44 / 45
四十一、グロリアの賭け
しおりを挟む
「アマリア、わたくしは賭けにでるぞ」
その言葉にどれだけの想いが籠められていたのだろう。
アンノさんが言っていた満月の日の夜会を終えた次の日、彼女曰く物語は始まったのだそうだ。疲れた顔をしながらも、あの日記帳を毎日楽しそうに読んでいると報告されている。そして、彼女の中では『聖女』から『神の愛し子』に進化していた。
彼女の物語通りにいけば、次は『北の辺境伯家と隣国の王太子』からの縁談になる。これは一応再現してアンノさんには伝える事になるが、私とエドヴァルド様はすでに婚約している。弟君もすでに結婚していてフェルン家にはお相手となりそうな方はいない。
隣国の王家はヴォワザン王国のシャンドル殿下が協力してくださる。ヴォワザン王国の南の近海にある島は王家の所有する島で、そこで<ヒョウイシャ>の研究をしているそうだ。そこを隣国の王国として第三王子が彼女を求めているとする。
私には『北の辺境伯家』から、アンノさんには『隣国の王家』からと伝えればフェルン家に嫁げない彼女がショックを受けて弱るのではないかと。
「弱っている彼女ならそれでもいけそうだけど、こう決定打に欠けているね」
「王太子殿下……」
一大プロジェクトとなってしまったこの計画には、王太子夫妻も参加されている。
「そうだな。こうガツンっと決めてやれる何かが足りないと私も思う」
「ヴィルヘルミーナ様まで……」
ああでもないこうでもないと話し合いは続くが、結局はまず縁談話をしてからの様子見となった。グロリアとヴィルヘルミーナ様が意気投合して「いつか魔獣狩りを一緒にしよう!」などと約束をしている。将来の王妃様、逞しすぎませんか?クリスティアン兄様は相変わらず楽しそうに二人を見ているだけで止めない。今日はセシリア様がいらっしゃらないので止めてくださる方がいないのだった。
応接室に集まり、父から伝えられた縁談の話。ちらりとアンノさんの様子をうかがうが特に変わりはない。何も変化のない彼女に失敗したのだろうかと思わず唇を噛んでしまった。彼女は話はもうないと言わんばかりにふらりと部屋から出ていった。
「…………」
沈黙が支配するこの部屋で父のため息によりこの作戦が上手くいかなかった事を察した。やはり、兄様がおっしゃったように決定打に欠けているのだろうか。
その日の夜、また話し合うべくみなが集まっていた。そこでグロリアが言ったのだ。賭けにでると――。
「グロリア、賭けって何をする気なの?」
「危ない事は許しませんからね」
姉と二人で問い詰めるように聞き出せば、あの後のアンノさんが考えた計画が聞けた。彼女は私と入れ替わってフェルン家に嫁ごうとしていた。
「あなた達はたしかに双子だわ。でも、背丈も髪の色も目の色も顔つきも違うわよ」
姉が呆れているのはしかたがない。私達は双子だが二卵性で、グロリアは父似で私は王太后様に似ているのだ。姉妹として似ているところもあるが、まず系統が違う。
「へぇ、彼女って馬鹿なのかな?」
兄様は辛辣だ。さすがにアンノさんが可哀そうなので、もう少し表現を和らげて欲しい。
「わたくしも聞いていて呆れてしまった。あの人は前にアマリアとは似ていないと自分で言っていたのだ」
「自分の都合のいいように捉えているのだろうね」
あの妄想小説を読んでみればアンノさんが設定をころころ変えているのがよくわかる。だから今回もそれなのだろう。
「そこで賭けなのだ。ここで最大のダメージを与えるべく、エドヴァルド様にお願いしたい」
「俺にか?」
今日の話し合いにはエドヴァルド様も参加されている。急に話をふられて驚いているが、納得したのか頷いて「わかった」と了承された。
「成程ね。最愛の男に完膚なきまで拒絶されれば、さすがにその妄想女でもショックは受けるだろうね」
「最愛言うな。気持ち悪い……俺の最愛はアマリアだ」
「もう、エドヴァルド様!」
また不意打ちでそのような事を!
