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7 死んでもらえますか?
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訓練場から出ないように空を駆け上がって行く。ふと、冷たい風が頬を撫ぜた。立ち止まり顔を上げる。
眼下に広がる光景は私が知っている光景とは似ても似つかなかった。街は高い壁に囲まれ、ひしめくように家々が立ち並び、過去の記憶とは全く異なる風景。
ああ、本当に異世界なんだな。今更ながら再認識した。
私はここで一体何をしているのだろう。
きっとこの世界も広いのだろう。いつか教会を出てくことが出来れば、世界を旅をするのもいいかもしれない。小説の主人公のように。
冷たい風が再び頬を撫ぜる。このまま駆けて行こうか?いや、子供の私が生きていけるほど生易しい事ではないだろう。子供の私ができることは限られている。今はこの世界で生きていく知識を身につけるべきだろう。
そう心に決めたとき
「捕まえた!」
は?背後から捕獲された!!この上空で?
首だけで後ろを見上げると、何故か泣きそうな顔をしたルディがいた。
「行くな。置いて行くな」
え?何の事?3歳児の私が迷子になると思っているのだろうか。流石に教会の敷地内では迷子にはならないよ?
「るでぃ兄に捕まってしまったね。どうやってここまできたの?」
ルディの言っている意味がわからないので、それは無視をして、ここにどうやって来たのか聞いてみた。
「アンジュのマネをして『盾』を足場にした」
えー!!見ただけでマネをされた!
そして、私は捕獲されてしまい。地面に降り立った。そのときに聞こえた声は気の所為だと思う。きっと、気の所為だ。
『逃げないよう何か手をうたないと駄目だな』
と。何が!!
そのあと3日間ルディの部屋に閉じ込められ、勉強をさせられた。私にとっては神父様に勉強を見てもらうのが、ルディに代わっただけだった。くー!これ絶対に3歳児の勉強内容じゃないよね!
目の前のルディはにこにことご機嫌だった。訓練のお休みをもらったからって、私の勉強を見てくてもいいのに!!
そして、私が教会に来て1年がたった夏。再び、人買いの貴族がやってきてた。シスターからの話では、10歳以上の子供で聖質を聖術にまで使いこなせるようになった子供を引き取りに来るらしい。
何故かとシスターに聞くと苦笑いを浮かべ答えてはくれなかった。もしかして、人買いの貴族はロリコンなのか!それは犯罪だ!
人買いの貴族が来る日は10歳以下の子供は自分たちの部屋から出られず、シスターの監視下に置かれる。
だけど、廊下が騒がしくなってきた。シスター達をまとめるシスター・マリアの声が聞こえる。『こちらは幼子の部屋になりますので、お戻りください』と、貴族の人を引き止めようとしているのだろう。しかし、強く出られないため、強制的に誘導することはできないようだ。
私達がいる部屋の扉が勢いよく開かれた。
「おい、いるじゃないか」
私を指差しながら、目が痛くなるようなギラギラした服をきたでっぷりとテカっている豚が言った。いや、豚ではなく人だけど。
「この子はまだ幼いので引き渡しには応じられません」
シスター・マリアが私を隠すように貴族と私の間に立つが、貴族のぶた···男性に押しのけられ、私の前からのけられてしまう。本当はシスターも強いのに貴族の人にはその力を振るうことは許されないのだろう。
「おい、お前だ。一緒に来い」
私を捉えようと手を伸ばしてくる。私に手を触れた瞬間反撃してやろうと、構えていると、いきなり後ろに引っ張られた。そして、貴族の男性に剣が私の後ろから突き出されていた。
「プルエルトの者か。コレは私のだ。わかったら去れ!」
「ヒッ!黒の····」
貴族の男性は恐れおののき、逃げるように部屋を出ていった。これがルディの受けてきた視線か。
「るでぃ兄。ありがとう。でも、おサボりは神父様に怒られるよ?」
買われていくのは、ここに売られてきた子供だけだ。貴族や商人の子供は午前中は訓練が課せられていたはずだ。
「今は貴族の相手をしているから、自主訓練をするよう言われている。大丈夫だ」
いや、あの神父様なら離れていてもサボったことがわかっていそうな気がする。本当にあの神父様は得体がしれない。
「アンジュは連れて行く」
ルディはシスター・マリアと部屋に居たシスターに声を掛けて、窓から私を抱えて出ていった。ここ2階なんですけど!
