151 / 462
151 行ったであろう己の行動の予想
しおりを挟む
「市街戦はこちらの不利ですか」
侍従はルディの言葉に納得したのか、何かをメモっている。
さて、ここからが本番だ。
「ですから、この時点で神父様はいません」
「ん?」
「え?」
「まぁ、そうなりますね」
私の言葉に神父様だけが納得した。ルディの反応はわからないけれど、偽物の王様からピリピリと殺気が漏れ出ている。
「彼女は言っていましたね。ルディが王に立つと。となると、王様もいなくなるということです」
「貴様!」
偽物の王様から殺気が膨れ上がる。
「それは聖女の言葉で、アンジュの言葉じゃないから落ち着きなさい」
白銀の王様が、偽物の王様の怒りを沈める。うん、私が言ったことではないからね。
「因みに私はルディに殺されたことになってい……ルディ、私は生きているから、これ以上お腹を締めないでほしい」
食べたお菓子が出てしまう。ここで、キラキラエフェクトを出すわけにはいかない。
「ということなので、ルディが王様になり、侍従が大将校となる。じゃ、二人は何をしようとする?」
「何をしようとするとは?」
侍従は私が何を言いたいのか理解できないようだ。まぁ、あったであろう未来の話をして、行ったであろう己の行動を予想しろと言われても、無理なこと。
「神父様の死。王様の死。王族はルディと侍従だけになった未来はどの様な感じなのかなぁ。因みにルディ、そのときはファル様も居ない。恐らく第6部隊も半分崩壊状態。あ、第6部隊長さんとヒュー様とアスト様は生きている」
「最悪の状態ですね。これではバランスが完全に崩れさります。アンジュ、何か足りないのではないのですか?その状態ではシュレインもフリーデンハイドも行動には移しません」
流石神父様、私がどこに導きたいのかわかっているみたい。っということは現時点では、公にはなっていない。
「鍵は第1部隊長です」
「アンジュ、先程もロベル第1部隊長の名を出していましたね」
「名前を出していたのは聖女の彼女です」
私が言ったのではないことは明確にしておかなければならない。
「第1部隊長はどこの貴族の方ですか?」
私は念のため確認する。誰の血を引く存在か知っているのかと。しかし、その答えは誰も持っていなかった。
いや、ルディは何かが引っかかっているのか、低く唸っている。そして、いやまさかと声が漏れ出ている。
「シュレイン、何が気になるのですか?」
神父様がルディに尋ねる。神父様が気が付かなかった何かをルディは知っているらしい。
「何度かプルエルト公爵が隠れてロベルと会ってるのを目撃しました。お金のようなものを渡していたようですが、ロベルは受け取るのを拒否していました。ただ、そのときに『お前はこの中をさぐれ』と指示をされていました。それだけです」
「確かロベルは親戚に連れてこられた子でしたね。母親が死んだと言って……そうですか。アンジュ。シュレインとフリーデンハイドは高位貴族の当主の首をすべて、すげ替えたということですね」
「過去形にしないでください。あったかもしれない未来です」
「それはいい!それをしよう!」
黙って聞いていたと思っていた王様がいきなり立ち上がって、ヤル気満々の意気込みを見せるけど、だからあり得たかもしれない未来ね。
「そうであれば、悪しき習慣を排除できるか。そうか、そうか、今はアンジュのお陰で最悪の事態は避けられている。既にエヴォリュシオンの首はすげ替えて、ヒューゲルボルカが侯爵を引き継いだ。こちらにはファルークスがいるとなれば、必然的にコルドアール公爵もこちら側だ。ヴァルトルクスはアンジュに服従を誓った」
何だか後ろから怪しい言葉が漏れ聞こえてくる。私は聞かなかったことにしたい。
「兄上、粛清するのであれば、一気にかつ迅速にです。こちらの動きを悟られることは、以前と同じ結果を招くことになるでしょう。ですが、公爵家の内3家がこちらについたとすれば、これは大半の貴族はこちら側に従うでしょう」
以前と同じ……もう既に一度この兄弟はやっていた。だけど、王様はアンド家に毒をもられて終わってしまった。
