宝石♢男子

西神 幸徒

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第13話 ドキドキ、友達チャレンジ!

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 それからあたしとガーネットは、おいしいスイーツのお店を探したり、フードコートのあるスーパーや見晴らしのいい公園を下見したりと、おおいそがしだった。
 そのときね、たまたま見つけた町の雑貨屋さんで、かわいいシャープペンを買ったの! 
 もちろん、おソロでチトセのぶんもね!

 あたしたちなりに、いろいろがんばったわ‼︎
 あとはチトセがよろこんでくれるかどうか……ちょっと心配だけど。

「心配ないない、カナメならやれるって! そのりりしい横顔に、ほれない人類なんていないから‼︎ ああっ、オレの推しよ永遠なれ……!」
「ったく、ほれるほれないじゃないの。友達になりたいっつってんのに……けどま、いろいろ協力ありがとね、ガーネット。あたしたちの努力、決してムダにはしないわ‼︎」

 ガーネットの、ちょっとカゲキなほめ言葉に背中をおされて。
 朝のホームルーム直後、あたしは勇気をだしてチトセのグループに近づいたの!
 もちろんわかってはいたわ、そうかんたんにはいかないってことくらいね。

 あたしが近づいてきたと気づくなり、チトセのグループの女子たちが、ものすごーくいやそうな顔でこっちを見てきた。
 どっかいけってオーラがバシバシでてる……それもこれも、女子に大人気のガーネットが、あたしにべたつきまくってたのが原因なんだけどね……。
 しかし、そんなかわいいイカクごときで、あきらめるあたしではないわ‼︎

「ち、チトセ! ちょっといい?」
「はぇ……か、カナメさん‼︎ わたくしになんのようですの⁉︎」

 あたしに話しかけられるとは、思いもよらなかったみたいで。
 チトセはビクッと飛びはねたかと思うと、目をまるくしてこっちを見たの。

「ねーねーチトセちゃん、カナメさんなんてどうでもよくない? なんかムカつくし」
「そーだよ、うちらといっしょにあたらしいコスメの話しよーよ!」

「おだまりなさい‼︎」

 わっ、チトセったら、とりまきの女子たちを一言でだまらせちゃった――‼︎」
 そして意外にも、席をたち、あたしとまっすぐむきあってくれたの……!
 それがうれしくて、だけどちょっぴり緊張しちゃって、

「じつはその……これ! チトセにあげる‼︎」

 いきおいのまま、プレゼントをわたしちゃった!

「たまたま雑貨屋さんで見つけて、かわいいなって思ったから! 気にいってくれるかわからないけど……!」

 チトセは、いちご柄の包装紙がやぶけないように、そうっとつつみをあけてくれて――コロンとでてきたシャープペンを、ジーっと見つめてた。
 白いねこのマスコットがついたシャープペン。
 あたしも胸ポケットにさしていたシャーペンを、指さして見せたの!

「ほら、あたしも同じの買ったから、おそろいよ‼︎」
「カナメさんと、おそろい……っ」

 えっ、えっ、ウソ⁉︎
 チトセ、なんだかうれしそうじゃない⁉︎
 桜色にほっぺをそめて、宝物みたいにシャーペンを胸にだいてくれている。
 チトセのやさしい笑顔、はじめて見たかも――これは、友達チャンスとうらいよね!

「これ、友達のしるしに。大切にしてくれたら、うれしいわ!」

 と、思ったんだけど……あ、あれ?
 チトセの顔が、ますます真っ赤になって――⁉︎

「言ったじゃありませんか‼︎ カナメさんと友達になる気は、いっさいないって‼︎」

 き、急に怒りだしちゃった‼︎
 そのまま教室をダッシュで飛びだしちゃって……けっきょく、一時間目の授業がはじまるギリギリまで、チトセはもどってこなかった。

 ……ガックリ、はやくも失敗しちゃった。
 国語の授業のあいだ、ズーンと重い空気を背負い、絶望していたあたしだったが。

 ふと、となりの席のガーネットに、ツンと腕をつつかれて見ると。
『ド・ン・マ・イ』って、口パクしてくるんだもん。
 太陽みたいに明るい笑顔でね。ドンマイか、気にするなってことよね?
 ほんと、底ぬけにやさしいんだから……いまので元気もらったわ。
 たった一回の失敗であきらめるなんて、あたしらしくないわよね!

 つぎは体育の授業のとき、

「いっしょに準備運動のペアくまない?」

 って、さそってみたんだけど。

「へ? か、カナメさんとわたくしがペアだなんて……まだはやすぎます‼︎」

 はやすぎる……とは? よくわからないけど、はっきりことわられちゃった。
 けど、まだまだ‼︎ だめならつぎ、放課後よ‼︎
 帰りのホームルームのあと、ソッコーでチトセをよびとめた! よし‼︎

「あのね、チトセ! あたし、すっごくおいしそうなアイスクリーム屋さん見つけたの。もしよければ、これからいっしょにいってみない?」
「アイスクリーム屋さん⁉︎ か、カナメさんと……い、いきませんから‼︎ どうせまた『友達どうしで』とか、言いだす気なのでしょう⁉︎ その手には絶対のりませんから‼︎」
「そんな、でもあたし――っ」
「何度も言わせないでくださる⁉︎ わたくし、カナメさんと友達になる気はいっさいないのですわ‼︎」

 教室をでていくチトセの背中を、なすすべなく見送って……あたしはうなだれた。
 これで、がんばって計画した友達チャレンジはおしまい。

「なんでそんなに、あたしと友達になるのがいやなのよ……」

 ちゃんと言葉にしてくれなきゃ、ぜんぜんわからないんだから――っ。


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