*
私は訓練場に連れて行かれた。自主訓練と言いつつも、各々が訓練しているわけではなく。数人が集まって、陣形のようなものを組み、相手となる者達に攻撃をしてた。思っていた以上に本格的な訓練だった。
ルディはというと、ファルと共に離れたところで腰を降ろし、訓練の様子を見てた。
「参加しなくていいの?」
いくつものグループに別れて訓練をしているというのに、ルディとファルは傍観者に徹していた。
「ああ、俺と組みたいってやつはいないからな」
あ、そういうこと。なんかごめん。ん?でもファルは?
私は無言でファルに視線を向けると。
「俺か?俺はシュレインの話し相手だ」
意味がわからなかった。ルディの話し相手?
「お前、プルエルトの奴に目をつけられたんだってな」
プルエ?あの貴族のことだろうか。
「プルエって豚貴族のこと?」
「ぐふっ!豚貴族!プルエルトをブタ!ぐふっ!ブタだな」
ファル。笑いたいのなら、普通に笑えばいいのに。で、そのプルエがどうしたのだろう?
「それが何か問題?」
「聖質を持つ者は聖質の血を残しやすいんだ。特にアンジュのような白い者は重宝される。200年前の聖女様の髪も白かったらしいからな」
「聖女様?」
「なんだ。まだ、習っていないのか?この世界を救ったという聖女様だ。天使の聖痕を持ち、人々を癒やし続けたという聖人だ」
は?人を癒やすだけで、世界が救えるの?それって、権力者にいいように使われただけじゃない?信仰を高めるため、人々の心の拠り所と言いつつ一定の方向に向けさすためのプロパガンダ。
「この200年聖女様が存在していないからな。聖女を作り出すために一番力をいれているのが、プルエルト公爵だ」
あの豚が公爵!!世も末だ。いや、富の象徴的体格と言い換えれば、いいのか。
しかし、作り出すといのはどういうことだ。聖質を持つ者は血を残しやすいということは···ぶるりと体が震える。まじのロリコンか!!犯罪だ!もう、捕らえて牢から出さないで欲しい。
「アンジュ。大丈夫だ」
未だに私を抱えているルディが私を強く抱きしめた。
「アンジュは俺の物だと言ったから、心配することは何もない」
全然大丈夫じゃない!私はルディのモノじゃないよ!それも公爵に面と向かって言ったらルディもただですまないでしょ!
「そうだ!アンジュ、結婚をしよう!」
すごくいい案が浮かんだと言わんばかりのルディをジト目でみる。私は3歳、いや4歳児だ。その私に結婚をしようと言ってくるこいつもロリコンだったのか。
「なんだ?その目」
「るでぃ兄もロリコンなのかと」
私の言葉にルディは私の頬を抓る。痛いし、伸びるし!
「貴族で10歳差は普通だ!」
だから、私は4歳児!それに私は平民だ!
