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153 次の戦いの匂い
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私は本部内を足早に歩き、さっさとこの場を去ろうとしている。そして、私の横にはルディが歩いているのだけど、私が競歩なのに対して、ルディは普通に歩いているようにしかみえない。
この背の差は理不尽ではないの?
しかし、その私達の前方から普通であれば怒られる速さで廊下を駆けてくる者がいる。だが、すれ違う者は誰も咎めはしない。何故ならその者は白い隊服を血の色に染めて、何かを……誰かを探しているのだ。
「第13部隊長!団長を団長をお見かけしませんでしたか!」
その者は内臓をやられているのか、口の端から血が滴っている。
「会議室の隣の控えの間に今いらっしゃいます」
ルディは胡散臭い笑顔で答えた。その者はルディに向かって赤く染まった右手の拳を心臓の上に置いて敬礼のポーズを取る。そして、去っていこうとする者に私は行く道を塞いで、小瓶を差し出した。
「回復薬です。扉を開ける時は平常心で開けることをおすすめします」
白銀の王様がいるからね。
毒物を薄めた回復薬を受け取った人は『かたじけない』と言って、再び廊下を駆けていく。
その行動に私の言葉を理解していないのか不安になってしまったけど、どうやら聖女がいう次の問題が起こったようだ。
私は関係ないと、そのまま足を進める。どちらかと言えば、隣の魔王様をどう鎮めるのかが私にとって最大の課題だ。
完璧にお昼過ぎて、報告という名の尋問に時間がかかった所為で日が陰り始めている。冬になってきたので、寒さと共に日が短くなってきているもの原因とはいえる。
黙々と無言のまま歩き続け、第13部隊のぽつんと一軒家に行こうとすれば、ルディに腕を取られ、進行方向を変えさせられた。
その方向は宿舎の方だ。そして、そのまま宿舎の中に入り、私の部屋まで連行された。今度はルディから尋問されるのだろうか?
「心配した」
そう言って、私の部屋に入った早々に私はルディに抱きしめられる。そして、徐々に締められていく。これは私を絞め殺そうとしているのだろうか。
「く……苦しい」
私はルディの背中をバシバシ叩いて抵抗する。すると、力が緩んでそのまま抱きかかえられ、ソファまで移動させられた。
「会議を終えて戻ってみれば、まだアンジュとオボロが戻ってきていないと聞いた俺の心境がわかるか?」
「ごめん」
これは素直に謝る。約束を破ってしまった私が悪い。
「何をしているのかと探してみれば、あの女の尾行をしているし、フリーデンハイドにあの女の管理を何故してないと文句を言いに行けば、リュミエール神父には好きなようにさせておくように言われるしまつ」
そうだったんだ。お昼が過ぎていてもルディが怒りに来なかったのは、神父様が一言言ってくれていたお陰だったのか。
「それで何故、あの女の尾行をすることにしたのだ?約束をしたと思うのだが?」
うん。約束したよ。
「えーっと。トイレの窓から出ようとするなんて、何の用があるのだろうと興味があっただけ」
「トイレの窓?そんなところから出ていったのか」
普通はトイレの窓からなんて出ないよね。しかし、私はいい仕事をしたアピールをしなければならない。でないと、私の自由行動を認められないのは嫌すぎる。
「ルディ。確かに私は約束破ったけど、彼女の理解不能の行動の理由付けはできたと思うよ」
そして、あり得たかもしれない未来の布石。私がそう言うと、ルディは怒ったような表情をした。
「あの女のことなんてどうでもいい。始末すればいいことなのだから」
だから、簡単に命を奪おうとしないで欲しい。私と彼女が太陽と月という対であるのであれば、片方を失うとどうなるのか私には予測不能だ。ただ単に月が太陽の力の受け皿だけの存在であるのならば、私には何も影響がないことになる。だけど、歴代の聖女と呼ばれる者の生は誰しも短かった。魔力を吸い取られるだけではなかった場合、彼女が命を失うことにより、私になんらかの影響が出ると思われる。それは予想不可能な事態であり、取り返しのつかないことになる。
「ルディ。私は太陽と呼ばれ彼女は月と呼ばれた。その片割れが命を落としても、何も影響ないと保証してくれるの?私はあの彼女の所為で死ぬのはまっぴらごめんだよ。だから、私は初代の太陽の王と月の王妃の古文書があるところに行きたいと言ったの」
私がそう言うと、ルディが目を見開いた。きっと思ってもみなかったことなのだろう。
「言われてみれば、それは危険かもしれない。あの女の命は奪わないでおこう。しかし、アンジュ」
何?笑っていない目を向けてくるルディに嫌な予感が増してくる。
「約束を破ったことへの反省はして欲しいものだな」
反省って何?いや、私が悪いのだけど、反省文でも書けばいいのかな?
