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発覚 宝の地図と暗号の秘密
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西の海に姿を消した船に一縷の望みを賭ける。
目的を果たし再び戻ってくることを願って。
翌日から監視することに。
アイミを呼び出す。
「何? 眠いんだけど…… まさか…… 」
「俺が寝ている間は順番で見張るように。今日の見張りはアイミ」
「もう! 勝手に決めないでよ」
「済まん。俺は夜と朝がダメなんだ」
「船が夜中に通る訳ないじゃない! 」
アイミが食ってかかる。
危険が伴う夜に船を動かすのは考えづらいが彼らの狙いが分からない以上油断はできない。
「頼むぞアイミ! 」
「こう言うのは普通男の仕事なんだけどなあ…… 」
「悪い悪い。一日だけだ我慢してくれ」
「肌が…… 」
「これも皆の為だ」
「こんなことより暗号解読した方が早いんじゃない? 」
アイミの意見はもっともだ。
「もう少しで何か分かりそうなんだ。あと一歩。数字さえ分かればなあ…… 」
「しょうがないなゲンジは。分かった。特別に教えてあげる」
「数字が何かは分からない。でもよく考えて。
その数字が宝の在り処を示しているなら起点が大事」
「起点? 船が起点じゃないのか? 」
「馬鹿なんだから! 船がどうやって起点になり得るの? 」
確かに言われてみればそうだ。船は本来、人を遠くに運ぶもの。
絶え間なく動き続ける運命。
動きを失う時は元の場所に戻ってきた時。
または目的地。寄港地。そうでなければ壊れた時だ。
この島から出る船など無い。
ここは何と言っても無人島。
崖下に見える船はただ難破しただけ。
ならば考えられる答えは…… うーん。分かるはずがない。
「ゲンジ! ゲンジ! 」
アイミが思考を遮る。
「これでも分からないの? あなた馬鹿? 」
「何だと! 」
「ヒントをあげたのに。まったくもうダメな人ね」
「そこまで言うならお前は分かってるんだな? 」
「そ…… それは…… 教えてはダメだって…… 」
「誰にだ? 」
「えっと…… あなたじゃなくて…… 」
「俺じゃなくて? 」
「もう誰だっていいでしょう! 」
まずいと思ったのかキレる。
「良い訳ないだろ! 教えろ! 」
「分かった。でも誰からかは言えない。いえ、言える訳がない! 」
ずいぶんと余裕がない。おかしい。
「誰からなどこの際どうでも良い。知っていることを話せ! 」
ついにアイミは重い口を開く。
「ごめんなさい! 」
一言目は謝罪から始まった。
海は真っ暗でよく見えない。
だが船の音も聞こえない。今夜は動きはなさそうだ。
海が荒れ始めた。
このままでは明日以降の天気が心配だ。
「ゲンジ! あなたは私たちを信じて船の調査に当たらせた。
でも本当はその朝にある人物から渡されたのよ。
今あなたが大切にしまってある地図と暗号」
「何? でたらめだって言うのか? 」
「そうじゃないけど。船で発見したと思わせたかった。
いえ、と言うよりもお遊びとしてアイテムを渡したんだと思う」
「ならば本物の宝の地図だと? 」
「そうなんじゃない。でもこれは何度も言うように崖の下の船から発見されたんじゃない! 別のとこから持ち出したもの」
「別のところ? 」
「そう例えばあなたのいるコテージからとかね」
「おい! まさかその渡した奴ってのは俺のよく知る人物? 」
「ええ。あなたが…… おっと余計なことは言わないように命令されているわ。
これ以上は無理。もういいでしょう? 」
「しかしアイミ…… 」
彼女はそれ以上話すことは無かった。
とんでもない何かを隠しているのは間違いない。
気にしてもしょうがないか。
暗号解読に一歩前進。
彼女たちを揺さぶってみるのも手かもしれない。
翌日。
監視中。
「どうしたんですかゲンジさん」
「あれ? 今夜は亜砂の番だと? 」
「亜砂はこの時間は寝ちゃうの。私と違って早寝早起なんです」
ムーちゃんが欠伸をしながら答える。
「まだ見えないか? 」
「ええ。博士の船も見えませんね」
「そうか引き続き見張りを頼む」
コテージに戻ろうとした手を引っ張られる。
「待ってください! 暇過ぎて眠くなっちゃう。もう少しお願い」
ムーちゃんが誘惑する。
「分かったよ。よしこの数字は分かるか? 」
「何ですかまた暗号ですか? 頭痛くなっちゃうなあ」
「アイミにちょっとな…… お前も何か聞いてないか? 。
「何をですか? 誰にですか? 」
彼女は動じない。
「知っていることだよ。何でもいいんだ」
「私の知っていること。あなたが私のアダムになれない。
あなたにとって私はイブかもしれません。でも私にとってもあなたはイブなんです。これが私の知っていることです」
そううまくは行かないか。時間をかけてゆっくりと……
「最後に一言だけいいですか」
彼女は迷っているようだ。
「いいだろう。どうせ暇つぶしの世間話でしかないのだから」
「そうですか…… 」
「どうした? 」
「ゲンジさん。真剣に聞きます」
「私とアイミ。あなたはどちらを選びますか? 」
「それは…… どっちもじゃダメなんだよな? 」
ムーちゃんが睨む。
「俺は…… やっぱり分からない」
「そうですか。残念です。でももう時間がありませんよ」
「時間がない? ははは…… どういうことだ? 」
「そう言うことです! 」
無駄話を終え彼女は前を向いた。
