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:1-7都市内部:
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都市の上階にあるデパートから、オズがエレベーターで地上に降りようとしていた。エレベーターの空間には彼一人だけだった。ビル側面に設置されたガラス張りの景色からは地上を歩く人の様子が伺えないくらい高く、時折エレベーターが不規則に揺れる。
「......」
彼は天井に当たる程山積みした紙袋を片手に抱え直して、お使い分のメモを取り出す。
___乱雑に書かれたメモを見つめていると、メモの背後......エレベーターの床に、正確に描かれた魔法陣がエレベーターの中央に現れる。オズは反射的に視線をメモから目の前に現れた魔法陣へ正確に捉える。黄金色、ちゃりちゃりと小さなネックレスを転がすような音と共に光の鎖が転送の魔法陣を描いていた。オズはため息をつき、メモを内ポケットにしまって懐に手を伸ばす。ポケットの中で安全装置を外し、ものが転送されるのをじっと待つ、外を見やっても地上はまだ遠い。
「......あ、あの」
円筒状に伸びてすぐ後霧散していった転送魔法の中には、黒いショートヘアの......技研の制服を着た女の子が現れる。オズも彼女も、一瞬状況がつかめずお互いを見つめたまま固まってしまっていた。
「......お前」
「わわ!う、撃たないでください!違います!」
続けてミリアと名乗った少女の発言から、オズは身体を強張らせる。大荷物でこちらの姿はほとんど見えていないし、拳銃も懐から出してない。気配だけで何を掴んでいるかバレていたからだ。___まるでメアを相手にしているようだ、とオズは胸の奥から妙な笑いが込み上げてくるのを感じていた___。
「お、オズ......さん、ですか?」
「......その名前で呼ぶんなら、メアに送られてきたんだな」
「本当は、違うんですか?」
「本当はオーウェンズ・コールハート」
「それでオズ......」
「そう......で、お前は?なんで僕の所に?」
オズは頭上を見上げ、広角の監視カメラが荷物で隠れているのを確認して、ほっと息を吐く。窓の外へ目を向けながら銃の安全装置を掛けてミリアの方へ顔を向けた。
「"図書館へこの子をお願い"......ってメアさんが言っていました」
「メアは君をどこから転送したんだ?」
「魔導技研の......地下駐車場です」
「まぁ、そう言う展開になると思ってたとこだよ___」
「どういう......?」
オズはそのまま監視カメラを荷物で叩き潰し、その場でしゃがんで狙撃銃を組み立てはじめる。手早く組み上げると息を止め、間隔を開けて二発放つ。瞬間、スコープを覗いていた右目の視界が吸い込まれていった。弾丸に書き加えられた視線共有魔法が発動し、オズの右目へ投影されていた。超高速で景色が背後へ伸びてゆく。その中に技研の建物を見つけ、その地下駐車場入り口へ弾丸がカーブして入っていった。2発目もそれに続いてトンネル内へ入っていき、兵士の間を縫いながら蒼い髪の少女へ弾丸が命中する。その場面を最後に、右目の投影が解除されるのを確認し、そのまま紙袋へ狙撃銃を乱雑に突っ込んだ。エレベータのガラス壁には小さな弾痕が一つだけできている。
「よし、ついてこい」
「今何を......あと、ここまだ地上じゃないですよ?」
「いいから来い、はぐれるなよ」
「......?」
二人が降りた階層は大型の衣類店だった。オズはミリアの手を引っ張りながら客の波を縫って、近場の試着室へミリアを押し込む。
「あの、オーウェンズさん?」
「オズでいい......さっきエレベーターから見えた、地上の動きが怪しいから着替えるんだ」
紙袋をいくつか降ろして、中から服や靴を引っ張り出して試着室へ放り込む。......いくらか時間が経過して中から着替え終わったミリアが出てくる。
「___よし、服、靴両方ともサイズも問題ないな、出よう」
「......なんで女の子の服を?」