「ぷっ!くくくく!シュレインのそんな姿が見られるなんてな」
ファル!笑ってないで、止めてよ!普通は貴族と平民が結婚できるはずないでしょ!愛人程度にしかなれないってぐらい、この世界の常識を知らなくても理解できる。
いや、所詮子供の戯言だ。彼らは16歳になるとココを去っていく。騎士団に入るのか、貴族として生きていくのはわからないけど、きっと再会したときには、互いのことなんて忘れているだろう。
しかし、再会できる可能性の方が低いと思う。なぜなら、私はここを出るときは、旅に出るつもりなのだから。
だから、軽い気持ちで答えてしまった。
「そうだね。私がここを出て再会したときに、るでぃ兄の心が変わらないのなら、お嫁さんにしてもらおうかな?」
私はへらりと笑う。子供の口約束だ。何の強制力も何もない言葉。そんな言葉にルディは嬉しそうに笑った。
「世界で一番幸せにしてやる」
それは、本当に好きなった人に言ってあげてね。私はそれには答えずに黒髪の少年の頭を優しく撫でてあげた。
きっと、彼らはこれから色んな出会いがあるだろう。そこで、その人たちと絆を繋いでいく。私がここを出るとすれば、彼らが去ってから10年後だ。10年もの年月が経てば貴族である彼らとの間に、平民である私が入る隙間などない。
ルディも恋の1つや2つぐらいするだろう。その人と幸せになって欲しい。私は心の底から願った。
そして、月日が流れ。年が変わればルディたちは教会を去っていくという時期になった。私は5歳になり、行動範囲は街の中と街の外の浅い森の中までなら行くことが許されるようになった。
そんなある日、神父様に呼ばれ懺悔室に入るように言われた。ここは防音対策がされており、内緒話をするにはうってつけだそうだ。
「アンジュ。君にお願いがあるのです」
私の方からは神父様の顔は見えないが、いつもどおりの胡散臭い笑顔で言っているだろうということは簡単に想像できる。
「内容によります」
ここで『はい』と頷いてはならない。こんな懺悔室に呼んでまで言ってくることだ。普通のことではないはず。
「アンジュ。死んでもらえませんか?」
「いやです」
私は冷静に答える。この悪魔神父はいったい何を言い出すのか。この私に死ねと?
「本気で死んで欲しいというわけではありませんよ?死んだふりです」
死んだふり?なぜ、私がそんなことをしなければならないのか。
「意味がわからないという感じですね。説明をしますと。最近のシュレインの行動には少し問題があると思っているのです」
少し?!全然少しじゃないよ?時間がある限り私はルディにつきまとわれている。いや、ルディに連れ回されていると言い換えた方がいいだろう。
ここでは12歳になると冒険者登録ができるようになる。5歳からは冒険者見習いの登録ができるようになる。見習いということは、魔物討伐の依頼は受けられないが、ポーターとして荷物持ちや薬草採取の依頼を同伴者がいれば受けられるようになるのだ。これは幼い子供が食い扶持を稼ぐためのシステムだ。
この世界は貧富の差が激しい。親に捨てられる子供もあとを絶たないらしい。普通なら孤児院が存在すべきなのだろうが、この世界の教会は神の名の元に神の子を育てるという大義名分のかかげているので、孤児院というものは存在していない。
親に捨てられた子供は生きるための仕事として冒険者見習いという職業を選択できるということだ。
私が5歳になると、冒険者ギルドに連行され、冒険者見習いとして登録された。ルディとファルは午前中は訓練があり、私は授業があるため、昼から街に連れ出され、半日で終わる依頼を受け、連れ回されるという毎日を送っていた。
「このままだと、ここを出ても戻って来そうな気がするのです」
あ、うん。それは私も同意する。ルディの私に対する感情というものは、幼子を可愛がるというよりも、執着に近い感情をここ最近感じていた。
「ですからね。死んで欲しいのですよ」
神父様の言葉に私は頭を押さえる。これは、悪手ではないのだろうか。
恐らく、今までルディ自身を見てくれる人は居なかったのではないのだろうか。ファルはルディの側にいるようだけど、『話し相手』と言っていたように、誰かに命じられてルディに付いているのだろう。そして、ファルはルディとは一定の距離を保っている。ルディに友達となるように強要された家臣の子のように。
そこに、私が現れた。『すごいね。頑張ったね』と、ルディ自身を見る私が現れたのだ。
それは私の存在に依存するよね。
「はぁ。神父様、それは悪手です。るでぃ兄を壊す気ですか?」
「そうですね」
この悪魔神父め!悪手とわかって私に死んで欲しいと言っていたのか!私が不服そうな顔をしていると
「アンジュはシュレインの中で死人として扱われるのが嫌なのですか?」
と、神父様が以外だと言うような感じで言ってきた。
「るでぃ兄はるでぃ兄の行く道があると思っているから、そこには文句はありません。私が言いたいことは人の心を壊す気なのですかと言いたいのです!」
私は懺悔室の格子をバンと叩いて抗議をする。
「アンジュ。シュレインはアンジュとは違うのです。彼には一人で立ってもらわないとこれから降りかかる火の粉を払うことができないのですよ。シュレインのことは心配ありません。彼の周りの者がフォローしますから」
神父様にそう言われ、格子を掴んだまま下唇を噛みしめる。私とは違う。そんなことはわかりきっている。ルディは貴族として立たなければならない。それには私という存在は邪魔でしか無いと。わかっている。わかっている。
手を格子から離し、神父様に尋ねる。
「私は何をすればいいのですか?」
「明日、最終訓練で彼らは南の森の奥地に入ります。アンジュは冒険者見習いとして私の部下に付いて南の森に行ってください。そこからは、頑張って生き延びてくださいね」
「は?」
頑張って生き延びる?