これ以上は無理だろう。
俺は戻ることにした。
「おやすみ。風邪ひくなよ」
コテージへ。
【続】
目的を果たし再び戻ってくることを願って。
翌日から監視することに。
アイミを呼び出す。
「何? 眠いんだけど…… まさか…… 」
「俺が寝ている間は順番で見張るように。今日の見張りはアイミ」
「もう! 勝手に決めないでよ」
「済まん。俺は夜と朝がダメなんだ」
「船が夜中に通る訳ないじゃない! 」
アイミが食ってかかる。
危険が伴う夜に船を動かすのは考えづらいが彼らの狙いが分からない以上油断はできない。
「頼むぞアイミ! 」
「こう言うのは普通男の仕事なんだけどなあ…… 」
「悪い悪い。一日だけだ我慢してくれ」
「肌が…… 」
「これも皆の為だ」
「こんなことより暗号解読した方が早いんじゃない? 」
アイミの意見はもっともだ。
「もう少しで何か分かりそうなんだ。あと一歩。数字さえ分かればなあ…… 」
「しょうがないなゲンジは。分かった。特別に教えてあげる」
「数字が何かは分からない。でもよく考えて。
その数字が宝の在り処を示しているなら起点が大事」
「起点? 船が起点じゃないのか? 」
「馬鹿なんだから! 船がどうやって起点になり得るの? 」
確かに言われてみればそうだ。船は本来、人を遠くに運ぶもの。
絶え間なく動き続ける運命。
動きを失う時は元の場所に戻ってきた時。
または目的地。寄港地。そうでなければ壊れた時だ。
この島から出る船など無い。
ここは何と言っても無人島。
崖下に見える船はただ難破しただけ。
ならば考えられる答えは…… うーん。分かるはずがない。
「ゲンジ! ゲンジ! 」
アイミが思考を遮る。
「これでも分からないの? あなた馬鹿? 」
「何だと! 」
「ヒントをあげたのに。まったくもうダメな人ね」
「そこまで言うならお前は分かってるんだな? 」
「そ…… それは…… 教えてはダメだって…… 」
「誰にだ? 」
「えっと…… あなたじゃなくて…… 」
「俺じゃなくて? 」
「もう誰だっていいでしょう! 」
まずいと思ったのかキレる。
「良い訳ないだろ! 教えろ! 」
「分かった。でも誰からかは言えない。いえ、言える訳がない! 」
ずいぶんと余裕がない。おかしい。
「誰からなどこの際どうでも良い。知っていることを話せ! 」
ついにアイミは重い口を開く。
「ごめんなさい! 」
一言目は謝罪から始まった。
海は真っ暗でよく見えない。
だが船の音も聞こえない。今夜は動きはなさそうだ。
海が荒れ始めた。
このままでは明日以降の天気が心配だ。
「ゲンジ! あなたは私たちを信じて船の調査に当たらせた。
でも本当はその朝にある人物から渡されたのよ。
今あなたが大切にしまってある地図と暗号」
「何? でたらめだって言うのか? 」
「そうじゃないけど。船で発見したと思わせたかった。
いえ、と言うよりもお遊びとしてアイテムを渡したんだと思う」
「ならば本物の宝の地図だと? 」
「そうなんじゃない。でもこれは何度も言うように崖の下の船から発見されたんじゃない! 別のとこから持ち出したもの」
「別のところ? 」
「そう例えばあなたのいるコテージからとかね」
「おい! まさかその渡した奴ってのは俺のよく知る人物? 」
「ええ。あなたが…… おっと余計なことは言わないように命令されているわ。
これ以上は無理。もういいでしょう? 」
「しかしアイミ…… 」
彼女はそれ以上話すことは無かった。
とんでもない何かを隠しているのは間違いない。
気にしてもしょうがないか。
暗号解読に一歩前進。
彼女たちを揺さぶってみるのも手かもしれない。
翌日。
監視中。
「どうしたんですかゲンジさん」
「あれ? 今夜は亜砂の番だと? 」
「亜砂はこの時間は寝ちゃうの。私と違って早寝早起なんです」
ムーちゃんが欠伸をしながら答える。
「まだ見えないか? 」
「ええ。博士の船も見えませんね」
「そうか引き続き見張りを頼む」
コテージに戻ろうとした手を引っ張られる。
「待ってください! 暇過ぎて眠くなっちゃう。もう少しお願い」
ムーちゃんが誘惑する。
「分かったよ。よしこの数字は分かるか? 」
「何ですかまた暗号ですか? 頭痛くなっちゃうなあ」
「アイミにちょっとな…… お前も何か聞いてないか? 。
「何をですか? 誰にですか? 」
彼女は動じない。
「知っていることだよ。何でもいいんだ」
「私の知っていること。あなたが私のアダムになれない。
あなたにとって私はイブかもしれません。でも私にとってもあなたはイブなんです。これが私の知っていることです」
そううまくは行かないか。時間をかけてゆっくりと……
「最後に一言だけいいですか」
彼女は迷っているようだ。
「いいだろう。どうせ暇つぶしの世間話でしかないのだから」
「そうですか…… 」
「どうした? 」
「ゲンジさん。真剣に聞きます」
「私とアイミ。あなたはどちらを選びますか? 」
「それは…… どっちもじゃダメなんだよな? 」
ムーちゃんが睨む。
「俺は…… やっぱり分からない」
「そうですか。残念です。でももう時間がありませんよ」
「時間がない? ははは…… どういうことだ? 」
「そう言うことです! 」
無駄話を終え彼女は前を向いた。
これ以上は無理だろう。
俺は戻ることにした。
「おやすみ。風邪ひくなよ」
コテージへ。
【続】
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