「うちの主様用に買ったやつなんだよ」
「良かったんですか......?」
「緊急だからな、許してくれるだろう」
裏の階段を使って二人は地上へ出る。建物を反射して四方から日の光が差し、人の通りも多くなっていた。オズは周囲を一通り見渡すと、再びミリアを引っ張って人の波をかき分け元来たバイクの方向へ進んでいく。
「伏せろッ」
「わ!」
二人が建物の柱の陰で伏せると同時に、三機の無人機が編隊を組んで頭上を横切っていった。通り過ぎて行く無人機の側面に、技研のマークが記されているのをオズは視界に捉えて再び歩き出す。
「面倒だな」
オズはポケットから携帯を取り出して電話を掛ける。
「おい!今どこだ、すぐ返事しろッ」
スピーカー内から鎖が何かにぶつかる音や、殴るような音が聞こえた後、メアの声が聞こえてきた。
「タイミング悪過ぎるよ、これから忙しいのに......そっちは?___」
オズとメアが電話越しにやり取りしている最中、ミリアは周囲の様子を見ていた。流れになって歩いて行く人々や周囲の建物を物珍しそうに見渡すが、遠くには無人機の影が視界に映る。自分たちの様子を疑う人間や近付く無人機は今のところ居ない。......メアを目の前にした時の様な吸血欲求は不思議と湧いてこない、普通に振舞っていられる。
「よし、荷物半分持ってくれ......行くぞミリア」
オズが人の波をかき分けながら背後へ声を張る。ミリアからは渡された荷物の所為で目の前の景色も見えず、繋いでいるオズの手だけしか見えてない。真上にはめまいがしそうな程に伸びた建物の奥に青空が辛うじて見えていた。
「おい、前見とけよ、こけるぞ」
「......青空」
「なんだ?」
「......青空、初めて見ました」
途中で無人機をやり過ごすために、複雑に絡まった横断歩道前で人ごみに隠れる。進行方向は信号の光が辛うじて見えるかどうかという具合に人で溢れかえっている。
「外に出たら、図書館に着くまで嫌と言うほど見れる、今は目の前に集中しとけよ?」
「外......?」
「___まるでゲームみたいなセリフだ」
「今、なんて?」
「いや何も、行くぞ」
前方の信号が一斉に緑色に変わり、人々は再び動き出す。___反対から向かってくる人の波の中に、オズは確かな殺気を感じすぐさま拳銃を取り出し、胴体へ二発撃ち込む。
「おい君!どうした⁉」
至近距離で放たれた弾丸は、銃口に取り付けられてた消音器によって音も無く対象に命中する。撃たれた相手は声も上げずにその場に倒れ込み、近くにいた男性に声を掛けられていた。
「おい誰か救急だ!連絡してくれ、人が倒れたんだ!」
「......う、撃ったんですか?」
男が周りに声を掛けている中、横をすり抜けながらオズに話し掛ける。
「ただの麻酔弾だ、心配ない......目覚めた時には僕らはここにいないだろう」
拳銃を握っている指の隙間に、空の薬莢が二発分挟まっているのをミリアに見せると内ポケットに全て仕舞込んだ。
「まだ、誰か来ます......!」
「どこからだ?」
二人が来た道を振り返ると、さっき撃った人間と似た雰囲気の男が数人こちらへ向かていた。
「逃げましょう‼」
「分かってる、行くぞ!」
二人は都市の大通りから近くの路地へ入り、雑多に積まれたごみや貨物を倒しながら二人は奥へ駆けていく。背後からは妨害を跳ね除ける破壊音が聞こえて、上空から男がマチェットを頭上に構えて振り下ろす。
「こっちは買い物帰りだぞ、面倒だなッ」
走りながら弾倉を交換し、消音器を背後へ投げつける。消音器に描かれた魔法陣が閃光と共に爆発し、着地した男は爆炎に巻かれて一瞬姿を消す。
___熱風が遠ざかり、煙の奥から見えてきたのは人の形を模した魔法陣の塊が宙に浮いている光景だった。直後にその魔法陣を纏った無表情な男となって現れ、背後から集まった数人と合流する。
「召化兵......!」
さっき先手を打てたのは偶然か、とオズは苦笑して見せるが、相手は機械の様な動作でこちらへ近付きながらマチェットを取り出していた。
「走るぞ!」