嬉しいけど、場所を考えて発言してください。嬉しいけど。
「そうだよね。知っていると思うが私の最愛は妻のヴィルヘルミーナだよ」
「で、ででで殿下!?」
兄様は対抗してなのか妻のところを強調して、そう言われた。ヴィルヘルミーナ様も顔が真っ赤だ。
「あの女には明日にでも接触しよう。成功するかはわからんが、拒絶すればいいだけだ」
「申し訳ない。わたくしにはこれしか思い浮かばなかった」
「かまわない。成功する事でアマリアを安心させる事ができる」
「エドヴァルド様……」
「ありがとうございます。頼みました、義弟殿」
「義弟……たしかに義弟だ。認められて嬉しいのに、なんだこの複雑さは」
しおらしく頭を下げてお願いしていたはずのグロリアの顔が、ニヤリと笑っている。その顔に祖父の面影を見てしまい、エドヴァルド様も同じ事を想ったのか顔を引きつらせて「ジジイにそっくりか」と小さく呟いていた。
「君を愛することなど絶対にない」
冷たさを含んだ拒絶の言葉が廊下に響いた。
近くの部屋からこっそり覗いていた私達にも伝わるくらい静かな冷たい声だった。
足早に去っていくエドヴァルド様は作戦通りに角を曲がって姿を消しただろう。昨夜話したように、ここで待ち伏せをして彼女を拒絶する。それをこの部屋で確認しているのだ。
アンノさんの顔から血の気が引いて、先程まで期待に目を輝かせていたはずなのにその目は光もなく何も映っていない暗い瞳だった。両手で身体を抱きしめる事で震えを抑えているようだが、一向に収まる気配もない。フラフラと動き出してゆっくり自室に向かっていく。
「これは、成功したのでしょうか?」
「どうだろうね。でも、かなりショックは受けたみたいだよ」
「今がチャンスなのかもしれませんわね」
エドヴァルド様と合流し彼女の部屋へ向かう。そこはグロリアの部屋ではなくアンノさんの部屋だ。グロリアの部屋は小さい頃から私達が夜に会うためのあの部屋になっている。
扉の前で待つこの時間は不安と期待で押しつぶされそうだ。それでもグロリアだって頑張っているのだから信じて待つ。
長いような短いようなこの時間を終わらせるように、扉は静かに開く。
マリタが促すように私達を招いてくれて、その先に立つのは――。
「成功だぞ!」
前髪をあげて両手を腰に当てて立っている、私の大切な半身だ。
その言葉にどれだけの想いが籠められていたのだろう。
アンノさんが言っていた満月の日の夜会を終えた次の日、彼女曰く物語は始まったのだそうだ。疲れた顔をしながらも、あの日記帳を毎日楽しそうに読んでいると報告されている。そして、彼女の中では『聖女』から『神の愛し子』に進化していた。
彼女の物語通りにいけば、次は『北の辺境伯家と隣国の王太子』からの縁談になる。これは一応再現してアンノさんには伝える事になるが、私とエドヴァルド様はすでに婚約している。弟君もすでに結婚していてフェルン家にはお相手となりそうな方はいない。
隣国の王家はヴォワザン王国のシャンドル殿下が協力してくださる。ヴォワザン王国の南の近海にある島は王家の所有する島で、そこで<ヒョウイシャ>の研究をしているそうだ。そこを隣国の王国として第三王子が彼女を求めているとする。
私には『北の辺境伯家』から、アンノさんには『隣国の王家』からと伝えればフェルン家に嫁げない彼女がショックを受けて弱るのではないかと。
「弱っている彼女ならそれでもいけそうだけど、こう決定打に欠けているね」
「王太子殿下……」
一大プロジェクトとなってしまったこの計画には、王太子夫妻も参加されている。
「そうだな。こうガツンっと決めてやれる何かが足りないと私も思う」
「ヴィルヘルミーナ様まで……」
ああでもないこうでもないと話し合いは続くが、結局はまず縁談話をしてからの様子見となった。グロリアとヴィルヘルミーナ様が意気投合して「いつか魔獣狩りを一緒にしよう!」などと約束をしている。将来の王妃様、逞しすぎませんか?クリスティアン兄様は相変わらず楽しそうに二人を見ているだけで止めない。今日はセシリア様がいらっしゃらないので止めてくださる方がいないのだった。
応接室に集まり、父から伝えられた縁談の話。ちらりとアンノさんの様子をうかがうが特に変わりはない。何も変化のない彼女に失敗したのだろうかと思わず唇を噛んでしまった。彼女は話はもうないと言わんばかりにふらりと部屋から出ていった。
「…………」
