68 / 78
炎国への旅路編
34話 奴隷の制御石
しおりを挟む
私の足元には雷撃弾を受けて痺れて横たわっている二人がいます。
何か言っていますが、痺れているせいで何を言っているかわかりません。その二人を跨いで、船の中を歩いて行きます。
しかし、先程から上の方から人の声とせわしなく駆けて行く足音が響いているのが気になります。声と足音がするということは、そこに人がいるということでしょう。
上から音がしますので甲板でしょうか?取り敢えず上に向かえばいいですかね。
甲板に出るまでに数人と遭遇し、皆さん痺れてもらいました。しかし、気になったことが・・・マルス帝国が裏にいるにしては、軍人が配置されていません。
出会う人は魔術を多少使えますが、訓練された軍人のように機敏に対処するわけでもなく、アワアワと驚いて攻撃しようとしてくるぐらいです。魔武器を持つ人なんて一人もいません。
どういうことでしょう。サウザール公爵の名前を出していましたので、帝国が関わっていることには間違いはないのでしょうけど。
段々と音が近くなってきます。風も感じることから外が近いの出たのでしょうか。登り口の階段に身を隠して、氷の魔術を使って氷鏡を作り出し、音のする方向に向けます。
その光景に唖然としてしまいました。多くの獣人の方たちがあちらこちらに移動して行ってます。もう少し氷鏡を斜めにしますと大きな帆柱が立っており、空いっぱいに帆布が張られています。やはり帆船でした。どうやら、マストの調整のため奴隷である獣人の方々が甲板や帆柱を行き来しているようです。
しかし、フィーディス商会の船は魔石を原動力とした船でしたのに、帝国が関わっていると思われる船が帆船だなんて、驚愕な事実です。
いえ、待ってください。もしかして、帝国に関わりがないと見せかけるためにワザとそのような船にしたのでしょうか。
炎国に入国するためにはそれなりの理由が必要です。例えば、船が故障したとか、物資の補給でしたら、その間だけ入国ができるかもしれません。
巫女という人を探す要員を炎国に入国させ、巫女を確保次第出港し、炎国から離れもし調査されても帝国とは無関係なフリをするという感じでしょうか。
そして、この船ごと切り捨てられる。元々失敗をすることが想定されたサウザール公爵らしいやり方です。
しかし、困りました。動力部である魔石を破壊をすれば事が済むと思っていましたら、奴隷を使って運航しているだなんて。
それも帝国の奴隷と思える私が作った奴隷を制御するための青い石が額に埋め込まれています。
流石にこれは面倒です。
奴隷と契約している者が、侵入者を攻撃しろと命令すれば本人の意思と関係なく、私を攻撃してくるでしょう。こんなに多くの獣人の方々を傷つけずに制御石を解除するのは流石に無理です。
ここは一番最後にして、他の人達の動きを止めてしまいましょう。あまり時間をかけてはいられません。
しかし、ここを確認したら動力源を探して船底に向かうつもりでしたが、その動力源を探す必要もなくなりましたので、操舵室に行きたいのです。それには一度、甲板に出ないといけなさそうです。どうしましょう。
うーん・・・思いつきません。もう一層のこと皆さんに痺れてもらった方が・・・ダメです。ダメです。獣人の方々は何も悪くありません。
時間をあまり掛けていられませんので、その場を離れ、船尾の方に向かっていきます。突き当りまで行きますと私が居た部屋に戻ってきました。床の上には痺れて動けなくなっている二人が船首の方に這って行こうとしておりましたので、もう一発ずつ雷撃弾を打っておきます。
そのまま部屋に入り突き当りの壁を殴って壊します。身体能力特化しておりますので、あっさりと木の壁が壊れていきました。
ありました。思っていたとおり舵柄が天井から船尾に掛けて繋がっています。そして、天井に刺さっている木の棒の少しズレた所を雷撃弾を打ちますとドサリと床に倒れる音が天井に響きました。
少し待ちますが、倒れた人に駆け寄る素振りがありません。どうやら、操舵室には一人しかいなかったのでしょうか?
浮遊の腕輪を使い天井まで飛んで少し離れたところに穴を開けます。顔を少し出して辺りを見渡すと、狭い部屋に正面にと思わえるところに窓があり、そこから光で部屋の内部が見えましたが、ああ、なんてことでしょう。操舵室にいる人物もマルス帝国の奴隷の方でした。それも私が見たことのない種族で詳しくはわかりませんが、痺れて目の焦点が合っていないその顔には鱗のような物が見えます。
「ごめんなさい。直ぐに治します。」
私は穴から出ていき、痺れて動けなくなった方に手をかざします。
「『癒やしの光』」
そして、額にある制御石を解除します。青い石に触れ
「『我が名、ユーフィアの名において強制停止を命じる。』」
これは私のみが使える解除の呪です。私が作り出した魔道具全てにおいて強制的に機能を停止する呪文です。
横たわっている方の額に埋め込まれていた青い石は液体になり流れ落ちていきました。
「あ・・・頭に響く声が無くなった。」
_____________
セリフが最後にしか出てきませんでした・・・今回、読みにくくてすみません。
まとめると部屋から出て、戻って来て破壊してジャンプって感じです。
何か言っていますが、痺れているせいで何を言っているかわかりません。その二人を跨いで、船の中を歩いて行きます。
しかし、先程から上の方から人の声とせわしなく駆けて行く足音が響いているのが気になります。声と足音がするということは、そこに人がいるということでしょう。
上から音がしますので甲板でしょうか?取り敢えず上に向かえばいいですかね。
甲板に出るまでに数人と遭遇し、皆さん痺れてもらいました。しかし、気になったことが・・・マルス帝国が裏にいるにしては、軍人が配置されていません。
出会う人は魔術を多少使えますが、訓練された軍人のように機敏に対処するわけでもなく、アワアワと驚いて攻撃しようとしてくるぐらいです。魔武器を持つ人なんて一人もいません。
どういうことでしょう。サウザール公爵の名前を出していましたので、帝国が関わっていることには間違いはないのでしょうけど。
段々と音が近くなってきます。風も感じることから外が近いの出たのでしょうか。登り口の階段に身を隠して、氷の魔術を使って氷鏡を作り出し、音のする方向に向けます。
その光景に唖然としてしまいました。多くの獣人の方たちがあちらこちらに移動して行ってます。もう少し氷鏡を斜めにしますと大きな帆柱が立っており、空いっぱいに帆布が張られています。やはり帆船でした。どうやら、マストの調整のため奴隷である獣人の方々が甲板や帆柱を行き来しているようです。
しかし、フィーディス商会の船は魔石を原動力とした船でしたのに、帝国が関わっていると思われる船が帆船だなんて、驚愕な事実です。
いえ、待ってください。もしかして、帝国に関わりがないと見せかけるためにワザとそのような船にしたのでしょうか。
炎国に入国するためにはそれなりの理由が必要です。例えば、船が故障したとか、物資の補給でしたら、その間だけ入国ができるかもしれません。
巫女という人を探す要員を炎国に入国させ、巫女を確保次第出港し、炎国から離れもし調査されても帝国とは無関係なフリをするという感じでしょうか。
そして、この船ごと切り捨てられる。元々失敗をすることが想定されたサウザール公爵らしいやり方です。
しかし、困りました。動力部である魔石を破壊をすれば事が済むと思っていましたら、奴隷を使って運航しているだなんて。
それも帝国の奴隷と思える私が作った奴隷を制御するための青い石が額に埋め込まれています。
流石にこれは面倒です。
奴隷と契約している者が、侵入者を攻撃しろと命令すれば本人の意思と関係なく、私を攻撃してくるでしょう。こんなに多くの獣人の方々を傷つけずに制御石を解除するのは流石に無理です。
ここは一番最後にして、他の人達の動きを止めてしまいましょう。あまり時間をかけてはいられません。
しかし、ここを確認したら動力源を探して船底に向かうつもりでしたが、その動力源を探す必要もなくなりましたので、操舵室に行きたいのです。それには一度、甲板に出ないといけなさそうです。どうしましょう。
うーん・・・思いつきません。もう一層のこと皆さんに痺れてもらった方が・・・ダメです。ダメです。獣人の方々は何も悪くありません。
時間をあまり掛けていられませんので、その場を離れ、船尾の方に向かっていきます。突き当りまで行きますと私が居た部屋に戻ってきました。床の上には痺れて動けなくなっている二人が船首の方に這って行こうとしておりましたので、もう一発ずつ雷撃弾を打っておきます。
そのまま部屋に入り突き当りの壁を殴って壊します。身体能力特化しておりますので、あっさりと木の壁が壊れていきました。
ありました。思っていたとおり舵柄が天井から船尾に掛けて繋がっています。そして、天井に刺さっている木の棒の少しズレた所を雷撃弾を打ちますとドサリと床に倒れる音が天井に響きました。
少し待ちますが、倒れた人に駆け寄る素振りがありません。どうやら、操舵室には一人しかいなかったのでしょうか?
浮遊の腕輪を使い天井まで飛んで少し離れたところに穴を開けます。顔を少し出して辺りを見渡すと、狭い部屋に正面にと思わえるところに窓があり、そこから光で部屋の内部が見えましたが、ああ、なんてことでしょう。操舵室にいる人物もマルス帝国の奴隷の方でした。それも私が見たことのない種族で詳しくはわかりませんが、痺れて目の焦点が合っていないその顔には鱗のような物が見えます。
「ごめんなさい。直ぐに治します。」
私は穴から出ていき、痺れて動けなくなった方に手をかざします。
「『癒やしの光』」
そして、額にある制御石を解除します。青い石に触れ
「『我が名、ユーフィアの名において強制停止を命じる。』」
これは私のみが使える解除の呪です。私が作り出した魔道具全てにおいて強制的に機能を停止する呪文です。
横たわっている方の額に埋め込まれていた青い石は液体になり流れ落ちていきました。
「あ・・・頭に響く声が無くなった。」
_____________
セリフが最後にしか出てきませんでした・・・今回、読みにくくてすみません。
まとめると部屋から出て、戻って来て破壊してジャンプって感じです。
55
あなたにおすすめの小説
婚約者の番
ありがとうございました。さようなら
恋愛
私の婚約者は、獅子の獣人だ。
大切にされる日々を過ごして、私はある日1番恐れていた事が起こってしまった。
「彼を譲ってくれない?」
とうとう彼の番が現れてしまった。
一級魔法使いになれなかったので特級厨師になりました
しおしお
恋愛
魔法学院次席卒業のシャーリー・ドットは、
「一級魔法使いになれなかった」という理由だけで婚約破棄された。
――だが本当の理由は、ただの“うっかり”。
試験会場を間違え、隣の建物で行われていた
特級厨師試験に合格してしまったのだ。
気づけばシャーリーは、王宮からスカウトされるほどの
“超一流料理人”となり、国王の胃袋をがっちり掴む存在に。
一方、学院首席で一級魔法使いとなった
ナターシャ・キンスキーは、大活躍しているはずなのに――
「なんで料理で一番になってるのよ!?
あの女、魔法より料理の方が強くない!?」
すれ違い、逃げ回り、勘違いし続けるナターシャと、
天然すぎて誤解が絶えないシャーリー。
そんな二人が、魔王軍の襲撃、国家危機、王宮騒動を通じて、
少しずつ距離を縮めていく。
魔法で国を守る最強魔術師。
料理で国を救う特級厨師。
――これは、“敵でもライバルでもない二人”が、
ようやく互いを認め、本当の友情を築いていく物語。
すれ違いコメディ×料理魔法×ダブルヒロイン友情譚!
