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1話 不審な音
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ドンッガタタッ
「っ⁉︎」
家の玄関扉に中かがぶつかった音がして、朝起きたばかりで、顔を洗っていたアイリスは、驚いてその場で固まってしまった——
家と言っても小屋のようなもので、部屋は寝室兼リビングにしている小さな部屋と、その隣は小さなテーブルセットが置いてあるキッチン、あとはその奥にバスルームがあるだけの本当に簡単な作りで、扉も簡素なものだから、少しの衝撃でも、ものすごい音がした。
人気のない森の奥で、今は誰にも頼れない一人暮らし中のアイリスは、恐いが自分で確かめるしかないと奮い立ち、扉を開けて外を見ようとした。
しかし、扉を開けようとしたが、何か重いものが支えていてぴくりとも開かない。
仕方なく窓から出て玄関の方へまわり込み、音を立てないように壁の影に隠れて、そっと扉の方を覗いた。
「‼︎」
(人⁉︎人が倒れてる⁇…追手かしら…でも…でも、倒れてる人を放ってなんておけないわ!)
アイリスは自分のことより人命の方が優先だと、迷いを捨て、急いで駆け寄り声をかける。
「だ、大丈夫ですかっ⁉︎あのっ、聞こえますかっ⁉︎大丈夫ですかっ⁉︎」
アイリスは必死で呼びかけた。
うつ伏せに倒れているが、顔だけ横を向けているので覗き込むと、18歳の自分より少し歳上に見える男性だった。
この森の中を駆けずり回ったのか、羽織っているローブはあちこち切り裂いたように破れて汚れている。
呼びかけに全く反応がないため、アイリスはもう一度、さらに耳の近くで呼びかける。
「あのっ!大丈夫ですかっ⁉︎あのっ!!」
「………」
「だめだわ…全然動かない…どうしよう…まさか死んだりしてないわよね…」
アイリスは人が今まさに目の前で死んだのかもしれないという得も言われぬ緊張感と、助けられない自分の力の無さに対する恐怖心で手が震え始めた。
ゆっくり耳をその男性の口元に持っていくと、恐る恐る呼吸をしているか確かめる。
「よかった!…はぁ…息はしてるわね…」
アイリスはひとまず生きていることが確認できて安堵はしたが、ローブの破れ方を見ると怪我がないか心配になったので、確認するため服をめくろうと手を伸ばした——
その時!
「っ⁉︎」
家の玄関扉に中かがぶつかった音がして、朝起きたばかりで、顔を洗っていたアイリスは、驚いてその場で固まってしまった——
家と言っても小屋のようなもので、部屋は寝室兼リビングにしている小さな部屋と、その隣は小さなテーブルセットが置いてあるキッチン、あとはその奥にバスルームがあるだけの本当に簡単な作りで、扉も簡素なものだから、少しの衝撃でも、ものすごい音がした。
人気のない森の奥で、今は誰にも頼れない一人暮らし中のアイリスは、恐いが自分で確かめるしかないと奮い立ち、扉を開けて外を見ようとした。
しかし、扉を開けようとしたが、何か重いものが支えていてぴくりとも開かない。
仕方なく窓から出て玄関の方へまわり込み、音を立てないように壁の影に隠れて、そっと扉の方を覗いた。
「‼︎」
(人⁉︎人が倒れてる⁇…追手かしら…でも…でも、倒れてる人を放ってなんておけないわ!)
アイリスは自分のことより人命の方が優先だと、迷いを捨て、急いで駆け寄り声をかける。
「だ、大丈夫ですかっ⁉︎あのっ、聞こえますかっ⁉︎大丈夫ですかっ⁉︎」
アイリスは必死で呼びかけた。
うつ伏せに倒れているが、顔だけ横を向けているので覗き込むと、18歳の自分より少し歳上に見える男性だった。
この森の中を駆けずり回ったのか、羽織っているローブはあちこち切り裂いたように破れて汚れている。
呼びかけに全く反応がないため、アイリスはもう一度、さらに耳の近くで呼びかける。
「あのっ!大丈夫ですかっ⁉︎あのっ!!」
「………」
「だめだわ…全然動かない…どうしよう…まさか死んだりしてないわよね…」
アイリスは人が今まさに目の前で死んだのかもしれないという得も言われぬ緊張感と、助けられない自分の力の無さに対する恐怖心で手が震え始めた。
ゆっくり耳をその男性の口元に持っていくと、恐る恐る呼吸をしているか確かめる。
「よかった!…はぁ…息はしてるわね…」
アイリスはひとまず生きていることが確認できて安堵はしたが、ローブの破れ方を見ると怪我がないか心配になったので、確認するため服をめくろうと手を伸ばした——
その時!
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