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帝都の大学
階級と妓女と遊女と
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そもそもリュディガーは、女性の扱いは苦手な方だった。
特に上流階級の子女はお家を背負っているが故、矜持が高い傾向があり、彼女らとの交流は、今でこそ場数を踏んできたからそつなくこなせるが、苦手であることに変わりはない。
言っていることと望みがあべこべであることも多く、明らかに自分のほうが力があって、それを思ってかばい過ぎると自尊心を貶されたと憤慨する者もいるし、そっとしておけば不誠実だとするものもいる。
__塩梅が毎度毎度、気分次第というのがな……。
妓女や遊女を相手にするほうが、そうした駆け引きがないから楽とさえ思えたこともある。
もちろん、妓女や遊女らを見下しているわけではないし、階級問わず例外はあることも承知だ。だが、出くわした試しがなかった。__そして、キルシェと遭遇した。
これほど令嬢然としていながら、品のいい華やかさを備え、かつ気分屋でなく、腰が低い令嬢は会った試しがなかった。
最初は距離感が、かえってはかりにくかった。例えるなら、靄がかかってはっきりと距離がつかめないような感覚。
それでも、朝の弓射のことに加え、令嬢らしいようでらしくない側面が興味をそそった部分では確かにあった。だからこそ、様子を探り、そこそこの付き合いができていたと言ってもいい。
彼女とは馬が合う。ともに行動していて飽きないし、あっという間に時間がすぎるほど、討論も雑談も楽しい。
__気がついたら、かなり親しい間柄になっていたが。
だから、他人事と思えないことが多くなってきている__ように思う。
光栄なことに、彼女には朋友と認識してもらえているほどに。
だとしても、どうにかしてやれないか、という考えは、おこがましいことだ。彼女の領分に踏み込みすぎている。彼女が助けを求めているわけでもないのに。
__だが……求められないのかもしれない……。
それは、彼女が甘んじて受け入れて、あえて声を上げないでいるのかもしれない。彼女が声を上げたときには、手遅れ__簡単に予想できる。
__友人であれば、声を上げる前に手を差し伸べるべきではないのか……。
そこまで考えて、リュディガーは頭を振り、喉元に競り上がってきた不快感を冷めたお茶で洗い流す。
思っていたよりも苦味がましていたお茶に顔をいくらか歪めて、水面を遠い視線で眺めた。
__気にかけてあげてくれ。私独りでは、限界がある。
不意によぎった、ビルネンブルクの言葉に、はっとした。
__そうか……そうだな……。
ビルネンブルクは、よく見通している。多くの学生はもちろんのこと、様々な階級との付き合いを心得ているのだろう。
「気づくためには……気にかけているしかない」
__彼女という存在が潰されないよう……。
それが、彼女の友人としての最良だろう。
ふむ、とひとりごちて、残りを一気に煽ったリュディガーは、そこであることに気づく。
細く聞こえるのは、震える弦の旋律。いつからかその旋律が聞こえてきていた。
洗練されすぎていないそれは、物悲しくもあり、暖かくもある音色。おそらく、宮廷の楽団などで採用されていない弦楽器__民族楽器の類だろう。
「また……」
これは旋律こそ違うが、音色はよく聞く楽器。毎日というわけではないが、そこそこの頻度。学生の誰かが趣味で弾いているのだろうが、腕は玄人と言えるもの。
気をつけていなければ、耳が拾い上げることをしない程度の音で、これまで五月蝿くて迷惑だ、という話になったことがない。
「相変わらず、うまいものだ」
これほどの腕があれば、それで身を立てられそうなものだ。楽器を持ち替えたら、宮廷でも通用するはず。
__いや、持ち替えなくてもいけるか……。
妓女は舞踊や楽器などの芸で来客をもてなす存在で、宮廷にはお抱えのそれがいる。これは宮妓と呼ばれ、各州城には官妓を置くのが慣わし。他には貴族などが抱える家妓、民間の茶屋などにいる民妓と大まかにわけられる。
誤解されがちだが、彼女ら妓女は、所謂、遊女とは違う。特に宮妓と官妓の場合、文官でありながら、儀式にも使われることから神官との中間という扱いである。
席を立ったリュディガーは、火力が弱まった暖炉に歩み寄り、大きめの薪を一本空気の流れを考えてくべる。
途端にぼぅっ、と呼吸するように火の粉を巻き上げる炎。息を吹き返したかのようなその様を見つめる__その最中も、耳は一度拾った旋律を無意識に追っている。
「……そういえば、ここ最近聞こえていなかったな」
このとき気づいたが、そこそこの頻度とは言うが、ここ数週間なかったように思う。
しばらくぶりの音色は、妙に心地よい。
しばらくぶり__。
数週間__。
__まさか……。
「……キルシェ?」
いやいや、と自らの言葉を小さく笑って、すぐに否定した。
令嬢であれば、楽器はいくつか嗜んでいることだろう。だが、上流階級で習うのは、宮廷お抱えの楽団と同じように洗練された音を追求した楽器であって、今聞こえるようなその土地土地の風土を背景として生まれた楽器ではない。
そうした楽器を奏でる__ともすれば、民妓と同じように見られなくもない。上流階級のやんごとなき方々は、宮妓や官妓ならまだしも、民妓は遊女とそうかわらないと捉えている節がある。
実際、そういう面はなくもない。
まったくもって縁を切っている輩などいないはずなのに、遊女は卑しいとしているのだから、それと大差なしとする民妓が扱うような楽器は好ましくは思われないだろう。
キルシェの、あの細い白魚のような指先が抑える弦は、きっとそうした洗練された楽器のものだ。粒が揃った、耳をなめらかに撫でる音を奏でる楽器。
宮妓や官妓のように、土着な楽器を奏でている様も似合わなくはないだろうが、彼女が触れる機会はないはずだ。
そしてキルシェといえば、同じ弦をいじるにしたって、やはり初めて目撃した弓射の弦を持つ様が、鮮烈に浮かぶ。弓射で武人のような彼女。
__そういえば、あれだけ弓射をしているが、爪も指も荒れてはいないな……。
こつを知った玄人だからか。それとも、入念な手入れを欠かさないからか。
自分の、分厚く筋張って、胼胝もあって、まさに無骨の極みのような手とは真逆なそれ。
扱いを間違えれば、脆く崩れそうな指、手__支えた細腰。
「__……は?」
リュディガーは、不意に湧いた単語に眉をひそめた。
__最っ低だな、おい……。
自分の手のひらを眺めていたリュディガーは、何を考えた、と内心吐き捨て、眺めていた手を握りしめると、膝を強かに打つ。
__今日は、よくない。
机に向かっても、きっと何一つ頭に入らない。
「__寝よう」
こういうときは、何もせず早々に寝るに限る。
「寝よう寝よ。だめだ、寝る」
明日はきっとケプレル子爵についての沙汰があるだろう。その場に、間違いなく自分も呼ばれるはずだ。
__あういう手合いと、同類にされるのは御免だ。
健全な成人男性だ。清廉潔白で微塵も欲はないとは言わないが、件の輩より品行方正な自負はある。
特に上流階級の子女はお家を背負っているが故、矜持が高い傾向があり、彼女らとの交流は、今でこそ場数を踏んできたからそつなくこなせるが、苦手であることに変わりはない。
言っていることと望みがあべこべであることも多く、明らかに自分のほうが力があって、それを思ってかばい過ぎると自尊心を貶されたと憤慨する者もいるし、そっとしておけば不誠実だとするものもいる。
__塩梅が毎度毎度、気分次第というのがな……。
妓女や遊女を相手にするほうが、そうした駆け引きがないから楽とさえ思えたこともある。
もちろん、妓女や遊女らを見下しているわけではないし、階級問わず例外はあることも承知だ。だが、出くわした試しがなかった。__そして、キルシェと遭遇した。
これほど令嬢然としていながら、品のいい華やかさを備え、かつ気分屋でなく、腰が低い令嬢は会った試しがなかった。
最初は距離感が、かえってはかりにくかった。例えるなら、靄がかかってはっきりと距離がつかめないような感覚。
それでも、朝の弓射のことに加え、令嬢らしいようでらしくない側面が興味をそそった部分では確かにあった。だからこそ、様子を探り、そこそこの付き合いができていたと言ってもいい。
彼女とは馬が合う。ともに行動していて飽きないし、あっという間に時間がすぎるほど、討論も雑談も楽しい。
__気がついたら、かなり親しい間柄になっていたが。
だから、他人事と思えないことが多くなってきている__ように思う。
光栄なことに、彼女には朋友と認識してもらえているほどに。
だとしても、どうにかしてやれないか、という考えは、おこがましいことだ。彼女の領分に踏み込みすぎている。彼女が助けを求めているわけでもないのに。
__だが……求められないのかもしれない……。
それは、彼女が甘んじて受け入れて、あえて声を上げないでいるのかもしれない。彼女が声を上げたときには、手遅れ__簡単に予想できる。
__友人であれば、声を上げる前に手を差し伸べるべきではないのか……。
そこまで考えて、リュディガーは頭を振り、喉元に競り上がってきた不快感を冷めたお茶で洗い流す。
