52 / 70
不届き者
しおりを挟む
ついに始まる晩餐会。何も起こらないといいのですがそれは幻想か。
「待ってよビアンカ。寒いんだってば」
「我慢願います。ラクエラは夜になると急激に冷え込むようなところ。
ただ雪が降るようなことはないので心配ありません」
ビアンカは大丈夫だと適当。寒くないのかしら?
大体その情報どこから? 信用ならないのよね。
確かに雪は降ってない。でもいつ降ってもおかしくない空模様。
随分と冷え込んで来た。帰り際には雪が降り積もっていたりして?
ふふふ…… それは帰れたらの話。それもまた運命。受け入れなくてはいけません。
「お年を取ると冷えは感じられないの? 」
「それは違います。気合です! 」
何とビアンカは気合と根性で乗り切れと無茶を言う。寒いのは寒いままでしょう。
「寒いのは恐らくこの風のせいかと」
元気なビアンカ。どうしたのでしょう? あんな地獄に乗り込むと言うのに明るい。
どこかおかしいのかしら? それとも本気で王子に心を奪われた?
そうするとやはりおかしいことになる。誰があのガキ王子に命を張れって言うの?
「王子を気に入ったの? あのクソガキが? 」
「あらあらマリオネッタお嬢様。お口が悪いですよ。そのようなこと一言も…… 」
嬉しそう。あるじゃないそんなこと。まったく呑気なんだから。まあいいか。
王子になぜかご執心のビアンカ。
どこがいいんでしょう? 確かに王子と言うだけで憧れはもちろんありますよ。
ですがそれは出会う前までの話。一目会えば気持ちは幻想だったと気づかされる。
それが現実と言うものでしょうがそれでももう少し素敵な方であって欲しかった。
王子を馬鹿にするつもりも貶すつもりもない。ですがもう少しでも大人であったら。
そうすれば王子とお嬢様の恋模様だって描けたかもしれない。
惜しい。残念でなりません。
「ビアンカ! 待って。置いて行かないで! 」
「ほら急ぎましょう。晩餐会が始まってしまいますよ」
気合十分のビアンカ。まさか本気で暗殺する気?
王子への想いを封印して任務を遂行する?
もしそうなら甘い考えを捨てるべきでしょう。それが割り切りってものでしょう。
「おい! そこのきれいな姉ちゃんたち! 」
道を塞ぐように横に広がる輩三名。奴らの寄越した使者とは思えない振る舞い。
目立つような行動は避ける。それが求められているはず。だから彼らはただの悪党。
大げさに言えば町に巣食うダニ。変なのに目をつけられたみたい。
「失礼。先を急いでますので」
相手にせずに通り抜けようとすると肩を掴まれ動きを止められてしまう。
すぐに囲まれる。ここは晩餐会場への一本道で遠回りさえできない。
それを見越しての嫌がらせ?
頭が悪いくせにこう言うところだけは知恵が回るんだから。
「へへへ…… どうだ今晩? 退屈させないぜ」
そうやって動きを封じ無理やり首を縦に振らせようと言う魂胆。
どこまで無能なのこいつらは? やはり故郷とは違いラクエラは危険が一杯。
でも本当に危険なのはこいつらの方。なぜなら私たちは暗殺者。彼らなど一発。
ふふふ…… あまりしつこくしてると制裁を加えますよ。
「ビアンカお願い! 」
こう言えば後始末してくれるのがメイド。今はしがない暗殺者ですが。
「ダメですよ。こんなクズどもを始末してどうするんです? 」
面倒だから頼んだのに諭されてしまう。しかしどうしろと?
このままでは本当に目立ってしまう。早いところ処分しないと。
まだ第一関門には早過ぎない?