この背の差は理不尽ではないの?
しかし、その私達の前方から普通であれば怒られる速さで廊下を駆けてくる者がいる。だが、すれ違う者は誰も咎めはしない。何故ならその者は白い隊服を血の色に染めて、何かを……誰かを探しているのだ。
「第13部隊長!団長を団長をお見かけしませんでしたか!」
その者は内臓をやられているのか、口の端から血が滴っている。
「会議室の隣の控えの間に今いらっしゃいます」
ルディは胡散臭い笑顔で答えた。その者はルディに向かって赤く染まった右手の拳を心臓の上に置いて敬礼のポーズを取る。そして、去っていこうとする者に私は行く道を塞いで、小瓶を差し出した。
「回復薬です。扉を開ける時は平常心で開けることをおすすめします」
白銀の王様がいるからね。
毒物を薄めた回復薬を受け取った人は『かたじけない』と言って、再び廊下を駆けていく。
その行動に私の言葉を理解していないのか不安になってしまったけど、どうやら聖女がいう次の問題が起こったようだ。
私は関係ないと、そのまま足を進める。どちらかと言えば、隣の魔王様をどう鎮めるのかが私にとって最大の課題だ。
完璧にお昼過ぎて、報告という名の尋問に時間がかかった所為で日が陰り始めている。冬になってきたので、寒さと共に日が短くなってきているもの原因とはいえる。
黙々と無言のまま歩き続け、第13部隊のぽつんと一軒家に行こうとすれば、ルディに腕を取られ、進行方向を変えさせられた。
その方向は宿舎の方だ。そして、そのまま宿舎の中に入り、私の部屋まで連行された。今度はルディから尋問されるのだろうか?
「心配した」
そう言って、私の部屋に入った早々に私はルディに抱きしめられる。そして、徐々に締められていく。これは私を絞め殺そうとしているのだろうか。
「く……苦しい」
私はルディの背中をバシバシ叩いて抵抗する。すると、力が緩んでそのまま抱きかかえられ、ソファまで移動させられた。
「会議を終えて戻ってみれば、まだアンジュとオボロが戻ってきていないと聞いた俺の心境がわかるか?」
「ごめん」
これは素直に謝る。約束を破ってしまった私が悪い。
「何をしているのかと探してみれば、あの女の尾行をしているし、フリーデンハイドにあの女の管理を何故してないと文句を言いに行けば、リュミエール神父には好きなようにさせておくように言われるしまつ」
そうだったんだ。お昼が過ぎていてもルディが怒りに来なかったのは、神父様が一言言ってくれていたお陰だったのか。
「それで何故、あの女の尾行をすることにしたのだ?約束をしたと思うのだが?」
うん。約束したよ。
「えーっと。トイレの窓から出ようとするなんて、何の用があるのだろうと興味があっただけ」
「トイレの窓?そんなところから出ていったのか」
普通はトイレの窓からなんて出ないよね。しかし、私はいい仕事をしたアピールをしなければならない。でないと、私の自由行動を認められないのは嫌すぎる。
「ルディ。確かに私は約束破ったけど、彼女の理解不能の行動の理由付けはできたと思うよ」
そして、あり得たかもしれない未来の布石。私がそう言うと、ルディは怒ったような表情をした。
「あの女のことなんてどうでもいい。始末すればいいことなのだから」
だから、簡単に命を奪おうとしないで欲しい。私と彼女が太陽と月という対であるのであれば、片方を失うとどうなるのか私には予測不能だ。ただ単に月が太陽の力の受け皿だけの存在であるのならば、私には何も影響がないことになる。だけど、歴代の聖女と呼ばれる者の生は誰しも短かった。魔力を吸い取られるだけではなかった場合、彼女が命を失うことにより、私になんらかの影響が出ると思われる。それは予想不可能な事態であり、取り返しのつかないことになる。
「ルディ。私は太陽と呼ばれ彼女は月と呼ばれた。その片割れが命を落としても、何も影響ないと保証してくれるの?私はあの彼女の所為で死ぬのはまっぴらごめんだよ。だから、私は初代の太陽の王と月の王妃の古文書があるところに行きたいと言ったの」
私がそう言うと、ルディが目を見開いた。きっと思ってもみなかったことなのだろう。
「言われてみれば、それは危険かもしれない。あの女の命は奪わないでおこう。しかし、アンジュ」
何?笑っていない目を向けてくるルディに嫌な予感が増してくる。
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