思っていたよりも苦味がましていたお茶に顔をいくらか歪めて、水面を遠い視線で眺めた。
__気にかけてあげてくれ。私独りでは、限界がある。
不意によぎった、ビルネンブルクの言葉に、はっとした。
__そうか……そうだな……。
ビルネンブルクは、よく見通している。多くの学生はもちろんのこと、様々な階級との付き合いを心得ているのだろう。
「気づくためには……気にかけているしかない」
__彼女という存在が潰されないよう……。
それが、彼女の友人としての最良だろう。
ふむ、とひとりごちて、残りを一気に煽ったリュディガーは、そこであることに気づく。
細く聞こえるのは、震える弦の旋律。いつからかその旋律が聞こえてきていた。
洗練されすぎていないそれは、物悲しくもあり、暖かくもある音色。おそらく、宮廷の楽団などで採用されていない弦楽器__民族楽器の類だろう。
「また……」
これは旋律こそ違うが、音色はよく聞く楽器。毎日というわけではないが、そこそこの頻度。学生の誰かが趣味で弾いているのだろうが、腕は玄人と言えるもの。
気をつけていなければ、耳が拾い上げることをしない程度の音で、これまで五月蝿くて迷惑だ、という話になったことがない。
「相変わらず、うまいものだ」
これほどの腕があれば、それで身を立てられそうなものだ。楽器を持ち替えたら、宮廷でも通用するはず。
__いや、持ち替えなくてもいけるか……。
妓女は舞踊や楽器などの芸で来客をもてなす存在で、宮廷にはお抱えのそれがいる。これは宮妓と呼ばれ、各州城には官妓を置くのが慣わし。他には貴族などが抱える家妓、民間の茶屋などにいる民妓と大まかにわけられる。
誤解されがちだが、彼女ら妓女は、所謂、遊女とは違う。特に宮妓と官妓の場合、文官でありながら、儀式にも使われることから神官との中間という扱いである。
席を立ったリュディガーは、火力が弱まった暖炉に歩み寄り、大きめの薪を一本空気の流れを考えてくべる。
途端にぼぅっ、と呼吸するように火の粉を巻き上げる炎。息を吹き返したかのようなその様を見つめる__その最中も、耳は一度拾った旋律を無意識に追っている。
「……そういえば、ここ最近聞こえていなかったな」
このとき気づいたが、そこそこの頻度とは言うが、ここ数週間なかったように思う。
しばらくぶりの音色は、妙に心地よい。
しばらくぶり__。
数週間__。
__まさか……。
「……キルシェ?」
いやいや、と自らの言葉を小さく笑って、すぐに否定した。
令嬢であれば、楽器はいくつか嗜んでいることだろう。だが、上流階級で習うのは、宮廷お抱えの楽団と同じように洗練された音を追求した楽器であって、今聞こえるようなその土地土地の風土を背景として生まれた楽器ではない。
そうした楽器を奏でる__ともすれば、民妓と同じように見られなくもない。上流階級のやんごとなき方々は、宮妓や官妓ならまだしも、民妓は遊女とそうかわらないと捉えている節がある。
実際、そういう面はなくもない。
まったくもって縁を切っている輩などいないはずなのに、遊女は卑しいとしているのだから、それと大差なしとする民妓が扱うような楽器は好ましくは思われないだろう。
キルシェの、あの細い白魚のような指先が抑える弦は、きっとそうした洗練された楽器のものだ。粒が揃った、耳をなめらかに撫でる音を奏でる楽器。
宮妓や官妓のように、土着な楽器を奏でている様も似合わなくはないだろうが、彼女が触れる機会はないはずだ。
そしてキルシェといえば、同じ弦をいじるにしたって、やはり初めて目撃した弓射の弦を持つ様が、鮮烈に浮かぶ。弓射で武人のような彼女。
__そういえば、あれだけ弓射をしているが、爪も指も荒れてはいないな……。
こつを知った玄人だからか。それとも、入念な手入れを欠かさないからか。
自分の、分厚く筋張って、胼胝もあって、まさに無骨の極みのような手とは真逆なそれ。
扱いを間違えれば、脆く崩れそうな指、手__支えた細腰。
「__……は?」
リュディガーは、不意に湧いた単語に眉をひそめた。
__最っ低だな、おい……。
自分の手のひらを眺めていたリュディガーは、何を考えた、と内心吐き捨て、眺めていた手を握りしめると、膝を強かに打つ。
__今日は、よくない。
机に向かっても、きっと何一つ頭に入らない。
「__寝よう」
こういうときは、何もせず早々に寝るに限る。
「寝よう寝よ。だめだ、寝る」
明日はきっとケプレル子爵についての沙汰があるだろう。その場に、間違いなく自分も呼ばれるはずだ。
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