「ちょっと!···き、消えた」
格子の向こうに居たはずの神父様の気配が無くなった。説明がそれだけ?もう少し説明をしてくれてもいいでしょ!!
*
翌朝、シスターに連れられて教会の方に出向くと、2人の見たことのない男性が立っていた。
「この嬢ちゃんか?」
金髪の体格のいい男性が私を見ていった。
「ええ、連れて行くだけでいいです」
シスターは私の背中を押しながら言う。私に説明はないの?
「しかし、リュミエール様も相変わらず、えげつないですね」
空の色のような青い髪の男性が呆れたように言い。私に手を伸ばしてきて片腕で抱えた。
あのー。私に詳細の説明を誰かしてくれないのでしょうか?
私は説明をされないまま街の外に連れ出され、南の森まで連行された。
「ああ、ここだ。ここ」
連れて行かれたところは、黒い霧が立ち上る穴の前だった。穴の直径は4メル程はあるだろうか。
「悪いな」
そう言って青い髪の男性が私を黒い霧が立ち上る穴に向かって投げた。突然の事に私は呆然と宙を舞いながら、背を向ける二人の背中を見送った。
_________________
アンジュが勉強をサボって散歩に出ていった時の閑話
「シスター・マリア~!私もう立ち直れません!」
書類に目を通していたマリアの部屋に駆け込んできた者が入る。
「どうしたのですか?シスター・グレイシア」
「アンジュちゃんに問題の間違いを指摘された私って3歳以下ですかー?」
そう言ってシスター・グレイシアは今回アンジュに出した課題の一つをシスター・マリアに見せた。
『モーリ君はリンゴを30個、ミカンを20個持っています。
アメリちゃんにリンゴ2個ミカンを1個。
ハリー君にリンゴ15個ミカンを5個。
ミルちゃんにリンゴを8個ミカンを12個。
ロア君にリンゴを10個ミカン3個を渡しました。
モーリ君にはリンゴとミカンは何個残りましたか?』
アンジュの答え
モーリには詐欺罪もしくは窃盗罪の疑いがかかっています。モーリを憲兵に突き出すことをおすすめします。
「あらあら、酷い間違いね。シスター・グレイシア。アンジュの答えに間違いはないですよ」
「だってー!アンジュちゃんって簡単な問題だと直ぐに解いちゃうじゃないですかー。頑張って問題を作ったら、数の授業なのに憲兵って!私、アンジュちゃんの授業やっていけません!!」
「仕方がないわね。私がちょっと行って見てくるわ···あら?でもそこで歩いているのってアンジュじゃないかしら?」
「アンジュちゃん!!私が渡したあの課題がもう終わってしまったのー!!」
シスター・グレイシアの叫び声がリュミエール神父の耳に入り、アンジュの確保に繋がったのだった。
眼下に広がる光景は私が知っている光景とは似ても似つかなかった。街は高い壁に囲まれ、ひしめくように家々が立ち並び、過去の記憶とは全く異なる風景。
ああ、本当に異世界なんだな。今更ながら再認識した。
私はここで一体何をしているのだろう。
きっとこの世界も広いのだろう。いつか教会を出てくことが出来れば、世界を旅をするのもいいかもしれない。小説の主人公のように。
冷たい風が再び頬を撫ぜる。このまま駆けて行こうか?いや、子供の私が生きていけるほど生易しい事ではないだろう。子供の私ができることは限られている。今はこの世界で生きていく知識を身につけるべきだろう。
そう心に決めたとき
「捕まえた!」
は?背後から捕獲された!!この上空で?
