63 / 82
63話 王からの条件
しおりを挟む
「お前のせいで興が削がれたからのう」
王は面倒そうに言った。
「本当に揃いも揃ってお前らは無粋な息子じゃ。
しかし、…そんなお前にいい事を教えてやろう。
わしに刃を向ける者は死罪じゃ。
しかしお前のような者でも、仮にもわしの息子。
温情として、条件を与えてやろうと思ってな。
なあに、簡単な事。
ここにいるアリアが、わしの側室になると言えば、
お前をここから出して無罪放免にしてやろう。
……聞いたぞ?
お前、このアリアと婚約しようとしておったらしいの?
じゃから、わしに譲るなら無罪放免というわけじゃ。
どうじゃ?面白いじゃろ?
ワハハハハハハっ!」
ガシャンッ!
ルシードは今にも王に噛みつきそうに、
鎖をガシャンッガシャンッと音をさせながら、飛びかかろうとするが、
鎖は太く、びくともしない。
それを見て王はニヤリと笑う。
「まあ、全てはアリアが決める事。
お前の命はアリア次第だ!
アリアよ、返事は1週間待ってやる。
その間せいぜい命乞いでもするんだな、ルシードよ!
ハハハハハハ
さぁ、アリア、こい!」
そう言うと、一緒について来た衛兵が、
柵の前にしゃがみ込んでいるアリアを立たせて、
腕を抱えて連れて行く。
「アリア!絶対側室になんかならなくていい!
俺のことは気にするな!頼む!約束してくれ!」
最後の力を振り絞るようにして、ルシードは必死に叫んだ。
自分が死んでも、アリアをあんな王に渡したくなかった。
自分が囚われたせいで、アリアが苦しむのが辛かった…
「ルシード!ルシード!…ルシード‼︎」
アリアは引き摺られながらずっと後ろを見て叫んでいた。
王は面倒そうに言った。
「本当に揃いも揃ってお前らは無粋な息子じゃ。
しかし、…そんなお前にいい事を教えてやろう。
わしに刃を向ける者は死罪じゃ。
しかしお前のような者でも、仮にもわしの息子。
温情として、条件を与えてやろうと思ってな。
なあに、簡単な事。
ここにいるアリアが、わしの側室になると言えば、
お前をここから出して無罪放免にしてやろう。
……聞いたぞ?
お前、このアリアと婚約しようとしておったらしいの?
じゃから、わしに譲るなら無罪放免というわけじゃ。
どうじゃ?面白いじゃろ?
ワハハハハハハっ!」
ガシャンッ!
ルシードは今にも王に噛みつきそうに、
鎖をガシャンッガシャンッと音をさせながら、飛びかかろうとするが、
鎖は太く、びくともしない。
それを見て王はニヤリと笑う。
「まあ、全てはアリアが決める事。
お前の命はアリア次第だ!
アリアよ、返事は1週間待ってやる。
その間せいぜい命乞いでもするんだな、ルシードよ!
ハハハハハハ
さぁ、アリア、こい!」
そう言うと、一緒について来た衛兵が、
柵の前にしゃがみ込んでいるアリアを立たせて、
腕を抱えて連れて行く。
「アリア!絶対側室になんかならなくていい!
俺のことは気にするな!頼む!約束してくれ!」
最後の力を振り絞るようにして、ルシードは必死に叫んだ。
自分が死んでも、アリアをあんな王に渡したくなかった。
自分が囚われたせいで、アリアが苦しむのが辛かった…
「ルシード!ルシード!…ルシード‼︎」
アリアは引き摺られながらずっと後ろを見て叫んでいた。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
189
1 / 2
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる