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沐浴とグリーズ島
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ブリリアントと朝食を共にする。
これが二人の交わした約束とは言え正直面倒だ。
ただ気遣いのできるブリリアントに悟られてまた傷ついては敵わない。
優しく見守ってやるのがいい。
「大河さんのお口に合いますか? 」
「何でもいいから早く教えてくれ」
照れてる彼女に早く話すよう促すが話を逸らされる。
まさか朝からカレーとはワイルド過ぎる。
パンと肉とサラダでいいのに。なければ缶詰ぐらいあるだろ。
「なあ教えてくれないかブリリアント」
嫌がるのは分かるがこれは俺にとって重要なこと。知らない訳にはいかない。
渋々話し出すブリリアント。そうそれでいいんだ。
「毎年行われる祭りは島民にとって年に一度の一大行事。
大変価値のある神聖なものとされています。
島の発展と民の安全や健康に幸福、子の成長に長寿。
そして神との融合が祭りのテーマです」
一拍おく。祭りのパンフレット片手に熱弁をふるう真面目な島民ブリリアント。
これをいつも肌身離さず持ち歩いているのだとか。大河さんも一枚と言うので断る。
「祭りに参加するにあたり参加者は体を清める必要があります。
未婚の女性を対象に十五から二十未満の少女に限り沐浴する習わしとなっています。
分かりましたか大河さん。これ以上はちょっと…… 」
自慢? まるでどっかの教師のようだ。
もちろんハッピー先生の真似なんだろうがどうも俺を見下してる感じがして嫌だ。
「大変分かりやすい限りです先生」
ふざけてみる。
乗ってくれるかと思いきや表情を硬くし低く抑えた声で脅すブリリアント。
「大河さん。何と罰当たりな! 呪われてしまいますよ」
いつものブリリアントではない。因習にとらわれた島っ子。
裏の顔を見た気がする。いや裏の裏の顔か。
「いいから続けてくれ。それでお終いか」
「補足しますとマウントシーでは全員がその対象となっています。
祭りの二週間前から順に行うことになってまして……
今朝はシンディ―さんが体を清めていたという訳です」
「うん。うまいうまい」
ブリリアントの作ったカレーも悪くない。
「大河さん。ちゃんと聞いてるんですか? これはお遊びではないんですよ」
まるでハッピー先生が乗り移ったかのよう。
彼女こそがハッピー先生の生まれ変わりに見える。
どっかのアリア先輩なんかよりも。
「分かってるって。でもそれは俺には関係ない話だろ」
「もう大河さんふざけ過ぎですよ。真剣に聞いてください! 」
呆れられる。だが実際島の外から来た人間にとってはどうでも良いこと。
いくら故郷を棄てこの島の住民になるとしても。
もちろん尊重はする。だが無理強いは良くない。
「それで君はいつ? 」
「もう大河さんたら…… 興味ありますか? 」
「神聖なものだろ。偶然お目にかかったがいいものだったよ。
やっぱりブリリアントのも見てみたいんだ」
「大河さん…… 」
言葉に詰まる可愛らしいブリリアント。
「だから恥ずかしがらなくていい」
「分かりました。では話を切り替えて」
頬を真っ赤に染め定時報告。
「ありがとう。また後で。ダンスも頼むよ」
「ええっ? 大河さん下手なんですから自覚してください。私にはこれ以上…… 」
ブリリアントが生意気な口を叩く。
好き勝手言いやがって。ははは…… まあいいか。
彼女を帰すと急いで服を着替え部屋を出る。
ブリリアントにより貴重な情報を得る。
マル秘情報。
防人ドルチェ 高所恐怖症。家が貧しい。
深海エレン 島一番の美少女と評判。
島内シンディー 体全体に無数の傷跡。
岬アリア 不明。大人の色香が漂う。噂とは正反対の見た目。
ハッピー先生 島をお作りになられた英雄と共に。副村長からの信頼も厚い。
薬の調合も爆弾の製造もお手のもの 子供は……
銃声がマウントシー全体に響き渡る。
昨日に引き続き射撃訓練が行われていた。
射撃を簡単にパスしたので早めに切り上げることに。
見学席でつまらなそうにしているブリリアントに話を聞く。
「あれシンディ―さんは? 」
「彼女なら射撃は見るのも聞くのも嫌なので一人で室内に戻ってるそうです」
窓際の席で憂いでいる少女。
部屋で一人読書で暇を潰すシンディーを発見。
ちょうどいい機会。話を聞く頃合いかな。
「シンディー」
聞こえなかったのか反応が無い。
何度も呼びかけるが相手する気はないらしい。
パタパタ