首だけで後ろを見上げると、何故か泣きそうな顔をしたルディがいた。
「行くな。置いて行くな」
え?何の事?3歳児の私が迷子になると思っているのだろうか。流石に教会の敷地内では迷子にはならないよ?
「るでぃ兄に捕まってしまったね。どうやってここまできたの?」
ルディの言っている意味がわからないので、それは無視をして、ここにどうやって来たのか聞いてみた。
「アンジュのマネをして『盾』を足場にした」
えー!!見ただけでマネをされた!
そして、私は捕獲されてしまい。地面に降り立った。そのときに聞こえた声は気の所為だと思う。きっと、気の所為だ。
『逃げないよう何か手をうたないと駄目だな』
と。何が!!
そのあと3日間ルディの部屋に閉じ込められ、勉強をさせられた。私にとっては神父様に勉強を見てもらうのが、ルディに代わっただけだった。くー!これ絶対に3歳児の勉強内容じゃないよね!
目の前のルディはにこにことご機嫌だった。訓練のお休みをもらったからって、私の勉強を見てくてもいいのに!!
そして、私が教会に来て1年がたった夏。再び、人買いの貴族がやってきてた。シスターからの話では、10歳以上の子供で聖質を聖術にまで使いこなせるようになった子供を引き取りに来るらしい。
何故かとシスターに聞くと苦笑いを浮かべ答えてはくれなかった。もしかして、人買いの貴族はロリコンなのか!それは犯罪だ!
人買いの貴族が来る日は10歳以下の子供は自分たちの部屋から出られず、シスターの監視下に置かれる。
だけど、廊下が騒がしくなってきた。シスター達をまとめるシスター・マリアの声が聞こえる。『こちらは幼子の部屋になりますので、お戻りください』と、貴族の人を引き止めようとしているのだろう。しかし、強く出られないため、強制的に誘導することはできないようだ。
私達がいる部屋の扉が勢いよく開かれた。
「おい、いるじゃないか」
私を指差しながら、目が痛くなるようなギラギラした服をきたでっぷりとテカっている豚が言った。いや、豚ではなく人だけど。
「この子はまだ幼いので引き渡しには応じられません」
シスター・マリアが私を隠すように貴族と私の間に立つが、貴族のぶた···男性に押しのけられ、私の前からのけられてしまう。本当はシスターも強いのに貴族の人にはその力を振るうことは許されないのだろう。
「おい、お前だ。一緒に来い」
私を捉えようと手を伸ばしてくる。私に手を触れた瞬間反撃してやろうと、構えていると、いきなり後ろに引っ張られた。そして、貴族の男性に剣が私の後ろから突き出されていた。
「プルエルトの者か。コレは私のだ。わかったら去れ!」
「ヒッ!黒の····」
貴族の男性は恐れおののき、逃げるように部屋を出ていった。これがルディの受けてきた視線か。
「るでぃ兄。ありがとう。でも、おサボりは神父様に怒られるよ?」
買われていくのは、ここに売られてきた子供だけだ。貴族や商人の子供は午前中は訓練が課せられていたはずだ。
「今は貴族の相手をしているから、自主訓練をするよう言われている。大丈夫だ」
いや、あの神父様なら離れていてもサボったことがわかっていそうな気がする。本当にあの神父様は得体がしれない。
「アンジュは連れて行く」
ルディはシスター・マリアと部屋に居たシスターに声を掛けて、窓から私を抱えて出ていった。ここ2階なんですけど!