「だったらどうするの? 」
ダメだ。話がまとまらない。急がないと晩餐会に遅れてしまう。
ここでは遅刻は厳禁。大体目立って仕方がない。
だから急いで邪魔をするこいつらを排除したいのですが。
「へへへ…… 姉ちゃんたち何を話してる? 大往生際が悪いぜ。イヒヒ…… 」
ダメだ。話にならない。ここは強行突破あるのみ。
背中に隠したナイフで奴らを黙らせる。もうここで手を拱いていては後れを取る。
王子はいつ狙われるか不明。急いで会場に向かう必要がある。
余計なことに構ってられない。さあ邪魔者をすぐに排除してしまいましょう。
それがこの街の為でもありこの国の為にもなる。
「通しなさいよあんたたち! 殺されたいの? 」
つい怒りから雑に振る舞う。これでいいはずないが頭に来てるから言葉も荒い。
「へへへ…… 姉ちゃんたちが俺たちを? ははは! それは悪い冗談だぜ」
ダメだ。頭が悪いから何一つ理解できてない。絡む相手を間違えている。
もう遅いが急いで震えなさい。もう私たちはただの女じゃない。
王子のお命を狙う一味の仲間で暗殺者なのだから。
「おいそこで何をやってる! この不届き者が! 」
刃を向けようとしたところで救世主が現れる。
「くそ! こいつらには逆らえない。行くぞお前ら! 」
「仕方ない。おう! 」
「待ってくれよ兄貴! 」
こうして情けない三人組は姿を消す。このラクエラに巣食うゴミども。
次会った時は確実に排除するとしましょう。うっとうしくて堪らないから。
これで邪魔者はいなくなった。
追い払ってくれた救世主に感謝を伝えましょう。
続く
「待ってよビアンカ。寒いんだってば」
「我慢願います。ラクエラは夜になると急激に冷え込むようなところ。
ただ雪が降るようなことはないので心配ありません」
ビアンカは大丈夫だと適当。寒くないのかしら?
大体その情報どこから? 信用ならないのよね。
確かに雪は降ってない。でもいつ降ってもおかしくない空模様。
随分と冷え込んで来た。帰り際には雪が降り積もっていたりして?
ふふふ…… それは帰れたらの話。それもまた運命。受け入れなくてはいけません。
「お年を取ると冷えは感じられないの? 」
「それは違います。気合です! 」
何とビアンカは気合と根性で乗り切れと無茶を言う。寒いのは寒いままでしょう。
「寒いのは恐らくこの風のせいかと」
元気なビアンカ。どうしたのでしょう? あんな地獄に乗り込むと言うのに明るい。
どこかおかしいのかしら? それとも本気で王子に心を奪われた?
そうするとやはりおかしいことになる。誰があのガキ王子に命を張れって言うの?
「王子を気に入ったの? あのクソガキが? 」
「あらあらマリオネッタお嬢様。お口が悪いですよ。そのようなこと一言も…… 」
嬉しそう。あるじゃないそんなこと。まったく呑気なんだから。まあいいか。
王子になぜかご執心のビアンカ。
どこがいいんでしょう? 確かに王子と言うだけで憧れはもちろんありますよ。
ですがそれは出会う前までの話。一目会えば気持ちは幻想だったと気づかされる。
それが現実と言うものでしょうがそれでももう少し素敵な方であって欲しかった。
王子を馬鹿にするつもりも貶すつもりもない。ですがもう少しでも大人であったら。
そうすれば王子とお嬢様の恋模様だって描けたかもしれない。
惜しい。残念でなりません。
「ビアンカ! 待って。置いて行かないで! 」
「ほら急ぎましょう。晩餐会が始まってしまいますよ」
気合十分のビアンカ。まさか本気で暗殺する気?
王子への想いを封印して任務を遂行する?
もしそうなら甘い考えを捨てるべきでしょう。それが割り切りってものでしょう。
「おい! そこのきれいな姉ちゃんたち! 」
道を塞ぐように横に広がる輩三名。奴らの寄越した使者とは思えない振る舞い。
目立つような行動は避ける。それが求められているはず。だから彼らはただの悪党。
大げさに言えば町に巣食うダニ。変なのに目をつけられたみたい。
「失礼。先を急いでますので」
相手にせずに通り抜けようとすると肩を掴まれ動きを止められてしまう。
すぐに囲まれる。ここは晩餐会場への一本道で遠回りさえできない。
それを見越しての嫌がらせ?
