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「そうそう、実は話を聞きに来たというのもあるのだけど」
剣から黒いモヤ発生事件が収まり、王様が団長にお茶を淹れ直してきてと命じて、素直に応じた団長が出ていったのを確認したあとに、王様が思い出したという風に突然話を変えてきた。
これはきっと、団長には聞かせることのできない話なのだろう。
「地下に行く準備が整ったことを言いに来たのもあるんだよ」
あれ?なんか言葉がおかしい。行く準備が整ったって王様も来るってことじゃないよね。
「影たちからの報告では、安定していないけど、行けないことはないらしいよ」
「そうですか、以前のときの何も準備をしなかったことに比べると断然マシでしょう」
うーん?王様とルディの間では話が通じているみたいだけど、私にはさっぱりわからない。
「ねぇ、何の話をしているか、わからないのだけど?」
このまま話が進んでいってしまったら後になって、このことを言っていたのか!と一人つっこみしそうなので、ここはきちんと聞いておきたい。
「ああ、地下のダンジョンに行く準備が整ったということだ」
……で?
「詳しい説明を求めます」
そんな、遠足に行くよと言って、“しおり”も無い校外学習に連れて行くようなことはしないでほしい。
さっきの感じだとダンジョンに行くよと言われて、それを信じたら痛い目に遭うのが確定する内容だったよね。
「王城の地下にあるってことは、入るのにも条件があるのはわかるよね」
確か、神父様とファル様が見つけたってことは、今まで人が立ち入ったことはなく、隠されるよに存在していたのだから、鍵か何かが必要だということだね。
私は首を縦に振って、理解を示した。
「一つは、王族の血が入っている者」
……そもそも私が入れなかった!私はど田舎の平民出身だからね。王族の血なんて一滴も入っていないよ。
「ダンジョンに私が入れなかった」
私が項垂れていると、クスクスという
笑い声が、耳に触れてきた。
「最後まで聞いてね」
「はい」
ダンジョンに入れないというのに、最後まで聞かなければならないらしい。
「次に、天使の聖痕を持っている者」
ああ、これが私に当てはまるということだね。ん?ということは、地下に行っているあいだ、私は煌々と一人明かりを頭上から照らされながら、ダンジョンの中を進まなければならず、聖女の彼女は私の魔力を使いたい放題ってことになる。
最悪だ。
「そして、魔力を持たない者」
「え?魔力を持たないって普通はありえないよね」
強いて言うなら、聖女の彼女のことだけど、これは天使の聖痕と被るので、わざわざ分ける必要がない気がする。
「これは影のモノたちだね。あのモノたちは、魔力ではない別の力を使っているらしいから」
ああ、妖力ってことか。それが魔力がない者に当てはまると。だから、さっき『影たちの報告』という言葉が出てきたのか。
「アンジュ。ダンジョンの中では魔力が使えない」
ルディの言葉に思わず振り返って、ルディに視線を向けた。魔力が使えないってこれは厳しすぎないだろうか。
「その代わりに魔道具の使用は可能だ。しかし、魔道具も魔力を媒体に流していることに変わりないから、安定性が悪い」
あっ!これがさっきの話に繋がるわけだね。例えば明り取りの光の魔術の代わりに、光を留めた魔道具を使う。だけど、発光するには魔力を元にして発光しているので、媒体を使ってある程度は使えるものの、安定性が悪いという感じなのだろう。
「そのダンジョンは聖痕の力は使えるの?」
聖痕の力が使えるかどうかで、大きく変わってくる。
「ああ、それはもちろん使える」
そうなんだね。聖痕の力も使えないとなると、今まで鍛えていなかったツケが回ってくるところだった。これは体力的にってことだね。
私はかなり、身体強化と重力の聖痕に頼っているところがある。だから、何も力を使わずに持久走をしろと言われたら、きっと訓練場を一周するだけで、生きた屍になっていることだろう。
「ただし、いつもより聖痕の力の操作に気を使わなければならない」
「どうして?」
「異様に力を発揮するから、聖痕を使用するなら、いつもより押さえ気味に使った方がいい」
……それって、私の頭の上に聖痕をのせたら、目が開けられないぐらいに光って、目が潰れるのではないのだろうか。
「太陽の聖痕を出すとヤバいってことにならない?」
するとルディは黙ってしまった。私は正面を向いてわからないけど、きっと私と同じことを想像しているのかもしれない。
静まり返った部屋の中にクスクスという笑い声が響く。それは勿論白銀の王様が笑っているのだ。
「貴女は天使の聖痕をそのままにしておいていいと思うよ。その指輪を二つも付けているのだからね」
白銀の王様は私の左手を指で差して言った。
そこには黒い指輪と青い指輪がある。ああ、確かこれを貰ったときに神父様が言っていた。
秘密の通路の扉の鍵だと……地下のダンジョンの話だったの!てっきり、王族しか通れない抜け道だと思っていたよ!
剣から黒いモヤ発生事件が収まり、王様が団長にお茶を淹れ直してきてと命じて、素直に応じた団長が出ていったのを確認したあとに、王様が思い出したという風に突然話を変えてきた。
これはきっと、団長には聞かせることのできない話なのだろう。
「地下に行く準備が整ったことを言いに来たのもあるんだよ」
あれ?なんか言葉がおかしい。行く準備が整ったって王様も来るってことじゃないよね。
「影たちからの報告では、安定していないけど、行けないことはないらしいよ」
「そうですか、以前のときの何も準備をしなかったことに比べると断然マシでしょう」
うーん?王様とルディの間では話が通じているみたいだけど、私にはさっぱりわからない。
「ねぇ、何の話をしているか、わからないのだけど?」
このまま話が進んでいってしまったら後になって、このことを言っていたのか!と一人つっこみしそうなので、ここはきちんと聞いておきたい。
「ああ、地下のダンジョンに行く準備が整ったということだ」
……で?
「詳しい説明を求めます」
そんな、遠足に行くよと言って、“しおり”も無い校外学習に連れて行くようなことはしないでほしい。
さっきの感じだとダンジョンに行くよと言われて、それを信じたら痛い目に遭うのが確定する内容だったよね。
「王城の地下にあるってことは、入るのにも条件があるのはわかるよね」
確か、神父様とファル様が見つけたってことは、今まで人が立ち入ったことはなく、隠されるよに存在していたのだから、鍵か何かが必要だということだね。
私は首を縦に振って、理解を示した。
「一つは、王族の血が入っている者」
……そもそも私が入れなかった!私はど田舎の平民出身だからね。王族の血なんて一滴も入っていないよ。
「ダンジョンに私が入れなかった」
私が項垂れていると、クスクスという
笑い声が、耳に触れてきた。
「最後まで聞いてね」
「はい」
ダンジョンに入れないというのに、最後まで聞かなければならないらしい。
「次に、天使の聖痕を持っている者」
ああ、これが私に当てはまるということだね。ん?ということは、地下に行っているあいだ、私は煌々と一人明かりを頭上から照らされながら、ダンジョンの中を進まなければならず、聖女の彼女は私の魔力を使いたい放題ってことになる。
最悪だ。
「そして、魔力を持たない者」
「え?魔力を持たないって普通はありえないよね」
強いて言うなら、聖女の彼女のことだけど、これは天使の聖痕と被るので、わざわざ分ける必要がない気がする。
「これは影のモノたちだね。あのモノたちは、魔力ではない別の力を使っているらしいから」
ああ、妖力ってことか。それが魔力がない者に当てはまると。だから、さっき『影たちの報告』という言葉が出てきたのか。
「アンジュ。ダンジョンの中では魔力が使えない」
ルディの言葉に思わず振り返って、ルディに視線を向けた。魔力が使えないってこれは厳しすぎないだろうか。
「その代わりに魔道具の使用は可能だ。しかし、魔道具も魔力を媒体に流していることに変わりないから、安定性が悪い」
あっ!これがさっきの話に繋がるわけだね。例えば明り取りの光の魔術の代わりに、光を留めた魔道具を使う。だけど、発光するには魔力を元にして発光しているので、媒体を使ってある程度は使えるものの、安定性が悪いという感じなのだろう。
「そのダンジョンは聖痕の力は使えるの?」
聖痕の力が使えるかどうかで、大きく変わってくる。
「ああ、それはもちろん使える」
そうなんだね。聖痕の力も使えないとなると、今まで鍛えていなかったツケが回ってくるところだった。これは体力的にってことだね。
私はかなり、身体強化と重力の聖痕に頼っているところがある。だから、何も力を使わずに持久走をしろと言われたら、きっと訓練場を一周するだけで、生きた屍になっていることだろう。
「ただし、いつもより聖痕の力の操作に気を使わなければならない」
「どうして?」
「異様に力を発揮するから、聖痕を使用するなら、いつもより押さえ気味に使った方がいい」
……それって、私の頭の上に聖痕をのせたら、目が開けられないぐらいに光って、目が潰れるのではないのだろうか。
「太陽の聖痕を出すとヤバいってことにならない?」
するとルディは黙ってしまった。私は正面を向いてわからないけど、きっと私と同じことを想像しているのかもしれない。
静まり返った部屋の中にクスクスという笑い声が響く。それは勿論白銀の王様が笑っているのだ。
「貴女は天使の聖痕をそのままにしておいていいと思うよ。その指輪を二つも付けているのだからね」
白銀の王様は私の左手を指で差して言った。
そこには黒い指輪と青い指輪がある。ああ、確かこれを貰ったときに神父様が言っていた。
秘密の通路の扉の鍵だと……地下のダンジョンの話だったの!てっきり、王族しか通れない抜け道だと思っていたよ!
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