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ゲンシ島・僕らの宝島 島々の歴史
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いつ沈むか分からない恐怖と戦いながら船を走らせる。
雨具はもうその役目を果たせなくなった。
「博士? 」
「行くぞ! 」
嵐に立ち向かう。
「もう嫌だ! 痛い! 痛い! 」
「我慢! 我慢だ! 」
「そんなこと言ったって…… 」
ゴボゴボ
息が苦しい。
「誰か助けてくれ! 」
「君? 」
「誰か? お願いだ! 」
「おい! しっかりしろ! 」
もうダメだ。息が続かない。
真っ白だ。
ああ。これまでか…… 仕方がないよね。
恨むよ博士! 無理やり連れてきやがって!
意識が飛ぶ。
真っ暗な世界に閉じ込められる。
息が苦しいよ!
もう疲れた……
場面が切り替わる。
「行くぞ! 」
「どこへ? 」
「着いて来い! 」
「ええっ? いつも急なんだから」
「バカンスだ。バカンスに行くんだよ」
「本当ですか? やった! 」
「感謝しろよ」
「ありがとうございます。ハル博士」
「その言い方は止めろ。連れて行かんぞ! 」
「ああ! 冗談ですよ。さあ行きましょう博士」
博士……
あれ? 夢か……
博士が心配そうにのぞき込む。
「博士? 俺助かったんですか? 」
「大丈夫か? まったく使えん奴だ」
いつの間にか意識を失っていたらしい。
「あれ俺どうして…… 」
「パニックを起こしたのさ。そして意識を失ったわけだ」
「俺がですか? 信じられない! 」
「うるさい! いいから大人しくしてろ! 」
博士が代わりにバケツで掻きだしている。何だ非常時には動くじゃないか。
「もう大丈夫なんだろ。さっさと代われ! 」
ええっ? どっちなの?
いつの間にか嵐は過ぎ去っていた。
「すいません博士。どれくらい? 」
「さあな。掻きだすのに夢中で気にもしてなかった」
嵐は過ぎ去り一気に太陽が差し込んできた。
じりじりと暑い。
もう転覆する心配もない。
難を逃れたのだ。
応急処置を終え再び船を動かす。
「さあ行くぞ! 」
「博士? 」
「前を見てみろ」
いくつもの島が点在。
群れを成している。
「目的の島はこの辺りですか? 」
「ああ目の前に見える島があるだろ。あれは私の調べでは昔島流しにあった罪人たちの島だと言われている」
「恐ろしいっすね」
「何。今は誰も住んでいない。無人島さ」
「無人島? 」
「ああ。人が住むには不便なのさ」
「左前方を見てみろ」
双眼鏡で確認。
「でっかい島ですね」
「ほんの十年前まで人が住んでいた」
「だがな高齢化によりどんどん減っていき最後のバーさんが亡くなってやはり無人島と化した」
歴史ある島であるのは間違いない」
「それはもったいないですね」
「気候は穏やかだし海もきれい。どうだここに暮らしてみないか? 」
「博士と? 」
「ははは! まさか冗談だろ誰が君と」
困った爺だ。
「私は願い下げだよ。大金持ちになったら海外にでも行くさ」
もう宝を見つけた気になっている。せっかちなことだ。
それから三十分経過。
またしても島が現れる。
今回は三島が連なっている。
「ここも大きいですね。もしかして今回の目的地はここですか? 」
「違う違う。もっと先だ」
「もっと先か…… でも何かすごいなあ。圧倒される」
「ここはな。何を隠そう伝説の島なのさ」
「伝説の島? 」
「ああ。三浜島と言ってな。伝説やら言い伝えがあって過去にいろいろあったいわくつきの島。
三浜島の一つの何って言ったかな忘れたがそこでは毎年初夏にお祭りがあって。
その日ばかりは本土から観光客が来る。島が埋まっちまうほどの賑わいだ。凄いぞ。
祭りは陽祭りと月祭りの二部に分かれていて月祭りは秘祭だとか。それから…… 」
「博士それぐらいで…… 」
「そうか済まん済まん。ついつい長話になってしまった」
三浜島に別れを告げる。
「祭りの時に行くといい」
「博士は訪れたことがあるんですか? 」
「ああ。何度か招待された」
「本当ですか? 」
「もちろん高名な学者だからな」
「ただの詐欺師かと…… 」
「何か言ったか? 」
「いえ。独り言です」
「まあいい。そろそろ着く。見てみろ目の前の島を! 」
双眼鏡を手に取る。
「あの島? 小さいなあ」
「ああ。そうだ。あれが今回我々が目指した宝島だ」
鼻息が荒い。
興奮がこちらにも伝わってくる。
「あの島は何と言うんですか? 」
「無人島だからな。名前など無い」
「そうなんですか」
「いちいちつけていたらきりがない」
言われてみれば確かに……
「そうだ。お前せっかくだから付けてみたらどうだ」
「俺が? いいんですか? 」
「ああ。それくらいは許してやる」
「ではお言葉に甘えまして。五分ほどお時間を…… 」
「おい早くしろ! 適当でいいんだから」
「うーん迷うな」
「迷うな! 」
「ゲンシ島」
「直接的過ぎるがまあいいだろう」
博士の許しを得る。
「さあ行くぞ。ゲンシ島へ! 」
「おう! 」
上陸開始。
島には一体どんな困難が待ち構えているのか。
冒険の始まりだ。
胸躍る瞬間。
「博士…… 」
「どうしたそんな顔をして」
「疲れました。もう動けない」
「まったくしょうがない奴だな。今日はひとまず休むとしよう」
目の前にはちょうど建物が。
ラッキー!