「そうなればアンジュ!アンジュが危惧することは、なにも無くなる」
ルディはそう言って私を後ろから抱きしめた。確かにブタ貴族がいなくなれば、聖女信仰を仕切る者はいなくなるだろうけど、ここまで根付いてしまった聖女信仰を完全に無くすことは難しいだろう。
実際に天に日を掲げる者が存在するのだから。
「そして、あの女も始末しておこう」
あの……耳元で恐ろしいことを呟かないでほしい。本当にこの兄弟は人殺し宣言をするのをやめてほしい。
侍従はルディの言葉に納得したのか、何かをメモっている。
さて、ここからが本番だ。
「ですから、この時点で神父様はいません」
「ん?」
「え?」
「まぁ、そうなりますね」
私の言葉に神父様だけが納得した。ルディの反応はわからないけれど、偽物の王様からピリピリと殺気が漏れ出ている。
「彼女は言っていましたね。ルディが王に立つと。となると、王様もいなくなるということです」
「貴様!」
偽物の王様から殺気が膨れ上がる。
「それは聖女の言葉で、アンジュの言葉じゃないから落ち着きなさい」
白銀の王様が、偽物の王様の怒りを沈める。うん、私が言ったことではないからね。
「因みに私はルディに殺されたことになってい……ルディ、私は生きているから、これ以上お腹を締めないでほしい」
食べたお菓子が出てしまう。ここで、キラキラエフェクトを出すわけにはいかない。
「ということなので、ルディが王様になり、侍従が大将校となる。じゃ、二人は何をしようとする?」
「何をしようとするとは?」
侍従は私が何を言いたいのか理解できないようだ。まぁ、あったであろう未来の話をして、行ったであろう己の行動を予想しろと言われても、無理なこと。
「神父様の死。王様の死。王族はルディと侍従だけになった未来はどの様な感じなのかなぁ。因みにルディ、そのときはファル様も居ない。恐らく第6部隊も半分崩壊状態。あ、第6部隊長さんとヒュー様とアスト様は生きている」
「最悪の状態ですね。これではバランスが完全に崩れさります。アンジュ、何か足りないのではないのですか?その状態ではシュレインもフリーデンハイドも行動には移しません」
流石神父様、私がどこに導きたいのかわかっているみたい。っということは現時点では、公にはなっていない。
「鍵は第1部隊長です」
「アンジュ、先程もロベル第1部隊長の名を出していましたね」
「名前を出していたのは聖女の彼女です」
私が言ったのではないことは明確にしておかなければならない。
「第1部隊長はどこの貴族の方ですか?」
私は念のため確認する。誰の血を引く存在か知っているのかと。しかし、その答えは誰も持っていなかった。
いや、ルディは何かが引っかかっているのか、低く唸っている。そして、いやまさかと声が漏れ出ている。
「シュレイン、何が気になるのですか?」
神父様がルディに尋ねる。神父様が気が付かなかった何かをルディは知っているらしい。
「何度かプルエルト公爵が隠れてロベルと会ってるのを目撃しました。お金のようなものを渡していたようですが、ロベルは受け取るのを拒否していました。ただ、そのときに『お前はこの中をさぐれ』と指示をされていました。それだけです」
「確かロベルは親戚に連れてこられた子でしたね。母親が死んだと言って……そうですか。アンジュ。シュレインとフリーデンハイドは高位貴族の当主の首をすべて、すげ替えたということですね」
「過去形にしないでください。あったかもしれない未来です」
「それはいい!それをしよう!」
黙って聞いていたと思っていた王様がいきなり立ち上がって、ヤル気満々の意気込みを見せるけど、だからあり得たかもしれない未来ね。
「そうであれば、悪しき習慣を排除できるか。そうか、そうか、今はアンジュのお陰で最悪の事態は避けられている。既にエヴォリュシオンの首はすげ替えて、ヒューゲルボルカが侯爵を引き継いだ。こちらにはファルークスがいるとなれば、必然的にコルドアール公爵もこちら側だ。ヴァルトルクスはアンジュに服従を誓った」
何だか後ろから怪しい言葉が漏れ聞こえてくる。私は聞かなかったことにしたい。