「こっちです、ついてきてください!」
「おい!」
「建物を出たら無人機が来ます!」
「どういうことだ!」
近くのドアをミリアが蹴り破って建物内へ二人は入っていく。どこかの店の勝手口から正面出入り口へ向かって駆けて行った。
「うおッ⁉紙袋が二体走ってきて......なワケないか!なんだよお前ら!」
「ご、ごめんなさぁい!」
「すぐ出ていく!」
「裏の扉ァ!直してくれるんだろうな⁉」
「此処に電話しろ、いいな!」
驚く店主へ名刺を投げつけ、店から出てすぐ背後から無人機が三機飛んできていた。オズはローター音のする方向へ瞬時に照準し、建物陰から現れた先頭の一機に撃ち込んみ背後の二機も巻き込んで地面に墜落させる。オズの放った銃声と無人機の墜落で辺りに悲鳴が響き、人の波が次第に乱れ逃げ惑う人で溢れかえる。
「おい、なんであそこまで分かったんだ?」
前を駆けていくミリアへオズが声を掛けた。
「え......っと、気配です!感じ取りました!」
「未来予知みたいに思えるな、召化兵っていうのはみんなそんな能力を?」
「分かりません、あそこにいた時、他の人たちを見たことがなかったので」
「そうか」
いくらか長距離用の歩道橋の上を走ると、遠くにバイクを止めた駐車場が見えてきた。二人は荷物を降ろし、近くの手すりに寄り掛かって都市の外とつながる巨大なゲートを見つめる。
「......今度、自動操縦の魔法陣でも書き足そう......追いかけっこも、かくれんぼもうんざりだ」
「魔法って、そんなこともできるんですか?いいなぁ」
「あぁ......お前は?何が得意なんだ?」
「私は......何も、扱えません」
「召化兵なのにか?」
「......」
オズは彼女の肌を注視するが、さっきまで追いかけていた召化兵のように文様は見当たらない。傍から見れば普通の女の子だった。
「アイツが連れさらってきたり、金属ドアを蹴り破った時点で、普通じゃなかったんだな......荷物も、軽々持ってたし」
「自分でもびっくりしてます......けどメアさんは私のことを、人間だって」
「"自分は人間だって意思が、少しでもあるならきみは人間だよ"......ってか?」
「どうして、その言葉を?」
「あいつは昔からな___」
遠くから救護用の赤色ランプを付けた無人機が担架を吊りながら通り過ぎていく。大きなサイレンがあたりに鳴り響き、風を切って飛び去って行った。
「......まぁそれはいいさ、休憩になっただろ?行こう」
「......」
ミリアに周囲の召化兵の気配を察知してもらいながら進んだが、この辺りにはまだ来ていないようだった。それどころかバイクのある駐車場に着いても、無人機もゲート警備の人間もいない。都市の外壁が近く、周囲は日が当たっていない。
「......怪しいな」
「辺りには何も居ませんよ?」
「それが怪しい......あれだけ騒がしくしたのに此処だけ静かなのは変だ」
「......早く出ましょう、私も嫌な予感がします」
バイクのエンジンをかけて、ゲートへつながるトンネルを通って行く。対向車もない、途中にある電光板にもなんの表示もされていない。自分たちが走らせているバイクの轟音だけが前後に響いているだけだった。
「......やっぱり変だ」
「どういう、ことですか?」
バイクを急停止させて、戻れるように車体の前後を壁へ向ける。
「逃げるのに必死で記憶が曖昧だが......なんで横断歩道の途中で、召化兵に出くわしたんだ?まだ本格的に配備されてるわけでもないのにあの対応の早さだ」
「それは、どこかで見つかって___」
「それなら普通に警備のやつらが来るだろ......?」
記憶を辿っている最中に、心臓が握られるような緊張に襲われた。ハンドルを握る両手に汗が滲んでくる。
「無人機......ドローンの機種、覚えてるか?」
「魔導技研のマークが側面に書いてあって......」
「あの時、シティガードの連中も無人機も、一瞬だって見かけなかったぞ......!」