沈黙が支配するこの部屋で父のため息によりこの作戦が上手くいかなかった事を察した。やはり、兄様がおっしゃったように決定打に欠けているのだろうか。
その日の夜、また話し合うべくみなが集まっていた。そこでグロリアが言ったのだ。賭けにでると――。
「グロリア、賭けって何をする気なの?」
「危ない事は許しませんからね」
姉と二人で問い詰めるように聞き出せば、あの後のアンノさんが考えた計画が聞けた。彼女は私と入れ替わってフェルン家に嫁ごうとしていた。
「あなた達はたしかに双子だわ。でも、背丈も髪の色も目の色も顔つきも違うわよ」
姉が呆れているのはしかたがない。私達は双子だが二卵性で、グロリアは父似で私は王太后様に似ているのだ。姉妹として似ているところもあるが、まず系統が違う。
「へぇ、彼女って馬鹿なのかな?」
兄様は辛辣だ。さすがにアンノさんが可哀そうなので、もう少し表現を和らげて欲しい。
「わたくしも聞いていて呆れてしまった。あの人は前にアマリアとは似ていないと自分で言っていたのだ」
「自分の都合のいいように捉えているのだろうね」
あの妄想小説を読んでみればアンノさんが設定をころころ変えているのがよくわかる。だから今回もそれなのだろう。
「そこで賭けなのだ。ここで最大のダメージを与えるべく、エドヴァルド様にお願いしたい」
「俺にか?」
今日の話し合いにはエドヴァルド様も参加されている。急に話をふられて驚いているが、納得したのか頷いて「わかった」と了承された。
「成程ね。最愛の男に完膚なきまで拒絶されれば、さすがにその妄想女でもショックは受けるだろうね」
「最愛言うな。気持ち悪い……俺の最愛はアマリアだ」
「もう、エドヴァルド様!」
また不意打ちでそのような事を!
嬉しいけど、場所を考えて発言してください。嬉しいけど。
「そうだよね。知っていると思うが私の最愛は妻のヴィルヘルミーナだよ」
「で、ででで殿下!?」
兄様は対抗してなのか妻のところを強調して、そう言われた。ヴィルヘルミーナ様も顔が真っ赤だ。
「あの女には明日にでも接触しよう。成功するかはわからんが、拒絶すればいいだけだ」
「申し訳ない。わたくしにはこれしか思い浮かばなかった」
「かまわない。成功する事でアマリアを安心させる事ができる」
「エドヴァルド様……」
「ありがとうございます。頼みました、義弟殿」
「義弟……たしかに義弟だ。認められて嬉しいのに、なんだこの複雑さは」
しおらしく頭を下げてお願いしていたはずのグロリアの顔が、ニヤリと笑っている。その顔に祖父の面影を見てしまい、エドヴァルド様も同じ事を想ったのか顔を引きつらせて「ジジイにそっくりか」と小さく呟いていた。
「君を愛することなど絶対にない」
冷たさを含んだ拒絶の言葉が廊下に響いた。
近くの部屋からこっそり覗いていた私達にも伝わるくらい静かな冷たい声だった。
足早に去っていくエドヴァルド様は作戦通りに角を曲がって姿を消しただろう。昨夜話したように、ここで待ち伏せをして彼女を拒絶する。それをこの部屋で確認しているのだ。
アンノさんの顔から血の気が引いて、先程まで期待に目を輝かせていたはずなのにその目は光もなく何も映っていない暗い瞳だった。両手で身体を抱きしめる事で震えを抑えているようだが、一向に収まる気配もない。フラフラと動き出してゆっくり自室に向かっていく。
「これは、成功したのでしょうか?」
「どうだろうね。でも、かなりショックは受けたみたいだよ」
「今がチャンスなのかもしれませんわね」
エドヴァルド様と合流し彼女の部屋へ向かう。そこはグロリアの部屋ではなくアンノさんの部屋だ。グロリアの部屋は小さい頃から私達が夜に会うためのあの部屋になっている。
扉の前で待つこの時間は不安と期待で押しつぶされそうだ。それでもグロリアだって頑張っているのだから信じて待つ。
長いような短いようなこの時間を終わらせるように、扉は静かに開く。
マリタが促すように私達を招いてくれて、その先に立つのは――。
「成功だぞ!」
前髪をあげて両手を腰に当てて立っている、私の大切な半身だ。
0
あなたにおすすめの小説
冷徹宰相様の嫁探し
菱沼あゆ
ファンタジー
あまり裕福でない公爵家の次女、マレーヌは、ある日突然、第一王子エヴァンの正妃となるよう、申し渡される。
その知らせを持って来たのは、若き宰相アルベルトだったが。
マレーヌは思う。
いやいやいやっ。
私が好きなのは、王子様じゃなくてあなたの方なんですけど~っ!?
実家が無害そう、という理由で王子の妃に選ばれたマレーヌと、冷徹宰相の恋物語。
(「小説家になろう」でも公開しています)
【完結】仕事のための結婚だと聞きましたが?~貧乏令嬢は次期宰相候補に求められる
仙冬可律
恋愛
「もったいないわね……」それがフローラ・ホトレイク伯爵令嬢の口癖だった。社交界では皆が華やかさを競うなかで、彼女の考え方は異端だった。嘲笑されることも多い。
清貧、質素、堅実なんていうのはまだ良いほうで、陰では貧乏くさい、地味だと言われていることもある。
でも、違う見方をすれば合理的で革新的。
彼女の経済観念に興味を示したのは次期宰相候補として名高いラルフ・バリーヤ侯爵令息。王太子の側近でもある。
「まるで雷に打たれたような」と彼は後に語る。
「フローラ嬢と話すとグラッ(価値観)ときてビーン!ときて(閃き)ゾクゾク湧くんです(政策が)」
「当代随一の頭脳を誇るラルフ様、どうなさったのですか(語彙力どうされたのかしら)もったいない……」
仕事のことしか頭にない冷徹眼鏡と無駄使いをすると体調が悪くなる病気(メイド談)にかかった令嬢の話。
「転生したら推しの悪役宰相と婚約してました!?」〜推しが今日も溺愛してきます〜 (旧題:転生したら報われない悪役夫を溺愛することになった件)
透子(とおるこ)
恋愛
読んでいた小説の中で一番好きだった“悪役宰相グラヴィス”。
有能で冷たく見えるけど、本当は一途で優しい――そんな彼が、報われずに処刑された。
「今度こそ、彼を幸せにしてあげたい」
そう願った瞬間、気づけば私は物語の姫ジェニエットに転生していて――
しかも、彼との“政略結婚”が目前!?
婚約から始まる、再構築系・年の差溺愛ラブ。
“報われない推し”が、今度こそ幸せになるお話。
ゲーム未登場の性格最悪な悪役令嬢に転生したら推しの妻だったので、人生の恩人である推しには離婚して私以外と結婚してもらいます!
クナリ
ファンタジー
江藤樹里は、かつて画家になることを夢見ていた二十七歳の女性。
ある日気がつくと、彼女は大好きな乙女ゲームであるハイグランド・シンフォニーの世界へ転生していた。
しかし彼女が転生したのは、ヘビーユーザーであるはずの自分さえ知らない、ユーフィニアという女性。
ユーフィニアがどこの誰なのかが分からないまま戸惑う樹里の前に、ユーフィニアに仕えているメイドや、樹里がゲーム内で最も推しているキャラであり、どん底にいたときの自分の心を救ってくれたリルベオラスらが現れる。
そして樹里は、絶世の美貌を持ちながらもハイグラの世界では稀代の悪女とされているユーフィニアの実情を知っていく。
国政にまで影響をもたらすほどの悪名を持つユーフィニアを、最愛の恩人であるリルベオラスの妻でいさせるわけにはいかない。
樹里は、ゲーム未登場ながら圧倒的なアクの強さを持つユーフィニアをリルベオラスから引き離すべく、離婚を目指して動き始めた。
中身は80歳のおばあちゃんですが、異世界でイケオジ伯爵に溺愛されています
浅水シマ
ファンタジー
【完結しました】
ーー人生まさかの二週目。しかもお相手は年下イケオジ伯爵!?