頭が悪いくせにこう言うところだけは知恵が回るんだから。
「へへへ…… どうだ今晩? 退屈させないぜ」
そうやって動きを封じ無理やり首を縦に振らせようと言う魂胆。
どこまで無能なのこいつらは? やはり故郷とは違いラクエラは危険が一杯。
でも本当に危険なのはこいつらの方。なぜなら私たちは暗殺者。彼らなど一発。
ふふふ…… あまりしつこくしてると制裁を加えますよ。
「ビアンカお願い! 」
こう言えば後始末してくれるのがメイド。今はしがない暗殺者ですが。
「ダメですよ。こんなクズどもを始末してどうするんです? 」
面倒だから頼んだのに諭されてしまう。しかしどうしろと?
このままでは本当に目立ってしまう。早いところ処分しないと。
まだ第一関門には早過ぎない?
「だったらどうするの? 」
ダメだ。話がまとまらない。急がないと晩餐会に遅れてしまう。
ここでは遅刻は厳禁。大体目立って仕方がない。
だから急いで邪魔をするこいつらを排除したいのですが。
「へへへ…… 姉ちゃんたち何を話してる? 大往生際が悪いぜ。イヒヒ…… 」
ダメだ。話にならない。ここは強行突破あるのみ。
背中に隠したナイフで奴らを黙らせる。もうここで手を拱いていては後れを取る。
王子はいつ狙われるか不明。急いで会場に向かう必要がある。
余計なことに構ってられない。さあ邪魔者をすぐに排除してしまいましょう。
それがこの街の為でもありこの国の為にもなる。
「通しなさいよあんたたち! 殺されたいの? 」
つい怒りから雑に振る舞う。これでいいはずないが頭に来てるから言葉も荒い。
「へへへ…… 姉ちゃんたちが俺たちを? ははは! それは悪い冗談だぜ」
ダメだ。頭が悪いから何一つ理解できてない。絡む相手を間違えている。
もう遅いが急いで震えなさい。もう私たちはただの女じゃない。
王子のお命を狙う一味の仲間で暗殺者なのだから。
「おいそこで何をやってる! この不届き者が! 」
刃を向けようとしたところで救世主が現れる。
「くそ! こいつらには逆らえない。行くぞお前ら! 」
「仕方ない。おう! 」
「待ってくれよ兄貴! 」
こうして情けない三人組は姿を消す。このラクエラに巣食うゴミども。
次会った時は確実に排除するとしましょう。うっとうしくて堪らないから。
これで邪魔者はいなくなった。
追い払ってくれた救世主に感謝を伝えましょう。
続く
0
あなたにおすすめの小説
英雄の番が名乗るまで
長野 雪
恋愛
突然発生した魔物の大侵攻。西の果てから始まったそれは、いくつもの集落どころか国すら飲みこみ、世界中の国々が人種・宗教を越えて協力し、とうとう終息を迎えた。魔物の駆逐・殲滅に目覚ましい活躍を見せた5人は吟遊詩人によって「五英傑」と謳われ、これから彼らの活躍は英雄譚として広く知られていくのであろう。
大侵攻の終息を祝う宴の最中、己の番《つがい》の気配を感じた五英傑の一人、竜人フィルは見つけ出した途端、気を失ってしまった彼女に対し、番の誓約を行おうとするが失敗に終わる。番と己の寿命を等しくするため、何より番を手元に置き続けるためにフィルにとっては重要な誓約がどうして失敗したのか分からないものの、とにかく庇護したいフィルと、ぐいぐい溺愛モードに入ろうとする彼に一歩距離を置いてしまう番の女性との一進一退のおはなし。
※小説家になろうにも投稿
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
【完結】勤労令嬢、街へ行く〜令嬢なのに下働きさせられていた私を養女にしてくれた侯爵様が溺愛してくれるので、国いちばんのレディを目指します〜
鈴木 桜
恋愛
貧乏男爵の妾の子である8歳のジリアンは、使用人ゼロの家で勤労の日々を送っていた。
誰よりも早く起きて畑を耕し、家族の食事を準備し、屋敷を隅々まで掃除し……。
幸いジリアンは【魔法】が使えたので、一人でも仕事をこなすことができていた。
ある夏の日、彼女の運命を大きく変える出来事が起こる。