パタパタ
突風により窓際に座っていた少女の本が何ページも捲れて行く。
続く
これが二人の交わした約束とは言え正直面倒だ。
ただ気遣いのできるブリリアントに悟られてまた傷ついては敵わない。
優しく見守ってやるのがいい。
「大河さんのお口に合いますか? 」
「何でもいいから早く教えてくれ」
照れてる彼女に早く話すよう促すが話を逸らされる。
まさか朝からカレーとはワイルド過ぎる。
パンと肉とサラダでいいのに。なければ缶詰ぐらいあるだろ。
「なあ教えてくれないかブリリアント」
嫌がるのは分かるがこれは俺にとって重要なこと。知らない訳にはいかない。
渋々話し出すブリリアント。そうそれでいいんだ。
「毎年行われる祭りは島民にとって年に一度の一大行事。
大変価値のある神聖なものとされています。
島の発展と民の安全や健康に幸福、子の成長に長寿。
そして神との融合が祭りのテーマです」
一拍おく。祭りのパンフレット片手に熱弁をふるう真面目な島民ブリリアント。
これをいつも肌身離さず持ち歩いているのだとか。大河さんも一枚と言うので断る。
「祭りに参加するにあたり参加者は体を清める必要があります。
未婚の女性を対象に十五から二十未満の少女に限り沐浴する習わしとなっています。
分かりましたか大河さん。これ以上はちょっと…… 」
自慢? まるでどっかの教師のようだ。
もちろんハッピー先生の真似なんだろうがどうも俺を見下してる感じがして嫌だ。
「大変分かりやすい限りです先生」
ふざけてみる。
乗ってくれるかと思いきや表情を硬くし低く抑えた声で脅すブリリアント。
「大河さん。何と罰当たりな! 呪われてしまいますよ」
いつものブリリアントではない。因習にとらわれた島っ子。
裏の顔を見た気がする。いや裏の裏の顔か。
「いいから続けてくれ。それでお終いか」
「補足しますとマウントシーでは全員がその対象となっています。
祭りの二週間前から順に行うことになってまして……
今朝はシンディ―さんが体を清めていたという訳です」
「うん。うまいうまい」
ブリリアントの作ったカレーも悪くない。
「大河さん。ちゃんと聞いてるんですか? これはお遊びではないんですよ」
まるでハッピー先生が乗り移ったかのよう。
彼女こそがハッピー先生の生まれ変わりに見える。
どっかのアリア先輩なんかよりも。
「分かってるって。でもそれは俺には関係ない話だろ」
「もう大河さんふざけ過ぎですよ。真剣に聞いてください! 」
呆れられる。だが実際島の外から来た人間にとってはどうでも良いこと。
いくら故郷を棄てこの島の住民になるとしても。
もちろん尊重はする。だが無理強いは良くない。
「それで君はいつ? 」
「もう大河さんたら…… 興味ありますか? 」
「神聖なものだろ。偶然お目にかかったがいいものだったよ。
やっぱりブリリアントのも見てみたいんだ」
「大河さん…… 」
言葉に詰まる可愛らしいブリリアント。
「だから恥ずかしがらなくていい」
「分かりました。では話を切り替えて」
頬を真っ赤に染め定時報告。
「ありがとう。また後で。ダンスも頼むよ」
「ええっ? 大河さん下手なんですから自覚してください。私にはこれ以上…… 」
ブリリアントが生意気な口を叩く。
好き勝手言いやがって。ははは…… まあいいか。
彼女を帰すと急いで服を着替え部屋を出る。
ブリリアントにより貴重な情報を得る。
マル秘情報。
防人ドルチェ 高所恐怖症。家が貧しい。
深海エレン 島一番の美少女と評判。
島内シンディー 体全体に無数の傷跡。
岬アリア 不明。大人の色香が漂う。噂とは正反対の見た目。
ハッピー先生 島をお作りになられた英雄と共に。副村長からの信頼も厚い。
薬の調合も爆弾の製造もお手のもの 子供は……
銃声がマウントシー全体に響き渡る。
昨日に引き続き射撃訓練が行われていた。
射撃を簡単にパスしたので早めに切り上げることに。
見学席でつまらなそうにしているブリリアントに話を聞く。
「あれシンディ―さんは? 」
「彼女なら射撃は見るのも聞くのも嫌なので一人で室内に戻ってるそうです」
窓際の席で憂いでいる少女。
部屋で一人読書で暇を潰すシンディーを発見。
ちょうどいい機会。話を聞く頃合いかな。
「シンディー」
聞こえなかったのか反応が無い。
何度も呼びかけるが相手する気はないらしい。
パタパタ
パタパタ
突風により窓際に座っていた少女の本が何ページも捲れて行く。
続く
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