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監視の目
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自己紹介を終えて王子の視察に付き合うことに。
少々設定は変わったがメイドか令嬢かの違い。大した問題ではない。
これで懐に入り込むことができたのだからよしとしましょう。
うん? 何この嫌な感じ。まさか見られている? 監視されている?
そんなはず…… ううん。あり得なくはないか。この集団の中に見張り役がいる。
それどころか王子護衛隊の中に明らかに裏切り者が。
まさか王子は身内…… かなり近くの者から命を狙われている?
そうとしか思えない。
ある程度予測していたとは言え困ったことに。
私たちの動きが読まれてしまう恐れが。これ以上おかしな動きはできない。
この状況を改善するにはもっと王子から信頼されることが大事。
ただそれは一日や二日でどうにかなるようなものではない。
のんびりしてられない。急がなくては。
「ねえお姉様」
ビアンカはまったく気づいてない。それどころか王子の魔力に憑りつかれて虜に。
もう本当に情けないんだから。王子と言ったってただの生意気なガキでしょう?
甘やかされたであろう王子に心動かされるはずがない。
正直に言えばもったいないなと。私をかわいいと褒めてくれた。
そのような鋭い目と審美眼を持ち好意さえ示すのだから。
ですが大変残念なことに若過ぎる。幼過ぎると言い換えてもいい。
王子と私では釣り合わない。王子にはもっと相応しい方がきっといる。
それこそ晩餐会で素敵な方を見つけるとよろしいかと。
私は涙を呑んで辞退したい。気が変わらない限りにおいて。
うーん。王子って言うからもっと素敵で輝いてる方を想像してしまった。
どこかおかしい。私の理想の王子様像とはかなりかけ離れてしまっている。
メイドたちの噂も当てにならない。これなら無理して王子に会うこともなかった。
命懸けでここまで来てしまった。責任を取りなさいよとは言わない。
でももっと理想の王子に近づける努力をしてもいいでしょう。
奴らにしたって事前に王子がどのような方かもっと詳しく伝えるべき。
勝手に期待しただけだから幻滅までは行きませんが乗り気と言うかやる気がでない。
「それで王子はおいくつなのですか? 」
「ははは…… いくつに見える? 」
うっとうしいな。どうして王子ともあろう方がこうなのか?
ああガキだから。だったら仕方ないか。王子にはどうすることもできないか。
「来年で十九である」
素直に吐いてくれた。
日常生活では王子の年についてなどほぼ話題にならず正直どうでもいい。
ただのガキなのかそれとも見た目が幼いただの生意気な奴なのか。
答えは後者だったらしい。
「十九…… 見えませんね」
つい素直に言ってしまう。実際どうでもいい。急に興味を失った。
「うんうん。十九ですか…… てっきりもっと上かと思っておりました」
ビアンカがお世辞を言う。つまらないことで王子に悟られでもしたら……
「そうか。そうか。ははは! よくそう言われる。困ったものさ」
満更でもない様子。おべっかなど使って正体を見抜かれなければいいのですが。
ただのガキでしょう。王子でなかったらただの生意気なガキ。
相手してやるのだって面倒臭い。
あら…… つい地下室に閉じ込められていたものだから口が悪くなる。
もう王子は私には似合わない? ビアンカにでも譲るとしましょう。
「それでお前たちはどこに仕えている? 」
当然のようにメイドだと思ってる。見た目がそうだからだろう。
招待を受けたと言ってるのにメイドはないでしょう?
私はあくまでお嬢様様。王子を狙うスナイパーなのですよ。
正直に言えないので適当に真実に近い嘘を吐く。
「姉はメイドですよ。しかし私はお嬢様」
「はあ何を言っておるか? 」
お付きの爺さんが絡んでくる。もう本当にうっとうしんだから。
「申し訳ありません。妹が失礼なことを何度も何度も」
そうやって頭を下げるビアンカ。でも私は悪くないでしょう? 納得できない。
「私はお嬢様探偵なの。難事件があればどうぞよろしく」
まずい。つい余計な一言を述べる。ただの姉妹でいいのに。
当初の計画とは違うことを口走った以上もう遅い。
ああ! またやってしまった。お嬢様探偵って何よ?
残念。これで疑われたか? 遠ざけられるでしょう。
「おお面白いことを言う。ぜひ解き明かしてくれないかマリオネッタ」
生意気ではあるが人のいい王子。誤解されやすいのかも。
ただもう少し紳士に振る舞ってくれれば多少のことは目を瞑るのに。
「王子の頼みであるなら断りはしません。晩餐会の後でゆっくりお伺いします」
「おおそうかそうか。これは面白い。ちょうど退屈しておったんだ。
ぜひ謎を解き明かして場を盛り上げてくれないかマリオネッタ」
王子からの頼みとあっては断れない。仕方ありませんその通りにしよう。
こうして信頼を得た私たちは第一段階を終える。
王子と関係を築けば安泰。奴らの思惑通りになったはずだ。
お嬢様探偵はやり過ぎたが王子の歓心を得る為には仕方ないこと。
これが私なりのやり方。
どうやら王子は疑ってないらしい。
問題はお付きのお爺さん。彼をどうにかしないと安泰とはいかない。
続く
少々設定は変わったがメイドか令嬢かの違い。大した問題ではない。
これで懐に入り込むことができたのだからよしとしましょう。
うん? 何この嫌な感じ。まさか見られている? 監視されている?
