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王女の秘密

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森の隠れ家に戻る。

国王と魔女の話し合いが続いている。王子の居所が分かったと騒いでいるが果たして信用できるか?

「あの…… 」

王女との面会を求める。

「王女は体調がよろしくありません。ご遠慮願います」

面会を禁じられる。

メイドの一人が国王に耳打ちをする。

「良かろう。話があると言うなら好きにせよ! 」

「しかし国王様」

「いいのだ。王女も退屈しておろう」

王の許可を得る。

さっそく王女の元へ。


ゴホゴホ
はあはあ。

まだ熱があり咳も止まらない王女。

ベットから起き上がろうとするが力が入らないのか寝てしまう。

体力もなく弱ってきている。

王や医者はどう見ているのか? 悪化しなければいいんだけど。

着いていた医者が居なくなってから話を聞くことに。

「ニッシ―について何か知りませんか? 」

「あなたは誰? 」

突然の訪問に驚いている。喜んでいるようにも見える。

「申し遅れました。私はガム。こちらはステーテルでございます。ド・ラボーって分かります? 」

「そう…… 」

余り体調も良くなさそうだ。悪化する前に医者を呼び戻した方がいい。

「ニッシ―は蛇なんです」

王女はニッシーを見たらしい。

「蛇? まさか? 」

「ええ。間違いない。巨大な蛇なんです」

「なぜそのことを王女がご存じなのでしょうか? 」

「あれは小さい頃のことです」

王女は思い出を振り返る。

「王子と二人で川に遊びに行った時でした。あの当時雨が降った関係で川が氾濫。
あそこを住み家にしていたニッシ―も逃げ惑っていました。その時光が差したんです」

「光? まさか…… 」

「いえニッシ―は関係ありません! 」

強く否定するが納得できない。

「遊び相手の少なかった私は川に行くとよく遊んでいました。ニッシーは大変臆病な動物です。
人を攻撃しません。襲うだなんてもっての外。たぶんあのインパクトに皆騙されているのでしょう。
誰かが姿を消したら全てニッシ―」

王女は住民が恐れて全てニッシ―のせいにしていると考えているらしい。

王女は最近風邪を拗らせたのだとか。できれば一緒に捜索してもらえればいいんだけど……

こんな時に協力が得れないなんて…… 残念だ。


宛がわれた部屋に戻る。

と言っても小さな一軒家。部屋数があるわけではない。

二人きりになったところで話をまとめる。

西の川にはニッシ―がいて危険。だが見た目とは裏腹に優しくて臆病な性格。

たぶんニッシ―がこの事件の手がかりを握っている。それは間違いない。

「分りませんね。どういうことでしょう? 」

「ガムに任せた! 」

「もう! さあもう寝ましょう。ステーテル。また明日考えればいい」


翌日。

ガムの様子がおかしい。何か悩みごと?

「どうしたのガム? 」

「いえ。何となくなんですけど…… 」

ずいぶんと言いにくそうだ。

「国王には内密にお願いします」

「分かってるって。話してみてよ」

「どうも尾行されていたような気がするんです」

「尾行? 誰に? 」

「たぶん…… 昨日会った女性に」

あの執念深そうな人。

「もしもこの隠れ家が見つかってしまったら大変なことになります」

「大丈夫。見つかりっこないって」

「そうでしょうか? 」

「考え過ぎよ。ガムは心配性なんだから」

もしここを知られたら村人が大挙して押し寄せるだろう。だがその前にここをオサラバすれば問題ない。

スープを啜る。

「音を出さない! 」

相変わらず細かい。どう食べようと勝手なのに。

「さあ急いで食べてしまいましょう」

腹を膨らませたところでニッシ―のいる川へ。


「ニッシ―本当にいるの? 」

「そんなにくっつかないでくださいよ」

「だって…… 」

「それにステーテルが前で私は後ろにつくのが本来の形ですよ」

伝説のニッシ―。果たしてどんな姿なのか。想像するだけでも寒気がする。

「ガム! 」

「分かってますよ。いざって時はお守りいたしますから」

ガムは本当に分かっているのかしら? どれほどの化け物が現れるか分かったものではない。

一瞬で食べられたり川に引きずり込まれたら終わりなのよ。

「おい! 」

怪しい男が話しかけてきた。


                  続く
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