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冷蔵庫爆弾
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八月。例年全国で三十五度越えが当たり前になった。
それに比べても今年の暑さは異常だ。
間もなく四十度越えも現実的に。
各地で最高気温更新ラッシュ。
仮に今年が収まっても来年以降が心配になる殺人的な暑さ。
水不足も深刻で北陸や新潟などでは降水量僅か。
ダムの貯水量も限界ギリギリ。ゼロパーセントのところもあるぐらいだ。
水不足と暑さによってコメの生育にも影響が出始めている。
さあ果たして今年はどのような騒動が起こるのだろうか?
「陸! ダメでしょう? 」
「はーい」
素直な陸君は小学一年生。
去年まで幼稚園で体も小さく背も低い。
だからその愛くるしい笑顔でついママは甘やかしたくなってしまう。
ピー! ピー!
警告音がなる。
夏休みの午後はクーラーをつけっぱなしにしても暑いので喉が渇く。
それに冷凍庫には大好きなチョコのアイスが二箱も。
近所のスーパーで安売りをしていたのをまとめて買ってきたもの。
ピー! ピー! ピー!
開けっ放しにしていると警告音が鳴る仕組み。
それが冷蔵庫にも冷凍庫にも。便利な世の中になった。
「もう陸ったら! 何度言えば分るの? 開けっ放しにしないの! 」
「だって…… 」
陸君にもそれなりの言い分がある。
「だってじゃない! うるさいでしょう? 」
カンカンなママにただごめんなさいと。
身長も足りないとどうしても取り出すのに苦労する。
慣れても身長がなければ無理。余計に時間が掛かる。
するとピーピーと何度もしつこく鳴ることに。
「今度やったら承知しませんからね! 」
夕方。
夕食の準備中に再びピーピー鳴らしてしまう。
「ごめんなさいママ…… 」
叱られる前に謝る陸君。知恵がついて来た。
「あのね陸。開けっ放しにすると怖いことが起きるの」
「嘘だ! ただの冷蔵庫でしょう? 」
「それが違うの。この冷蔵庫は爆発するの」
ママが脅かすから陸君は泣きそうになる。
ここで我慢せずに泣き喚けばこれ以上何も起こらなかっただろう。
でも陸君は堪えた。涙を堪えてテレビへ。
「まったくこの子は…… 」
陸君は怒られる恐怖と爆弾の響きの格好良さに迷う。
次やったら爆弾が破裂すると脅すママ。
陸君が言いつけを守らずに冷蔵庫に手を掛けてしまう。
喉が渇いてジュースが飲みたくて開けっ放しで注ぐから案の定ピーピーと鳴る。
ついに限界を超えた冷蔵庫爆弾は破裂して大爆発を起こす。
「ダメでしょう陸! もう冷蔵庫が壊れちゃった」
「嘘だ! 嘘だよ」
「ダメ! 近づかないの。ママがきれいに片づけるからテレビでも見てて」
そう言われては陸君も従うしかない。
「ねえ爆弾って嘘でしょう? 」
「いいから行きなさい! 嘘だと思うならどうなったか明日確認なさい」
怖いことを言って脅すママ。これは相当頭に来てる?
夜。いつもより早くに帰ってきたパパ。
「おお! 今夜は刺身か? しかも豪華三点盛。豪勢だな」
そう言ってビールと刺身を堪能するパパであった。
翌朝。
「痛てて…… 腹が…… 」
「パパ! 大丈夫? 」
「無理かな。ははは…… 」
「ホラ寝てなさい。陸は支度しなさい! 」
どうやらパパはお腹を壊して下痢になったらしい。
「パパ…… 」
「だから言ったでしょう? あんたが悪いんだからね! 」
何と陸君の作った冷蔵庫爆弾はパパに直撃。
冷蔵庫爆弾はこの夏猛威を振るうでしょう。
<完>
それに比べても今年の暑さは異常だ。
間もなく四十度越えも現実的に。
各地で最高気温更新ラッシュ。
仮に今年が収まっても来年以降が心配になる殺人的な暑さ。
水不足も深刻で北陸や新潟などでは降水量僅か。
ダムの貯水量も限界ギリギリ。ゼロパーセントのところもあるぐらいだ。
水不足と暑さによってコメの生育にも影響が出始めている。
さあ果たして今年はどのような騒動が起こるのだろうか?
「陸! ダメでしょう? 」
「はーい」
素直な陸君は小学一年生。
去年まで幼稚園で体も小さく背も低い。
だからその愛くるしい笑顔でついママは甘やかしたくなってしまう。
ピー! ピー!
警告音がなる。
夏休みの午後はクーラーをつけっぱなしにしても暑いので喉が渇く。
それに冷凍庫には大好きなチョコのアイスが二箱も。
近所のスーパーで安売りをしていたのをまとめて買ってきたもの。
ピー! ピー! ピー!
開けっ放しにしていると警告音が鳴る仕組み。
それが冷蔵庫にも冷凍庫にも。便利な世の中になった。
「もう陸ったら! 何度言えば分るの? 開けっ放しにしないの! 」
「だって…… 」
陸君にもそれなりの言い分がある。
「だってじゃない! うるさいでしょう? 」
カンカンなママにただごめんなさいと。
身長も足りないとどうしても取り出すのに苦労する。
慣れても身長がなければ無理。余計に時間が掛かる。
するとピーピーと何度もしつこく鳴ることに。
「今度やったら承知しませんからね! 」
夕方。
夕食の準備中に再びピーピー鳴らしてしまう。
「ごめんなさいママ…… 」
叱られる前に謝る陸君。知恵がついて来た。
「あのね陸。開けっ放しにすると怖いことが起きるの」
「嘘だ! ただの冷蔵庫でしょう? 」
「それが違うの。この冷蔵庫は爆発するの」
ママが脅かすから陸君は泣きそうになる。
ここで我慢せずに泣き喚けばこれ以上何も起こらなかっただろう。
でも陸君は堪えた。涙を堪えてテレビへ。
「まったくこの子は…… 」
陸君は怒られる恐怖と爆弾の響きの格好良さに迷う。
次やったら爆弾が破裂すると脅すママ。
陸君が言いつけを守らずに冷蔵庫に手を掛けてしまう。
喉が渇いてジュースが飲みたくて開けっ放しで注ぐから案の定ピーピーと鳴る。
ついに限界を超えた冷蔵庫爆弾は破裂して大爆発を起こす。
「ダメでしょう陸! もう冷蔵庫が壊れちゃった」
「嘘だ! 嘘だよ」
「ダメ! 近づかないの。ママがきれいに片づけるからテレビでも見てて」
そう言われては陸君も従うしかない。
「ねえ爆弾って嘘でしょう? 」
「いいから行きなさい! 嘘だと思うならどうなったか明日確認なさい」
怖いことを言って脅すママ。これは相当頭に来てる?
夜。いつもより早くに帰ってきたパパ。
「おお! 今夜は刺身か? しかも豪華三点盛。豪勢だな」
そう言ってビールと刺身を堪能するパパであった。
翌朝。
「痛てて…… 腹が…… 」
「パパ! 大丈夫? 」
「無理かな。ははは…… 」
「ホラ寝てなさい。陸は支度しなさい! 」
どうやらパパはお腹を壊して下痢になったらしい。
「パパ…… 」
「だから言ったでしょう? あんたが悪いんだからね! 」
何と陸君の作った冷蔵庫爆弾はパパに直撃。
冷蔵庫爆弾はこの夏猛威を振るうでしょう。
<完>
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