そんなはず…… ううん。あり得なくはないか。この集団の中に見張り役がいる。
それどころか王子護衛隊の中に明らかに裏切り者が。
まさか王子は身内…… かなり近くの者から命を狙われている?
そうとしか思えない。
ある程度予測していたとは言え困ったことに。
私たちの動きが読まれてしまう恐れが。これ以上おかしな動きはできない。
この状況を改善するにはもっと王子から信頼されることが大事。
ただそれは一日や二日でどうにかなるようなものではない。
のんびりしてられない。急がなくては。
「ねえお姉様」
ビアンカはまったく気づいてない。それどころか王子の魔力に憑りつかれて虜に。
もう本当に情けないんだから。王子と言ったってただの生意気なガキでしょう?
甘やかされたであろう王子に心動かされるはずがない。
正直に言えばもったいないなと。私をかわいいと褒めてくれた。
そのような鋭い目と審美眼を持ち好意さえ示すのだから。
ですが大変残念なことに若過ぎる。幼過ぎると言い換えてもいい。
王子と私では釣り合わない。王子にはもっと相応しい方がきっといる。
それこそ晩餐会で素敵な方を見つけるとよろしいかと。
私は涙を呑んで辞退したい。気が変わらない限りにおいて。
うーん。王子って言うからもっと素敵で輝いてる方を想像してしまった。
どこかおかしい。私の理想の王子様像とはかなりかけ離れてしまっている。
メイドたちの噂も当てにならない。これなら無理して王子に会うこともなかった。
命懸けでここまで来てしまった。責任を取りなさいよとは言わない。
でももっと理想の王子に近づける努力をしてもいいでしょう。
奴らにしたって事前に王子がどのような方かもっと詳しく伝えるべき。
勝手に期待しただけだから幻滅までは行きませんが乗り気と言うかやる気がでない。
「それで王子はおいくつなのですか? 」
「ははは…… いくつに見える? 」
うっとうしいな。どうして王子ともあろう方がこうなのか?
ああガキだから。だったら仕方ないか。王子にはどうすることもできないか。
「来年で十九である」
素直に吐いてくれた。
日常生活では王子の年についてなどほぼ話題にならず正直どうでもいい。
ただのガキなのかそれとも見た目が幼いただの生意気な奴なのか。
答えは後者だったらしい。
「十九…… 見えませんね」
つい素直に言ってしまう。実際どうでもいい。急に興味を失った。
「うんうん。十九ですか…… てっきりもっと上かと思っておりました」
ビアンカがお世辞を言う。つまらないことで王子に悟られでもしたら……
「そうか。そうか。ははは! よくそう言われる。困ったものさ」
満更でもない様子。おべっかなど使って正体を見抜かれなければいいのですが。
ただのガキでしょう。王子でなかったらただの生意気なガキ。
相手してやるのだって面倒臭い。
あら…… つい地下室に閉じ込められていたものだから口が悪くなる。
もう王子は私には似合わない? ビアンカにでも譲るとしましょう。
「それでお前たちはどこに仕えている? 」
当然のようにメイドだと思ってる。見た目がそうだからだろう。
招待を受けたと言ってるのにメイドはないでしょう?
私はあくまでお嬢様様。王子を狙うスナイパーなのですよ。
正直に言えないので適当に真実に近い嘘を吐く。
「姉はメイドですよ。しかし私はお嬢様」
「はあ何を言っておるか? 」
お付きの爺さんが絡んでくる。もう本当にうっとうしんだから。
「申し訳ありません。妹が失礼なことを何度も何度も」
そうやって頭を下げるビアンカ。でも私は悪くないでしょう? 納得できない。
「私はお嬢様探偵なの。難事件があればどうぞよろしく」
まずい。つい余計な一言を述べる。ただの姉妹でいいのに。
当初の計画とは違うことを口走った以上もう遅い。
ああ! またやってしまった。お嬢様探偵って何よ?
残念。これで疑われたか? 遠ざけられるでしょう。
「おお面白いことを言う。ぜひ解き明かしてくれないかマリオネッタ」
生意気ではあるが人のいい王子。誤解されやすいのかも。
ただもう少し紳士に振る舞ってくれれば多少のことは目を瞑るのに。
「王子の頼みであるなら断りはしません。晩餐会の後でゆっくりお伺いします」
「おおそうかそうか。これは面白い。ちょうど退屈しておったんだ。
ぜひ謎を解き明かして場を盛り上げてくれないかマリオネッタ」
王子からの頼みとあっては断れない。仕方ありませんその通りにしよう。
こうして信頼を得た私たちは第一段階を終える。
王子と関係を築けば安泰。奴らの思惑通りになったはずだ。
お嬢様探偵はやり過ぎたが王子の歓心を得る為には仕方ないこと。
これが私なりのやり方。
どうやら王子は疑ってないらしい。
問題はお付きのお爺さん。彼をどうにかしないと安泰とはいかない。
続く
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