よしついてるぞ。ここを宝さがしの拠点としよう。
【続】
雨具はもうその役目を果たせなくなった。
「博士? 」
「行くぞ! 」
嵐に立ち向かう。
「もう嫌だ! 痛い! 痛い! 」
「我慢! 我慢だ! 」
「そんなこと言ったって…… 」
ゴボゴボ
息が苦しい。
「誰か助けてくれ! 」
「君? 」
「誰か? お願いだ! 」
「おい! しっかりしろ! 」
もうダメだ。息が続かない。
真っ白だ。
ああ。これまでか…… 仕方がないよね。
恨むよ博士! 無理やり連れてきやがって!
意識が飛ぶ。
真っ暗な世界に閉じ込められる。
息が苦しいよ!
もう疲れた……
場面が切り替わる。
「行くぞ! 」
「どこへ? 」
「着いて来い! 」
「ええっ? いつも急なんだから」
「バカンスだ。バカンスに行くんだよ」
「本当ですか? やった! 」
「感謝しろよ」
「ありがとうございます。ハル博士」
「その言い方は止めろ。連れて行かんぞ! 」
「ああ! 冗談ですよ。さあ行きましょう博士」
博士……
あれ? 夢か……
博士が心配そうにのぞき込む。
「博士? 俺助かったんですか? 」
「大丈夫か? まったく使えん奴だ」
いつの間にか意識を失っていたらしい。
「あれ俺どうして…… 」
「パニックを起こしたのさ。そして意識を失ったわけだ」
「俺がですか? 信じられない! 」
「うるさい! いいから大人しくしてろ! 」
博士が代わりにバケツで掻きだしている。何だ非常時には動くじゃないか。
「もう大丈夫なんだろ。さっさと代われ! 」
ええっ? どっちなの?
いつの間にか嵐は過ぎ去っていた。
「すいません博士。どれくらい? 」
「さあな。掻きだすのに夢中で気にもしてなかった」
嵐は過ぎ去り一気に太陽が差し込んできた。
じりじりと暑い。
もう転覆する心配もない。
難を逃れたのだ。
応急処置を終え再び船を動かす。
「さあ行くぞ! 」
「博士? 」
「前を見てみろ」
いくつもの島が点在。
群れを成している。
「目的の島はこの辺りですか? 」
「ああ目の前に見える島があるだろ。あれは私の調べでは昔島流しにあった罪人たちの島だと言われている」
「恐ろしいっすね」
「何。今は誰も住んでいない。無人島さ」
「無人島? 」
「ああ。人が住むには不便なのさ」
「左前方を見てみろ」
双眼鏡で確認。
「でっかい島ですね」
「ほんの十年前まで人が住んでいた」
「だがな高齢化によりどんどん減っていき最後のバーさんが亡くなってやはり無人島と化した」
歴史ある島であるのは間違いない」
「それはもったいないですね」
「気候は穏やかだし海もきれい。どうだここに暮らしてみないか? 」
「博士と? 」
「ははは! まさか冗談だろ誰が君と」
困った爺だ。
「私は願い下げだよ。大金持ちになったら海外にでも行くさ」
もう宝を見つけた気になっている。せっかちなことだ。
それから三十分経過。
またしても島が現れる。
今回は三島が連なっている。
「ここも大きいですね。もしかして今回の目的地はここですか? 」
「違う違う。もっと先だ」
「もっと先か…… でも何かすごいなあ。圧倒される」
「ここはな。何を隠そう伝説の島なのさ」
「伝説の島? 」
「ああ。三浜島と言ってな。伝説やら言い伝えがあって過去にいろいろあったいわくつきの島。
三浜島の一つの何って言ったかな忘れたがそこでは毎年初夏にお祭りがあって。
その日ばかりは本土から観光客が来る。島が埋まっちまうほどの賑わいだ。凄いぞ。
祭りは陽祭りと月祭りの二部に分かれていて月祭りは秘祭だとか。それから…… 」
「博士それぐらいで…… 」
「そうか済まん済まん。ついつい長話になってしまった」
三浜島に別れを告げる。
「祭りの時に行くといい」
「博士は訪れたことがあるんですか? 」
「ああ。何度か招待された」
「本当ですか? 」
「もちろん高名な学者だからな」
「ただの詐欺師かと…… 」
「何か言ったか? 」
「いえ。独り言です」
「まあいい。そろそろ着く。見てみろ目の前の島を! 」
双眼鏡を手に取る。
「あの島? 小さいなあ」
「ああ。そうだ。あれが今回我々が目指した宝島だ」
鼻息が荒い。
興奮がこちらにも伝わってくる。
「あの島は何と言うんですか? 」
「無人島だからな。名前など無い」
「そうなんですか」
「いちいちつけていたらきりがない」
言われてみれば確かに……
「そうだ。お前せっかくだから付けてみたらどうだ」
「俺が? いいんですか? 」
「ああ。それくらいは許してやる」
「ではお言葉に甘えまして。五分ほどお時間を…… 」
「おい早くしろ! 適当でいいんだから」
「うーん迷うな」
「迷うな! 」
「ゲンシ島」
「直接的過ぎるがまあいいだろう」
博士の許しを得る。
「さあ行くぞ。ゲンシ島へ! 」
「おう! 」
上陸開始。
島には一体どんな困難が待ち構えているのか。
冒険の始まりだ。
胸躍る瞬間。
「博士…… 」
「どうしたそんな顔をして」
「疲れました。もう動けない」
「まったくしょうがない奴だな。今日はひとまず休むとしよう」
目の前にはちょうど建物が。
ラッキー!
よしついてるぞ。ここを宝さがしの拠点としよう。
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