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暗号解読中
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翌日。
起きると何やら騒々しい。
まさか……
亜砂が起こしに来た。
「ゲンジ! 船! 船だって! 」
「何? どこだ? 」
「ほら。遠くの方に見えるよ! 」
「なぜ早く知らせない? 」
「そんなこと言っても…… 」
亜砂に八つ当たりしても始まらない。
急いでコテージから出る。
ちくしょう! あんな遠くを走るなんてありかよ!
笛を吹いても聞こえるはずがない。
一応首にかけた笛を鳴らす。
強く長く。
しかしまったく反応が無い。
当たり前だ。船は水平線の遥か遠くなのだから。
残念……
脱出する最後のチャンスを逃した?
「あーあ。うふふ…… 」
「ずいぶん落ち着いてるな亜砂」
「ゲンジには悪いけどこれでゆっくりできるでしょう」
「くそ! 皆を集めて作戦会議だ! 」
「ええっ? ゆっくりしようよ。どう一緒に泳がない? 」
白のビキニが誘惑する。
「それは俺だって…… 」
「さあ泳ぎましょう」
亜砂に誘われるまま海へ。
うーん。気持ちいい。だが今はそんなことしている時ではない。
「行くぞ! 」
亜砂は渋々海から上がる。
目的を忘れてはいけない。
とにかくここから脱出することだ。
運が良ければお宝も。
全員を集め話し合う。
「誰かこの暗号が分かる奴はいないか? 」
「何これ? 」
リンには期待してない。
「えっとね…… 」
何か閃いたらしい。
N-1 E-20.5 S-3 ③ WA
N-1 W-17.5 S-1.5 ② RA
N^1 W-25 S-3 ① FL
N-! W-25 S-30 ④ JP
「全部Nから始まってるね」
珍しくリンの指摘が的を得ている。
「リン。何か分かるか? 」
首を振る。
「馬鹿だなあリンは」
「こら! 」
「お兄ちゃん…… 」
リンがうるんだ瞳で訴えかける。
「リン…… 」
つい本能で抱きしめてやりたくなる。
「ほらリンを甘やかさないの! 」
アイミは手厳しい。
大きな胸と大きな瞳で勝ち誇る。
「アイミ。今は仲間割れをしている時じゃない。分かるなら教えてくれ」
「どうしようかな…… 」
もったいぶって言おうとしない。
その隙にムーちゃんが手を挙げる。
「このNは何らかの記号でしょう。うん? N以外にもSもEもWもある」
「これはもう分かるんじゃないゲンジ? 」
亜砂が口を挟む。まるで最初から知っているかのような物言い。引っかかる。
「ニュースとか? 」
「ええ。だから? 」
「東西南北。そうか方角を現しているのか」
「ちょっと待ってください」
今まで見守っていた空蝉が発言する。
「するとこの数字は距離になりませんか? 」
「偉いぞ空蝉」
「いえそれほどでも。出しゃばった真似をしました。申し訳ございません」
なぜか謝る彼女。感謝されることはあっても叱責されるいわれはないはず。
だがなぜか表情が硬い。まるで俺を恐れているような態度。
違和感がある。
「それから他には? 」
「距離だとするとキロはあり得ないんじゃない」
「いやそうとも限らない。海に隠した可能性もあるしな」
「考え過ぎじゃない」
「そうですね。この島で考えたほうがよさそうですよ」
ムーちゃんは冷静だ。
「リンは分かったの? 」
アイミがからかう。
「えっとね…… キロじゃないなら…… 分かった! グラムだ! 」
「はっははは! 」
アイミに乗せられた哀れなリン。
「ちょっと止めなってば。リンがかわいそうじゃない」
「何か言った? 」
アイミとムーちゃんの間に微妙な空気が流れた。
それを振り払ったのが亜砂。。
「もう二人とも止めなよ。リンは頑張った方じゃない」
リンが下を向く。
元気いっぱいのリンの姿が見えなくなってしまった。
「答えはこう。キロでないならメートルでしょう? 」
「正解! 」
「実は私見つけた時気になって勝手に測ってみたんだ。そうしたら予想通り。
コテージから海までが大体百メートル」
「うんうん」
「だったらさあ。この数字の1=百メートルなんじゃないかな」
物凄い発想力と行動力。
らしくない亜砂を少々見直した。
ただの白ビキニのお姉さんではなかったようだ。
「よしこの勢いで暗号を全て解き明かそう! 」
「おう! 」
皆の力が合わさり宝に迫る。
果たしてこのまま上手く行くのだろうか。
ゴホゴホ。
アガガガ。
「どうしたのゲンジ? 」
アイミがこちらを見る。
「済まん済まん。ちょっと喉がな…… 夏風邪かな」
「あっそう! 」
アイミは素っ気ない。
「本当に大丈夫ですか? 」
「ああ今日は早く寝るよ。後のことはお前に任せるな空蝉」
「では今日はこれくらいにしてまた次の機会に」
ムーちゃんが締める。
よくやったぞ皆。もうあと少しだ。
これなら一人の力で充分だ。
ゆっくり考えながら休むとしよう。
先にコテージに戻る。
地図と暗号を見比べる。
うーん。違うか。
これでもない。まさかだとしたら……
この地図と暗号は間違えなく関係があるはず。
だとしてこのローマ字は何だ?
