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303 幻聴が酷い
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「黒狐は水を司る存在ですから、我々では対処できないのですが、天は金となりますから、酒吞の火が有利となるのですよ」
水の属性は、北の第1部隊の管轄に顕れた、お……おかみさん?……龍神と玄武のときと同じで、酒吞と茨木は力になれないと言っていた理由だ。
しかしこの異世界でも五行思想が適応されるのも、おかしいものだけど。いや、既にこの世界は今までに多くの異形を取り込んでいる。五行思想が反映されていてもおかしくはないということか。
「ですから、今回はその死を招くという鎖だけに対処したため、黒狐にはあまり影響はないでしょう」
黒狐……あれを黒狐と呼んでいいのかわからない存在になってしまっていた。
いや、今わからなくても、この下の階層に着けば、きっと獅子王がいるはずだ。獅子王は永劫の命を願い楽園を創り出した存在。
ならば未だに生きていてもおかしくはない存在は彼だけだ。
下から光が漏れ出ている。そこにたどり着けば……は?
「行き止まり?」
淡く光に満たされた石の壁に囲まれた部屋だった。何もない。次の場所に通じる出口もない。ただの四角く壁に囲まれた空間だった。
「ここが最終地点ですね」
神父様の言葉に思わず叫んでしまった。
「古文書すらない!」
神父様はこのダンジョンに古文書があると言っていた。それを調べるために来たのにそれすらも無いなんて詐欺だ!
「おや?私は『迷宮のあちらこちらに石版に刻まれた古文書がある』とは言いましたけど、一番最下層にあるとは言ってはいませんよ」
……言ってなかった。確かに私の記憶でも言ってない。いや……でも……その石版の古文書が無いなんて……。
「もしかして、あちらこちらにって階層に一つとかいう程度?」
「そうですね。一つあるか無いかです」
「それだ!それが幻影の物語の元!獅子王!せめて言葉ぐらいわかるように設定してよね!」
私が空間に向って文句を言うと、突然床が光を放ちだした。
「なにこれ……光が円状にぐるぐる回っている。こわっ!」
床の光は私達を囲むように円をつくって回りだした。それも怪しい幾何学模様の様な文字のような形を作り出しながら。
「おそらくこれが転移装置の原型だと思われるものですね」
「転移装置!これを読み解けば自由にどこへでも!」
っとガン見していたら、両目を覆われてしまった。ルディから……いや、見せて欲しい。
「ルディ!目を覆わないでよ!まだ獅子王に会っていない!絶対に一階層で会ったのは獅子王だと思うんだよ!最後に言っていた銀髪の聖王の言葉の詳しい意味を知りたい!」
「アンジュ。転移装置が動き出したから、あと三分後に転移されるぞ」
ファルの声に思わず私は言葉を止めてしまった。
何?三分後に転移って……遅っ!
カップ麺が出来上がってしまうわ!カップ麺は存在しないけど。
「三分あれば話はできる!常闇を閉じろって聖王は言っていたけど、閉じても世界の枯渇は改善しないよね!その辺りはどうなの!……返事をしろ!」
「いや、アンジュ。普通は生きてはいないだろう?古代の人だ……人って言っていいのかわからないが」
絶対にいるはずだ。このダンジョンを管理する存在としてだ。
『言葉の問題は我々と人との発音が違うため仕方がない。私と会った次の階層で鎖に干渉されておけば、言葉は理解できたはずだ』
私の耳に一階層で会った妹もどきが素に戻ったときに聞いた声が聞こえてきた。
そこに視線を向けようにも私の視界は真っ暗だ。
「ルディ!手が邪魔!」
「アンジュに転移の術式を見せるわけにはいかない」
「いや!そこに獅子王がいるはずだよね!」
私は声が聞こえてきた方に向って指を差す。
「いや……誰もいないが?」
「今度は幻聴!本当にここはなに!」
私が叫んでいるとクスクスと笑い声まで聞こえてきた。凄くぶん殴りたい衝動が沸き起こってくる。
私がおかしい子みたいになってしまっている。絶対に何か原因があるはずだ。私だけ見えるものと聞こえるものがあるっていうが原因だ。
『サディエラとシュマリの意は同じであるからな。同化が起こっても致し方ない。それで、これを見た後でも私を解放しようと思うのか?』
私が聞きたいことと全く違う答えが返ってきた。それも誰だよって思う名前が増えていた。サディとシュマリって誰のこと!
「解放するのは、ここの常闇を閉じるときだね!貴方はここで、黒狐の王妃が出て来ないようにしているのでしょ!」
私が質問に答えて聞き返したのに、返ってきたのはクスリという笑い声だった。それは何に対して笑っているわけ?
『世界の力の枯渇の対処方は、全ての闇を閉じた後に発動するように仕込んである。何も心配はない』
「それ信用ならないけど?世界の力を持つ者を、全て虐殺って言いそうだからね」
クスクスという笑い声が、私を余計に苛つかせる。こいつ、肝心なことには絶対に答えないタイプだ。
この辺りが黒狐の王妃を怒らせた原因なのだろう。相談もせずに勝手に突き進んで、獣人たちを殺すことを選択したことだ。
そして、その笑い声が突如と途切れ、辺りから流れるような力のうねりを感じていたのが無くなった。どうやら転移してしまったようだ。
結局、胸糞悪くなったダンジョン探索は終わりを告げたのだった。
_______
約60話ほどかかってダンジョン探索は完了しました。長かった……。
水の属性は、北の第1部隊の管轄に顕れた、お……おかみさん?……龍神と玄武のときと同じで、酒吞と茨木は力になれないと言っていた理由だ。
しかしこの異世界でも五行思想が適応されるのも、おかしいものだけど。いや、既にこの世界は今までに多くの異形を取り込んでいる。五行思想が反映されていてもおかしくはないということか。
「ですから、今回はその死を招くという鎖だけに対処したため、黒狐にはあまり影響はないでしょう」
黒狐……あれを黒狐と呼んでいいのかわからない存在になってしまっていた。
いや、今わからなくても、この下の階層に着けば、きっと獅子王がいるはずだ。獅子王は永劫の命を願い楽園を創り出した存在。
ならば未だに生きていてもおかしくはない存在は彼だけだ。
下から光が漏れ出ている。そこにたどり着けば……は?
「行き止まり?」
淡く光に満たされた石の壁に囲まれた部屋だった。何もない。次の場所に通じる出口もない。ただの四角く壁に囲まれた空間だった。
「ここが最終地点ですね」
神父様の言葉に思わず叫んでしまった。
「古文書すらない!」
神父様はこのダンジョンに古文書があると言っていた。それを調べるために来たのにそれすらも無いなんて詐欺だ!
「おや?私は『迷宮のあちらこちらに石版に刻まれた古文書がある』とは言いましたけど、一番最下層にあるとは言ってはいませんよ」
……言ってなかった。確かに私の記憶でも言ってない。いや……でも……その石版の古文書が無いなんて……。
「もしかして、あちらこちらにって階層に一つとかいう程度?」
「そうですね。一つあるか無いかです」
「それだ!それが幻影の物語の元!獅子王!せめて言葉ぐらいわかるように設定してよね!」
私が空間に向って文句を言うと、突然床が光を放ちだした。
「なにこれ……光が円状にぐるぐる回っている。こわっ!」
床の光は私達を囲むように円をつくって回りだした。それも怪しい幾何学模様の様な文字のような形を作り出しながら。
「おそらくこれが転移装置の原型だと思われるものですね」
「転移装置!これを読み解けば自由にどこへでも!」
っとガン見していたら、両目を覆われてしまった。ルディから……いや、見せて欲しい。
「ルディ!目を覆わないでよ!まだ獅子王に会っていない!絶対に一階層で会ったのは獅子王だと思うんだよ!最後に言っていた銀髪の聖王の言葉の詳しい意味を知りたい!」
「アンジュ。転移装置が動き出したから、あと三分後に転移されるぞ」
ファルの声に思わず私は言葉を止めてしまった。
何?三分後に転移って……遅っ!
カップ麺が出来上がってしまうわ!カップ麺は存在しないけど。
「三分あれば話はできる!常闇を閉じろって聖王は言っていたけど、閉じても世界の枯渇は改善しないよね!その辺りはどうなの!……返事をしろ!」
「いや、アンジュ。普通は生きてはいないだろう?古代の人だ……人って言っていいのかわからないが」
絶対にいるはずだ。このダンジョンを管理する存在としてだ。
『言葉の問題は我々と人との発音が違うため仕方がない。私と会った次の階層で鎖に干渉されておけば、言葉は理解できたはずだ』
私の耳に一階層で会った妹もどきが素に戻ったときに聞いた声が聞こえてきた。
そこに視線を向けようにも私の視界は真っ暗だ。
「ルディ!手が邪魔!」
「アンジュに転移の術式を見せるわけにはいかない」
「いや!そこに獅子王がいるはずだよね!」
私は声が聞こえてきた方に向って指を差す。
「いや……誰もいないが?」
「今度は幻聴!本当にここはなに!」
私が叫んでいるとクスクスと笑い声まで聞こえてきた。凄くぶん殴りたい衝動が沸き起こってくる。
私がおかしい子みたいになってしまっている。絶対に何か原因があるはずだ。私だけ見えるものと聞こえるものがあるっていうが原因だ。
『サディエラとシュマリの意は同じであるからな。同化が起こっても致し方ない。それで、これを見た後でも私を解放しようと思うのか?』
私が聞きたいことと全く違う答えが返ってきた。それも誰だよって思う名前が増えていた。サディとシュマリって誰のこと!
「解放するのは、ここの常闇を閉じるときだね!貴方はここで、黒狐の王妃が出て来ないようにしているのでしょ!」
私が質問に答えて聞き返したのに、返ってきたのはクスリという笑い声だった。それは何に対して笑っているわけ?
『世界の力の枯渇の対処方は、全ての闇を閉じた後に発動するように仕込んである。何も心配はない』
「それ信用ならないけど?世界の力を持つ者を、全て虐殺って言いそうだからね」
クスクスという笑い声が、私を余計に苛つかせる。こいつ、肝心なことには絶対に答えないタイプだ。
この辺りが黒狐の王妃を怒らせた原因なのだろう。相談もせずに勝手に突き進んで、獣人たちを殺すことを選択したことだ。
そして、その笑い声が突如と途切れ、辺りから流れるような力のうねりを感じていたのが無くなった。どうやら転移してしまったようだ。
結局、胸糞悪くなったダンジョン探索は終わりを告げたのだった。
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約60話ほどかかってダンジョン探索は完了しました。長かった……。
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