笑って、癒されて、最後は心が温かくなる王宮ラノベ、開幕です。
運命の番?棄てたのは貴方です
ひよこ1号
恋愛
竜人族の侯爵令嬢エデュラには愛する番が居た。二人は幼い頃に出会い、婚約していたが、番である第一王子エリンギルは、新たに番と名乗り出たリリアーデと婚約する。邪魔になったエデュラとの婚約を解消し、番を引き裂いた大罪人として追放するが……。一方で幼い頃に出会った侯爵令嬢を忘れられない帝国の皇子は、男爵令息と身分を偽り竜人国へと留学していた。
番との運命の出会いと別離の物語。番でない人々の貫く愛。
※自己設定満載ですので気を付けてください。
※性描写はないですが、一線を越える個所もあります
※多少の残酷表現あります。
以上2点からセルフレイティング
あなたが「消えてくれたらいいのに」と言ったから
ちくわぶ(まるどらむぎ)
恋愛
「消えてくれたらいいのに」
結婚式を終えたばかりの新郎の呟きに妻となった王女は……
短いお話です。
新郎→のち王女に視点を変えての数話予定。
4/16 一話目訂正しました。『一人娘』→『第一王女』
前世で私を嫌っていた番の彼が何故か迫って来ます!
ハルン
恋愛
私には前世の記憶がある。
前世では犬の獣人だった私。
私の番は幼馴染の人間だった。自身の番が愛おしくて仕方なかった。しかし、人間の彼には獣人の番への感情が理解出来ず嫌われていた。それでも諦めずに彼に好きだと告げる日々。
そんな時、とある出来事で命を落とした私。
彼に会えなくなるのは悲しいがこれでもう彼に迷惑をかけなくて済む…。そう思いながら私の人生は幕を閉じた……筈だった。
番(つがい)はいりません
にいるず
恋愛
私の世界には、番(つがい)という厄介なものがあります。私は番というものが大嫌いです。なぜなら私フェロメナ・パーソンズは、番が理由で婚約解消されたからです。私の母も私が幼い頃、番に父をとられ私たちは捨てられました。でもものすごく番を嫌っている私には、特殊な番の体質があったようです。もうかんべんしてください。静かに生きていきたいのですから。そう思っていたのに外見はキラキラの王子様、でも中身は口を開けば毒舌を吐くどうしようもない正真正銘の王太子様が私の周りをうろつき始めました。
本編、王太子視点、元婚約者視点と続きます。約3万字程度です。よろしくお願いします。
2番目の1番【完】
綾崎オトイ
恋愛
結婚して3年目。
騎士である彼は王女様の護衛騎士で、王女様のことを何よりも誰よりも大事にしていて支えていてお護りしている。
それこそが彼の誇りで彼の幸せで、だから、私は彼の1番にはなれない。
王女様には私は勝てない。
結婚3年目の夫に祝われない誕生日に起こった事件で限界がきてしまった彼女と、彼女の存在と献身が当たり前になってしまっていたバカ真面目で忠誠心の厚い騎士の不器用な想いの話。
※ざまぁ要素は皆無です。旦那様最低、と思われる方いるかもですがそのまま結ばれますので苦手な方はお戻りいただけると嬉しいです
自己満全開の作品で個人の趣味を詰め込んで殴り書きしているため、地雷多めです。苦手な方はそっとお戻りください。
批判・中傷等、作者の執筆意欲削られそうなものは遠慮なく削除させていただきます…
【本編,番外編完結】私、殺されちゃったの? 婚約者に懸想した王女に殺された侯爵令嬢は巻き戻った世界で殺されないように策を練る
金峯蓮華
恋愛
侯爵令嬢のベルティーユは婚約者に懸想した王女に嫌がらせをされたあげく殺された。
ちょっと待ってよ。なんで私が殺されなきゃならないの?
お父様、ジェフリー様、私は死にたくないから婚約を解消してって言ったよね。
ジェフリー様、必ず守るから少し待ってほしいって言ったよね。
少し待っている間に殺されちゃったじゃないの。
どうしてくれるのよ。
ちょっと神様! やり直させなさいよ! 何で私が殺されなきゃならないのよ!
腹立つわ〜。
舞台は独自の世界です。
ご都合主義です。
緩いお話なので気楽にお読みいただけると嬉しいです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる