夏への招待状 失われた記憶と消えゆく少女たち 無人島脱出お宝大作戦

二廻歩

文字の大きさ
6 / 61

第四の少女 亜砂

しおりを挟む
翌日。
うーん。気持ちいい。良く寝た!
外を見る。
やはりもう昼過ぎ。
ハイハイ。分かってますよ。
どういう訳か朝起きれなくなってしまった。
呪いか何かなのだろう。
この島に来るまではちゃんとしていたんだが……
まあ定かではないが…… 記憶など当てにならないものだ。

「リン! リン! 」
一緒に寝ていたリンが見当たらない。
コテージを見て回ったが誰も居なかった。
どこに行ったのだろう?
せっかくなら起こしてくれれば良かったんだが。気が利かないなあ。
諦めて飯にしよう。
缶詰を開ける。
リンで三人目だ。
これだけの人間がいるのだ食糧は何とでもなる。
気にせずに非常食に手を出す。
鳥肉を食す。
久しぶりの肉。いつ以来だろうか?
魚が中心だったので感動で涙が出そうになる。
一気に掻きこむ。
ああ旨い! もうこれ以上魚は食べたくない! 飽きたよ実際。
でも分かっているさ。明日には魚生活に戻る。缶詰ばかりに手を出すわけにはいかない。
食ったら運動。
もう日課になっている。
食事を終え海に繰り出す。

うん?
誰かいる?
ビーチに人影。
「おーい! アイミ? 」
似ているが違うようだ。ムーちゃん? いや違うな。まさかリン?
「誰? 」
あちらも違う名前を呼ばれ戸惑っている。
近づいて顔を確認。
「あれ君は…… 誰だったっけ? 」
「久しぶり。ゲンジ」
「君は俺のことを知っているのか? 」
「ええ。紹介されたから」
「誰から? 」
「博士に決まっているでしょう! 」
「博士? 」
「覚えてない? 」
「ああ。まったく」
ようやく手がかりが見つかった。
博士が何者か知らないが関係があるのは間違いない。
「なあ…… 」
「泳ごうよゲンジ」
これ以上の質問は受け付けないと話を逸らす。
付き合うしかない。
彼女は白のビキニを着用。
大胆にも何もサポーターをつけていない。
薄っすらと透けて見える薄いピンクのもの。見てはいけない。
これ以上見てはダメだ。危険すぎる。
それ以上に驚かされるのが後ろだ。
生地がほとんどなく肌が露わになっている。
あまりに大胆。

「君名前は? 」
「亜砂…… 本当に覚えてないの? 」
「俺には良く分からないんだ」
「都合が良すぎ」
「はっはは…… 」
笑ってごまかす。
「博士って誰? 」
「博士も? 忘れちゃったのね…… 」
「ああ。どうしたんだろうな」
「それはやっぱり…… いえ何でもない…… 」
歯切れが悪い。
聞けば答えてくれそうだが何かを恐れている。
まさか俺? そんな馬鹿な……

泳ぎはうまいと言う。せっかくだから教えてもらおうか。
俺のは自己流だから息継ぎや手足の使い方もなっていないと自覚している。
もしこの島から脱出するなら泳ぎを上達させるに越したことはない。
「なあ亜砂。泳ぎを教えてくれないか? 」
「うん。ゲンジがそう言うなら」
照れているのか? 恐れているのか? 下を向く。
「ついでに博士についても教えてくれないか? 」
警戒され無いようにさらっと付け加える。
「私たちの雇い主」
「ゲンジそれよりも…… 」
亜砂を遮り畳みかける。
「君はどうしてこの島に来た? 」
「理由? 暇だったから。博士の誘いに乗っただけ」
「博士はどこにいる? 」
「さあ…… 」  
「その水着は博士から? 」
「ううん。このために新調したんだから」
「ここはどこだ? 」
「さあ島としか聞かされていないので」
「博士と連絡は取れないのか? 」
「ゲンジ。それ本気で言ってるの? 」
「ああ。当然だろ。何か不都合でもあるのか? 」
強く訴えかければ何か聞き出せるはず。
「ゲンジ。おかしいよ。とにかく泳ごう」
はぐらかされたか。もう慣れっこだ。

海へ。
彼女の気の済むまで付き合ってやる。
途中サメ騒動があったが問題ない。
この付近のサメは人を襲わないそうだ。
「本当かよ? 確かなのか? 」
「ええ。ここ百年で被害報告は一つも」
「嘘を吐け! 」
「疑うつもり? 博士がそう言ってたんだから」
しかし……
よく考えればここは無人島。
周りも似たり寄ったり。
人が襲われるほど島には人がいない。
だから統計など取りようもない。
それではサメが襲わないと言う保証はない。
なるべく浅瀬で泳ぐことにした。

このくらいで充分だろう。
亜砂と一緒に晩の魚を素潜りで捕まえ海を後にする。
得意ではないので亜砂に任せっきり。俺は見ているだけ。
結局泳ぎもうまかくなったとは言えない。
俺の中の何かが邪魔をしている。
変だな。どうしたのだろう?

「なあ…… 他の者は? なぜ誰も姿を見せない? 」
「ああそれならお見舞いに行っているよ」
意外な答えが返ってきた。
「誰か体の具合でも悪いのか? 」
「うん。暑さが堪えたみたい。体が弱くて寝込んでいるの」
「明日私もお見舞いに行くつもり。ゲンジはどうする? 」
チャンスは逃さない。
「ならついて行こうかな。どうせやることもないし暇だから」
即答する。
「山。きついけど大丈夫? 」
「平気平気」
まさか山とは…… これは覚悟を決めなければ。
約束をして別れる。
この島にまだ人が居たとは……
翌日の登山に備えて早く寝ることにした。

しかしどんなに早く寝ようと朝起きることは無く太陽が眩しい。
相変わらずコテージには人がいない。
彼女たちはどこにいるのだろうか?
まあ気にしていても仕方がない。
とにかく山へ。

                   【続】
            
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話

桜井正宗
青春
 ――結婚しています!  それは二人だけの秘密。  高校二年の遙と遥は結婚した。  近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。  キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。  ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。 *結婚要素あり *ヤンデレ要素あり

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

(完)百合短編集 

南條 綾
恋愛
ジャンルは沢山の百合小説の短編集を沢山入れました。

むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム

ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。 けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。 学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!? 大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。 真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

黒に染まった華を摘む

馬場 蓮実
青春
夏の終わりに転校してきたのは、忘れられない初恋の相手だった——。 高須明希は、人生で“二番目”に好きになった相手——河西栞に密かに想いを寄せている。 「夏休み明けの初日。この席替えで、彼女との距離を縮めたい。話すきっかけがほしい——」 そんな願いを胸に登校したその朝、クラスに一人の転校生がやってくる。 彼女の名は、立石麻美。 昔の面影を残しながらも、まるで別人のような気配をまとう彼女は——明希にとって、忘れられない“初恋の人”だった。 この再会が、静かだった日常に波紋を広げていく。 その日の放課後。 明希は、"性の衝動"に溺れる自身の姿を、麻美に見られてしまう——。 塞がっていた何かが、ゆっくりと崩れはじめる。 そして鬱屈した青春は、想像もしていなかった熱と痛みを帯びて動き出す。 すべてに触れたとき、 明希は何を守り、何を選ぶのか。 光と影が交錯する、“遅れてきた”ひと夏の物語。

処理中です...