オズはバイクを急発進させ、ゲートへ向かって走らせる。ミリアが尋常じゃない力で必死にしがみついてくるのを感じたが、痛みを跳ね除けれるぐらい必死にバイクを走らせていた。
「これは大変なことになってるぞ......!」
「どういうことですか⁉」
「技研がすり替わってるんだ......都市の機能と!技研製の兵器だって追いかけてくるかもしれないぞ!」
オズが大声を張り上げた瞬間ゲート付近の詰所から大型の無人機が飛び出してきた。二門搭載された機銃が轟音を上げ、道路のコンクリートをガラスのように抉っていく。
「銃、貸してください!」
背後から手が伸びて内ポケットから銃と予備の弾倉を取り出し、オズの頭上で撃ち尽くした。
「ふんッ!」
無人機の機銃付近へ銃弾は命中し、暴発させていた。すぐに空の弾倉を取り出して無人機へ向けて勢いよく投げる。バイクがバランスを崩すほどの力で投げられた空弾倉は無人機へめり込み、電気を走らせながら機能を停止させていた。
「ミリア、銃が使えるんならもっと前に___」
「さっきのを見て、それの真似ですよ!」
「......なんでもアリだな」
ゲートをくぐり、視界が一気に開ける。それと同時に遠くから無人機の塊が暗い雲の様に向かってきていた。
「い、痛い!何ですかこれ?」
ミリアが背後で小さく飛び上がると同時に銃撃音がして、蛍光色のプラスチック弾が近くで弾けるのが視界に映ると背中がひやりとした。
「予備の銃と弾全部ください、私が落とします」
「そんなに持ってきてないぞ、ほら」
ミリアが背後を向いて銃を両手で構える。集中している意識の中に暴れ出したいくらいの興奮を覚え、感覚が研ぎ澄まされていく。引き金を引いても反動を腕の中で殺しきり、正確に無人機の制御部分へ命中させていった。薬莢が地面に触れて後方へフェードアウトを繰り返し、その音に合わせて爆発音が聞こえてくる。
「メア......お前どこにいるんだ?」
周囲がさらに開けて、エンジン音が少しだけ収まるが、背後からは変わらず無人機のローター音が蜂の群れの様に迫ってきている。ミリアは撃墜させた無人機に他の無人機を接触させてより多く墜落させようとしているが、それでも間に合わない程の量が向かってきていた。
刹那、オズの周囲に小さな金の鎖が背後へ向かって無数に飛んでいくのが見えた。鎖が伸びている道路の先へ目を向けると、見知った少女が道路の真ん中に佇んでいる。右手はこちらへ向かってまっすぐ伸び、此方へ向けられた手の平には小さな光球が次第に大きくなっている最中だった。
「ミリア、飛ばすから掴まってろ!」
進行方向へ向き直って片手でオズの体へ抱きついているが、右手だけはまだ背後の無人機へ射撃を加えている。姿勢をさらに低くしてバイクをさらに加速させてゆく。背後の無人機群が遠ざかり、一瞬で道路上の少女の横を通り過ぎた。すぐさまブレーキをかけて、来た方向へ車体を向ける。
「......」
___周囲の音が数秒消え、無人機とその背後の都市へ巨大な光球が細い光線になって飛んでいく。数百機いた無人機が一瞬で抉られていき、都市へ続く道路上から消える......蜂の羽音のようなローター音は無くなり、周囲は静寂を取り戻していた。
「お待たせ」
バイクへ向かって、バックを背負い帽子を被った少女がこちらへゆっくり歩いてくる。
「この場合、それこっちの台詞じゃないか?メア」
「バイクは満席みたいだけど」
二人と、奥の都市をミリアは眺める。無人機たちは確かに消えた、瞬間移動とかではなく。本当にその場から消えてしまった。都市内から微かに感じていた無人機や召化兵達の気配も消えていた。恐怖を感じる暇もなく彼女の魔法で重装備の無人機が手品の様に消えている。メアの扱う魔法も存在も浮世離れしていることが世間を知らないミリアでも分かってきていた。目の前にあるオズという男も、彼女に似た何処か浮いた雰囲気を感じ取っていた。エレベーターで初めて出会った時から。彼の行動には無駄が無く、今この場に至るまで流れるように物事が進んでいたように思える。
「サイドカー今呼び出すから、それに乗ってけよ」
「ありがとう」
