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それぞれのヤーミ―
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がけ崩れ注意!
現在レンタカーで北海道旅行を満喫中。
さあ何を食おうかな? やっぱり海鮮類は外せない。
ウニもイクラもお高くなっているから手が出せるか心配。
でもせっかくの旅行だからな。
海鮮丼にしてもいいし初日から冒険して寿司も悪くない。
気軽な一人旅だから好きなように動ける。そこがいいところ。
でも何かあったら誰も助けてくれない。リスクがあるが平和だし問題ないさ。
うーん。食い倒れするのも悪くないな。お腹と相談だ。
お金は充分用意してきた。最悪カードだって問題ない。
ただ田舎の方では使えるか不安。
現在午後二時。そろそろ店も空いて来た頃。
さあ何を食おうかな。
うう…… ダメだ。つい釣られてしまう。俺は別のが食いたいのに。
抵抗虚しく引っ張られるように目の前のお店へ吸い込まれていく。
「へいらっしゃい! 」
海鮮丼でも寿司でもなくいつの間にかラーメンを啜っていた。
味噌バターラーメンの威力には敵わずたっぷり汁まで。
ヤーミ―! ヤーミ!
「どうしたのお客さん? ご機嫌だね」
「ああうまくてつい…… 口癖なんだこれ」
「だけどね。後ろが待ってるんだよ。できれば早く退いてあげてくれないか? 」
店主は笑顔だが早くしろと迫っている。これが大人の対応って奴だ。
客商売は大変だな。そう言えば壁にハウスルールが載っていたっけ。
そこには二十分以内に食べるように書かれていた。
これでは呑気にうまい店を紹介してもらえそうにないな。
「ヤーミ―! ヤーミ―! ご馳走様! 」
ドライブ再開。
どこまでも続く似たような自然。
カーナビがなければぐるぐる回ってるのかと錯覚するだろう。
野生動物に注意!
落石に注意!
雪崩に注意!
都会から離れどんどんみずほらしくなっていく。
自然豊かな夏の北海道を満喫する。
カーナビによると左前方に山があるようだ。
あれ…… 急にトイレに行きたくなったぞ。
どうしよう? 近くに民家はあるがいるかどうか。
ここは仕方ない。大自然で済ましてしまいましょう。
うーん。すっきりした。
すっきりしたら喉が渇いたな。ラッキー! 近くに湧水が。
臭いを嗅いで飲めるのかを確認してから口に含む。
冷たくてうまい。
うん? あそこに誰かいる?
二部。
インタビュー。
地元のローカル局がお食事の風景をライブでお届け。
一匹目。キタキツネさん。
「お食事中失礼します。それは? 」
「へへへ…… 新鮮なネズミだよ。これが美味いんだ。お前も食べるか? 」
「テレビですよキタキツネさん」
「ああそうだった。いやー美味いね。油揚げは最高だよ。へへへ…… 」
「愉快なキタキツネさんですね。危うく放送事故になるところでしたね。
それでは気を取り直して。ここで舞い降りて来た鶴さんに話を聞きましょうか」
「食事? 生意気なハトを捕まえてね…… ああ違った。虫を少々」
遠慮気味の鶴さんはすぐに立ち去った。
「おかしいですね。夏に鶴さんが。里帰りでもしたのでしょうか? 」
最後にヒグマさん。
狩りをしたばかりで興奮状態。果たして応じてくれるかどうか。
「ヒグマさん。それは何でしょう? 」
「ううん? ああこれはさっき捕まえたお前たちの仲間だ。
それにしても臭くて仕方ないな。これはみそか? バター?
ヤーミ―! ヤーミ―! 味は悪くねえな」
「あの…… これテレビ…… 」
「ああん? うるせいな! お前らも食ってやろうか! 」
「おっとここでCMです」
<完>
現在レンタカーで北海道旅行を満喫中。
さあ何を食おうかな? やっぱり海鮮類は外せない。
ウニもイクラもお高くなっているから手が出せるか心配。
でもせっかくの旅行だからな。
海鮮丼にしてもいいし初日から冒険して寿司も悪くない。
気軽な一人旅だから好きなように動ける。そこがいいところ。
でも何かあったら誰も助けてくれない。リスクがあるが平和だし問題ないさ。
うーん。食い倒れするのも悪くないな。お腹と相談だ。
お金は充分用意してきた。最悪カードだって問題ない。
ただ田舎の方では使えるか不安。
現在午後二時。そろそろ店も空いて来た頃。
さあ何を食おうかな。
うう…… ダメだ。つい釣られてしまう。俺は別のが食いたいのに。
抵抗虚しく引っ張られるように目の前のお店へ吸い込まれていく。
「へいらっしゃい! 」
海鮮丼でも寿司でもなくいつの間にかラーメンを啜っていた。
味噌バターラーメンの威力には敵わずたっぷり汁まで。
ヤーミ―! ヤーミ!
「どうしたのお客さん? ご機嫌だね」
「ああうまくてつい…… 口癖なんだこれ」
「だけどね。後ろが待ってるんだよ。できれば早く退いてあげてくれないか? 」
店主は笑顔だが早くしろと迫っている。これが大人の対応って奴だ。
客商売は大変だな。そう言えば壁にハウスルールが載っていたっけ。
そこには二十分以内に食べるように書かれていた。
これでは呑気にうまい店を紹介してもらえそうにないな。
「ヤーミ―! ヤーミ―! ご馳走様! 」
ドライブ再開。
どこまでも続く似たような自然。
カーナビがなければぐるぐる回ってるのかと錯覚するだろう。
野生動物に注意!
落石に注意!
雪崩に注意!
都会から離れどんどんみずほらしくなっていく。
自然豊かな夏の北海道を満喫する。
カーナビによると左前方に山があるようだ。
あれ…… 急にトイレに行きたくなったぞ。
どうしよう? 近くに民家はあるがいるかどうか。
ここは仕方ない。大自然で済ましてしまいましょう。
うーん。すっきりした。
すっきりしたら喉が渇いたな。ラッキー! 近くに湧水が。
臭いを嗅いで飲めるのかを確認してから口に含む。
冷たくてうまい。
うん? あそこに誰かいる?
二部。
インタビュー。
地元のローカル局がお食事の風景をライブでお届け。
一匹目。キタキツネさん。
「お食事中失礼します。それは? 」
「へへへ…… 新鮮なネズミだよ。これが美味いんだ。お前も食べるか? 」
「テレビですよキタキツネさん」
「ああそうだった。いやー美味いね。油揚げは最高だよ。へへへ…… 」
「愉快なキタキツネさんですね。危うく放送事故になるところでしたね。
それでは気を取り直して。ここで舞い降りて来た鶴さんに話を聞きましょうか」
「食事? 生意気なハトを捕まえてね…… ああ違った。虫を少々」
遠慮気味の鶴さんはすぐに立ち去った。
「おかしいですね。夏に鶴さんが。里帰りでもしたのでしょうか? 」
最後にヒグマさん。
狩りをしたばかりで興奮状態。果たして応じてくれるかどうか。
「ヒグマさん。それは何でしょう? 」
「ううん? ああこれはさっき捕まえたお前たちの仲間だ。
それにしても臭くて仕方ないな。これはみそか? バター?
ヤーミ―! ヤーミ―! 味は悪くねえな」
「あの…… これテレビ…… 」
「ああん? うるせいな! お前らも食ってやろうか! 」
「おっとここでCMです」
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