「兄上、粛清するのであれば、一気にかつ迅速にです。こちらの動きを悟られることは、以前と同じ結果を招くことになるでしょう。ですが、公爵家の内3家がこちらについたとすれば、これは大半の貴族はこちら側に従うでしょう」
以前と同じ……もう既に一度この兄弟はやっていた。だけど、王様はアンド家に毒をもられて終わってしまった。
「そうなればアンジュ!アンジュが危惧することは、なにも無くなる」
ルディはそう言って私を後ろから抱きしめた。確かにブタ貴族がいなくなれば、聖女信仰を仕切る者はいなくなるだろうけど、ここまで根付いてしまった聖女信仰を完全に無くすことは難しいだろう。
実際に天に日を掲げる者が存在するのだから。
「そして、あの女も始末しておこう」
あの……耳元で恐ろしいことを呟かないでほしい。本当にこの兄弟は人殺し宣言をするのをやめてほしい。
19
あなたにおすすめの小説
【完結】お見合いに現れたのは、昨日一緒に食事をした上司でした
楠結衣
恋愛
王立医務局の調剤師として働くローズ。自分の仕事にやりがいを持っているが、行き遅れになることを家族から心配されて休日はお見合いする日々を過ごしている。
仕事量が多い連休明けは、なぜか上司のレオナルド様と二人きりで仕事をすることを不思議に思ったローズはレオナルドに質問しようとするとはぐらかされてしまう。さらに夕食を一緒にしようと誘われて……。
◇表紙のイラストは、ありま氷炎さまに描いていただきました♪
◇全三話予約投稿済みです
【完結】すり替わられた小間使い令嬢は、元婚約者に恋をする
白雨 音
恋愛
公爵令嬢オーロラの罪は、雇われのエバが罰を受ける、
12歳の時からの日常だった。
恨みを持つエバは、オーロラの14歳の誕生日、魔力を使い入れ換わりを果たす。
それ以来、オーロラはエバ、エバはオーロラとして暮らす事に…。
ガッカリな婚約者と思っていたオーロラの婚約者は、《エバ》には何故か優しい。
『自分を許してくれれば、元の姿に戻してくれる』と信じて待つが、
魔法学校に上がっても、入れ換わったままで___
(※転生ものではありません) ※完結しました
【完結】小公爵様の裏の顔をわたしだけが知っている
おのまとぺ
恋愛
公爵令息ルシアン・ド・ラ・パウルはいつだって王国の令嬢たちの噂の的。見目麗しさもさることながら、その立ち居振る舞いの上品さ、物腰の穏やかさに女たちは熱い眼差しを向ける。
しかし、彼の裏の顔を知る者は居ない。
男爵家の次女マリベルを除いて。
◇素直になれない男女のすったもんだ
◇腐った令嬢が登場したりします
◇50話完結予定
2025.2.14
タイトルを変更しました。(完結済みなのにすみません、ずっとモヤモヤしていたので……!)
転生貧乏令嬢メイドは見なかった!
seo
恋愛
血筋だけ特殊なファニー・イエッセル・クリスタラーは、名前や身元を偽りメイド業に勤しんでいた。何もないただ広いだけの領地はそれだけでお金がかかり、古い屋敷も修繕費がいくらあっても足りない。
いつものようにお茶会の給仕に携わった彼女は、令息たちの会話に耳を疑う。ある女性を誰が口説き落とせるかの賭けをしていた。その対象は彼女だった。絶対こいつらに関わらない。そんな決意は虚しく、親しくなれるように手筈を整えろと脅され断りきれなかった。抵抗はしたものの身分の壁は高く、メイドとしても令嬢としても賭けの舞台に上がることに。
これは前世の記憶を持つ貧乏な令嬢が、見なかったことにしたかったのに巻き込まれ、自分の存在を見なかったことにしない人たちと出会った物語。
#逆ハー風なところあり
#他サイトさまでも掲載しています(作者名2文字違いもあり)
嫌われていると思って彼を避けていたら、おもいっきり愛されていました
Karamimi
恋愛
伯爵令嬢のアメリナは、幼馴染の侯爵令息、ルドルフが大好き。ルドルフと少しでも一緒にいたくて、日々奮闘中だ。ただ、以前から自分に冷たいルドルフの態度を気にしていた。
そんなある日、友人たちと話しているルドルフを見つけ、近づこうとしたアメリナだったが
“俺はあんなうるさい女、大嫌いだ。あの女と婚約させられるくらいなら、一生独身の方がいい!”