オズのバイクの側面にサイドカーがゆっくり輪郭から順に浮かび上がる。数分して完成したサイドカーに乗って三人は図書館へ向かっていった。___ミリアは、ずっと近くを通り過ぎていく草木や青空に浮かぶ太陽や雲を目新しそうに眺めていた。
「......」
彼は天井に当たる程山積みした紙袋を片手に抱え直して、お使い分のメモを取り出す。
___乱雑に書かれたメモを見つめていると、メモの背後......エレベーターの床に、正確に描かれた魔法陣がエレベーターの中央に現れる。オズは反射的に視線をメモから目の前に現れた魔法陣へ正確に捉える。黄金色、ちゃりちゃりと小さなネックレスを転がすような音と共に光の鎖が転送の魔法陣を描いていた。オズはため息をつき、メモを内ポケットにしまって懐に手を伸ばす。ポケットの中で安全装置を外し、ものが転送されるのをじっと待つ、外を見やっても地上はまだ遠い。
「......あ、あの」
円筒状に伸びてすぐ後霧散していった転送魔法の中には、黒いショートヘアの......技研の制服を着た女の子が現れる。オズも彼女も、一瞬状況がつかめずお互いを見つめたまま固まってしまっていた。
「......お前」
「わわ!う、撃たないでください!違います!」
続けてミリアと名乗った少女の発言から、オズは身体を強張らせる。大荷物でこちらの姿はほとんど見えていないし、拳銃も懐から出してない。気配だけで何を掴んでいるかバレていたからだ。___まるでメアを相手にしているようだ、とオズは胸の奥から妙な笑いが込み上げてくるのを感じていた___。
「お、オズ......さん、ですか?」
「......その名前で呼ぶんなら、メアに送られてきたんだな」
「本当は、違うんですか?」
「本当はオーウェンズ・コールハート」
「それでオズ......」
「そう......で、お前は?なんで僕の所に?」
オズは頭上を見上げ、広角の監視カメラが荷物で隠れているのを確認して、ほっと息を吐く。窓の外へ目を向けながら銃の安全装置を掛けてミリアの方へ顔を向けた。
「"図書館へこの子をお願い"......ってメアさんが言っていました」
「メアは君をどこから転送したんだ?」
「魔導技研の......地下駐車場です」
「まぁ、そう言う展開になると思ってたとこだよ___」
「どういう......?」
オズはそのまま監視カメラを荷物で叩き潰し、その場でしゃがんで狙撃銃を組み立てはじめる。手早く組み上げると息を止め、間隔を開けて二発放つ。瞬間、スコープを覗いていた右目の視界が吸い込まれていった。弾丸に書き加えられた視線共有魔法が発動し、オズの右目へ投影されていた。超高速で景色が背後へ伸びてゆく。その中に技研の建物を見つけ、その地下駐車場入り口へ弾丸がカーブして入っていった。2発目もそれに続いてトンネル内へ入っていき、兵士の間を縫いながら蒼い髪の少女へ弾丸が命中する。その場面を最後に、右目の投影が解除されるのを確認し、そのまま紙袋へ狙撃銃を乱雑に突っ込んだ。エレベータのガラス壁には小さな弾痕が一つだけできている。
「よし、ついてこい」
「今何を......あと、ここまだ地上じゃないですよ?」
「いいから来い、はぐれるなよ」
「......?」
二人が降りた階層は大型の衣類店だった。オズはミリアの手を引っ張りながら客の波を縫って、近場の試着室へミリアを押し込む。
「あの、オーウェンズさん?」
「オズでいい......さっきエレベーターから見えた、地上の動きが怪しいから着替えるんだ」
紙袋をいくつか降ろして、中から服や靴を引っ張り出して試着室へ放り込む。......いくらか時間が経過して中から着替え終わったミリアが出てくる。
「___よし、服、靴両方ともサイズも問題ないな、出よう」
「......なんで女の子の服を?」
「うちの主様用に買ったやつなんだよ」
「良かったんですか......?」
「緊急だからな、許してくれるだろう」
裏の階段を使って二人は地上へ出る。建物を反射して四方から日の光が差し、人の通りも多くなっていた。オズは周囲を一通り見渡すと、再びミリアを引っ張って人の波をかき分け元来たバイクの方向へ進んでいく。
「伏せろッ」
「わ!」
二人が建物の柱の陰で伏せると同時に、三機の無人機が編隊を組んで頭上を横切っていった。通り過ぎて行く無人機の側面に、技研のマークが記されているのをオズは視界に捉えて再び歩き出す。
「面倒だな」
オズはポケットから携帯を取り出して電話を掛ける。
「おい!今どこだ、すぐ返事しろッ」
スピーカー内から鎖が何かにぶつかる音や、殴るような音が聞こえた後、メアの声が聞こえてきた。
「タイミング悪過ぎるよ、これから忙しいのに......そっちは?___」
オズとメアが電話越しにやり取りしている最中、ミリアは周囲の様子を見ていた。流れになって歩いて行く人々や周囲の建物を物珍しそうに見渡すが、遠くには無人機の影が視界に映る。自分たちの様子を疑う人間や近付く無人機は今のところ居ない。......メアを目の前にした時の様な吸血欲求は不思議と湧いてこない、普通に振舞っていられる。
「よし、荷物半分持ってくれ......行くぞミリア」
オズが人の波をかき分けながら背後へ声を張る。ミリアからは渡された荷物の所為で目の前の景色も見えず、繋いでいるオズの手だけしか見えてない。真上にはめまいがしそうな程に伸びた建物の奥に青空が辛うじて見えていた。
「おい、前見とけよ、こけるぞ」
「......青空」
「なんだ?」
「......青空、初めて見ました」
途中で無人機をやり過ごすために、複雑に絡まった横断歩道前で人ごみに隠れる。進行方向は信号の光が辛うじて見えるかどうかという具合に人で溢れかえっている。
「外に出たら、図書館に着くまで嫌と言うほど見れる、今は目の前に集中しとけよ?」
「外......?」
「___まるでゲームみたいなセリフだ」
「今、なんて?」
「いや何も、行くぞ」
前方の信号が一斉に緑色に変わり、人々は再び動き出す。___反対から向かってくる人の波の中に、オズは確かな殺気を感じすぐさま拳銃を取り出し、胴体へ二発撃ち込む。
「おい君!どうした⁉」
至近距離で放たれた弾丸は、銃口に取り付けられてた消音器によって音も無く対象に命中する。撃たれた相手は声も上げずにその場に倒れ込み、近くにいた男性に声を掛けられていた。
「おい誰か救急だ!連絡してくれ、人が倒れたんだ!」
「......う、撃ったんですか?」
男が周りに声を掛けている中、横をすり抜けながらオズに話し掛ける。
「ただの麻酔弾だ、心配ない......目覚めた時には僕らはここにいないだろう」
拳銃を握っている指の隙間に、空の薬莢が二発分挟まっているのをミリアに見せると内ポケットに全て仕舞込んだ。
「まだ、誰か来ます......!」
「どこからだ?」
二人が来た道を振り返ると、さっき撃った人間と似た雰囲気の男が数人こちらへ向かていた。
「逃げましょう‼」
「分かってる、行くぞ!」
二人は都市の大通りから近くの路地へ入り、雑多に積まれたごみや貨物を倒しながら二人は奥へ駆けていく。背後からは妨害を跳ね除ける破壊音が聞こえて、上空から男がマチェットを頭上に構えて振り下ろす。
「こっちは買い物帰りだぞ、面倒だなッ」
走りながら弾倉を交換し、消音器を背後へ投げつける。消音器に描かれた魔法陣が閃光と共に爆発し、着地した男は爆炎に巻かれて一瞬姿を消す。
___熱風が遠ざかり、煙の奥から見えてきたのは人の形を模した魔法陣の塊が宙に浮いている光景だった。直後にその魔法陣を纏った無表情な男となって現れ、背後から集まった数人と合流する。
「召化兵......!」
さっき先手を打てたのは偶然か、とオズは苦笑して見せるが、相手は機械の様な動作でこちらへ近付きながらマチェットを取り出していた。
「走るぞ!」
「こっちです、ついてきてください!」
「おい!」
「建物を出たら無人機が来ます!」
「どういうことだ!」
近くのドアをミリアが蹴り破って建物内へ二人は入っていく。どこかの店の勝手口から正面出入り口へ向かって駆けて行った。
「うおッ⁉紙袋が二体走ってきて......なワケないか!なんだよお前ら!」
「ご、ごめんなさぁい!」
「すぐ出ていく!」
「裏の扉ァ!直してくれるんだろうな⁉」
「此処に電話しろ、いいな!」
驚く店主へ名刺を投げつけ、店から出てすぐ背後から無人機が三機飛んできていた。オズはローター音のする方向へ瞬時に照準し、建物陰から現れた先頭の一機に撃ち込んみ背後の二機も巻き込んで地面に墜落させる。オズの放った銃声と無人機の墜落で辺りに悲鳴が響き、人の波が次第に乱れ逃げ惑う人で溢れかえる。
「おい、なんであそこまで分かったんだ?」
前を駆けていくミリアへオズが声を掛けた。
「え......っと、気配です!感じ取りました!」
「未来予知みたいに思えるな、召化兵っていうのはみんなそんな能力を?」
「分かりません、あそこにいた時、他の人たちを見たことがなかったので」
「そうか」
いくらか長距離用の歩道橋の上を走ると、遠くにバイクを止めた駐車場が見えてきた。二人は荷物を降ろし、近くの手すりに寄り掛かって都市の外とつながる巨大なゲートを見つめる。
「......今度、自動操縦の魔法陣でも書き足そう......追いかけっこも、かくれんぼもうんざりだ」
「魔法って、そんなこともできるんですか?いいなぁ」
「あぁ......お前は?何が得意なんだ?」
「私は......何も、扱えません」
「召化兵なのにか?」
「......」
オズは彼女の肌を注視するが、さっきまで追いかけていた召化兵のように文様は見当たらない。傍から見れば普通の女の子だった。
「アイツが連れさらってきたり、金属ドアを蹴り破った時点で、普通じゃなかったんだな......荷物も、軽々持ってたし」
「自分でもびっくりしてます......けどメアさんは私のことを、人間だって」
「"自分は人間だって意思が、少しでもあるならきみは人間だよ"......ってか?」
「どうして、その言葉を?」
「あいつは昔からな___」
遠くから救護用の赤色ランプを付けた無人機が担架を吊りながら通り過ぎていく。大きなサイレンがあたりに鳴り響き、風を切って飛び去って行った。
「......まぁそれはいいさ、休憩になっただろ?行こう」
「......」
ミリアに周囲の召化兵の気配を察知してもらいながら進んだが、この辺りにはまだ来ていないようだった。それどころかバイクのある駐車場に着いても、無人機もゲート警備の人間もいない。都市の外壁が近く、周囲は日が当たっていない。
「......怪しいな」
「辺りには何も居ませんよ?」
「それが怪しい......あれだけ騒がしくしたのに此処だけ静かなのは変だ」
「......早く出ましょう、私も嫌な予感がします」
バイクのエンジンをかけて、ゲートへつながるトンネルを通って行く。対向車もない、途中にある電光板にもなんの表示もされていない。自分たちが走らせているバイクの轟音だけが前後に響いているだけだった。
「......やっぱり変だ」
「どういう、ことですか?」
バイクを急停止させて、戻れるように車体の前後を壁へ向ける。
「逃げるのに必死で記憶が曖昧だが......なんで横断歩道の途中で、召化兵に出くわしたんだ?まだ本格的に配備されてるわけでもないのにあの対応の早さだ」
「それは、どこかで見つかって___」
「それなら普通に警備のやつらが来るだろ......?」
記憶を辿っている最中に、心臓が握られるような緊張に襲われた。ハンドルを握る両手に汗が滲んでくる。
「無人機......ドローンの機種、覚えてるか?」
「魔導技研のマークが側面に書いてあって......」
「あの時、シティガードの連中も無人機も、一瞬だって見かけなかったぞ......!」
オズはバイクを急発進させ、ゲートへ向かって走らせる。ミリアが尋常じゃない力で必死にしがみついてくるのを感じたが、痛みを跳ね除けれるぐらい必死にバイクを走らせていた。
「これは大変なことになってるぞ......!」
「どういうことですか⁉」
「技研がすり替わってるんだ......都市の機能と!技研製の兵器だって追いかけてくるかもしれないぞ!」
オズが大声を張り上げた瞬間ゲート付近の詰所から大型の無人機が飛び出してきた。二門搭載された機銃が轟音を上げ、道路のコンクリートをガラスのように抉っていく。
「銃、貸してください!」
背後から手が伸びて内ポケットから銃と予備の弾倉を取り出し、オズの頭上で撃ち尽くした。
「ふんッ!」
無人機の機銃付近へ銃弾は命中し、暴発させていた。すぐに空の弾倉を取り出して無人機へ向けて勢いよく投げる。バイクがバランスを崩すほどの力で投げられた空弾倉は無人機へめり込み、電気を走らせながら機能を停止させていた。
「ミリア、銃が使えるんならもっと前に___」
「さっきのを見て、それの真似ですよ!」
「......なんでもアリだな」
ゲートをくぐり、視界が一気に開ける。それと同時に遠くから無人機の塊が暗い雲の様に向かってきていた。
「い、痛い!何ですかこれ?」
ミリアが背後で小さく飛び上がると同時に銃撃音がして、蛍光色のプラスチック弾が近くで弾けるのが視界に映ると背中がひやりとした。
「予備の銃と弾全部ください、私が落とします」
「そんなに持ってきてないぞ、ほら」
ミリアが背後を向いて銃を両手で構える。集中している意識の中に暴れ出したいくらいの興奮を覚え、感覚が研ぎ澄まされていく。引き金を引いても反動を腕の中で殺しきり、正確に無人機の制御部分へ命中させていった。薬莢が地面に触れて後方へフェードアウトを繰り返し、その音に合わせて爆発音が聞こえてくる。
「メア......お前どこにいるんだ?」
周囲がさらに開けて、エンジン音が少しだけ収まるが、背後からは変わらず無人機のローター音が蜂の群れの様に迫ってきている。ミリアは撃墜させた無人機に他の無人機を接触させてより多く墜落させようとしているが、それでも間に合わない程の量が向かってきていた。
刹那、オズの周囲に小さな金の鎖が背後へ向かって無数に飛んでいくのが見えた。鎖が伸びている道路の先へ目を向けると、見知った少女が道路の真ん中に佇んでいる。右手はこちらへ向かってまっすぐ伸び、此方へ向けられた手の平には小さな光球が次第に大きくなっている最中だった。
「ミリア、飛ばすから掴まってろ!」
進行方向へ向き直って片手でオズの体へ抱きついているが、右手だけはまだ背後の無人機へ射撃を加えている。姿勢をさらに低くしてバイクをさらに加速させてゆく。背後の無人機群が遠ざかり、一瞬で道路上の少女の横を通り過ぎた。すぐさまブレーキをかけて、来た方向へ車体を向ける。
「......」
___周囲の音が数秒消え、無人機とその背後の都市へ巨大な光球が細い光線になって飛んでいく。数百機いた無人機が一瞬で抉られていき、都市へ続く道路上から消える......蜂の羽音のようなローター音は無くなり、周囲は静寂を取り戻していた。
「お待たせ」
バイクへ向かって、バックを背負い帽子を被った少女がこちらへゆっくり歩いてくる。
「この場合、それこっちの台詞じゃないか?メア」
「バイクは満席みたいだけど」
二人と、奥の都市をミリアは眺める。無人機たちは確かに消えた、瞬間移動とかではなく。本当にその場から消えてしまった。都市内から微かに感じていた無人機や召化兵達の気配も消えていた。恐怖を感じる暇もなく彼女の魔法で重装備の無人機が手品の様に消えている。メアの扱う魔法も存在も浮世離れしていることが世間を知らないミリアでも分かってきていた。目の前にあるオズという男も、彼女に似た何処か浮いた雰囲気を感じ取っていた。エレベーターで初めて出会った時から。彼の行動には無駄が無く、今この場に至るまで流れるように物事が進んでいたように思える。
「サイドカー今呼び出すから、それに乗ってけよ」
「ありがとう」
オズのバイクの側面にサイドカーがゆっくり輪郭から順に浮かび上がる。数分して完成したサイドカーに乗って三人は図書館へ向かっていった。___ミリアは、ずっと近くを通り過ぎていく草木や青空に浮かぶ太陽や雲を目新しそうに眺めていた。
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