一人の客人をもてなしたのだ。
その客人は戦争の英雄クリフォード・マクリーン侯爵の使いであり、ジリアンが【魔法の天才】であることに気づくのだった。
【魔法】が『武器』ではなく『生活』のために使われるようになる時代の転換期に、ジリアンは戦争の英雄の養女として迎えられることになる。
彼女は「働かせてください」と訴え続けた。そうしなければ、追い出されると思ったから。
そんな彼女に、周囲の大人たちは目一杯の愛情を注ぎ続けた。
そして、ジリアンは少しずつ子供らしさを取り戻していく。
やがてジリアンは17歳に成長し、新しく設立された王立魔法学院に入学することに。
ところが、マクリーン侯爵は渋い顔で、
「男子生徒と目を合わせるな。微笑みかけるな」と言うのだった。
学院には幼馴染の謎の少年アレンや、かつてジリアンをこき使っていた腹違いの姉もいて──。
☆第2部完結しました☆
【完結】モブのメイドが腹黒公爵様に捕まりました
ベル
恋愛
皆さまお久しぶりです。メイドAです。
名前をつけられもしなかった私が主人公になるなんて誰が思ったでしょうか。
ええ。私は今非常に困惑しております。
私はザーグ公爵家に仕えるメイド。そして奥様のソフィア様のもと、楽しく時に生温かい微笑みを浮かべながら日々仕事に励んでおり、平和な生活を送らせていただいておりました。
...あの腹黒が現れるまでは。
『無口な旦那様は妻が可愛くて仕方ない』のサイドストーリーです。
個人的に好きだった二人を今回は主役にしてみました。
優しい雨が降る夜は
葉月 まい
恋愛
浮世離れした地味子 × 外資系ITコンサルのエリートイケメン
無自覚にモテる地味子に
余裕もなく翻弄されるイケメン
二人の恋は一筋縄ではいかなくて……
雨降る夜に心に届いた
優しい恋の物語
⟡☾·̩͙⋆☔┈┈┈ 登場人物 ┈┈┈ ☔⋆·̩͙☽⟡
風間 美月(24歳)……コミュニティセンター勤務・地味でお堅い性格
雨宮 優吾(28歳)……外資系ITコンサルティング会社勤務のエリートイケメン
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)
かのん
恋愛
気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。
わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・
これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。
あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ!
本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。
完結しておりますので、安心してお読みください。
異世界は『一妻多夫制』!?溺愛にすら免疫がない私にたくさんの夫は無理です!?
すずなり。
恋愛
ひょんなことから異世界で赤ちゃんに生まれ変わった私。
一人の男の人に拾われて育ててもらうけど・・・成人するくらいから回りがなんだかおかしなことに・・・。
「俺とデートしない?」
「僕と一緒にいようよ。」
「俺だけがお前を守れる。」
(なんでそんなことを私にばっかり言うの!?)
そんなことを思ってる時、父親である『シャガ』が口を開いた。
「何言ってんだ?この世界は男が多くて女が少ない。たくさん子供を産んでもらうために、何人とでも結婚していいんだぞ?」
「・・・・へ!?」
『一妻多夫制』の世界で私はどうなるの!?
※お話は全て想像の世界になります。現実世界とはなんの関係もありません。
※誤字脱字・表現不足は重々承知しております。日々精進いたしますのでご容赦ください。
ただただ暇つぶしに楽しんでいただけると幸いです。すずなり。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる