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神聖化
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第三の山田と彼女。
二人の関係にも微妙に変化が。
僕の代わりに彼女が答える。ああこんな日が来るとは思わなかった。
失敗の尻拭いをする彼女。まるで恋人…… もう結婚してるか?
「主人公は悪くないのに叱られて堪るかと平静を装ってるが怒りに震えてます」
授業では真面目。朝などは明るく騒ぐが教師の前では分別を弁え大人しい。
「そうだな。しかしそれは主人公だけでなくそこに偶然居合わせた者も同様だ」
補足してそれっぽいことを言うが適当に違いない。
どうせこれも作者に代わりそれっぽいことをさも正解のように言ってるだけ。
正解は正解だろうがちっとも面白くない。
「うん何だ山田? 他に答えがあるのか? 」
安心しきっていると心を読まれたのか指摘されてしまう。
「いえ…… 」
「よし次のページを捲れ」
ふうう…… どうにか切り抜けて一安心。
ああ…… また無難に済ましてしまったので後悔。
二つの感情が入り乱れる。本当に複雑だな。
「ちょっとあんたふざけないでよ! 」
授業を終えると彼女の声が響く。
てっきり僕を叱責してくれるのかと思ったら違った。
ただ仲のいい女の子とじゃれ合ってるだけ。怒ってさえいない。
彼女ほど美しいもかわいいも似合わない者はいない。
両方とも当てはまるのに頭が悪くて軽いノリだから誰にも神聖化されない。
話しやすい女友だちの域を出ない。それが彼女が変な虫を寄せ付けない理由。
クラスではそのまま。僕にだって毎日のようにハイタッチする飾らない女性。
それでもよそのクラスからは人気がある。少しの間なら正体がバレないから。
余計なことをしなければ大人しくてかわいい女の子。それが彼女だ。
ただ歩いてるだけならオーラを纏った美少女で通る。
しかしひとたび口を開けばそれはまったくの幻想だと分かる。
話して五分後には打ち砕かれなかったことに。
意を決して告白しようとした者はそのまま通り過ぎる。
近づこうとした者だってゆっくり離れていく。
そんな光景を二度三度と見ている。
見た目と実際のギャップがあり過ぎて本来の彼女のよさが伝わらない。
僕にとっては幸運なこと。でも彼女にはもったいないこと。
せっかく頭のいいスポーツ万能で完璧な男が寄って来るって言うのに。
僕みたいにクラスメイトで最後まで到達すれば彼女の本当の魅力に気付く。虜に。
クラスメイトでも彼女の激しさに友だち以上に近づこうとはしない。
残念な話うちのクラスには彼女より美しい子もかわいい子も存在する。
その中では彼女も目立たない。僕が第三の山田のように扱いは雑だ。
神聖性が消えてなくなる。失礼だが事実だ。
僕だって一学期の最初はそんな感じだった。神聖性が消え目が覚める。
しかし目が覚めたからと言って憧れが消えることはなかった。
だってそれでもやっぱりきれいだしかわいい。
誰も彼女の存在が当たり前になったから。
魔法が解けたのであって見た目に変化があったのではない。
授業中の彼女は本当に静かなもの。
たまに隣とお喋りすることもあるがそれだってなるべく先生に気づかれないように。
僕はその様子を見守ることが常。観察は欠かしたことがない。目の前だからな。
きれいだよと何度呼びかけたか。もちろん心の声が伝わるはずがないが。
こうして二学期も残り少なくなっていく。
「ねえ一緒に帰ろうよ」
バカ面で笑う彼女はどこか不自然。
しかしまさか僕を誘うとは思いもしなかった。
「はい…… 」
どうしても恥ずかしくて緊張するので声が震えて小さくなる。
いきなりの展開だからこれは仕方ないこと。諦めがつくと言うもの。
「ねえってば! 」
これ以上彼女を困らせてはいけない。ここは奮い立たなくてはダメだ。
まずは深呼吸して。三回繰り返してようやく整った。
まさかここまでの急展開を見せるとは正直思いもしなかった。
ただできるなら人前は避けたかった。これでは明日には噂になってしまう。
しかも根も葉もない完全な妄想話になる。それは困る。
いくら彼女がバカで明るくフレンドリーでも嫉妬されることもあり得る。
でも仕方ないよな。
「僕…… 」
「また? どうせいつものあれでしょう? 」
危うく返事するところだった。
どうやら間ができたのは返事に迷ったからだろう。
それはそうだよな。存在を認識されてない第三の山田を誘うはずがない。
これはもう急いで彼女に僕の存在を知らしめないと。
もう遅い気もするが最低限すべきことだろうな。
「ちょっと待って! 」
まずい。つい声が出てしまった。心の叫びが漏れていたよう。
これは絶体絶命のピンチ? いや存在を知らしめるまたとないチャンス。
チャンスは確かにそうなんだけど……
「どうしたの山田君」
反応したのは彼女の仲良しの一人。
頭の悪い彼女は特殊として毎日ハイタッチに加わる僕を知らないはずがない。
と言うかよく話してもいる。残念なことに目の前で話していても僕を認知しない。
もちろん彼女は僕の親ではないのでそっちの認知ではないが。
法律的には結婚が許される関係。当たり前だが断っておこう。
そもそも関係があれば僕を認識できないはずがない。
バカとか覚えられないとかそう言うレベルの話じゃなくなってくる。
続く
二人の関係にも微妙に変化が。
僕の代わりに彼女が答える。ああこんな日が来るとは思わなかった。
失敗の尻拭いをする彼女。まるで恋人…… もう結婚してるか?
「主人公は悪くないのに叱られて堪るかと平静を装ってるが怒りに震えてます」
授業では真面目。朝などは明るく騒ぐが教師の前では分別を弁え大人しい。
「そうだな。しかしそれは主人公だけでなくそこに偶然居合わせた者も同様だ」
補足してそれっぽいことを言うが適当に違いない。
どうせこれも作者に代わりそれっぽいことをさも正解のように言ってるだけ。
正解は正解だろうがちっとも面白くない。
「うん何だ山田? 他に答えがあるのか? 」
安心しきっていると心を読まれたのか指摘されてしまう。
「いえ…… 」
「よし次のページを捲れ」
ふうう…… どうにか切り抜けて一安心。
ああ…… また無難に済ましてしまったので後悔。
二つの感情が入り乱れる。本当に複雑だな。
「ちょっとあんたふざけないでよ! 」
授業を終えると彼女の声が響く。
てっきり僕を叱責してくれるのかと思ったら違った。
ただ仲のいい女の子とじゃれ合ってるだけ。怒ってさえいない。
彼女ほど美しいもかわいいも似合わない者はいない。
両方とも当てはまるのに頭が悪くて軽いノリだから誰にも神聖化されない。
話しやすい女友だちの域を出ない。それが彼女が変な虫を寄せ付けない理由。
クラスではそのまま。僕にだって毎日のようにハイタッチする飾らない女性。
それでもよそのクラスからは人気がある。少しの間なら正体がバレないから。
余計なことをしなければ大人しくてかわいい女の子。それが彼女だ。
ただ歩いてるだけならオーラを纏った美少女で通る。
しかしひとたび口を開けばそれはまったくの幻想だと分かる。
話して五分後には打ち砕かれなかったことに。
意を決して告白しようとした者はそのまま通り過ぎる。
近づこうとした者だってゆっくり離れていく。
そんな光景を二度三度と見ている。
見た目と実際のギャップがあり過ぎて本来の彼女のよさが伝わらない。
僕にとっては幸運なこと。でも彼女にはもったいないこと。
せっかく頭のいいスポーツ万能で完璧な男が寄って来るって言うのに。
僕みたいにクラスメイトで最後まで到達すれば彼女の本当の魅力に気付く。虜に。
クラスメイトでも彼女の激しさに友だち以上に近づこうとはしない。
残念な話うちのクラスには彼女より美しい子もかわいい子も存在する。
その中では彼女も目立たない。僕が第三の山田のように扱いは雑だ。
神聖性が消えてなくなる。失礼だが事実だ。
僕だって一学期の最初はそんな感じだった。神聖性が消え目が覚める。
しかし目が覚めたからと言って憧れが消えることはなかった。
だってそれでもやっぱりきれいだしかわいい。
誰も彼女の存在が当たり前になったから。
魔法が解けたのであって見た目に変化があったのではない。
授業中の彼女は本当に静かなもの。
たまに隣とお喋りすることもあるがそれだってなるべく先生に気づかれないように。
僕はその様子を見守ることが常。観察は欠かしたことがない。目の前だからな。
きれいだよと何度呼びかけたか。もちろん心の声が伝わるはずがないが。
こうして二学期も残り少なくなっていく。
「ねえ一緒に帰ろうよ」
バカ面で笑う彼女はどこか不自然。
しかしまさか僕を誘うとは思いもしなかった。
「はい…… 」
どうしても恥ずかしくて緊張するので声が震えて小さくなる。
いきなりの展開だからこれは仕方ないこと。諦めがつくと言うもの。
「ねえってば! 」
これ以上彼女を困らせてはいけない。ここは奮い立たなくてはダメだ。
まずは深呼吸して。三回繰り返してようやく整った。
まさかここまでの急展開を見せるとは正直思いもしなかった。
ただできるなら人前は避けたかった。これでは明日には噂になってしまう。
しかも根も葉もない完全な妄想話になる。それは困る。
いくら彼女がバカで明るくフレンドリーでも嫉妬されることもあり得る。
でも仕方ないよな。
「僕…… 」
「また? どうせいつものあれでしょう? 」
危うく返事するところだった。
どうやら間ができたのは返事に迷ったからだろう。
それはそうだよな。存在を認識されてない第三の山田を誘うはずがない。
これはもう急いで彼女に僕の存在を知らしめないと。
もう遅い気もするが最低限すべきことだろうな。
「ちょっと待って! 」
まずい。つい声が出てしまった。心の叫びが漏れていたよう。
これは絶体絶命のピンチ? いや存在を知らしめるまたとないチャンス。
チャンスは確かにそうなんだけど……
「どうしたの山田君」
反応したのは彼女の仲良しの一人。
頭の悪い彼女は特殊として毎日ハイタッチに加わる僕を知らないはずがない。
と言うかよく話してもいる。残念なことに目の前で話していても僕を認知しない。
もちろん彼女は僕の親ではないのでそっちの認知ではないが。
法律的には結婚が許される関係。当たり前だが断っておこう。
そもそも関係があれば僕を認識できないはずがない。
バカとか覚えられないとかそう言うレベルの話じゃなくなってくる。
続く
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