*
私は訓練場に連れて行かれた。自主訓練と言いつつも、各々が訓練しているわけではなく。数人が集まって、陣形のようなものを組み、相手となる者達に攻撃をしてた。思っていた以上に本格的な訓練だった。
ルディはというと、ファルと共に離れたところで腰を降ろし、訓練の様子を見てた。
「参加しなくていいの?」
いくつものグループに別れて訓練をしているというのに、ルディとファルは傍観者に徹していた。
「ああ、俺と組みたいってやつはいないからな」
あ、そういうこと。なんかごめん。ん?でもファルは?
私は無言でファルに視線を向けると。
「俺か?俺はシュレインの話し相手だ」
意味がわからなかった。ルディの話し相手?
「お前、プルエルトの奴に目をつけられたんだってな」
プルエ?あの貴族のことだろうか。
「プルエって豚貴族のこと?」
「ぐふっ!豚貴族!プルエルトをブタ!ぐふっ!ブタだな」
ファル。笑いたいのなら、普通に笑えばいいのに。で、そのプルエがどうしたのだろう?
「それが何か問題?」
「聖質を持つ者は聖質の血を残しやすいんだ。特にアンジュのような白い者は重宝される。200年前の聖女様の髪も白かったらしいからな」
「聖女様?」
「なんだ。まだ、習っていないのか?この世界を救ったという聖女様だ。天使の聖痕を持ち、人々を癒やし続けたという聖人だ」
は?人を癒やすだけで、世界が救えるの?それって、権力者にいいように使われただけじゃない?信仰を高めるため、人々の心の拠り所と言いつつ一定の方向に向けさすためのプロパガンダ。
「この200年聖女様が存在していないからな。聖女を作り出すために一番力をいれているのが、プルエルト公爵だ」
あの豚が公爵!!世も末だ。いや、富の象徴的体格と言い換えれば、いいのか。
しかし、作り出すといのはどういうことだ。聖質を持つ者は血を残しやすいということは···ぶるりと体が震える。まじのロリコンか!!犯罪だ!もう、捕らえて牢から出さないで欲しい。
「アンジュ。大丈夫だ」
未だに私を抱えているルディが私を強く抱きしめた。
「アンジュは俺の物だと言ったから、心配することは何もない」
全然大丈夫じゃない!私はルディのモノじゃないよ!それも公爵に面と向かって言ったらルディもただですまないでしょ!
「そうだ!アンジュ、結婚をしよう!」
すごくいい案が浮かんだと言わんばかりのルディをジト目でみる。私は3歳、いや4歳児だ。その私に結婚をしようと言ってくるこいつもロリコンだったのか。
「なんだ?その目」
「るでぃ兄もロリコンなのかと」
私の言葉にルディは私の頬を抓る。痛いし、伸びるし!
「貴族で10歳差は普通だ!」
だから、私は4歳児!それに私は平民だ!
「ぷっ!くくくく!シュレインのそんな姿が見られるなんてな」
ファル!笑ってないで、止めてよ!普通は貴族と平民が結婚できるはずないでしょ!愛人程度にしかなれないってぐらい、この世界の常識を知らなくても理解できる。
いや、所詮子供の戯言だ。彼らは16歳になるとココを去っていく。騎士団に入るのか、貴族として生きていくのはわからないけど、きっと再会したときには、互いのことなんて忘れているだろう。
しかし、再会できる可能性の方が低いと思う。なぜなら、私はここを出るときは、旅に出るつもりなのだから。
だから、軽い気持ちで答えてしまった。
「そうだね。私がここを出て再会したときに、るでぃ兄の心が変わらないのなら、お嫁さんにしてもらおうかな?」
私はへらりと笑う。子供の口約束だ。何の強制力も何もない言葉。そんな言葉にルディは嬉しそうに笑った。
「世界で一番幸せにしてやる」
それは、本当に好きなった人に言ってあげてね。私はそれには答えずに黒髪の少年の頭を優しく撫でてあげた。
きっと、彼らはこれから色んな出会いがあるだろう。そこで、その人たちと絆を繋いでいく。私がここを出るとすれば、彼らが去ってから10年後だ。10年もの年月が経てば貴族である彼らとの間に、平民である私が入る隙間などない。
ルディも恋の1つや2つぐらいするだろう。その人と幸せになって欲しい。私は心の底から願った。
そして、月日が流れ。年が変わればルディたちは教会を去っていくという時期になった。私は5歳になり、行動範囲は街の中と街の外の浅い森の中までなら行くことが許されるようになった。
そんなある日、神父様に呼ばれ懺悔室に入るように言われた。ここは防音対策がされており、内緒話をするにはうってつけだそうだ。
「アンジュ。君にお願いがあるのです」
私の方からは神父様の顔は見えないが、いつもどおりの胡散臭い笑顔で言っているだろうということは簡単に想像できる。
「内容によります」
ここで『はい』と頷いてはならない。こんな懺悔室に呼んでまで言ってくることだ。普通のことではないはず。
「アンジュ。死んでもらえませんか?」
「いやです」
私は冷静に答える。この悪魔神父はいったい何を言い出すのか。この私に死ねと?
「本気で死んで欲しいというわけではありませんよ?死んだふりです」
死んだふり?なぜ、私がそんなことをしなければならないのか。
「意味がわからないという感じですね。説明をしますと。最近のシュレインの行動には少し問題があると思っているのです」
少し?!全然少しじゃないよ?時間がある限り私はルディにつきまとわれている。いや、ルディに連れ回されていると言い換えた方がいいだろう。
ここでは12歳になると冒険者登録ができるようになる。5歳からは冒険者見習いの登録ができるようになる。見習いということは、魔物討伐の依頼は受けられないが、ポーターとして荷物持ちや薬草採取の依頼を同伴者がいれば受けられるようになるのだ。これは幼い子供が食い扶持を稼ぐためのシステムだ。
この世界は貧富の差が激しい。親に捨てられる子供もあとを絶たないらしい。普通なら孤児院が存在すべきなのだろうが、この世界の教会は神の名の元に神の子を育てるという大義名分のかかげているので、孤児院というものは存在していない。
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あ、うん。それは私も同意する。ルディの私に対する感情というものは、幼子を可愛がるというよりも、執着に近い感情をここ最近感じていた。
「ですからね。死んで欲しいのですよ」
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恐らく、今までルディ自身を見てくれる人は居なかったのではないのだろうか。ファルはルディの側にいるようだけど、『話し相手』と言っていたように、誰かに命じられてルディに付いているのだろう。そして、ファルはルディとは一定の距離を保っている。ルディに友達となるように強要された家臣の子のように。
そこに、私が現れた。『すごいね。頑張ったね』と、ルディ自身を見る私が現れたのだ。
それは私の存在に依存するよね。
「はぁ。神父様、それは悪手です。るでぃ兄を壊す気ですか?」
「そうですね」
この悪魔神父め!悪手とわかって私に死んで欲しいと言っていたのか!私が不服そうな顔をしていると
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と、神父様が以外だと言うような感じで言ってきた。
「るでぃ兄はるでぃ兄の行く道があると思っているから、そこには文句はありません。私が言いたいことは人の心を壊す気なのですかと言いたいのです!」
私は懺悔室の格子をバンと叩いて抗議をする。
「アンジュ。シュレインはアンジュとは違うのです。彼には一人で立ってもらわないとこれから降りかかる火の粉を払うことができないのですよ。シュレインのことは心配ありません。彼の周りの者がフォローしますから」
神父様にそう言われ、格子を掴んだまま下唇を噛みしめる。私とは違う。そんなことはわかりきっている。ルディは貴族として立たなければならない。それには私という存在は邪魔でしか無いと。わかっている。わかっている。
手を格子から離し、神父様に尋ねる。
「私は何をすればいいのですか?」
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「は?」
頑張って生き延びる?
「ちょっと!···き、消えた」
格子の向こうに居たはずの神父様の気配が無くなった。説明がそれだけ?もう少し説明をしてくれてもいいでしょ!!
*
翌朝、シスターに連れられて教会の方に出向くと、2人の見たことのない男性が立っていた。
「この嬢ちゃんか?」
金髪の体格のいい男性が私を見ていった。
「ええ、連れて行くだけでいいです」
シスターは私の背中を押しながら言う。私に説明はないの?
「しかし、リュミエール様も相変わらず、えげつないですね」
空の色のような青い髪の男性が呆れたように言い。私に手を伸ばしてきて片腕で抱えた。
あのー。私に詳細の説明を誰かしてくれないのでしょうか?
私は説明をされないまま街の外に連れ出され、南の森まで連行された。
「ああ、ここだ。ここ」
連れて行かれたところは、黒い霧が立ち上る穴の前だった。穴の直径は4メル程はあるだろうか。
「悪いな」
そう言って青い髪の男性が私を黒い霧が立ち上る穴に向かって投げた。突然の事に私は呆然と宙を舞いながら、背を向ける二人の背中を見送った。
_________________
アンジュが勉強をサボって散歩に出ていった時の閑話
「シスター・マリア~!私もう立ち直れません!」
書類に目を通していたマリアの部屋に駆け込んできた者が入る。
「どうしたのですか?シスター・グレイシア」
「アンジュちゃんに問題の間違いを指摘された私って3歳以下ですかー?」
そう言ってシスター・グレイシアは今回アンジュに出した課題の一つをシスター・マリアに見せた。
『モーリ君はリンゴを30個、ミカンを20個持っています。
アメリちゃんにリンゴ2個ミカンを1個。
ハリー君にリンゴ15個ミカンを5個。
ミルちゃんにリンゴを8個ミカンを12個。
ロア君にリンゴを10個ミカン3個を渡しました。
モーリ君にはリンゴとミカンは何個残りましたか?』
アンジュの答え
モーリには詐欺罪もしくは窃盗罪の疑いがかかっています。モーリを憲兵に突き出すことをおすすめします。
「あらあら、酷い間違いね。シスター・グレイシア。アンジュの答えに間違いはないですよ」
「だってー!アンジュちゃんって簡単な問題だと直ぐに解いちゃうじゃないですかー。頑張って問題を作ったら、数の授業なのに憲兵って!私、アンジュちゃんの授業やっていけません!!」
「仕方がないわね。私がちょっと行って見てくるわ···あら?でもそこで歩いているのってアンジュじゃないかしら?」
「アンジュちゃん!!私が渡したあの課題がもう終わってしまったのー!!」
シスター・グレイシアの叫び声がリュミエール神父の耳に入り、アンジュの確保に繋がったのだった。
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だが、その結婚生活は冷たく空虚なものだった。夫は愛人 ローザ・フィッツジェラルド に夢中になり、公爵夫人であるジェニファーは侮辱され、無視され続ける日々。
――それでも、貴族の娘は耐えなければならないの?
何の愛もなく、ただ飾り物として扱われる結婚に見切りをつけたジェニファーは 「離婚」 を決意する。
しかし、王弟であるエドワードとの離婚は容易ではない。実家のランカスター家は猛反対し、王宮の重臣たちも彼女の決断を 「公爵家の恥」 と揶揄する。
それでも、ジェニファーは負けない。弁護士と協力し、着々と準備を進めていく。
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温かく誠実な彼との交流を通じて、ジェニファーは 「本当に大切にされること」 を知る。
そして、彼女の決断は、王都の社交界に大きな波紋を呼ぶこととなる――。
「公爵夫人を手放したことを、いつか後悔しても遅いわ」
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