いつもクールなルドルフが、珍しく声を荒げていた。
うるさい女って、私の事よね。以前から私に冷たかったのは、ずっと嫌われていたからなの?
いつもルドルフに付きまとっていたアメリナは、完全に自分が嫌われていると勘違いし、彼を諦める事を決意する。
一方ルドルフは、今までいつも自分の傍にいたアメリナが急に冷たくなったことで、完全に動揺していた。実はルドルフは、誰よりもアメリナを愛していたのだ。アメリナに冷たく当たっていたのも、アメリナのある言葉を信じたため。
お互い思い合っているのにすれ違う2人。
さらなる勘違いから、焦りと不安を募らせていくルドルフは、次第に心が病んでいき…
※すれ違いからのハッピーエンドを目指していたのですが、なぜかヒーローが病んでしまいました汗
こんな感じの作品ですが、どうぞよろしくお願いしますm(__)m
[完結]私を巻き込まないで下さい
シマ
恋愛
私、イリーナ15歳。賊に襲われているのを助けられた8歳の時から、師匠と一緒に暮らしている。
魔力持ちと分かって魔法を教えて貰ったけど、何故か全然発動しなかった。
でも、魔物を倒した時に採れる魔石。石の魔力が無くなると使えなくなるけど、その魔石に魔力を注いで甦らせる事が出来た。
その力を生かして、師匠と装具や魔道具の修理の仕事をしながら、のんびり暮らしていた。
ある日、師匠を訪ねて来た、お客さんから生活が変わっていく。
え?今、話題の勇者様が兄弟子?師匠が王族?ナニそれ私、知らないよ。
平凡で普通の生活がしたいの。
私を巻き込まないで下さい!
恋愛要素は、中盤以降から出てきます
9月28日 本編完結
10月4日 番外編完結
長い間、お付き合い頂きありがとうございました。
まだ20歳の未亡人なので、この後は好きに生きてもいいですか?
せいめ
恋愛
政略結婚で愛することもなかった旦那様が魔物討伐中の事故で亡くなったのが1年前。
喪が明け、子供がいない私はこの家を出て行くことに決めました。
そんな時でした。高額報酬の良い仕事があると声を掛けて頂いたのです。
その仕事内容とは高貴な身分の方の閨指導のようでした。非常に悩みましたが、家を出るのにお金が必要な私は、その仕事を受けることに決めたのです。
閨指導って、そんなに何度も会う必要ないですよね?しかも、指導が必要には見えませんでしたが…。
でも、高額な報酬なので文句は言いませんわ。
家を出る資金を得た私は、今度こそ自由に好きなことをして生きていきたいと考えて旅立つことに決めました。
その後、新しい生活を楽しんでいる私の所に現れたのは……。
まずは亡くなったはずの旦那様との話から。
ご都合主義です。
設定は緩いです。
誤字脱字申し訳ありません。
主人公の名前を途中から間違えていました。
アメリアです。すみません。
「結婚しよう」
まひる
恋愛
私はメルシャ。16歳。黒茶髪、赤茶の瞳。153㎝。マヌサワの貧乏農村出身。朝から夜まで食事処で働いていた特別特徴も特長もない女の子です。でもある日、無駄に見目の良い男性に求婚されました。何でしょうか、これ。
一人の男性との出会いを切っ掛けに、彼女を取り巻く世界が動き出します。様々な体験を経て、彼女達は何処へ辿り着くのでしょうか。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる