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第1章

同期の入部とスコアブック

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やがて、私の同期の部員が入ってきた。
新入生らしき人がグラウンド入口に来ると、ヒトミ先輩と走って勧誘に行く。
グラウンドはラグビー部、ソフトボール部と共用だったため、走っている最中にラグビー部に行かれて撃沈、ということもあった。(当時はドラマ「スクール・ウォーズ」が大ヒットした後だったのだ)

野球部に来た1年生は陸上部や水泳部出身の野球初心者で、すぐにレギュラーになれるかな、と期待してきた人や、中学野球部のキツい上下関係に疲れ、軟式で人数が少なければ、楽しい野球ができるかも!と期待してきた人など総勢6人だった。

しかし、OBの厳しい指導などの現実を味わい、早々に退部していく人が多数出ることになるのだが。。

私は私で、1年生の間でちょっとした話題になっていたようだ。
「あの野球部にマネージャーが入ったらしいぞ。どこのどいつだ、そんな物好きは。」
とささやかれ、実際にクラスにのぞきに来た人もいたと聞いた。

人数が揃い試合ができるようになった。
いくつかの練習試合をこなしたあと、春の大会になった。
私も先輩に教わりながらスコアブックをつける練習をした。

攻撃のとき
カキーン!あっ打った!あ、落とした。「E」と書き込む。
すると打った部員が、「これ、ヒットだよ」と囁く。「あ、すみません。。」

カキーン!あっ、打った!高く上がってあ、捕られた。
「フライ」のマークを書き込む。
すると部員が、「さっきのライナーだよ」
と囁く。「あ、すみません。。」

守備のときは
打たれた!捕った、いや落とした、セーフになっちゃった
「E」エラーのマークを書き込み、
また来るかなー、と思っていると
やっぱり来た来た
「あれは強襲ヒットだよ」

他にもワイルドピッチかパスボールか、
数をこなしても、なかなかみんなの納得するスコアにはならなかったが、スコアつけはあっという間に覚えていくことになった。

 中学時代、交換日記をしていた女友達のヒロコとは違う高校に行ってからも文通を続けていた。ヒロコは女子高、テニスの才能があった。互いに、自分の学校で起こった面白い話を手紙に書いて送っていた。「女子高は気を使わなくて楽しい!教室で鼻もかめるんだ!」と女子高楽しいをアピールする彼女に、私も野球部での刺激的な毎日を書き送っていた。
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