手を近づけるな! 」
この人にも言えない苦しみがあるらしい。
ならばこのマリオネッタお嬢様特製の金の紙コップ。これにすべて込めればいい。
そうすればきっとあらゆる悩みから解放されるでしょう。
「金の紙コップをどうぞ」
「いるか! 汚らわしい! 」
放り投げる最低男。人の善意を踏みにじるんだから。
どうやら誤解してるみたい。それだけでなく神経質なところも。
困った人。また近づくなだもんな。あれほど美しく素敵なお嬢様。
その私が汚いとでも? 冗談ではない。ちょっとお花を摘んだだけでしょう?
細かい上に人を人と見ないところが許せない。ですがどうすることもできない。
恨みは正当に晴らせばいい。ふふふ…… 後で覚えてなさいよ。
「いいからついて来るんだ。文句ばかり言ってないできちんと任務を遂行しろ! 」
男は気分を害したのか怒りっぽい。あらあらどうしたと言うのでしょう?
それでは紳士には到底見えませんよ。
さあそろそろ王子様とご対面と行きましょうか。
うーん。どこに行ったのでしょう? 見当たらない。
「それで王子は? 」
「後ろだ! 先回りしただろうが! 」
視察には大勢の者が付き添っている。
これでは手も出せなければ近づくことさえ難しい。
さあどうしたらいいのでしょう?
数を数えると大体三十名。それに囲まれて王子がお歩きになっている。
ここからではやはり暗殺は不可能? うーん。
「それでは案内はここまでだ。これ以降は王子に張り付くのだ。
いいか。決して悟られるな! お前たちはここに遊びに来た田舎者だ。
メイドの姉妹でご主人様の許しを得てラクエラの自然を満喫しているところ。
そこに偶然通りかかった王子。挨拶を交わし仲良くなり王子の懐に飛び込め。
いいか? これは比喩であって本気で飛び込むなよ?
特にお前! 調子に乗るなよ? それから王子に近づくんだその汚い手を洗え!
ボンクラ王子だからすぐに受け入れてくれる。
自然に。自然に振る舞え。そうすれば恐らくさほど警戒しないだろう。
まずはこれを被るのだ。絶対に感づかれてはならないぞ。
下手を打ったり裏切ったり逃げればどうなるか。
嫌と言うほど身に沁みているはずだ。分かったな? 」
無言で頷くと日差しから身を守るようにと鍔の広いブカブカな帽子を渡される。
柄はシンプルに白いバラ。黒字に白バラが彩を添える。
大人っぽい柄でどちらかと言えばお婆様かストが似合いそう。
私には少々早い。センスも悪いですしね。ビアンカは気にせずに被るらしい。
私はブカブカなあまりどうしても…… ですが命令では従うしかない。
反抗的態度では私たちは処分される。
強気でいい加減で生意気ぐらいはいいがこれは処分対象。
「よしお前たちの健闘を祈る。トラブルがあっても柔軟に。後のことは任せたぞ」
男はもうすでに視界から消えた。何て逃げ足の速い人なの? 信じられない。
しかしどうしましょう? 間もなく王子が到着する。このままでは疑われる。
姿もはっきり見えて来た。
まだ心の準備も整ってないのにいきなり放り出された。
ビアンカは相変わらず無口で何を考えてるか分からない。
仕方ないここはやはり茂みにでも隠れて…… やり過ごす?
でも待って? 下手に隠れたら怪しまれる。
もうどうしたら? どうしようどうしよう。
王子を目の前にパニック寸前。
続く
「汚い手で触るな! 」
怒り狂う恐怖のお爺さん。昔からの人間性が出るのでしょう。
たとえ笑っていてもそれは恐怖でしかない。
仮に正装しても紳士には見えない。本来あるべき余裕がない。
イライラしてどうしたのでしょう? 醜悪な人間性が垣間見えてしまう。
どう取り繕おうと後ろ暗いことをしてる悪党に変わりない。
王子を目の前にボロが出ないように祈りましょうね。
「それではそろそろお仲間を紹介してもらえませんか? 」
一応は単独ではなく集団で動く訳で。それには仲間の絆が一層大切になる。
確認を取ったのではありませんが仲間…… ライバルは全員女性。
二人一組。血塗られた招待状にはそのように書かれていた。
今日まで時間があったのに一度も紹介されない。
いざと言う時にバラバラにならないよう自己紹介ぐらい済ますべきでしょう。
そうだと普通思うのですがどうやら違うらしい。
「ははは! バカな。そんなことをすればお互いに殺し合いをするだろうが。
もちろん殺し合いはある程度認めているが今から知れば王子暗殺に影響が出る。
こちらとしてもどうにもならない。分かってくれるな? それと近寄るな! 」
やはりダメ。分かってはいたけどもう一度頼み込めばと思ったが甘かったらしい。
半分は冗談のつもりで。決行当日で随分と口が緩くなってもいたから。
ただこれ以上しつこくしてはダメ。逆鱗に触れることになる。
それと近づくなって…… 私はか弱き麗しのお嬢様なんですよ?
近づいて喜ばれても拒絶されたことなど一度もない。手だってきちんと…… あれ?
「それは残念。一人ぐらい…… 」
大体どうやって監視しろと? 見守れと言うの? あまりにも矛盾している。
「堪えてくれ。こちらも辛いのだ。それとこれ以上その汚い手を近づけるな! 」
この人にも言えない苦しみがあるらしい。
ならばこのマリオネッタお嬢様特製の金の紙コップ。これにすべて込めればいい。
そうすればきっとあらゆる悩みから解放されるでしょう。
「金の紙コップをどうぞ」
「いるか! 汚らわしい! 」
放り投げる最低男。人の善意を踏みにじるんだから。
どうやら誤解してるみたい。それだけでなく神経質なところも。
困った人。また近づくなだもんな。あれほど美しく素敵なお嬢様。
その私が汚いとでも? 冗談ではない。ちょっとお花を摘んだだけでしょう?
細かい上に人を人と見ないところが許せない。ですがどうすることもできない。
恨みは正当に晴らせばいい。ふふふ…… 後で覚えてなさいよ。
「いいからついて来るんだ。文句ばかり言ってないできちんと任務を遂行しろ! 」
男は気分を害したのか怒りっぽい。あらあらどうしたと言うのでしょう?
それでは紳士には到底見えませんよ。
さあそろそろ王子様とご対面と行きましょうか。
うーん。どこに行ったのでしょう? 見当たらない。
「それで王子は? 」
「後ろだ! 先回りしただろうが! 」
視察には大勢の者が付き添っている。
これでは手も出せなければ近づくことさえ難しい。
さあどうしたらいいのでしょう?
数を数えると大体三十名。それに囲まれて王子がお歩きになっている。
ここからではやはり暗殺は不可能? うーん。
「それでは案内はここまでだ。これ以降は王子に張り付くのだ。
いいか。決して悟られるな! お前たちはここに遊びに来た田舎者だ。
メイドの姉妹でご主人様の許しを得てラクエラの自然を満喫しているところ。
そこに偶然通りかかった王子。挨拶を交わし仲良くなり王子の懐に飛び込め。
いいか? これは比喩であって本気で飛び込むなよ?
特にお前! 調子に乗るなよ? それから王子に近づくんだその汚い手を洗え!
ボンクラ王子だからすぐに受け入れてくれる。
自然に。自然に振る舞え。そうすれば恐らくさほど警戒しないだろう。
まずはこれを被るのだ。絶対に感づかれてはならないぞ。
下手を打ったり裏切ったり逃げればどうなるか。
嫌と言うほど身に沁みているはずだ。分かったな? 」
無言で頷くと日差しから身を守るようにと鍔の広いブカブカな帽子を渡される。
柄はシンプルに白いバラ。黒字に白バラが彩を添える。
大人っぽい柄でどちらかと言えばお婆様かストが似合いそう。
私には少々早い。センスも悪いですしね。ビアンカは気にせずに被るらしい。
私はブカブカなあまりどうしても…… ですが命令では従うしかない。
反抗的態度では私たちは処分される。
強気でいい加減で生意気ぐらいはいいがこれは処分対象。
「よしお前たちの健闘を祈る。トラブルがあっても柔軟に。後のことは任せたぞ」
男はもうすでに視界から消えた。何て逃げ足の速い人なの? 信じられない。
しかしどうしましょう? 間もなく王子が到着する。このままでは疑われる。
姿もはっきり見えて来た。
まだ心の準備も整ってないのにいきなり放り出された。
ビアンカは相変わらず無口で何を考えてるか分からない。
仕方ないここはやはり茂みにでも隠れて…… やり過ごす?
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王子を目の前にパニック寸前。
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