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それぞれの思惑 超絶不利サンスリン様
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早朝。謁見の間へ。
再謁見。
昨日に続き国王のご様子を窺う。落ち着きを取り戻されている。
国王のお体が心配できたのですが…… もちろん乱射王子のことも気がかり。心配で心配で夜も眠れない。
「お体はもうよろしいのでしょうか? 」
「済まぬな。昨日は取り乱してしまったようだ」
乱射王子の的になり命からがら逃げてきた国王。
怒りも恐怖も悲しみもあるのでしょう。しかしそれを悟られないように笑みを湛えている。
「あ奴には驚かされたわ。ほほほ…… 」
もうすっかり元気になられている。
「ではお許し願いませんでしょうか? 」
「ならん! それはできん話だな」
やはり相当お怒りになられているようだ。もう困ってしまう。
「しかし…… 」
「ならんものはならん! 」
頑固な国王には本当に困ってしまう。助命は諦めるしかない。
これではもはや奪還するしか手はない。
でも待って…… 果たして私はあの乱射王子にそこまでの義理があったかしら?
いくらかわいそうだと思ってもこれ以上は無理。うん。ここは見守るしか方法はないみたい。
「それで何の御用でしょうか? 」
乱射王子の件はついで。国王に直々に呼び出されていた。
まさか早く選べなどと急かすつもり?
もちろん現段階ではサンスリン様しかありえない。
「そうであった。実はな…… 」
前に来るように命じる。何かよほどのことがあるに違いない。
静かに語りだした。
「我が王子サンスリンが二日後に二十歳を迎える。そこであるイベントが開催される。どうだ三人から何か聞いていないか? 」
王子たちの動向を伺っている。なぜ? このタイミングで?
「どうだ何か知っておるか? 聞かされておるなら教えてくれないか? 」
エルス様からお誘いがあった。
しかしこのことは口外するなと言われている。もちろん国王にも漏らす訳にはいかない。
首を振る。
「いえ…… 何も聞かされていません」
弟の為に動いているエルス様を売るような真似はできない。他言無用と言われている。
「そうか。ならよいのだ。ニ日後に盛大に行われる。ぜひとも二人には参加してもらいたい」
国王もそれ以上のことは言わずに謁見を終える。
国王の様子がおかしい。まだ乱射王子の件が尾を引いている?
ガムと別れて単独行動。
エルス様からガムにも漏らすなと止められているしガムとの関係が悪化している。
ガムも用事があると言っていた。
さあエルス様のところへ。あー面倒臭いなあ……
体を動かす。走ったかと思ったら今度はゆっくり歩く。
つかみどころのない特訓。その成果は徐々に現れ始めている。エルス様について行けるようにまでなった。
「よくやった。ステーテル! 」
「ありがとうございます」
「合格だ。さあ後は休んでくれ」
どうやら秘密の特訓はこれでお終いらしい。
「ねえエルス様? これが何か役に立つのですか? 」
「ステーテルも心配性だな。サンスリンもきっと喜んでくれるだろう」
良く分からずに特訓に付き合っていたが何かが変だ。
おかしい。一体エルス様は何を隠しているのでしょう?
当日。
サンスリン様二十回目の誕生日。
今日で二十歳になられたわけだ。
「おめでとう」
「おめでとうございます」
皆から祝福を受ける今日の主役・サンスリン様。
パンパン!
国王が手を叩く。
「さあそろそろ始めるぞ! 」
「父上? 」
「そうか。サンスリン王子には言ってなかったな。サンスリンよ。お前が二十歳となった今、王位を次の者に譲りたいと思う。どうだろう皆の者? 」
「賛成! 」
「国王様を支持します」
「お前らはどうだ? 」
二人の王子は賛成に回る。サンスリン様は困惑気味。
「父上がそうおっしゃるのでした従うのみです」
「サンスリン王子には酷かもしれんがまあこれがこの国のルール。では誰か説明してやってくれ」
国王は一旦下がり後を執事に任せる。
「ええでは今から説明いたします」
ついに全貌が明らかになる。
続く
再謁見。
昨日に続き国王のご様子を窺う。落ち着きを取り戻されている。
国王のお体が心配できたのですが…… もちろん乱射王子のことも気がかり。心配で心配で夜も眠れない。
「お体はもうよろしいのでしょうか? 」
「済まぬな。昨日は取り乱してしまったようだ」
乱射王子の的になり命からがら逃げてきた国王。
怒りも恐怖も悲しみもあるのでしょう。しかしそれを悟られないように笑みを湛えている。
「あ奴には驚かされたわ。ほほほ…… 」
もうすっかり元気になられている。
「ではお許し願いませんでしょうか? 」
「ならん! それはできん話だな」
やはり相当お怒りになられているようだ。もう困ってしまう。
「しかし…… 」
「ならんものはならん! 」
頑固な国王には本当に困ってしまう。助命は諦めるしかない。
これではもはや奪還するしか手はない。
でも待って…… 果たして私はあの乱射王子にそこまでの義理があったかしら?
いくらかわいそうだと思ってもこれ以上は無理。うん。ここは見守るしか方法はないみたい。
「それで何の御用でしょうか? 」
乱射王子の件はついで。国王に直々に呼び出されていた。
まさか早く選べなどと急かすつもり?
もちろん現段階ではサンスリン様しかありえない。
「そうであった。実はな…… 」
前に来るように命じる。何かよほどのことがあるに違いない。
静かに語りだした。
「我が王子サンスリンが二日後に二十歳を迎える。そこであるイベントが開催される。どうだ三人から何か聞いていないか? 」
王子たちの動向を伺っている。なぜ? このタイミングで?
「どうだ何か知っておるか? 聞かされておるなら教えてくれないか? 」
エルス様からお誘いがあった。
しかしこのことは口外するなと言われている。もちろん国王にも漏らす訳にはいかない。
首を振る。
「いえ…… 何も聞かされていません」
弟の為に動いているエルス様を売るような真似はできない。他言無用と言われている。
「そうか。ならよいのだ。ニ日後に盛大に行われる。ぜひとも二人には参加してもらいたい」
国王もそれ以上のことは言わずに謁見を終える。
国王の様子がおかしい。まだ乱射王子の件が尾を引いている?
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ガムも用事があると言っていた。
さあエルス様のところへ。あー面倒臭いなあ……
体を動かす。走ったかと思ったら今度はゆっくり歩く。
つかみどころのない特訓。その成果は徐々に現れ始めている。エルス様について行けるようにまでなった。
「よくやった。ステーテル! 」
「ありがとうございます」
「合格だ。さあ後は休んでくれ」
どうやら秘密の特訓はこれでお終いらしい。
「ねえエルス様? これが何か役に立つのですか? 」
「ステーテルも心配性だな。サンスリンもきっと喜んでくれるだろう」
良く分からずに特訓に付き合っていたが何かが変だ。
おかしい。一体エルス様は何を隠しているのでしょう?
当日。
サンスリン様二十回目の誕生日。
今日で二十歳になられたわけだ。
「おめでとう」
「おめでとうございます」
皆から祝福を受ける今日の主役・サンスリン様。
パンパン!
国王が手を叩く。
「さあそろそろ始めるぞ! 」
「父上? 」
「そうか。サンスリン王子には言ってなかったな。サンスリンよ。お前が二十歳となった今、王位を次の者に譲りたいと思う。どうだろう皆の者? 」
「賛成! 」
「国王様を支持します」
「お前らはどうだ? 」
二人の王子は賛成に回る。サンスリン様は困惑気味。
「父上がそうおっしゃるのでした従うのみです」
「サンスリン王子には酷かもしれんがまあこれがこの国のルール。では誰か説明してやってくれ」
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「ええでは今から説明いたします」
ついに全貌が明らかになる。
続く
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