ダメだ。もう少し手掛かりがないと無理そうだ。
ゴホゴホ
ゴホゴホ
咳が止まらない。これはまずい。
ベットで横になる。
おやすみなさい。
今日はベットを独り占め。
さすがに他の者と一緒に寝るわけにはいかない。
いいような悪いような。
嬉しいような悲しいような。
複雑な気分だ。
【続】
起きると何やら騒々しい。
まさか……
亜砂が起こしに来た。
「ゲンジ! 船! 船だって! 」
「何? どこだ? 」
「ほら。遠くの方に見えるよ! 」
「なぜ早く知らせない? 」
「そんなこと言っても…… 」
亜砂に八つ当たりしても始まらない。
急いでコテージから出る。
ちくしょう! あんな遠くを走るなんてありかよ!
笛を吹いても聞こえるはずがない。
一応首にかけた笛を鳴らす。
強く長く。
しかしまったく反応が無い。
当たり前だ。船は水平線の遥か遠くなのだから。
残念……
脱出する最後のチャンスを逃した?
「あーあ。うふふ…… 」
「ずいぶん落ち着いてるな亜砂」
「ゲンジには悪いけどこれでゆっくりできるでしょう」
「くそ! 皆を集めて作戦会議だ! 」
「ええっ? ゆっくりしようよ。どう一緒に泳がない? 」
白のビキニが誘惑する。
「それは俺だって…… 」
「さあ泳ぎましょう」
亜砂に誘われるまま海へ。
うーん。気持ちいい。だが今はそんなことしている時ではない。
「行くぞ! 」
亜砂は渋々海から上がる。
目的を忘れてはいけない。
とにかくここから脱出することだ。
運が良ければお宝も。
全員を集め話し合う。
「誰かこの暗号が分かる奴はいないか? 」
「何これ? 」
リンには期待してない。
「えっとね…… 」
何か閃いたらしい。
N-1 E-20.5 S-3 ③ WA
N-1 W-17.5 S-1.5 ② RA
N^1 W-25 S-3 ① FL
N-! W-25 S-30 ④ JP
「全部Nから始まってるね」
珍しくリンの指摘が的を得ている。
「リン。何か分かるか? 」
首を振る。
「馬鹿だなあリンは」
「こら! 」
「お兄ちゃん…… 」
リンがうるんだ瞳で訴えかける。
「リン…… 」
つい本能で抱きしめてやりたくなる。
「ほらリンを甘やかさないの! 」
アイミは手厳しい。
大きな胸と大きな瞳で勝ち誇る。
「アイミ。今は仲間割れをしている時じゃない。分かるなら教えてくれ」
「どうしようかな…… 」
もったいぶって言おうとしない。
その隙にムーちゃんが手を挙げる。
「このNは何らかの記号でしょう。うん? N以外にもSもEもWもある」
「これはもう分かるんじゃないゲンジ? 」
亜砂が口を挟む。まるで最初から知っているかのような物言い。引っかかる。
「ニュースとか? 」
「ええ。だから? 」
「東西南北。そうか方角を現しているのか」
「ちょっと待ってください」
今まで見守っていた空蝉が発言する。
「するとこの数字は距離になりませんか? 」
「偉いぞ空蝉」
「いえそれほどでも。出しゃばった真似をしました。申し訳ございません」
なぜか謝る彼女。感謝されることはあっても叱責されるいわれはないはず。
だがなぜか表情が硬い。まるで俺を恐れているような態度。
違和感がある。
「それから他には? 」
「距離だとするとキロはあり得ないんじゃない」
「いやそうとも限らない。海に隠した可能性もあるしな」
「考え過ぎじゃない」
「そうですね。この島で考えたほうがよさそうですよ」
ムーちゃんは冷静だ。
「リンは分かったの? 」
アイミがからかう。
「えっとね…… キロじゃないなら…… 分かった! グラムだ! 」
「はっははは! 」
アイミに乗せられた哀れなリン。
「ちょっと止めなってば。リンがかわいそうじゃない」
「何か言った? 」
アイミとムーちゃんの間に微妙な空気が流れた。
それを振り払ったのが亜砂。。
「もう二人とも止めなよ。リンは頑張った方じゃない」
リンが下を向く。
元気いっぱいのリンの姿が見えなくなってしまった。
「答えはこう。キロでないならメートルでしょう? 」
「正解! 」
「実は私見つけた時気になって勝手に測ってみたんだ。そうしたら予想通り。
コテージから海までが大体百メートル」
「うんうん」
「だったらさあ。この数字の1=百メートルなんじゃないかな」
物凄い発想力と行動力。
らしくない亜砂を少々見直した。
ただの白ビキニのお姉さんではなかったようだ。
「よしこの勢いで暗号を全て解き明かそう! 」
「おう! 」
皆の力が合わさり宝に迫る。
果たしてこのまま上手く行くのだろうか。
ゴホゴホ。
アガガガ。
「どうしたのゲンジ? 」
アイミがこちらを見る。
「済まん済まん。ちょっと喉がな…… 夏風邪かな」
「あっそう! 」
アイミは素っ気ない。
「本当に大丈夫ですか? 」
「ああ今日は早く寝るよ。後のことはお前に任せるな空蝉」
「では今日はこれくらいにしてまた次の機会に」
ムーちゃんが締める。
よくやったぞ皆。もうあと少しだ。
これなら一人の力で充分だ。
ゆっくり考えながら休むとしよう。
先にコテージに戻る。
地図と暗号を見比べる。
うーん。違うか。
これでもない。まさかだとしたら……
この地図と暗号は間違えなく関係があるはず。
だとしてこのローマ字は何だ?
ダメだ。もう少し手掛かりがないと無理そうだ。
ゴホゴホ
ゴホゴホ
咳が止まらない。これはまずい。
ベットで横になる。
おやすみなさい。
今日はベットを独り占め。
さすがに他の者と一緒に寝るわけにはいかない。
いいような悪いような。
嬉しいような悲しいような。
複雑な気分だ。
【続】
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