激動の時代を生き、八十歳でその生涯を終えた早川百合子。
目を覚ますと、そこは異世界。しかも、彼女は公爵家令嬢“エマ”として新たな人生を歩むことに。
もう恋愛なんて……と思っていた矢先、彼女の前に現れたのは、渋くて穏やかなイケオジ伯爵・セイルだった。
セイルはエマに心から優しく、どこまでも真摯。
戸惑いながらも、エマは少しずつ彼に惹かれていく。
けれど、中身は人生80年分の知識と経験を持つ元おばあちゃん。
「乙女のときめき」にはとっくに卒業したはずなのに――どうしてこの人といると、胸がこんなに苦しいの?
これは、中身おばあちゃん×イケオジ伯爵の、
ちょっと不思議で切ない、恋と家族の物語。
※小説家になろうにも掲載中です。
【コミカライズ決定】魔力ゼロの子爵令嬢は王太子殿下のキス係
ayame@コミカライズ決定
恋愛
【ネトコン12受賞&コミカライズ決定です!】私、ユーファミア・リブレは、魔力が溢れるこの世界で、子爵家という貴族の一員でありながら魔力を持たずに生まれた。平民でも貴族でも、程度の差はあれど、誰もが有しているはずの魔力がゼロ。けれど優しい両親と歳の離れた後継ぎの弟に囲まれ、贅沢ではないものの、それなりに幸せな暮らしを送っていた。そんなささやかな生活も、12歳のとき父が災害に巻き込まれて亡くなったことで一変する。領地を復興させるにも先立つものがなく、没落を覚悟したそのとき、王家から思わぬ打診を受けた。高すぎる魔力のせいで身体に異常をきたしているカーティス王太子殿下の治療に協力してほしいというものだ。魔力ゼロの自分は役立たずでこのまま穀潰し生活を送るか修道院にでも入るしかない立場。家族と領民を守れるならと申し出を受け、王宮に伺候した私。そして告げられた仕事内容は、カーティス王太子殿下の体内で暴走する魔力をキスを通して吸収する役目だったーーー。_______________
【完結】身代わりに病弱だった令嬢が隣国の冷酷王子と政略結婚したら、薬師の知識が役に立ちました。
朝日みらい
恋愛
リリスは内気な性格の貴族令嬢。幼い頃に患った大病の影響で、薬師顔負けの知識を持ち、自ら薬を調合する日々を送っている。家族の愛情を一身に受ける妹セシリアとは対照的に、彼女は控えめで存在感が薄い。
ある日、リリスは両親から突然「妹の代わりに隣国の王子と政略結婚をするように」と命じられる。結婚相手であるエドアルド王子は、かつて幼馴染でありながら、今では冷たく距離を置かれる存在。リリスは幼い頃から密かにエドアルドに憧れていたが、病弱だった過去もあって自分に自信が持てず、彼の真意がわからないまま結婚の日を迎えてしまい――
王子様とずっと一緒にいる方法
秋月真鳥
恋愛
五歳のわたくし、フィーネは姉と共に王宮へ。
そこで出会ったのは、襲われていた六歳の王太子殿下。
「フィーネ・エルネスト、助太刀します! お覚悟ー!」
身長を超える大剣で暗殺者を一掃したら、王子様の学友になっちゃった!
「フィーネ嬢、わたしと過ごしませんか?」
「王子様と一緒にいられるの!?」
毎日お茶して、一緒にお勉強して。
姉の恋の応援もして。
王子様は優しくて賢くて、まるで絵本の王子様みたい。
でも、王子様はいつか誰かと結婚してしまう。
そうしたら、わたくしは王子様のそばにいられなくなっちゃうの……?
「ずっとわたしと一緒にいる方法があると言ったら、フィーネ嬢はどうしますか?」
え? ずっと一緒にいられる方法があるの!?
――これは、五歳で出会った二人が、時間をかけて育む初恋の物語。
彼女はまだ「恋」を知らない。けれど、彼はもう決めている――。
※貧乏子爵家の天真爛漫少女×策略王子の、ほのぼのラブコメです。
※ノベルアップ+、小説家になろうでも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる