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361 団長の決意
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「太陽の聖女様のお言葉、この身の未熟さを指摘され、恥じるばかりです」
私は別に団長を責めているわけではないよ。
「私自身が出撃します」
「は?」
え?団長が戦いに出るの?
いや悪いことではないけど、ここの護りのためにいるものだと私は思っていた。
「団長。貴方自身が本隊を率いて戦うというのであれば、副団長を行かせればいいのです」
侍従、そのとおりだよね。副団長って一度も見たことないけどね。
「いや、リュミエール様が動かれているのに、私が動かないなど、それこそ怠慢というものだ」
団長はそう言って、酒吞の前から移動し、背中を向けて去っていく。その姿はまさに騎士。覚悟を決めた騎士の姿だった。
「はぁ。団長が動かれるのであれば、戦局は一気に傾くでしょうが、それでも一週間後までに間に合うかわからないではないですか」
侍従のつぶやきが聞こえてきた。一週間後のこだわりが強すぎると思う。なんだかんだと言って、お兄ちゃん好きだよね。
「そうだね。自分の目を頼りすぎないことだね。気づいている?彼らが第十三部隊の見習い騎士だって」
「は?」
「多分、そこまで脅威に感じていないだろうから言っておくとね。一番恐ろしいのは人の心に入り込んでくる異形だよ。王城の戦いは見た目や言葉に騙されない者を選んでね」
私は酒吞の背を叩いて、わたしたちの目的を果たすように促す。
「ちょっと待ちなさい。さっき聞き捨てならない言葉が聞こえましたが?」
「別に朧と同じだよ。気にすることないよ」
「ああ、いつのまにか他の黒狼も手懐けていたのですか。扱いには気をつけてくださいよ」
あれ?なんだか酒吞たちを黒狼と勘違いしている。まぁいいか。背を向けて去る侍従に視線を向ける。
そうか、黒狼たちと酒吞と茨木の違いに気付かないのか。確かに偽物の王様も強いのだろうけど、酒吞と茨木は格が違う。
こういうところが、苦戦を強いているところになるのかもしれない。
「アマテラス。結局バレちまったな」
「アンジュ様が麒麟を馬鹿など……凄く項垂れていますが」
腕の中の馬鹿……麒麟をみると白目を向いて力なく項垂れていた。
え?気を失うことってあったのかな?
「バレたのは仕方がないよ。馬鹿が気配を全く消していなかったから」
『ぐはぁ!!』
なにか。抱えてる馬鹿が痙攣し始めているけど、これ大丈夫なの?
シェーンに渡していいのか心配になってきた。いや、翻訳機能さえしてくれればいいのだ。
高望みはしてはいけない。
「あとで青嵐と月影に文句を言っておこう。麒麟はただの頭でっかちだって」
『グフッ』
あ、動かなくなった。
「ここです」
朧が見張りがいる扉を指した。そしていつの間にか団長と侍従の姿をとっている鬼の二人が、扉の見張りを威圧している。
今回は直ぐに出ていくつもりだから、そのままついて部屋の中にはいる。
「何?さっきも来たじゃない」
ベッドの上で、三角座りをしているシェーンが声をかけてきた。頭の上の皿は聖女らしく光っているけど、その姿から、彼女の現状は部屋が変わっただけで、あまり改善されていないように感じる。
さっきすれ違った侍従たちはこの部屋から出てきたところだったようだ。
「シェーン。私だよ」
私は朧に術を解いてもらって、酒吞の背後から顔をだした。
「あっ!アンジュじゃない!っていうことはこれは酒吞童子と茨木童子なの?」
「そうだね。今日はシェーンに渡すものがあるんだよ」
そう言って、私は意識を飛ばしている麒麟を叩き起こす。
『はっ!』
目を覚ました子犬ほどの大きさの麒麟を、シェーンに差し出した。
「なにこれ?」
「麒麟だよ」
「レア霊獣!ちっさ!」
『ぐはぁ!』
「あ……また失神した。本当にこれ大丈夫?」
取り敢えず、叩き起こすか。
パチパチと麒麟の頬を叩く。
「霊獣はプライドが高いと聞きますから、馬と鹿は流石に堪えたのではないのでしょうか?」
茨木が指摘してくれた。だけど隠密行動で、気配を消せないって駄目だよね。
「心が激弱ってことだね」
喚び出したモノって弱くなるのかなぁ?ヘビ共もさめざめと泣くことが多いし。
「うーん。護衛としては意味をなさないと思うけど、側に置いてみてよ」
「それよりも、このレアってどこで手にいれたの?」
「シェーンの為に探して来てもらった」
「私のため?」
「そう、シェーンって変わった言葉を時々使うよね。それの通訳として使って欲しい。これで他の人と意思の疎通ができると思う」
するとシェーンは意識がない麒麟をベッドの上に置いて、私の手を両手で握ってきた。
「ありがとう!私のためにレア霊獣を探して来てくれて!」
探して来たのは私ではなくて、使えないヘビ共だけどね。
「あ、あとこの勾玉が麒麟の住処みたいなものだから」
私の手を握っているシェーンの手を外して、代わりに琥珀の勾玉を握らせた。そう言えば、元に戻したら元気になるのかなぁ。
私は別に団長を責めているわけではないよ。
「私自身が出撃します」
「は?」
え?団長が戦いに出るの?
いや悪いことではないけど、ここの護りのためにいるものだと私は思っていた。
「団長。貴方自身が本隊を率いて戦うというのであれば、副団長を行かせればいいのです」
侍従、そのとおりだよね。副団長って一度も見たことないけどね。
「いや、リュミエール様が動かれているのに、私が動かないなど、それこそ怠慢というものだ」
団長はそう言って、酒吞の前から移動し、背中を向けて去っていく。その姿はまさに騎士。覚悟を決めた騎士の姿だった。
「はぁ。団長が動かれるのであれば、戦局は一気に傾くでしょうが、それでも一週間後までに間に合うかわからないではないですか」
侍従のつぶやきが聞こえてきた。一週間後のこだわりが強すぎると思う。なんだかんだと言って、お兄ちゃん好きだよね。
「そうだね。自分の目を頼りすぎないことだね。気づいている?彼らが第十三部隊の見習い騎士だって」
「は?」
「多分、そこまで脅威に感じていないだろうから言っておくとね。一番恐ろしいのは人の心に入り込んでくる異形だよ。王城の戦いは見た目や言葉に騙されない者を選んでね」
私は酒吞の背を叩いて、わたしたちの目的を果たすように促す。
「ちょっと待ちなさい。さっき聞き捨てならない言葉が聞こえましたが?」
「別に朧と同じだよ。気にすることないよ」
「ああ、いつのまにか他の黒狼も手懐けていたのですか。扱いには気をつけてくださいよ」
あれ?なんだか酒吞たちを黒狼と勘違いしている。まぁいいか。背を向けて去る侍従に視線を向ける。
そうか、黒狼たちと酒吞と茨木の違いに気付かないのか。確かに偽物の王様も強いのだろうけど、酒吞と茨木は格が違う。
こういうところが、苦戦を強いているところになるのかもしれない。
「アマテラス。結局バレちまったな」
「アンジュ様が麒麟を馬鹿など……凄く項垂れていますが」
腕の中の馬鹿……麒麟をみると白目を向いて力なく項垂れていた。
え?気を失うことってあったのかな?
「バレたのは仕方がないよ。馬鹿が気配を全く消していなかったから」
『ぐはぁ!!』
なにか。抱えてる馬鹿が痙攣し始めているけど、これ大丈夫なの?
シェーンに渡していいのか心配になってきた。いや、翻訳機能さえしてくれればいいのだ。
高望みはしてはいけない。
「あとで青嵐と月影に文句を言っておこう。麒麟はただの頭でっかちだって」
『グフッ』
あ、動かなくなった。
「ここです」
朧が見張りがいる扉を指した。そしていつの間にか団長と侍従の姿をとっている鬼の二人が、扉の見張りを威圧している。
今回は直ぐに出ていくつもりだから、そのままついて部屋の中にはいる。
「何?さっきも来たじゃない」
ベッドの上で、三角座りをしているシェーンが声をかけてきた。頭の上の皿は聖女らしく光っているけど、その姿から、彼女の現状は部屋が変わっただけで、あまり改善されていないように感じる。
さっきすれ違った侍従たちはこの部屋から出てきたところだったようだ。
「シェーン。私だよ」
私は朧に術を解いてもらって、酒吞の背後から顔をだした。
「あっ!アンジュじゃない!っていうことはこれは酒吞童子と茨木童子なの?」
「そうだね。今日はシェーンに渡すものがあるんだよ」
そう言って、私は意識を飛ばしている麒麟を叩き起こす。
『はっ!』
目を覚ました子犬ほどの大きさの麒麟を、シェーンに差し出した。
「なにこれ?」
「麒麟だよ」
「レア霊獣!ちっさ!」
『ぐはぁ!』
「あ……また失神した。本当にこれ大丈夫?」
取り敢えず、叩き起こすか。
パチパチと麒麟の頬を叩く。
「霊獣はプライドが高いと聞きますから、馬と鹿は流石に堪えたのではないのでしょうか?」
茨木が指摘してくれた。だけど隠密行動で、気配を消せないって駄目だよね。
「心が激弱ってことだね」
喚び出したモノって弱くなるのかなぁ?ヘビ共もさめざめと泣くことが多いし。
「うーん。護衛としては意味をなさないと思うけど、側に置いてみてよ」
「それよりも、このレアってどこで手にいれたの?」
「シェーンの為に探して来てもらった」
「私のため?」
「そう、シェーンって変わった言葉を時々使うよね。それの通訳として使って欲しい。これで他の人と意思の疎通ができると思う」
するとシェーンは意識がない麒麟をベッドの上に置いて、私の手を両手で握ってきた。
「ありがとう!私のためにレア霊獣を探して来てくれて!」
探して来たのは私ではなくて、使えないヘビ共だけどね。
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